圧倒的な映像美と感動の物語(アニメのレビュー)
『鬼滅の刃』は、2019年に放送された大ヒットアニメである。原作は吾峠呼世晴による同名の漫画で、『週刊少年ジャンプ』で連載された。物語は家族を鬼に殺された少年・炭治郎が、唯一生き残った妹・禰豆子を人間に戻すために、鬼狩りの剣士として戦う姿を描く。
『鬼滅の刃』の最大の魅力は、圧倒的な映像美である。アニメーション制作を担当したのは、ufotableというスタジオで、劇場版や『Fate』シリーズなどで知られる。ufotableは、3DCGと手描きの絵を巧みに融合させて、迫力あるアクションシーンや美しい背景を表現する。特に剣士たちが使う呼吸の技は、水や炎などの自然の要素をモチーフにしたデザインで、目を見張るものがある。音楽も素晴らしく、劇伴は澤野弘之が手がけ、主題歌はLiSAや紅白出場のYOASOBIなどが担当した。
映像だけでなく、物語も感動的である。炭治郎は、家族を失った悲しみを乗り越えて、仲間とともに成長していく。鬼との戦いは命がけであり、時には犠牲も出る。しかし炭治郎は、鬼にも人間としての心を見出そうとする。鬼は、かつては人間だったが、鬼になることで苦しみや憎しみに囚われた存在である。炭治郎は鬼を斬るときにも、その過去や想いに寄り添う。その姿には、人間の優しさや哀しみが感じられる。
『鬼滅の刃』は、映像美と感動の物語で多くの人々を魅了したアニメである。2020年には劇場版が公開され、歴代興行収入1位の記録を打ち立てた。2021年には続編のテレビアニメが放送されている。