【推しの子】(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『【推しの子】』とは、『週刊ヤングジャンプ』にて、2020年4月より連載を開始した、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の赤坂アカ(あかさかあか)が原作を担当し、横槍メンゴ(よこやりめんご)が作画を担当している、芸能界を舞台にしたサスペンス漫画。主人公が彼の「推し」であったアイドルの子供に転生するも、母であるアイドルを殺害され、殺害の秘密を握っている可能性の高い正体不明の父親を捜すために芸能界に切り込んでいく姿を描く。芸能界やインターネットの闇を現在の視点から描く切り口が魅力である。
【推しの子】の概要
『【推しの子】』とは、『週刊ヤングジャンプ』にて、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の赤坂アカ(あかさかあか)が原作を担当し、『クズの本懐』の横槍メンゴ(よこやりめんご)が作画を担当している、2020年4月より連載を開始した、芸能界を舞台にしたサスペンス漫画である。
2021年8月26日時点で累計発行部数200万部を突破しており、「次にくるマンガ大賞2021」のコミックス部門で1位を受賞した。2025年には実写映画が公開されることが決定した。
主人公が彼の「推し」であったアイドルの子供に転生するも、母であるそのアイドルを殺害され、殺害の秘密を握っている可能性の高い正体不明の父親を捜すために芸能界に切り込んでいく姿を描く。転生というファンタジー要素と芸能界という現実の要素をうまくミックスし、芸能界やインターネットの闇を描く独自の切り口が魅力となっている。
原作の赤坂は『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の連載中に本作を開始しており、作画は横槍の担当とはいえ異例の"2作品同時週刊連載"となっている。
【推しの子】のあらすじ・ストーリー
プロローグ
主人公雨宮吾郎(あまみや ごろう)は、産婦人科医であり、重度のアイドルオタクであった。そんな彼の最推しはアイドルグループ「B小町」の絶対的センター「アイ」。彼女の突然の活動休止宣言に彼は落ち込んでしまう。
雨宮が彼女を推すのには理由があった。研修医時代、仲の良かった幼い少女「天童寺さりな(てんどうじ さりな)」がアイに憧れていたのだ。彼女は12歳の幼さで死去していた。彼女が生きていればアイと同い年で、雨宮はいつしかさりなに代わってアイを応援するようになり、やがて本気でアイにのめり込んでいったのだった。
そんな雨宮の前にアイが患者、つまり妊婦として現れる。アイドル、しかも16歳、自分の最推しの妊娠と言う事態にショックを受ける。しかし綺羅星のようなまぶしい笑顔でアイドルとしての幸せも母としての幸せも両方掴みたいと言うアイに、雨宮は改めて彼女に惹かれ、彼女の子供を絶対に無事に産ませると決意するのだった。
だがアイの出産予定日、患者として入院していることは秘密にされている筈のアイのことを知る謎の男に、雨宮は殺害されてしまう。しかし死んだ筈の彼は気が付くと、アイの子供である星野愛久愛海(ほしの あくあまりん)、通称アクアに転生していたのだった。
幼少期編
生まれ変わったアクアには双子の妹が居た。彼女の名は瑠美衣(ほしの るびい)、通称ルビー。双子は世間を欺くため、対外的にはアイが所属するプロダクションの社長、斎藤壱護(さいとう いちご)の子供として扱われた。壱護の妻、ミヤコに面倒を見られながら、彼女の目を逃れて前世からの推しであるアイの舞台を楽しむアクア。そして彼同様に熱狂するルビー。彼女もアクア同様、アイのガチオタの転生者であったのだ。その正体は雨宮の元患者「さりな」であった。しかし2人は互いに前世での知り合いであったことに気づくことはなかった。
1年が経ち、1歳になった双子は歩き回っていても不審に思われない程度には成長していた。アイの初ドラマの現場に、双子はミヤコの子供として連れてきてもらう。そんな中、アクアはドラマの監督、五反田泰志(ごたんだ たいし)に廊下で遭遇する。彼に対しアクアは子供とは思えない態度を見せ、興味を持たれることになる。
撮影終了後、ドラマの映像を見ると、アイの出番はほとんどカットされていた。主演女優を「可愛すぎる女優」として売り出していたのに、隣にいたアイがあまりにもカメラの意識の仕方が上手く、可愛く映りすぎたのだ。五反田にその説明を受け、納得いかないと怒るアクア。そこで五反田はアイに映画の仕事を振る代わりに同じ映画でアクアに子役としてデビューしろと提案をするのだった。
映画撮影の現場に向かったアクアとルビーは、「10秒で泣ける天才子役」と呼ばれる有馬かな(ありま かな)に出会う。スタッフにも横柄で高飛車なかなに、アイを侮辱され双子は怒り狂う。
始まった撮影でアクアとかなは同じ場面に出演し、気味の悪い子供を演じることになっていた。さすがの演技力を発揮するかなに対し、演技では勝てないと判断したアクアは肉体と精神のギャップをそのまま見せることで気味の悪い子供を表現して見せる。それを見て負けたと思い涙を流して悔しがるかな。そんなかなを宥める横で、五反田はアクアに演出の意図を読んだことを褒め、「すごい演技より、ぴったりの演技ができる役者になれ」と言うのだった。
それから更に2年の月日が流れ、アクアとルビーは3歳になる。アイはアイドルとしてますます人気を高め、3人は幸せな時間を過ごしていた。
しかし、そんな幸せは突如崩壊してしまう。アイが自宅を訪れたファンによって、玄関で刺されたのだ。そのファンは、嘗てゴロ―を殺害した男だった。
「子供がいるなんて裏切だ、嘘つきだ、散々ファンのことを好きだと言っておいて全部嘘っぱちじゃないか」と叫ぶ男。それに対しアイは「君達のことを愛せてたかはわからないけど、愛したいと思いながら、愛の歌を歌って来たよ」と答える。元々施設で育てられたアイは人を愛すると言うことがわからなかった。
それでも社長に言われた言葉、「嘘でも言い続けていたら本当の愛になるかもしれない」、その言葉に真っすぐと向き合ってアイドルを続けてきたのだ。それを聞いて男は走り去る。
自分の命が尽きようとしていることを悟ったアイ。彼女は最後に二人の子供に愛を告げる。それは愛が分からない筈の彼女がその気持ちが嘘でないと確信できる想いであった。
アイが殺害され、犯人は自殺した。双子は既に戸籍を斎藤夫妻に移していたため存在が明るみに出ることはなかった。
親を失ったアクアとルビー。そんな二人に対し、ミヤコが「君達さえよかったら、本当にうちの子になりませんか」と彼等を引き取る。
自分も母のようなアイドルになれるだろうかと前を向くルビー。それに対し犯人にアイの居場所を教えた人物が居ることに気づくアクア。
それは自分たちの父親だと感づいた彼は、父親を必ず見つけ出して自分の手で殺すと決意するのであった。
芸能界編
アイが死んでから十数年の月日が流れた。アイの所属していたプロダクションの社長は失踪。プロダクションはミヤコが継いでいたが、センターを失ったB小町は解散していた。
成長したルビーはアイドルを目指すもオーディションは失敗続き。それはアイと同じ轍を踏ませたくないアクアの裏工作が原因だった。けれどルビーは夢を諦めず、評判の悪い地下アイドルのスカウトを受けそうになってしまう。彼女は決して諦めないとアクア、ミヤコの両方が理解する。変な所に入らせる位ならとミヤコは十数年ぶりにアイドルグループを立ち上げ、彼女をそこに入れさせるのであった。
芸能科の存在する陽東高校を受験するルビー。一方アクアは自分には特別な才能はないと役者になることを諦めていた。代わりに裏方を目指し、ルビーと同じ高校の普通科を受験する。その受験先で彼は有馬かなに再会するのだった。
かなが主演を務める名作漫画『今日は甘口で』、通称『今日あま』の実写ドラマに自分と一緒に出ないかと誘われるアクア。一度は断るが、プロデューサーが鏑木勝也(かぶらぎまさや)だと聞いて承諾する。その名前はアイが妊娠以前に使っていた私用スマホの連絡先一覧に残っており、自分とルビーの父親の可能性があった。
遺伝子上のつながりがある以上、鏑木の髪の毛の一本でも確保できればDNAの検査ができる。それを目当てに潜り込むことを決めたアクアだったが、既に放映されていた『今日あま』をルビー、ミヤコと共に見て絶句する。演出はしっかりしているが、原作に出ていないオリジナルキャラクターが大量に出演しており、ストーリーの展開も大幅に違う。
更に言うなら役者の演技が皆ひどい。全六話構成の三話まで放映された現段階で、既に酷評されていた。状況自体も悲惨だが、かなはもっと演技が上手ではなかったかと、ルビーは訝しがる。
その奇妙な状況を、後日アクアに会ったかなはこう説明した。このドラマはこれから売り出したいイケメンモデルを女性層に売り込むためのものであり、演技は二の次である。そんな中、かなは浮かないように敢えて抑えて演技をしていたのだ。特出して上手い一人が居ては作品としては逆に観れないものになる。「役者に必要なのはコミュ力よ」と笑うかなはアクアに「私と一緒にいい作品を作って」と頼み込むのだった。
撮影日は雨だった。アクアの役はストーカーであり、本来その役をやるはずだった男が嫌がって降板したため急遽アクアをねじ込むことができたのだ。実際に演じるアクアを見て、「ずっと努力してきた人の演技って感じがして、私は好き」とかなは言う。かなは子役としての旬を過ぎて以降、稽古だけは続けてきたが全く売れない時代が続いていた。「それが今回、十年ぶりの主役という形で努力を評価されたのが嬉しい」と笑う。
しかしそれはかなの勘違いだった。鏑木は知名度があり、フリーになってただ同然のギャラで使える彼女が便利だったから主役に据えただけだったのだ。それを偶然聞きつけたアクアは、一波乱起こすことを決める。
撮影本番、アクアはかなの相手役である鳴嶋メルト(なるしまめると)を小声で挑発して役通りの怒りの演技を引き出す。そして音、カメラの方向、照明の当たり方などを計算し、原作通りの空気を作り上げた。主人公が泣く原作最大の見せ場、そのシーンをかなに全力で演じさせるためだ。アクアの狙いを読み取ったかなは、望んでいた通りの全力でそのシーンを演じきった。その時、かなは、アクアに恋をした。
アクアの功績もあり、『今日あま』は最終回のみは評価されたものの、結局大きな話題になる事もなく終わった。しかし打ち上げパーティーでかなは原作者の吉祥寺頼子(きちじょうじよりこ)に、「この作品は有馬さんの演技に支えられていたと思います。 ありがとうございます」と礼を言われて涙を流すのであった。
一方アクアはパーティー会場で鏑木に声をかけられる。遺伝子を調べた結果、鏑木はアクアの父親ではなかった。しかしアイとよく一緒に仕事をしていて、いい営業先を紹介したり彼女が内緒で誰かに会うのにいい店を紹介したりなど、仕事以外でも世話をしていたのだ。その話を聞きたがるアクアに、鏑木は交換条件を出す。それは「恋愛リアリティーショーに興味はないか」と言う物であった。
一方、ルビーは無事に陽東高校芸能科に入学したものの、未だアイドルとして活動できておらず肩身の狭い思いをしていた。だが一人ではアイドルグループとしては活動できない。
そこでアクアは、かなをアイドルとして引っ張りこむことを提案する。誘われたかなは言葉では考えさせてくれと言うが、内心では若手役者枠から新陳代謝が激しい若手アイドル枠に行くのは危険すぎると思っていた。
しかしアクアに「有馬はそこらのアイドルよりずっと可愛い。有馬になら妹を任せられる、アイドルをやってくれ」と説得され、結局引き受けてしまうのだった。
だが打ち上げパーティーには多くの人が集まっている。これだけ多くの人間が関わっていたのだと実感するアクアの隣で、かなは原作者の吉祥寺頼子(きちじょうじよりこ)に、「この作品は有馬さんの演技に支えられていたと思います ありがとうございます」と礼を言われて涙を流す。一方遺伝子を調べた結果父親ではないと判明した鏑木に、アクアは「アイに似ている」と声をかけられた。鏑木はアイとよく一緒に仕事をしていて、いい営業先を紹介したり彼女が内緒で誰かに会うときいい店を紹介したりなど、仕事以外でも世話をしていたのだ。その話を聞きたがるアクアに、交換条件と言って鏑木は「恋愛リアリティーショーに興味はないか」と告げた。
ルビーは無事に陽東高校芸能科に入学したものの、未だアイドルとして活動できておらず肩身の狭い思いをしていた。だが一人ではアイドルグループとしては活動できない。そこでアクアは、カナをアイドルとして引っ張りこむことを提案する。アイドルにならないかとルビーに誘われ、カナは内心では冷静にありえないだろうと判断していた。若手役者枠から新陳代謝があまりに激しい若手アイドル枠に行くのは危険すぎる。だが同時にルビーに、かつて一度一緒に仕事をしたアイに似たものを感じてもいた。売れるべくして売れたアイと、「芸能人」としての嗅覚が同じものを感じさせる。それでも自分はそれほど可愛くないしと断ろうとしたカナだったが、「有馬はそこらのアイドルよりずっと可愛い。有馬になら妹を任せられる、アイドルをやってくれ」とアクアに説得され、結局引き受けてしまうのだった。
恋愛リアリティーショー編
芸能活動をしている6人の高校生が週末いろんなイベントを通じて交流を深め、恋愛関係になったりならなかったりする様を楽しむ恋愛リアリティーショー、『今からガチ恋♡始めます』、通称『今ガチ』。撮影ノウハウは既に確立されており、カメラのアングルさえ気を付ければ出演者たちは自由に会話して構わない。台本はないが演出はあり、ディレクターの発言を指示と取るかアドバイスと取るかは人それぞれである。
番組は進行するにつれ、ファッションモデルの鷲見ゆき(すみゆき)とダンサーの熊野ノブユキ(くまのノブユキ)、二人の関係に嫉妬を見せるバンドマンの森本ケンゴ(もりもとケンゴ)の三角関係が中心になりつつあった。
やり過ごせれば十分と適当に軽いキャラを作っていたアクア。自分の番組への導線を引くことを目的で出演したユーチューバー兼インフルエンサーのMEMちょ(めむちょ)。
二人は目立たずとも問題ない、とのスタンスで撮影に臨んでいたが、女優の黒川あかね(くろかわあかね)は同じようなスタンスを取る訳には行かなかった。
生真面目なあかねは、自分が番組内で目立たないせいで事務所の所長にマネージャーが怒られたこと、エゴサした際「あかねはいてもいなくても同じ」と言われていたのをきっかけに、ゆきからノブユキを奪う悪女ムーブを始める。これができれば間違いなく目立つし、キャラも立つとディレクターに言われたのだ。
悪女ムーブに挑むあかねだったが、どうにも目立つことができない。そんな中、撮影前にゆきにデコネイルを施してもらった後、ノブユキに寄りかかったゆきの腕を振り払おうとしたあかねの爪がゆきの頬を傷付けてしまう。モデルであるゆきの顔を傷つけてしまったことに動揺して平謝りするあかねの背を、「大丈夫だから落ち着いて!」とゆきは抱く。ゆきは自分が一番目立つように動くの自体は譲れないが、努力家のあかねのことは好きだし、あかねも強くて優しいゆきのことが好きだった。当事者の間ではそれで済んだことだったのだが、謝罪のシーンが流れなかったのも手伝い、インターネット上で大炎上してしまう。
すべての叩きを真面目に受け止めてしまったあかねは、もう疲れたと台風の中ふらふらと外に出て歩道橋から飛び降りようとする。それを止めたのはアクアだった。落ち着いたあかねから「逃げたくない」と言う意志を確認したアクア、彼は世間の目を変えるため『今ガチ』メンバーにある提案をする。それは「あかねを悪役にしたら面白い」という番組サイドの演出とは違う、出演者目線の『今ガチ』を動画として作成し、SNSで流そうという計画であった。
動画がバズったことにより炎上は何とか収束。あかねが今ガチに復帰するにあたり、MEMちょが少しキャラを作った方がいいと提案。場の流れでアクア好みの女、つまりアイのようなキャラを演じてみようという話になる。
そして復帰したあかねはまさしく、「B小町のアイ」そのものだった。あかねは元々役者が本業で、徹底した下調べに基づく役作りとそれを完璧に演じ切る演技力で知られた天才女優だったのだ。
そんなあかねに対し、動揺するが、星野アイの幻影を見ているだけと自分の感情に整理をつけるアクア。しかしアイに隠し子がいることまでプロファイリングだけで見抜き、アイの大体の生き方や好みの男はわかると思う、と言ったあかねはアクアにとって手放し難い存在だった。
今後も付き合いを続けるため、アクアは番組の最後にあかねにキスして「交際」を始める。あかねもアクアが自分を恋愛対象として見ていないことには気付いていたが、アクアの「女優としてのあかねには興味がある」との言葉が嬉しかったので、番組終了後も仕事として彼氏彼女を続けることになるのだった。
打ち上げからの帰宅時、アクアはMEMちょをアイドルのメンバーに誘う。MEMちょが大幅に年齢を鯖読みしていた事実はあったものの、それを問題なくルビーとかなが受け入れたことでアイドルグループ、新生B小町が正式なスタートを迎えた。
ファーストステージ編
B小町の楽曲を使い、ルビーとMEMちょ、かなの三人はダンスの練習を始めた。だが元々アイドルオタクだったルビーとMEMちょの情熱にかなは付いていけず、アクアとあかねがキスをして交際を始めたことに感情がついていかないまま、アクアにもきつい態度を取ってしまう日々が続いていた。
そんな中、B小町は今ガチのプロデューサーのコネで、ジャパンアイドルフェス、通称JIFという大きな舞台に参加することになる。センターをやりたがるルビーとMEMちょ、対照的に嫌がるかな。子役を干されて以降いろんなジャンルに手を出しては人気が出なかったことがトラウマとなっていた。しかし一番歌が上手いのはかなだった。自己評価の低さに反し、努力を続けてきた彼女には力があったのだ。ルビーとMEMちょが思った以上に歌が下手だったこともあり、本当にやりたくないと内心では思いながらもかなはセンターを引き受けるのだった。
JIF当日、かなは自分が売れなくなっていくに連れ、自分への関心を薄れさせた母の姿やオワコンと叩くネットの書き込みなどを思い出し、強いプレッシャーを感じていた。芸歴が長い自分が二人を引っ張らなければ、あんな思いを2人にさせてなるものかと必死に奮い立つも緊張に震えるかな。しかしルビーに「新人アイドルなんだから、私たちは失敗して当たり前。楽しく挑もう!」と言われ、二人と同じ新人アイドルなのだ、という意識で舞台に立つ。
メンバーのサイリウムの色はルビーがアイと同じ赤、MEMちょは黄色、かなは白を選んだ。客層の前方は黄色のライトが大半、赤いライトも思った以上に目立つ、とかなは分析する。知名度の高いMEMちょ、天性のカリスマ性で客を惹きつけるルビー、そんな二人と比較し、今の自分を欲しいと言ってくれる人はいないと感じるかな。その時、彼女の目に入ったのは、白い光だった。白だけでなく赤と黄色のサイリウムを持ったアクアだ。アクアは真顔で三本のサイリウムを振りつつオタ芸を披露し、周囲の客をドン引きさせていた。
吹き出しそうになりつつ、箱推し気取りかと同時に腹も立てるかな。だから自分がアイドルをやっている間に、アクアのサイリウムを真っ白に染めてやる、アンタの推しの子になってやる、と心を決めるのだった。
2.5次元舞台編
アクアはかな、あかねと共に、大人気バトル漫画『東京ブレイド』の舞台に出演することが決まる。この舞台は劇団ララライから多くのメンバーが参加しており、アクアの目当ては劇団ララライの主宰であり今回の舞台の演出家でもある、金田一敏郎(きんだいちとしろう)だった。鏑木から、劇団ララライが「かつてアイが恋を知った場所」だと聞かされたのだ。ならば金田一は父親である可能性もあり、そうでなくとも何か話が聞き出せる可能性もある。
今回の舞台は同世代の新旧天才対決でもある。かつて天才子役と呼ばれ、周りの演技を綺麗に受ける「適応型」であるかなと、現在天才女優と呼ばれ、役にどっぷり入り込む「没入型」であるあかねは、本人たちも互いを絶対に負けたくないライバルだと思っていた。
同じシーンに立つことが多い主演の姫川大輝(ひめかわ だいき)の演技に答え、素晴らしい演技力を発揮するかな。
一方、あかねは役柄を捉えられずにいた。彼女が演じる鞘姫は原作では内気で人を殺めることに葛藤を抱く優しい少女なのだが、舞台では尺の都合上、戦いに前のめりなクレイジーな少女として描かれていた。
演出家の金田一と脚本のGOA(ごあ)に必要な改変と言われ、原作者もこれでOKしたなら従うしかないと、あかねはなんとか飲み込もうとする。
だがそれを破壊したのは『東京ブレイド』の作者・鮫島アビ子(さめしまあびこ)だった。アビ子は上がってきた脚本に修正依頼をしていたが、改稿作業には原作者と脚本家の間に多くの人間が介在する。その結果伝言ゲームとなり、アビ子の指示は全く違う形でGOAに伝わっていたのだ。だがそれを知らないアビ子は、こんな脚本ならGOAを下ろせ、自分がすべて脚本を書くと宣言する。
脚本が変わる以上、稽古を続けることはできない。稽古は一度中断されるが、アクアは今回『東京ブレイド』で使われる「ステージアラウンド」と呼ばれる形式の舞台を知らなかったため、あかねに連れられて舞台を見に行く。アクアは舞台演劇が余り好きではなかった。だがステージアラウンドは、近代的な改変により彼が欠点だと思っていた多くの点を克服したものであることを知り感心する。同時にアビ子がこの舞台に対応した脚本が書けないと思い知る。GOAが『東京ブレイド』の脚本にいかに力を入れていたかも聞かされたアクアは、彼に助け舟を出すことにする。
かつてアビ子は頼子のアシスタントをしており、彼女を尊敬していた。頼子の説得にならアビ子も応じるのではないかとアクアは考えるが、説得を断られてしまう。ならせめてこれをアビ子に渡してほしいと、アクアは頼子にGOAが脚本を書いたステージアラウンドの舞台のチケットを託す。
チケットを手に舞台を見に行ったアビ子、彼女が舞台を見に来たことに気付いた舞台『東京ブレイド』の総責任者、雷田澄彰(らいだすみあき)だった。雷田は彼女を説得し、GOAを脚本に戻すことに成功する。ただし脚本は、クラウド上のテキストデータをGOAとアビ子がリアルタイムで共有し、通話しながら修正することになった。これをやると脚本と原作者が揉めて企画自体が潰れる恐れがあるが、これ以上悪くなることもないと、開き直って雷田はやり取りを見守る。幸い二人のやり取りは熱の入ったものになったが、結果として状況を説明する台詞がほぼ削られ、動きだけで感情を表す役者の演技に全てがかかった尖った脚本が出来上がってしまった。
こちらのほうがやりがいがあると、劇団ララライの面子とかなはやる気を見せる。あかねは鞘姫の解釈が一致したこともあり、どう考察を深めようかとわくわくしていた。問題は『今日あま』の時より随分稽古を重ねてそれなりに上手くはなったものの、劇団ララライには遠く及ばないメルトと、アクアだ。
アクアは自分の感情を強く引き出す、いわゆる「感情演技」をしたことがない。案の定役の感情を引き出し切れず、演出家に「もっと強く」とやり直しを要求される。
「有馬はどうやって泣く演技をしているんだ」とかなに聞くと、かなは手法はいろいろあるけど、と前置きし「アクアくん、もしお母さんが目の前で死んじゃったらどうする?」と問いかける。
それは目の前のものを大切なものと思い込んで泣く手法であったが、その言葉はアイの死んだ光景を思い出させてしまい、アクアは嘔吐感と共にその場に倒れ込むのだった。
プライベート編
2.5次元舞台の成功に合わせ、アクア、ルビー、かな、MEMちょは休暇を取ることになる。これはB小町のPVの撮影を兼ねたもので、一行はMEMちょの知り合いの監督が現在在住している高千穂へと向かう。奇しくもそこは、前世のアクアが命を落とし、アイが双子を出産したあの産院がある土地でもあった。
雨宮の遺体はまだ見つかっていないらしく、彼は“失踪”という状態のままになっていた。宿のカギを奪ったカラスを追って森の中に入ったルビーは、古い社の奥に横たわる白骨化した亡骸を発見し、所持品からそれが雨宮であることを、「天童寺さりなだった自分」が本気で恋をしていた相手の死体であることに気付いてしまう。
その場に現れた不可思議な少女から「雨宮とアイを殺したのは同一人物である」、「その男を裏で操っていた黒幕がいる、その男は今も生きている」という話を聞かされる。最愛の母を殺し、初恋の相手の命をも奪った男の存在を知ったルビーは、「絶対に許さない、自分が見つけて殺してやる」と憎悪を燃やす。
皮肉にもこれによってルビーはもともと持っていた“天真爛漫さ”に加えて“底冷えのするような熱情”を秘めた存在となり、今まで以上に注目される存在となっていく。
中堅編
ルビーは密かに斉藤に接触し、彼のコネとアドバイスによって活動の幅を拡大。バラエティ番組で発生した炎上事件を自身の企画で解決したことで、ルビーは業界内部に自分の味方を増やしていく。
「いくらなんでもルビーだけでこんなことができると思えない」と考えたアクアは、彼女を密かに尾行して自身も斉藤と接触。そこで「斉藤が“アイの死には黒幕がいる”ことに独自の推測から気付いた」こと、「アイの復讐を果たすため、ミヤコに迷惑をかけたくないがために失踪した」ことを知るアクアだったが、同時に斉藤の口から「大輝は母親の不倫でできた子である」という話を聞かされる。
自分が倒すべき仇がまだ生きている可能性について教えられたアクアは困惑するが、いくつかの状況からそれが事実であることを認めていく。これを察したあかねは、アクアの手を汚させまいと自分が“アクアたちの父”を始末することを画策。しかしこの動きを見越したアクアによって止められ、かえって彼に「自分たちの父は生きている」との確信を抱かせる結果となる。
あかねの動きから芸能事務所「神木プロダクション」の代表取締役であるカミキヒカルという男が自分が探していた人物だと知ったアクアは、これ以上巻き込みたくない一心であかねに別れを告げる。
スキャンダル編
アイドルとしてやっていくことに限界を感じていたかなは、島政則(しま まさのり)という映画監督に自宅に誘われ、「自分を売り込むチャンスかもしれない」とこれを了承。家の中で島から肉体関係を要求されたかなは、一度はこれを受け入れようとするも、直前でアクアのことを思い出して「好きな人がいるからそういうことはできない」と泣き出してしまう。島は「無理強いする気はない、君という人間を知りたかっただけだ」と紳士的に詫びて彼女を解放するも、マンションから出るところを張り込んでいた記者に撮影される。
B小町を揺るがす事態だとミヤコや苺プロダクションの者たちが頭を抱える中、アクアはかなを救うために“よりセンセーショナルな特ダネでかなのスキャンダルを陳腐化させる”という手段を選ぶ。そのために彼がしたのは、自分とルビーがアイの子供だということを世間に明かすことだった。
これによりかなの醜聞は一切報道されず、時間と共に風化していく。一方ルビーは兄が自分たち家族の秘密を勝手に暴露したことに激怒し、彼と袂を分かつ旨を宣言する。
しかしこれにより、アクアの手の中にはヒカルへの復讐のための材料が全てそろってしまう。アイの事件当時、ヒカルはまだ中学生で、十分な罪に問うことはできない状態だった。そのためアクアは「アイの死の全貌を映画化し、ヒカルを社会的に抹殺する」ことを目論み、五反田と密かに準備を進めていたのである。
映画編
雨宮吾郎と天童寺さりなの再会
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カミキヒカルとは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、芸能事務所「神木プロダクション」の代表取締役。主人公星野アクアが「母の命を奪った黒幕」と目す人物である。 “自分が価値を認めた存在が滅びていく様を見ることに喜びを感じる”という破綻した嗜好の持ち主。11歳の時には女優の姫川愛梨、中学生の時には人気アイドルの星野アイとの間に子を作り、後に彼女たちを破滅させている。人を破滅させる際は自分の手を汚さず、他人を利用するのが常套手段。現在もこの危険な嗜好はそのままで、幾多の才能を闇に葬り続けている。
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黒川あかね(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
黒川あかね(くろかわ あかね)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、高校生にして劇団ララライに所属する若手女優。 幼い頃から子役として活動していたが、当時は天才と称された有馬かなの後塵を拝していた。高校生になった後、恋愛リアリティ番組「今からガチ恋始めます」に出演し、視聴者の誹謗中傷に耐え兼ねて自殺未遂を起こす。主人公星野アクアを含む出演者一同にこれを止められて立ち直った後、アクアに恋心を抱き、彼と交際を始める。やがてアクアが復讐を目的に芸能界入りしたことを知るも、なお彼を支え続けた。
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星野ルビー/星野瑠美衣(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
星野ルビー(ほしの ルビー)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、主人公星野アクアの双子の妹にして伝説的アイドル星野アイの娘。ルビーは正確には“瑠美衣”と表記する。 自由奔放なようでブラコン気質。アイの熱烈なファンだった天童寺さりなという少女が転生した存在で、前世の記憶と人格を維持している。このため赤ん坊の頃から高い知性を発揮し、母のアンチと壮絶なレスバトルを繰り広げていた。新たな人生を歩む中、自身もアイドルになることを夢に抱き、母の死後は本格的にその道を歩み始める。
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MEMちょ(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
MEMちょ(めむちょ)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、37万人もの登録者数を誇る人気YouTuber。 現役高校生を自称しているが、7年ほど休学していたため実年齢は25歳。自分のチャンネルの登録者数を増やすために恋愛リアリティ番組「今からガチ恋始めます」に参加し、出演者の1人として尽力。これを成功に導いた後、苺プロダクションの星野ルビーに誘われて新規アイドルグループB小町に加入する。10年以上前に死亡した人気アイドル星野アイのファンで、同好の士であるルビーとよく盛り上がっている。
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星野アクア/星野愛久愛海(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
星野アクア(ほしの アクア)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、伝説的アイドル星野アイの息子にして母の仇を追う少年。アクアは通称で、本来の名は愛久愛海。アイの担当医だった雨宮吾郎が転生した存在でもある。 成人男性としての知識と人格を持つため、精神的には老成している。前世の頃からアイの熱烈なファンで、その息子として生まれ変わった後は彼女を母として敬愛する。アイがファンに刺殺された後、黒幕が今の自分の父であると推理し、母の仇を討とうと決意。父の正体を突き止めるため、芸能界に踏み込んでいく。
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五反田泰志(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
五反田泰志(ごたんだ たいし)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、主人公星野アクアの師でもある映画監督。 業界に強いコネがあるわけではないが、地道に実績を重ねてきた実力派。幼い頃のアクアに出会い、その特異な才能に可能性を見出して自身の映画に出演させる。これが縁でアクアの師となり、彼に役者としての心得と映像技術を教え込む。アクアが内心では父のごとく信頼している人物であり、彼が伝説のアイドル星野アイの息子であることを知る数少ない存在の1人。
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有馬かな(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
有馬かな(ありま かな)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、「10秒で泣ける天才子役」として有名な若手女優。 幼い頃から芸能界で活躍し、当時は様々なドラマや映画に出演する人気子役だった。しかし天狗になった結果人望を失い、仕事も干されるようになり、これを反省して人付き合いを大事にするようになる。主人公の星野アクアとは幼い頃に共演し、その演技に衝撃を受ける。高校生になって再会した後は異性としても惹かれるも想いを打ち明けられず、彼に頼まれるままその妹の星野ルビーと共にアイドル活動を始める。
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ツクヨミ(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
ツクヨミとは、【推しの子】の登場人物で、主人公の星野アクアの前にたびたび現れては忠告めいた揶揄を告げる少女。ツクヨミは芸名であり、本名は不明。 見た目は小学校低学年程度の少女ながら老成した雰囲気の持ち主で、アクアに対しては“出会う以前から知っていた”かのように接し、彼が雨宮吾郎の転生体であることを言及するなど謎めいた存在。常にカラスを従えており、超常的な力を持つかのように振る舞う。それでいて子供っぽいところもあり、アクアの挑発への反発から“ツクヨミ”の名で子役デビューを果たす。
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鷲見ゆき(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
鷲見ゆき(すみ ゆき)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、高校1年生のファッションモデル。 芸能界を生き抜くしたたかさと、友人を大切にする歳相応の少女という二面性を持つ。恋愛リアリティ番組「今からガチ恋始めます」に出演し、その愛らしさと巧みな表現力で中心人物となっていく。共演した黒川あかねがバッシングに追い詰められて自殺未遂を起こした時は、「どうして相談してくれなかった」と本気で涙した。番組終了後、共演者の1人である熊野ノブユキと付き合い始める。
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鳴嶋メルト(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
鳴嶋メルト(なるしま メルト)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、大手事務所に所属する売り出し中のモデル兼役者。 自他共に認める美形で、その顔の良さだけで人気者になり、「芸能界なんてチョロいものだ」と考えていた。演技の練習もほとんどせず、漫画原作のドラマ「今日は甘口で」に出演した際は原作者を失望させる。共演した主人公星野アクアの演技に圧倒されたことで自分の演技力の無さに気付き、以降は役者としても努力を重ねていく。同時に演劇の楽しさにも目覚めていった。
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ぴえヨン(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
ぴえヨンとは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、芸能事務所「苺プロダクション」に所属する覆面筋トレ系YouTuber。 ヒヨコの被り物の他はブーメランパンツのみという、インパクト抜群の姿を常に貫いている。イロモノに見えて小中学生を中心にすさまじい人気を誇り、軽妙なミュージックに合わせて筋トレしていく動画で大当たりし、年収が1億にもなる苺プロダクションの稼ぎ頭。面倒見のいい性格で、事務所の後輩に対しては親身に接し、彼らの成長を見守っている。
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雨宮吾郎(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
雨宮吾郎(あまみや ごろう)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、地方の産院で働く産婦人科医にして熱烈なアイドルオタク。 B小町というアイドルグループの絶対的センター星野アイを第一の“推し”としていたが、ある日そのアイが妊娠した状態で現れ、自分が担当医となってしまう。“推し”が妊娠していたことに戸惑うも、近くで接する中でアイの魅力を再確認し、無事に出産させることを誓う。しかしアイの出産予定日前日、産院に現れたストーカーを追う中で崖に突き落とされて死亡。その後アイの息子に転生する。
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鏑木勝也(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
鏑木勝也(かぶらぎ まさや)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、芸能界の酸いも甘いも噛み分けたベテランプロデューサー。 良い作品であれ、悪い作品であれ、それを見られるものに仕上げるべく様々な事務所から役者やスタッフを掻き集めるのが仕事。その手腕は芸能界でも相応の評価を受けており、多方面に有力なコネを持つ。映像作品に携わる一員として「良いものを作りたい」との欲求も併せ持ち、純粋に努力している者には機会を与えることもある。主人公星野アクアのことも評価し、彼の将来性に期待して協力する。
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天童寺さりな(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
天童寺さりな(てんどうじ さりな)とは、【推しの子】の登場人物で、脳腫瘍を患って入院生活を続けていたアイドルオタクの少女。 人生の大半を病院で過ごし、希望の見えない日々の中で輝く世界に憧れたのがアイドルに傾倒した理由。中でも同世代の星野アイというアイドルに入れ込み、熱心に応援していた。たびたび病室に来てくれる研修医の雨宮吾郎にほのかな恋心を抱き、「結婚しよう」とまで言っていたが、その夢が叶うことなく12歳にして命を落とす。死後、生前の記憶と人格を保ったままアイの娘の星野ルビーに転生する。
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ニノ(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
ニノとは、原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴの漫画【推しの子】の登場人物。作中の重要人物である星野アイと共にアイドルユニット「B小町」として活動していた女性。「ニノ」は芸名だと思われるが、本名は不明。 アイを「理想のアイドル」として高く評価し、強く憧れ、そのためにどこまでも深く嫉妬する。アイドルとしての自分の居場所を奪い、ファンの人気を独占するアイに激怒するあまり「死んでほしい」と直接告げたこともある。アイがファンに殺された後も憧れと嫉妬を昇華できず、アイの死の黒幕であるカミキヒカルに接触する。
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斉藤壱護(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
斉藤壱護(さいとう いちご)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、芸能事務所「株式会社苺プロダクション」の代表取締役。 物語の主要人物にして伝説的アイドル星野アイを見出し、世に送り出す。どこかの男と勝手に子供を作るなどアイには散々振り回されるも、その才能を信じて支え続け、家族にも似た信頼関係で結ばれていた。アイがストーカーに刺殺された後、仕事も立場も捨てて失踪。アイの死に黒幕がいることを感づいており、その復讐のために暗躍。成長したアイの子供たちとも協力し、黒幕に肉薄していく。
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森本ケンゴ(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
森本ケンゴ(もりもと ケンゴ)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、高校3年生のバンドマン。 若いながらに高いプロ意識を持ち、恋愛リアリティ番組「今からガチ恋始めます」に出演した際はカメラの前ではどうしても身構えてしまうと戸惑う様子を見せていた。それでも番組の趣旨を理解して恋模様を引っ掻き回す役を演じ、バッシングに耐え兼ねた仲間が自殺未遂を起こすと彼女の名誉回復のために尽力。“地味”と評価されながらも番組を支える一助となった。
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斉藤ミヤコ(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
斉藤ミヤコ(さいとう ミヤコ)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、芸能事務所「株式会社苺プロダクション」の代表取締役である斉藤壱護の妻。後に失踪した彼から代表取締役を受け継ぐ。 看板アイドルの星野アイが極秘に星野アクアと星野ルビーの双子を出産した際、そのベビーシッター役を任される。当初は面倒臭がっていたが、やがて2人を自分の子も同然に愛するようになり、アイの死後は彼らを引き取る。以降は苺プロダクションを取り回しつつ、母親としてアクアとルビーを育て、彼らの芸能活動もサポートしていく。
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吉祥寺頼子(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
吉祥寺頼子(きちじょうじ よりこ)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、作中作の人気漫画「今日は甘口で」の作者。 何人もの弟子を育ててきたベテラン漫画家。「今日は甘口で」がドラマ化される際、「畑違いのことにはあまり口出しすまい」と見守る。しかし結果としてドラマを“大手芸能事務所の売り出し中の新人だらけ”という状態にしてしまい、彼らの下手な演技で自分の作品が台無しになる様を目の当たりにする。例外的に奮闘した星野アクアと有馬かなには感謝しており、後に彼らが出演した2.5次元舞台にも関与する。
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熊野ノブユキ(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
熊野ノブユキ(くまの ノブユキ)とは、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、高校2年生のダンサー。 明るくてノリの良い典型的な陽キャ。恋愛リアリティ番組「今からガチ恋始めます」に出演し、共演者の大半が「番組内でのことは演出」と割り切って捉える中で「うまくいって結婚までいったらおもしろい」と発言していた。仲間の名誉回復のために共演者たちが一致団結した際は、提供できる技能もアイデアも無い中でリーダー風を吹かせて周囲を鼓舞する。番組終了後、共演者の1人である鷲見ゆきと付き合い始めた。
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リョースケ/貝原亮介(推しの子)とは【徹底解説・考察まとめ】
リョースケ/貝原亮介(かいはら りょうすけ)は、【推しの子】(おしのこ)の登場人物で、人気アイドル星野アイの熱烈なファンにしてストーカー。「リョースケ」という名前は物語序盤で公開されていたが、フルネームの「貝原亮介」は終盤まで明かされなかった。 学生だったリョースケは、アイドルのアイに恋焦がれるあまり、彼女のストーカーとなる。やがてその思い込みの激しい気質を、「輝かしい才能が潰れるところを見たい」という邪悪な欲望を持つカミキヒカルに唆されてアイを殺害。その後罪悪感に耐え兼ねて自殺した。
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YOASOBI(Ayase・ikura)とは【徹底解説まとめ】
YOASOBIとは、ボーカルのikuraと作詞作曲のAyaseから成る男女2人組の音楽グループだ。小説を元にした曲作りが特徴。デビューしてわずか1年ほどで年末の紅白歌合戦に出場を果たし、人気アニメ『BEASTARS』の主題歌を担当、ミュージックビデオの再生回数が億を超えるなどの快挙を遂げた。YouTubeのチャンネル登録者数は200万人を超える。1発撮りを行うYouTubeチャンネル、「THE FRIST TAKE」の出場でも大きな話題を呼んだ。
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韓国芸能界・K-POPで活躍する日本人まとめ
日本でも幅広い世代から高い人気度を誇るK-POPや韓流ドラマ。2016年デビューのガールズグループ「TWICE」に日本人メンバーが3人選ばれたことで、K-POPアイドルを目指す日本人が急増した。韓国の芸能市場にとっても、日本人メンバーの存在は日本進出の大きな足掛かりとなるため重要視されている。またK-POPアイドルに限らず、韓国芸能界で活躍する日本人は多い。
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かぐや様は告らせたい(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』とは、高校生の少年少女の恋愛模様を描いた、赤坂アカによる漫画作品。 良家の子女ばかりが通う秀知院学園の生徒会長白銀御行と副会長四宮かぐやは、互いに相手に異性としての魅力を感じていた。しかし「自分から好きだといったら恋人になった後で優位を取られてしまう」と双方が考え、どうにかして相手から告白させようとあれこれと画策する。時に生徒会の仲間や友人たちを巻き込み、時に壮絶な勘違いと空回りを繰り返し、2人の関係はひたすら足踏みを続ける。
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クズの本懐(横槍メンゴ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
横槍メンゴによる漫画作品、及びそこから派生したアニメ、ドラマ作品である。「月刊ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス刊)で2012年Vol.10から2017年Vol.04まで連載された。 報われない恋に悲しむ男女や、誰もが持ちうる孤独に苦しむ人間の姿、そしてその寂しさから抜け出し、未来を歩んでいく人々の強さを描いた作品である。
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かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』とは、高校生の少年少女の恋愛模様を描いた、赤坂アカによる漫画を原作とした劇場版アニメ作品。原作の「クリスマス編」をアニメ化したもので、TVアニメ版第3期の最終回からそのままつながる内容となっている。 秀知院学園生徒会長の白銀御行と副会長の四宮かぐやは、文化祭で同じ進路に進むことを誓い合って口付けを交わす。しかし互いに恋心を明確に口にしなかったことから「これで恋人関係成立になるのか」と疑心暗鬼になり、周囲を巻き込んで騒動を繰り広げる。
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ib(インスタントバレット)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『ib(インスタントバレット)』は漫画『かぐや様は告らせたい』で一躍有名になった赤坂アカによる青年漫画作品。『電撃マオウ』(KADOKAWA)にて2013年9月号から2015年8月27日発売の同年10月号まで連載された。単行本は『電撃コミックスNEXT』(KADOKAWA)レーベルから全5巻で出版され完結済み。理不尽な境遇で育ち、悪意を原動力とする超能力「ib(インスタントバレッド)」に目覚めた少年少女たちの物語。彼らは世界滅亡という確定した未来を前に、誰がどのように世界を滅ぼすのかを争い合う。
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かぐや様は告らせたいの恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ
『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦』とは、 赤坂アカによる漫画作品。名門秀知院学園の生徒会の面々が繰り広げる恋愛模様をコメディチックに描いている。 恋愛をメインテーマとする作品であるために、作中には互いに想い合う関係にあるキャラクターが多数登場する。その中には恋愛関係になった者もいれば、正式な恋人にはならないままだった者もいる。ここでは、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦』に登場する恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人をまとめて紹介する。
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知ったら最後!貴方も中毒・女王蜂
アヴちゃん(ボーカル)、ひばりくん(ギター)、やしちゃん(ベース)、ルリちゃん(ドラム)の4人組バンド。2009年3月兵庫県神戸にて結成され、2010年「FUJI ROCK FESTIVAL '10」の「ROOKIE A GO-GO」に抜擢。
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目次 - Contents
- 【推しの子】の概要
- 【推しの子】のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- 幼少期編
- 芸能界編
- 恋愛リアリティーショー編
- ファーストステージ編
- 2.5次元舞台編
- プライベート編
- 中堅編
- スキャンダル編
- 映画編
- 雨宮吾郎と天童寺さりなの再会
- 壱護の事務所復帰
- 撮影開始
- B小町の決裂
- アクアとカミキヒカル
- 【推しの子】の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 星野アクア(ほしの アクア)/星野愛久愛海(ほしの あくあまりん)
- 星野ルビー(ほしの ルビー)/星野瑠美衣(ほしの るびい)
- 星野アイ(ほしの アイ)
- 苺プロダクション
- 斎藤壱護(さいとう いちご)
- 斎藤ミヤコ(さいとう ミヤコ)
- 有馬かな(ありま かな)
- ぴえヨン
- 今からガチ恋始めます
- 黒川あかね(くろかわ あかね)
- MEMちょ(めむちょ)
- 鷲見ゆき(すみ ゆき)
- 熊野ノブユキ(くまの ノブユキ)
- 森本ケンゴ(もりもと ケンゴ)
- 陽東高校
- 寿みなみ(ことぶき みなみ)
- 不知火フリル(しらぬい フリル)
- 東京ブレイド
- 鳴嶋メルト(なるしま メルト)
- 金田一敏郎(きんだいち としろう)
- GOA(ゴア)
- 鴨志田朔夜(かもしだ さくや)
- 姫川大輝(ひめかわ だいき)
- 雷田澄彰(らいだ すみあき)
- その他
- 五反田泰志(ごたんだ たいし)
- 鏑木勝也(かぶらぎ まさや)
- 吉祥寺頼子(きちじょうじ よりこ)
- 鮫島アビ子(さめしま あびこ)
- ツクヨミ
- ニノ
- 雨宮吾郎(あまみや ごろう)
- 天童寺さりな(てんどうじ さりな)
- リョースケ/貝原亮介(かいはら りょうすけ)
- 【推しの子】の用語
- B小町
- 苺プロダクション
- 劇団ララライ
- 陽東高校
- 『今日は甘口で』
- 『今からガチ恋始めます』
- 『東京ブレイド』
- 【推しの子】の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- アイ「嘘はとびきりの愛なんだよ?」
- ルビー「嘘は いやだ」
- アクア「俺は敵じゃない 頼むから落ち着いてくれ」
- アビ子「好きな作品汚されるの絶対にイヤなの 私が一番よく分かってるんです…」
- アクア「お前はお前の人生を生きろ」
- 【推しの子】の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『今日は甘口で』の意外な初出
- 有馬かなのあだ名は「重曹ちゃん」
- 大きく変わったアイの生死
- 【推しの子】の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):YOASOBI『アイドル』
- ED(エンディング):女王蜂『メフィスト』