アルカ＝ゾルディック／ナニカ（HUNTER×HUNTER）の徹底解説・考察まとめ

アルカ＝ゾルディックの概要

アルカ＝ゾルディックとは、冨樫義博の作品『HUNTER×HUNTER』に登場する伝説の暗殺一族「ゾルディック家」の第四子である。兄のキルアには妹として可愛がられており、2人で世界を旅行している。人類未開のタブー地域「暗黒大陸」から持ち込まれた、五大厄災の1つである「ガス生命体 アイ」を有しており、その影響で願いを叶える能力が備わっている。アルカの「おねだり」を3つ応えてあげると、アルカは「ナニカ」という別人格になり、こちらの「お願い」を1つ叶えてくれる。その強大な能力ゆえに、家族からは人ではなく機密物として扱われている。普段はごく普通の優しい女の子の性格だが、前の人物がアルカに大きな「お願い」をしていた場合、「ナニカ」に変化していなくても、アルカは別の対象者に「肝臓ちょうだい」といった残酷な「おねだり」をすることがある。普段は黒髪、人の顔が描かれたカチューシャやアクセサリーをつけている。全体的にアジアの民族衣装の様な出で立ちをしている。

アルカ＝ゾルディックのプロフィール・人物像

CV：内田真礼（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：11歳
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：不明

暗殺者として育てられ、殺人に躊躇の無い冷酷な一面を持つ他の兄弟とは違い、アルカは純粋無垢な女の子の性格をしている。自分のことを妹として可愛がってくれるキルアの事が大好きで、それはナニカに変化した後も変わらない。キルアへの思いやりが強く、最年長の屋敷執事・ツボネがキルアに外出時の禁止事項について詰め寄っていた際、アルカは「お兄ちゃんをイジメちゃダメよう！！」と怒った。妹として単に従順なだけではなく、キルアがゴンに過去の発言を謝らせていた時には「お兄ちゃん！」とその行為を窘める様子も見られた。しかしナニカの「おねだり」が発動すると、ナニカに変化していなくてもアルカにその性格が反映され、対象者に「小指の爪ちょうだい」といった残酷な発言をする事がある。また、アルカは自身に内在するナニカの存在を認識しており、大事に想っている。キルアがアルカを自由にするため、ナニカに対し「もう二度と出てくるな！！」と命令した際、アルカは泣いて怒った。ナニカもキルアの事が好きで、「キルア」と呼んでいる。

アルカ＝ゾルディックの能力

ナニカ：願いを叶える能力

戦闘能力は殆ど無いが、暗黒大陸から持ち込まれた「ガス生命体 アイ」を有しているアルカは、他者の願いを何でも叶える能力を持っている。能力発動時、アルカはナニカと呼ばれる別人格を発現させ、他者から聞いた願いを実現させる。治癒の願いを叶える際には、対象物に直接触れないと治せない。
一見すると万能な能力だが、その分リスクも大きく、願いを叶えてもらうにはクリアしなければならない条件がある。ナニカはアルカの体を通して「おねだり」を要求する。この「おねだり」を受ける対象者は、アルカが名前を知っている人物に限定され、タイミングもランダムだ。アルカが誰かに「おねだり」している途中で、別の誰かに「おねだり」することは無い。そして「おねだり」に3回応えてあげると、対象者はナニカに願い事を伝える事ができる。
また、同じ人間がアルカに連続して「お願い」はできない。

「おねだり」と「お願い」のルール

この「おねだり」の難易度は、前の対象者の「お願い」のスケールの大きさによって変化する。例えば前の対象者が「億万長者になりたい」といった大きな「お願い」をすれば、別の対象者がその代償としてナニカから「背骨ちょうだい」等の達成困難な「おねだり」を受ける。そしてナニカの「おねだり」を4回連続で断れば失敗とみなされ、対象者と「対象者が最も愛していた人物」が同時に死亡する。それに加えて「おねだり」の達成難易度が大きければ、失敗時の被害は「対象者と長い時間を共に過ごした人」まで及び、順番に死亡する仕組みとなっている。

この様に高いリスクが伴う能力だが、対象者に何かを治す「お願い」をされた後のナニカは、残酷な「おねだり」を一切しない。また、達成困難な「おねだり」に対する回避方法が無いわけではない。ナニカの「おねだり」が対象者以外の別の人物に移ることは無いため、達成困難な「おねだり」をされた場合、ひとまずナニカから距離を置けば失敗を防ぐことができる。しかしその道中で対象者が死亡した場合でも「おねだり」の失敗とみなされ、最低でも対象者と「対象者が最も愛していた人物」の2人が死亡する事になる。そして対象者が死亡すると、「おねだり」の難易度はリセットされ、達成しやすい簡単な内容に戻る。

また、結果的に叶える「お願い」が1つなら、条件付けで複数の「お願い」ができる（例：Aなら○○して、Aでなければ××してほしい）。

キルアだけの特別ルール

以上の事に加え、ナニカのお気に入りであるキルアにだけ通用する特別なルールがある。かれだけがナニカに対して「命令」できるのだ。
キルアが「イルミを家まで飛ばせ！！」といった命令口調でナニカに「お願い」をした場合、ナニカはアルカの体を通して「いいコいいコしてー」とキルアに簡単な見返りを求めるだけで、別の誰かに「おねだり」をすることはなかった。つまりキルアの命令なら、ノーリスクでナニカに「お願い」を実現してもらうことが可能なのだ。基本的に対象者は、ナニカに連続して「お願い」をすることは出来ないが、キルアだけは何度も「お願い」をすることが出来る。
「命令」する時のキルアの口調は「～しろ」と命令形になっている。

アルカ＝ゾルディックの来歴・活躍

恐れられた幼少期

幼少期、アルカはゾルディック家の敷地内で屋敷執事のミツバと過ごしていた。ミツバは、アルカの遊び相手としてダッコやオンブなどの「おねだり」を聞いてあげる。アルカは3つ目の「高い高いしてー」の「おねだり」に応えたミツバに持ち上げられた。その瞬間、アルカの眼球は黒く染まり、ナニカに変化した。得体の知れない現象に驚いたミツバは、アルカの母親であるキキョウに連絡を取るが、側にいたキルアが手助けに入った。ナニカは、キルアの「高い高いして」という願いを叶えるとアルカへ戻った。一連のアルカの異変を知った父親のシルバとキキョウは、アルカには願いを叶える能力が備わっているとキルアから教えてもらう。

それを聞いたキキョウは検証として、ミツバにアルカの「おねだり」を全て断る様に命令した。アルカはいつも通りミツバに「アクシュしてー」や「オンブしてー」といった何気無い「おねだり」をする。ミツバはそれを全て拒否した。そしてアルカは、4回目の「おねだり」である「タカイタカイしてー」を断ったミツバをその場で捻り潰して殺害。同時刻、ミツバが愛していた人物のハサムも死亡。この一件を機に、ゾルディック家一族のアルカに対する見方が変わり始める。続いて屋敷執事のヤスハに3つの「おねだり」を応えてもらったアルカは、ナニカに変化した。そしてヤスハの「億万長者になりたい」という「お願い」を聞き入れ、上空を飛んでいた現金輸送船から大量の札束の雨を降らした。この一件を聞きつけた他の屋敷執事とイルミは、アルカと屋敷執事のカスガを部屋に閉じ込め、ナニカの能力を知るために第2の検証を始める。

イルミがカスガに課した命令は、アルカの「おねだり」を全て断るといもの。「億万長者になりたい」という大きな「お願い」を叶えた後のナニカは、その代償としてアルカの体を通し、「肝臓ちょうだい」といった残酷な「おねだり」をした。その後もイルミはナニカの能力の法則を明確にするため、6回もの検証を行った。その中でナニカはヤスハの他に、次男のミルキの「オレの代わりにこいつ殺して」という大きな「お願い」を実現させている。大きな「お願い」を叶えた後のナニカは、「おねだり」を断った対象者を「対象者が最も愛していた人物」だけでなく、「対象者と長い時間を共に過ごした人」まで巻き添えにして殺害していたことが後のゾルディック家の調査で判明。一族からナニカの能力を恐れられたアルカは、機密物として屋敷奥の部屋に幽閉され、外部との接触を禁じられることになった。

家族内指令（インナーミッション）

自然豊かな「くじら島」で育ったハンターのゴンは、第一級隔離指定生物「キメラ＝アント」の直属護衛軍・ネフェルピトーを倒すが、瀕死の重傷を負った。キルアはゴンを治すため、アルカの力を借りようとゾルディック家に帰宅。シルバの了承の元、屋敷奥に幽閉されていたアルカはキルアとの再会を果たした。アルカはキルアに遊んでもらう中で「おねだり」を行い、キルアはそれに応える。3回の「おねだり」を達成したキルアは、ナニカに変化したアルカを抱えると、監視中の家族にアルカを外に出したいと申し出た。反対する家族に対しキルアは、30分以内に現在地の山から下りられなければ、母親を殺害するようにナニカに伝えた。このキルアの行動によってアルカは、部屋から出て、執事長であるゴトーとカナリアの監視付きでの外出を許された。ナニカを危険視しているシルバは、最年長執事であるツボネと、その孫娘のアマネをアルカの監視役として寄越した。

するとアルカは突然、ツボネに「小指の爪ちょうだい」と「おねだり」をする。その場に戦慄が走るが、ツボネは微笑みながら小指の爪を剥がし、アルカに渡すと姿を消した。ツボネは、「おねだり」の対象者が別の人物に移ることは無い、というルールを利用し、キルアのアルカへの「お願い」を一時的に制限する思惑だ。そしてアルカ達五人は、車でゴンの入院する病院へと向かう。その道中キルアは、イルミからの連絡により、現在の状況がアルカを巡って一族それぞれの思惑が交錯する「家族内指令（インナーミッション）」下にあることを把握。その次の瞬間、アルカを乗せた車に対し、イルミによって操られた人間が運転するトラックが突っ込んできた。アルカはキルアに抱えられ執事達と共に森林へ落ちていく。森林の中でイルミの殺気に気づいたキルアは、高速で移動できる能力「電光石火」を発動し、アルカを抱えてその場を離れた。執事とイルミを振り切った先でアルカは、キルアと一緒にいることが嬉しいと話す。和ましい雰囲気の2人だったが、アルカは何者かの視線に気づいたキルアによってひとまず場所を移される。

その後、飛行船を使ってイルミやツボネ、執事達をまくことに成功したアルカとキルア。そして屋敷執事のヒシタはキルアが指定した森の奥地に車を止めていた。アルカは、キルアと共にヒシタの車に乗り込むが、ヒシタもイルミに操られていた。外にはイルミと彼の操り人間が佇み、2人は完全に包囲される。イルミは、キルアを尾けていたツボネの丸眼鏡を通して先回りしていたのである。イルミはナニカの「おねだり」による被害を抑えるため、キルアに正しい手順でナニカに「お願い」するように詰め寄った。ツボネが現れたことにより、ナニカの「おねだり」が再開し、アルカは「中指の爪ちょうだい」と申し出る。そしてツボネはアルカの「おねだり」を3回クリアし、尾行されたお詫びとしてキルアにナニカへの「お願い」の権限を与えた。そしてナニカは、キルアの命令でツボネの爪を元通りにした。そしてキルアは見返りにアルカの頭を撫でてあげた。ナニカの能力を危険視しているイルミに「ナニカに何かを治す『お願い』をした後は残酷な見返りはない」というルールを見せつけたのだ。アルカに「お願い」をすることでキルアに被害は及ばないと判断したイルミは、その場を立ち去った。アルカはキルアの機転によって危機を免れたのだ。

ゴンの治癒

キルアは、ネフェルピトーとの戦闘で瀕死の重傷を負ったゴンを治すにあたり、ゴンと一緒の病院で入院しているキメラ＝アント討伐部隊のモラウにゴン専用の病室を建てるように頼んでいた。その理由は、アルカの能力を隠すためである。アルカはキルアとアマネと共に、病院の大きな駐車場の真ん中に設置されたゴン専用の病室に車で辿り着いた。病室内のソファで眠りから覚めたアルカは、友達のゴンが病気で寝ているとキルアから聞かされる。アルカはキルアと2人きりになった事を喜んでいた為、ナニカに変わる事に乗り気ではなかったが、渋々と受け入れた。

そしてナニカに変化すると、キルアに手を繋がれながら意識不明のゴンと対面する。キルアからゴンを治すよう「お願い」をされたナニカは、ゴンの手を求めた。何故なら、何かを治す際は対象物に直接触れる必要があったからだ。キルアはシーツからゴンの負傷した手をとると、ナニカに触れさせた。するとナニカの治癒能力が発動し、建物には凄まじい圧力がかかった。その威力は、周辺の街にまで及ぶ程である。その後、負傷したゴンを完治させた反動で眠るアルカの元へ、ナニカの能力の支配を目論むイルミが突如として現れた。ナニカはキルアによって起こされ、キルアの命令によってイルミをゾルディック家まで瞬間移動させ、窮地を免れた。

アルカ＝ゾルディックの関連人物・キャラクター