白布賢二郎（ハイキュー!!）の徹底解説・考察まとめ

川渡瞬己（かわたび しゅんき）

川渡瞬己は、『ハイキュー!!』の登場人物で、和久谷南高校バレーボール部の3年生。ポジションはウィングスパイカー。和久谷南時代は、主将でウィングスパイカーの中島猛（なかしま たける）とコンビを組んで、和久谷南を春高準々決勝まで導いた。川渡は、白布のいた豊黒中学校のバレーボール部に所属していた。白布より1学年上でウィングスパイカーをしていた川渡は、白布のトスでスパイクを打っていたのだ。当時から髪型は変わらず「パイナップルヘッド」であった。

白布賢二郎の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「牛島さんに頼ることだけが俺の仕事じゃない」

白布は一見目立たないセッターで、選手層の厚い白鳥沢学園内では、「3年生セッターの瀬見英太の方が上手い」とか、「なんでセッター瀬見さんじゃないのか」などという声も聴かれる。そういう空気の中、2セット目の重要な場面でツーアタックを決めた白布は、チーム内からよくやったと評価された。コーチは満面の笑みを浮かべ、瀬見は「やるじゃねーの」と呟いた。白布は牛島に憧れて、猛勉強の末、一般入試で白鳥沢学園に入学してバレー部に入部した強者だ。圧倒的にかっこいい牛島にトスを上げることに喜びを覚えている。今回のツーアタックで、白布は「牛島さんに頼ることだけが俺の仕事じゃない」と言い、セッターとしてのプライドを見せた。

「今のは単なるミスではないんです」

白鳥沢が1セット先取し、迎えた2セット目は30点越えの大接戦となった。レシーブやブロックのワンタッチなどで粘る烏野に苛立つ白鳥沢学園の選手たち。セッターの白布も「うちのスパイカーに道を空けろ」とイライラしていた。月島は「ほんの僅かいらだちと焦りを含んだ綻びをまってたよ」と言い、白布のトスがほんの少しだけネットに近く低かったところを見逃さず、打つコースを読み、ドシャッとブロックを決めた。この大きな1点で烏野は2セット目を取り返す。白布は、鷲匠監督に呼ばれ「その顔は自覚している顔だな」と言われ、選手たちの元へ戻る。大接戦の2セット目を烏野がとって流れが持っていかれたことや、白鳥沢学園の大エース・牛島に嫌な印象を残してしまう1点だった。白布は「今のは単なるミスではないんです」と言い、自分の頬を両手で打ち気合を入れなおす。そして烏野につられて速くなっていたペースを戻し、白布は焦ることなく白鳥沢のペースに戻した。白布の根性には、3年生の牛島や天童も言葉が出ないほどだった。

「一番かっこいい！あんな戦い方をしてみたい！」

白布が中学生のころ、宮城県内の決勝は、白鳥沢学園中学校と北川第一中学校の戦いになることが多かった。北川第一は、スピードを生かした攻撃や及川と岩泉のコンビネーションなど、巧みな戦い方で華やかに見えた。しかし、白布は思ってしまった。優れた技術も、数人がかりの連携も全部ねじ伏せる、白鳥沢の怪童・牛島の高さとパワー。「一番かっこいい！あんな戦い方をしてみたい！下手したらオープントスだけで勝ってしまうような戦い。それはもはやセッターの余分な意思主張は必要のないバレー。俺、白鳥沢へ行く。強い連中らが集まるところへ、強いバレーをやりに行く」。白布は、自分の考える「一番かっこいいバレーボール」を白鳥沢学園でプレーする夢を叶えたのだ。

「俺にとっての一番かっこいいバレーはコレだ」

烏野戦セットカウント1-1で3セット目を迎えたとき、白布ははじめて白鳥沢学園に入学しようと決めた場面を思い出していた。白布の通っていた豊黒中はそこそこ強いチームで、白布はそこでセッターをしていた。自分たちが中学生のころ、及川・岩泉の率いる北川第一と牛島擁する白鳥沢学園の試合を見て、高さとパワーで相手をねじ伏せる牛島のスパイクを見て、白布はスポーツ推薦も来ていない白鳥沢学園に入学しようと決意したのだ。「俺にとっての一番かっこいいバレーはこれだ」と言い、牛島に絶妙なトスを上げ強烈なスパイクが決まる。今現在、白布は当時の夢を実践できている喜びを実感した。

「誰よりも目立たないセッターに俺は成る」

2セット目最後、苛立ちから小さなミスで1点を失い、セットを落とした白鳥沢学園。白布は焦りから、少しネットに近く低くなってしまったトスを後悔したが後の祭り。セッターはチームの司令塔で、オーケストラでは指揮者のような存在だ。白布は、烏野につられて速くなってしまった攻撃を、白鳥沢のゆったりとしたペースに戻し、3セット目最後は大エース牛島のスパイクで締めくくった。白布はこうして白鳥沢学園のセッターを無事に務めているのだ。中学生のころは速攻なども沢山交えて攻撃を組み立てるセッターだったが、白鳥沢に入ってからは白鳥沢学園のコンセプトに合うセッターとして生まれ変わった。「誰よりも目立たないセッターに俺は成る」というのは、高さとパワーのある強力なスパイカーを100％生かせる「（プレーについて）自己主張の少ないセッター」が白鳥沢学園には必要だということだ。

白布賢二郎の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

レギュラーの中で唯一スポーツ推薦ではない白布

白布は2年生セッターで、選手層の厚い白鳥沢学園のれっきとしたレギュラーだ。中学生のときは、そこそこ強い豊中でセッターをしていた。バレーボールが好きで、他者を圧倒する高さとパワーでスパイクをガンガン決める牛島に憧れて、一般入試で白鳥沢へ入学してバレーボール部に入った。中学校の同級生情報では、元々白布は学力が高かったとのことだが、「強いバレーをするため」に猛勉強して同校へ入学した根性の持ち主だ。しかも、3年生のセッターである瀬見英太のような、スポーツ推薦で入った優秀な選手を差し置いて、2年生で正セッターの座に就いている。牛島若利や大平獅音、五色工のような強力なスパイカーを邪魔せず生かせる、個性を封じるような「目立たない」白布のトス回しが白鳥沢学園のコンセプトに一致したのも大きいが、スポーツ推薦でない白布が、コツコツ努力して白鳥沢学園でレギュラーを勝ち取ったど根性も素晴らしい。

豊黒中でコンビを組んでいた白布と川渡

白布は豊黒中学校バレーボール部でセッターを務めていた。19巻61頁には、和久谷南でウィングスパイカーをしている「パイナップルヘアー」こと、1学年上の川渡瞬己とコンビを組んでいたシーンが描かれている。和久谷南高校といえば、宮城県内の「小さな巨人」といわれた、同じく3年生のウィングスパイカー・中島猛（なかしま たける）のいる県内ベスト8の成績を残したチーム。中学生のときの白布を「豊黒のセッター上手いよな」という観客席の声も聞かれる。