宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち(アニメ・小説)のネタバレ解説・考察まとめ

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』とは日本にSFブームを巻き起こす先端となった『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品にあたる『宇宙戦艦ヤマト 2199』の続編である。
時に西暦2202年、宇宙戦艦ヤマトの活躍により青い姿を取り戻した地球はガミラスと平和条約を結び、復興の一途を辿っていた。そんな中、戦力増強に舵を切る地球連邦軍に不満を抱いていた旧ヤマト乗組員たちに女神テレサからのメッセージが届く。今再び、全宇宙の命運をかけてヤマトは旅立とうとしていた。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の概要

『宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち』は2017年より放送されたSFアニメーション。この作品は2012年~2014年に渡り放映された『宇宙戦艦ヤマト 2199』の続編にあたる作品であり、完全新作アニメーションとして公開された。

時に西暦2202年、宇宙戦艦ヤマトの活躍により青い姿を取り戻した地球はガミラスと平和条約を結び復興の一途を辿っていた。そんな中、戦力増強に舵を切る地球連邦軍に不満を抱いていた旧ヤマト乗組員たちに女神テレサからのメッセージが届く。今、地球の運命は大きく動こうとしていた。

監督は『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 ディレクターズカット』にてアニメーションディレクターを担当した羽原信義、シリーズ構成・脚本に『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の福井晴敏を起用。 ヤマトシリーズの顔とも言える音楽は旧シリーズの音楽担当であった(故)宮川泰とその実子である宮川彬良が担当している。モチーフとなるのは、1978年に公開され、日本全土を熱狂させた劇場用映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(以降『さらば』と略)。 その壮絶なる物語を、新たな解釈と装いで現代に甦らせるというコンセプトで作成された。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』のあらすじ・ストーリー

第一章「嚆矢篇」

時に西暦2022年、ヤマトがイスカンダルから持ち帰った「コスモリバースシステム(旧名:コスモクリーナー)」によって元の青い姿を取り戻した地球は、敵国であったガミラスと同盟を結び復興の一途を辿っていた。そんな地球政府の推し進める「波動砲艦隊構想」に対し、旧ヤマト艦長の沖田十三がイスカンダルと交わした"波動エネルギーの平和利用"という約束を知るヤマト乗組員たちは疑念を抱く。
一方宇宙では大帝ズォーダーが率いるガトランティス帝国と地球・ガミラス連合軍との戦争が起きていた。古代と真田の協力によって地球の窮地を救った旧ヤマト乗組員たちへ、様々な星で伝説として伝わる存在"テレサ"からコスモウェーブによる死んでいった親しい人間の幻想という形でメッセージが送られる。彼らに再び選択の時が迫っていた。

第二章「発進篇」

初代ヤマト艦長であった沖田とイスカンダルの女王スターシャとの"波動エネルギーの平和利用"という約束を受け継ぐ古代は旧ヤマト乗組員を代表して、ガミラスの将校キーマンの招待に従い月面大使館のバレル大使と面会を果たす。古代はそこで文明の頂点を極めたとされるテレザート星と全ての平安を願い続ける女神テレサの物語を聞き、自分たちに向けられたメッセージの意味を知った。地球に戻った古代はキーマンに連れられて「コスモリバースシステム」が生み出した時間が十分の一で進む世界 "時間断層" とそこで建造される波動砲艦隊の存在を目撃することとなる。テレサのメッセージに応えようとするも発進の許可を得ることができなかった旧ヤマト乗組員は改めて地球連邦軍の方針に疑問を抱き、反逆を覚悟でテレザートへ出航するのだった。
最新鋭戦艦アンドロメダなど地球連邦軍の追撃を掻い潜ったヤマトはガミラスの政治的な働きかけを受けて正式に航海を認められる。一方そのころ、太陽圏に侵攻したガトランティス先遣部隊によって第十一番惑星で大規模な戦闘が起こっていた。SOSを伝えるために脱出してきた空間奇兵隊の永倉を回収したヤマトはその求めに応じて十一番惑星への救出作戦を実行する。

第三章「純愛篇」

十一番惑星でガトランティスの攻撃を間一髪で凌いだヤマトの頭上に、おびただしい数のガトランティス増援艦隊が到着する。十一番惑星で生存が確認されていた土方や空間奇兵隊の斎藤、民間人の桂木を収容したヤマトは人工太陽を破壊することで危機を脱しガトランティス艦隊を殲滅することなくテレザートへ向けて発進した。一方で沖田の約束と波動砲を使わざるを得ないという葛藤に苦心した古代を見かね、他の船員たちに匿われていた婚約者の雪が姿を表す。
民間人を地球へ護送するため、ガミラス艦と合流を図ったヤマトはガミラス革命軍との戦闘に巻き込まれた。その間、宇宙全体に人型文明の種を蒔いたとされる古代アケーリアス文明の遺跡でズォーダーとの対面を果たした古代は地球に接近している白色彗星がガトランティスの母星であると知る。地球防衛軍からはテレザート星の捜索続行の指示を受け、ヤマトは再度テレザートへの航路についた。

第四章「天命篇」

ヤマトと戦うため、ガトランティスに身を置いていたガミラスの旧総統デスラーが動き出した。ガトランティス人のミルとヤマトのスパイとして潜り込んでいたシファル・サーベラーこと桂木透子によるコスモウェーブを利用して一方的に攻勢を続けるデスラーであったが、彼の真の目的はヤマトの撃破ではなくガトランティスとの交渉にあった。
デスラーの猛攻から逃れたヤマトはガトランティスの母星である白色彗星との遭遇戦を乗り越えテレザートへの上陸作戦を開始する。テレザートの守備を務めるゴーランド艦隊の攻撃によって窮地に陥ったヤマトはテレザート上陸作戦を成功させるため、波動砲を使用する覚悟を決めこれを撃破。さらには空間騎兵隊隊長、斎藤の活躍によって地上のザバイバル陸戦師団をも倒し、ついにテレザートの女神テレサとの邂逅を果たした。

第五章「煉獄篇」

伝説の惑星テレザートへと到達したヤマトを待っていたのは、女神テレサだけではなかった。ガミラス本星におけるヤマトとの戦闘で"自国の民を手に掛けようとした男"と揶揄されるデスラーであったが、その実は反乱した軍の粛清とイスカンダルを救うための行動であったこと、ガミラス星の星としての寿命が残りわずかであったことが語られる。デスラーの真の目的は大帝ズォーダーの欲すテレサを交渉材料にガミラス民族が移民可能な惑星を発見または創造することにあった。
デスラーの無事を知ったキーマンは自身の本当の名がランハルト・デスラー(総統デスラーの甥)であることを告げ、兼ねてから用意していた反波動格子を利用してヤマトの波動エンジンを停止、古代に引き金を引いた。しかしキーマンの本当の狙いは民主化の進むガミラス星に残った総統派指導者の正体を暴くことだった。目的を果たしたキーマンと共に脱出した古代たちはヤマトへ帰還、地球への帰路についた。
一方でガトランティスの地球侵攻が本格化し土星付近では地球の波動砲艦隊とガトランティス艦隊との戦闘が激化していた。キーマンが仕込んだ反波動格子を利用した強化型波動砲、トランジット波動砲による白色彗星の撃破を狙うヤマトであったがガトランティスの謀略によって再度波動エンジンが停止、白色彗星に吸い込まれてしまう。

第六章「回生篇」

波動砲艦隊の壊滅と最後の希望であったヤマトが沈み為す術を無くしたかに見えた地球であったが、強力な波動防壁を展開するヤマト級戦艦"銀河"とガミラスのワープ阻害フィールドによって持久戦を目論む。
非人道的な作戦が繰り広げられる一方で、ヤマトは偶然にも白色彗星内にあったガトランティス誕生の星、惑星ゼムリアに不時着していた。その地を調査する中で、ヤマトは“人造兵士ガトランティスを構成する人工細胞を死滅させる”力を持つ、古代ゼムリア人が残した制御装置「ゴレム」の存在を知る。ガトランティスによるゼムリア星崩壊を利用して発進したヤマトは山南の乗るアンドロメダに救出され、銀河から物資の供与を経て復活を果たした。
白色彗星への決戦へ向うヤマトであったが、その前にデスラー総統が立ち塞がった。デスラー砲をワープで凌いだヤマトは白兵戦を仕掛ける。激化する戦闘の中、古代と過ごした記憶を失ってしまったにもかかわらず身を挺して彼を庇った雪の姿をみて、ズォーダーの後継者であるミルはそこに愛の存在を認め、人類を滅ぼすのは早急に過ぎるとして和平を考える。しかし、ミルがズォーダーに意見を述べている中、不幸にもガミラス兵によって射殺されてしまった。

第七章「新星篇」

デスラーとの戦闘を終えたヤマトは白色彗星との最終決戦に臨む。ヤマトはトランジット波動砲を使用し、白色彗星を構成する「宇宙のあらゆる生命を滅ぼす古代アケーリアス文明の遺産」こと"滅びの方舟"へ大打撃を与えた。戦争を終結させるため、"滅びの方舟"の管理者であるサーベラーの複製体である桂木の協力を得て、ヤマトは都市帝国中枢へ向かう。
多くの犠牲と引き換えに都市帝国への侵入に成功した古代たちであったが、その努力も虚しく、ズォーダー自身の手によって「ゴレム」は破壊され、"滅びの方舟"は暴走を始めた。
キーマンと斎藤の犠牲を以っても"滅びの方舟"を止めることができなかったヤマトは最後の手段として一人でも多くの人類を避難させるため、特攻を決意する。最後に残った古代と雪を乗せたヤマトはその暴走する波動エンジンによって女神テレサを呼び出す器となり、"滅びの方舟"とともに次元の彼方へと消えていった。半年後、突如として時間断層に現れたヤマトは、その時間断層の消滅と引き換えに古代と雪を救出し地球へ帰還した。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の登場人物・キャラクター

ヤマト

古代進(こだい すすむ)

古代進
宇宙戦艦ヤマト2202 第六章参照

CV:小野大輔
7月7日生まれ・かに座、24歳。ヤマト戦術長。
イスカンダルへの航海で旧ヤマト艦長であった沖田を慕っており、「たとえそれが命令であったとしても、間違っていると思ったらそれを正す勇気も必要だ」という沖田の言葉に従って行動するシーンが度々見受けられる。同様の理由から、沖田がイスカンダルと交わした「波動エネルギーの平和利用」という約束を守ることを固く誓いつつ、かつてない強敵を前にして波動砲を使わざるを得ない状況にたびたび追い込まれ、その都度苦悩を募らせていった。
一方で最後までミルに対し「引き金を引かない」と宣言するシーンや、最後までズォーダーとの対話を望んでいた姿勢から、どこまでも理想を追い求める強い姿が描かれていた。

森雪(もり ゆき)

森雪
宇宙戦艦ヤマト2202 第三章参照

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