マーガレット（ペルソナ4）の徹底解説・考察まとめ

P4主人公／番長

本作の主人公。ゲーム内での決まった名前は存在しないが、PS2版『ペルソナ4』の説明書の「名前入力」の説明欄には「月森孝介（つきもり こうすけ）」という名が記載されている。またコミカライズ版は「瀬多総司（せた そうじ）」、アニメ版は「鳴上悠（なるかみ ゆう）」という名がつけられている。愛称は「番長」である。様々なペルソナを使いこなしながら、「自称特別捜査隊（略：特捜隊）」のリーダーとして、八十稲羽市で起きる連続殺人事件の事件の真相を探っていく。
マーガレットとは、「お客人」としてベルベットルームに訪れた際に知り合う。普段は新ペルソナの製作や召喚等の手伝いをしてもらっているが、物語がある程度進んだ辺りで、マーガレットからの個人的な依頼を受けるようになる。その事をきっかけに、少しずつ「お客人」としてではなくP4主人公個人としての絆をマーガレットと育んでいく。

イゴール

不思議な青い部屋・ベルベットルームの主。『ペルソナ』シリーズ全作品に登場しており、ペルソナ使いである主人公達（『ペルソナ3』以降は複数のペルソナを所持する事ができる「ワイルド」、「トリックスター」と呼ばれる力を持つ各作品の主人公のみ）の手伝いをする役割にある。新たなペルソナの召喚等、ペルソナにまつわる様々な事を行ってくれる。
マーガレットとは主従関係にある。

マリー

『ペルソナ4』のVitaリメイク版『ペルソナ4ザ・ゴールデン』（P4G）にて追加されたキャラクター。ベルベットルームの住人見習いの少女。だが本人いわく、たまたまそこに辿り着いただけであり、本当はベルベットルームの住人でも何でもないとのこと。ベルベットルームにやってくるまでの一切の記憶を失っている。性格は、一言で言うと「我がままな子ども」。さらに無愛想で移り気な一面も持っている。また感情の起伏も激しく、何かある度に「ばかきらいさいてーさいあく」と口にする。詩を書く事が好きらしく、P4主人公がベルベットルームに足を運んだ際、時折彼女が制作した詩が書かれた紙が落ちている事がある。中身は普段の様子からは想像もつかない程にポエミーなものとなっている。
マーガレットとはベルベットルームの住人の先輩後輩にあたる。たまたまベルベットルームに流れ着いたマリーを、マーガレットが指導役として面倒を見ている。
なお、『ペルソナ4ザ・ゴールデン』（P4G）の追加シナリオにて、実は八十稲羽市の土地神「イザナミノミコト」の中核を成す神格を持つ存在「クスミノオカミ」であった事が発覚する。

エリザベス

PS2版『ペルソナ3』に登場しているベルベットルームの住人。PSPリメイク版『ペルソナ3 ポータブル』（P3P）においては、男主人公を選択した場合と、女主人公にした際にテオドアではなくエリザベスを共に過ごしていくベルベットルームの住人として選択する事によって登場する。なお、選択されなかった方は作中で姿を現す事はないが存在はしているようで、度々その存在をにおわす発言をエリザベス・テオドア、それぞれから聞く事ができる。
青いエレベーターガールのような格好をした女性。その性格は、破天荒の一言。エキセントリックで大胆不敵で周囲の目など関係なく我道を行く、ドがつく程のマイペースキャラクターとなっている。マーガレットとは姉妹の関係にあたる。『ペルソナ4』作中での直接関わりはないが、後に発売された『ペルソナ3』と『ペルソナ4』のクロスオーバー作品『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』（PQ）と『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』（PQ2）にて共演を果たす。性格の馬がとても合っているようで、マーガレットと共に末弟のテオドアを振り回して遊んでいる。

テオドア

『ペルソナ3』のPSP版 リメイク『ペルソナ3 ポータブル』（P3P）で追加されたベルベットルームの住人。愛称は「テオ」。『ペルソナ3 ポータブル』（P3P）ではプレイヤー自身が、エリザベスとテオドア、どちらの住人と共に過ごしていくかを選択する事が可能となっている。なお、選択されなかった方は作中で姿を現す事はないが存在はしているようで、度々その存在をにおわす発言をエリザベス・テオドアから聞く事ができる。
青いエレベーターボーイのような格好をした男性。堅物な印象を抱く外見をしているが、中身は純粋無垢な天然ボーイである。マーガレットとは姉弟の関係にあたる。『ペルソナ4』作中での直接関わりはないが、後に発売された『ペルソナ3』と『ペルソナ4』のクロスオーバー作品『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』（PQ）と『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』（PQ2）にて共演を果たす。マーガレットに振り回される末弟・テオドアの姿を見る事ができる。

マーガレットの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「ああ…しなやかで均整の取れた、素晴らしい筋肉…」

マーガレットのコミュ「女帝」のイベントを通して見れる台詞。マーガレットが頼んできた「特殊な条件を持ったペルソナ」を持ってきたP4主人公を前に、マーガレットがこぼした呟きである。この時彼女がP4主人公に頼んだのは「スクカジャ（味方1体の命中と回避率上げる事ができるスキル）」を持ったペルソナ「イッポンダタラ」の制作だった。「イッポンダタラ」は熊野の山奥に住むとされる1つ目1本足の妖怪である。鍛冶神の零落した姿とも伝えられており、その為か『ペルソナ』シリーズに出てくるイッポンダタラは細身ながらも大きな槌を振り上げる怪力を持った男型のペルソナとなっている。そのようなペルソナの為か、提出されたスクカジャ持ちのイッポンダタラを目にしたマーガレットは興奮するように「ああ…しなやかで均整の取れた、素晴らしい筋肉…」と口走る。それは普段の有能な美人秘書、ミステリアスな大人のお姉様といった雰囲気からは想像もつかない台詞だといえよう。多くのファンが予想外のマーガレットの言葉に驚いたのは言うまでもない。
なお、コミュイベントを進めていく内に、こういったマーガレットの突拍子もない発言は増えていく事となる。次々と見えてくるマーガレットの「素」の発言に、多くのファンが混乱させられると共に造魔である彼女が持つ「人間らしさ」に心惹かれるようになるのは、言うまでもない事だろう。コミュを通してだからこそ見られるマーガレットの貴重な姿を盛り込んだ名台詞だといえる。

「でも、心は無形…純粋であれば強いけれど、些細な事で曇ってしまうもの。たとえば流言や噂…心無い言葉によってね。忘れないで。」

マーガレットのコミュ「女帝」を通して見る事ができる台詞。P4主人公がマーガレットからの個人的な依頼を全てクリアした際に目にできる。P4主人公が自分の課す難題に奮闘する姿を見たマーガレットは、それを通して彼の「心」の強さを実感する。そうしてそれが自分の期待する強さであった事に満足し、ある日唐突に依頼の終わりをP4主人公に告げる。その際にマーガレットは、P4主人公の「心」の強さに感動した事を告げると同時に、「でも、心は無形…純粋であれば強いけれど、些細な事で曇ってしまうもの。たとえば流言や噂…心無い言葉によってね。忘れないで。」とその「強さ」が持つ「弱点」をP4主人公に忠告する。
マーガレットの述べた「流言」や「噂」は、実は『ペルソナ4』という作品において非常に大事なワードとなっている。『ペルソナ4』では、街で流行っていた噂のテレビ番組「マヨナカテレビ」を視聴した事をきっかけにP4主人公がペルソナ使いの力を手に入れたり、町中で人々が口にする様々な噂や流言を集め、その情報を元に事件の捜査を行ったりする様が描かれている。その他にも多々「流言」や「噂」に関連する展開やイベントが存在しており、マーガレットは本作の根本の題材に触れながら「心」の有様をP4主人公に説いている事になる。P4主人公を通して「心」の強さを直に目にし、感じてきた彼女だったからこそ述べられた台詞であると同時に、ベルベットルームの住人という特殊な立ち位置だからこそ出来た意味深な発言だともいえる。

「なぜ奪ったか…なんて今度は訊くのかしら。でも、本当の盗人は貴方の方だわ」