かぐや様は告らせたい(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』とは、高校生の少年少女の恋愛模様を描いた、赤坂アカによる漫画作品。
良家の子女ばかりが通う秀知院学園の生徒会長白銀御行と副会長四宮かぐやは、互いに相手に異性としての魅力を感じていた。しかし「自分から好きだといったら恋人になった後で優位を取られてしまう」と双方が考え、どうにかして相手から告白させようとあれこれと画策する。時に生徒会の仲間や友人たちを巻き込み、時に壮絶な勘違いと空回りを繰り返し、2人の関係はひたすら足踏みを続ける。

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の概要

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』とは、赤坂アカにより集英社『ミラクルジャンプ』2015年6月号から2016年2月号まで連載され、後に同じく集英社の『週刊ヤングジャンプ』に2016年17号より移籍した。
青年誌の連載には珍しく、いわゆる「お色気シーン」がほとんどないにもかかわらず、コミックス累計250万部突破を果たし、「全ジャンプ系雑誌の中でNO.1ラブコメ」として注目されている漫画作品である。
学園ラブコメでありながら、恋愛頭脳戦というコンセプト、個性豊かなキャラクター、ギャグもシリアスも併せ持つストーリー等から話題となった。
スピンオフとして『週刊ヤングジャンプ』本誌にて『かぐや様を語りたい』、『となりのヤングジャンプ』にて『かぐや様は告らせたい同人版』がある。
2018年6月1日にテレビアニメ化が決定した。

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』のあらすじ・ストーリー

天才たちの恋の駆け引き

「勝手に自分の唇に触れたお返し」として、指で白銀(右)の唇を触り返すかぐや(左)。

秀知院学園の生徒会長・白銀御行(しろがね みゆき)と、副会長・四宮かぐや(しのみや かぐや)は両想いなのだが、お互いにプライドが邪魔をして素直になれず、一向に関係が進む気配がない。
相手が告白してきたら付き合ってやってもいい、と考えていた二人だったが、互いに同じことを考えていたため何も起きないまま半年が過ぎてしまう。
焦った二人は相手に告白させるために策を弄し、頭脳戦をくりひろげる。

かぐやの幼馴染で書記の藤原千花(ふじわら ちか)は二人の駆け引きに全く気がついておらず、意図せず恋路を妨害してしまうこともしばしばあった。
会計の石上優(いしがみ ゆう)はかぐやの白銀に対する好意に気づくのだが、かぐや本人から脅迫同然の口調で強く否定され、「怖いから関わらないでおこう」とこの件については放置を決め込む。

電車が止まるほどの大雨が降った日、四宮家の車で送り迎えされているかぐやは、自転車通学で帰りの手段を失った白銀と一緒に車で帰ろうと画策する。
しかし、数々の作戦もむなしく、白銀はあくまで自転車で帰ってしまう。
作戦のため、雨の中待っていたかぐやは風邪をひいて学校を休むことになった。石上から、かぐやが誰かを待っていた様子だったと聞いた白銀は、お見舞いに向かう。
風邪で弱っているかぐやは、意識が朦朧とするなか白銀をベッドに引き込んでしまうのだった。
白銀は何もしなかったのだが、途中で正気を取り戻したかぐやに誤解されて非難され、二人は険悪な空気になる。
だが、白銀は「指一本ふれてない」といったものの、本当は指で唇をさわってしまったやましさから、かぐやに謝罪をすることにした。
一方、かぐやも、同衾までしたのに何もされなかった自分には魅力がないのではないか、と思う気持ちが不機嫌の原因だったため、機嫌を直した。
そして、白銀に唇を触られた「お返し」としてかぐやも白銀の唇を指で触り返すことで、二人は仲直りすることができた。

夏休みの思い出

生徒会の仲間たちが花火を見詰める中、かぐやは必死になって自分をここまで連れてきてくれた白銀にただただ見惚れていた。

学校も夏休みに突入し、かぐやと白銀は会う機会を失う。唯一の予定が生徒会メンバーでの花火大会だったが、箱入り娘のかぐやの身にもしもの事があれば大変だと、四宮家の使用人により反対されてしまうかぐや。
こっそり家を抜け出すも、会場に着くころには花火は終わってしまっていた。
しかし、かぐやを見つけた白銀の機転により、別の花火大会の花火を生徒会全員そろってみることができたのであった。

夏休みが明けてすぐに、白銀は誕生日を迎えた。かぐやは勇気をだして白銀に誕生日プレゼントを渡す。
さらに、白銀の誕生日を知らない藤原に誕生日を祝ったことを話して、「かぐやだけに誕生日を教えるなんて白銀はかぐやが好きなのではないか?」と藤原に疑いを持たせるという作戦を実行する。疑惑をかけられた白銀は、かぐやが自身の誕生日を知っているのは、彼女が生徒会の名簿を見る機会があったからであり、自分が教えたわけではないことを主張する。
むしろ、誕生日を知ったかぐやが藤原に伝えなかったことを指摘し、「かぐやの方が白銀を好きで、自分一人だけで誕生日を祝おうとした」と藤原に思わせようとする。
かぐやも反論し返そうとするが、誕生日プレゼントの扇子を白銀が使っていることに気づき、嬉しさで頭が回らなくなってしまった。
議論は白銀が優勢だったが、途中から生徒会室に来た石上も白銀の誕生日を知っていたため、「単に藤原が知らなかっただけ」という結論に落ち着き、決着はつかなかった。

9月になり、天体好きの白銀は十五夜に生徒会で月見をしようと提案する。
白銀以外は天体に興味がなく、星をまともに見ているのは白銀と、この機会に白銀に自分を意識させてドキドキさせようと目論むかぐやのみとなった。
かぐやはいくつかの作戦を実行するが、星に夢中でプライドや羞恥心を忘れている白銀は全くドキドキせず、むしろかぐやの方が動じない白銀にドキドキさせられるという結果に終わるのだった。

生徒会選挙

生徒会選挙の対立候補である伊井野ミコ。ひたすら高潔で頑固で意地っ張りな女の子である。

結局1年が過ぎても関係が変わらないまま生徒会は活動を終了する。
生徒会という接点がなくなれば白銀に会う機会がなくなることを憂いたかぐやは、白銀に会長を続投してほしい旨を伝える。
その願いを受け入れた白銀は次期生徒会選挙に出馬することを決め、今までの生徒会メンバーとともに、対立候補である1年生の伊井野ミコ(いいの ミコ)と票を争うことになる。

伊井野は真面目過ぎる性格が仇となって選挙においては劣勢だった。
また、昔から選挙に負け続けてきた伊井野は、選挙演説中に人前で委縮して、本領発揮できずに生徒たちから嘲笑を買っていた。
昔から伊井野を知る石上は、頑張っている伊井野が笑われないようにしながら選挙に勝ってほしいと白銀やかぐやに伝える。
結果、白銀は伊井野の選挙演説中に助け舟をだして、彼女が観客に笑われるのを阻止した上で選挙に当選することができた。
なお、落選した伊井野も生徒会を目指すなら実地で学んだ方がいいだろうということで、会計監査として生徒会に加わった。

体育祭の時期になり、かつて不登校で校内でも浮いた存在だった石上が、自らを変えるきっかけとして応援団に入ることを決める。
石上は秀知院学園中等部の頃に暴力沙汰で停学処分になったことがある。
クラスの女子を助けようとしてしたことだったが周囲には誤解されて停学処分を受け、そのショックから立ち直れずに卒業まで引き籠り生活を続けることとなったのである。

高等部に進学してからも敵視し続ける人間は多く、校内で孤立していた石上だったが、応援団として頑張るうちに心に変化が表れるようになる。特に親切にしてくれたのが3年生の子安つばめ(こやす つばめ)で、石上は知らず知らず彼女に好意を抱いていく。
しかし、体育祭にはトラウマのきっかけとなった女子も来ており、鉢合わせしてしまう。
辛い過去を思い出して動けなくなってしまう石上だったが、白銀の後押しにより、不登校だった頃の自分を生徒会メンバーが救ってくれたことも思い出す。
過去を吹っ切ることができた石上は、無事に対抗リレーのアンカーを務めることができた。
リレー自体は負けたものの、つばめや応援団の仲間には温かく受け入れられ、彼にとって忘れられない体育祭となった。

体育祭と石上の再起

過去を振り切って、リレーのアンカーを務める石上(左)。

体育祭の時期になり、かつて不登校で校内でも浮いた存在だった石上が、自らを変えるきっかけとして応援団に入ることを決める。
石上は秀知院学園中等部の頃に暴力沙汰で停学処分になったことがある。
クラスの女子を助けようとしてしたことだったが周囲には誤解されて停学処分を受け、そのショックから立ち直れずに卒業まで引き籠り生活を続けることとなったのである。

高等部に進学してからも敵視し続ける人間は多く、校内で孤立していた石上だったが、応援団として頑張るうちに心に変化が表れるようになる。特に親切にしてくれたのが3年生の子安つばめ(こやす つばめ)で、石上は知らず知らず彼女に好意を抱いていく。
しかし、体育祭にはトラウマのきっかけとなった女子も来ており、鉢合わせしてしまう。
辛い過去を思い出して動けなくなってしまう石上だったが、白銀の後押しにより、不登校だった頃の自分を生徒会メンバーが救ってくれたことも思い出す。
過去を吹っ切ることができた石上は、無事に対抗リレーのアンカーを務めることができた。
リレー自体は負けたものの、つばめや応援団の仲間には温かく受け入れられ、彼にとって忘れられない体育祭となった。

かぐやのスマホデビュー

校長の頼みで秀知院学園のパンフレット用の写真を撮ることになった生徒会。
家の方針で不特定多数の目に触れるような写真に写ることを禁じられているため、パンフレットには載ることができないかぐやだったが、それとは別に、最後に生徒会全員での記念撮影をしようという話になる。
しかし、その際にかぐやはずっと使っていたガラケーを屋上から落としてしまう。
携帯は壊れ、生徒会に入って以降撮りためてきた写真のデータが失われて、かぐやは深いショックを受ける。
かぐやがガラケーのため、今まで生徒会にLINEグループはなかったのだが、彼女が新しくスマホを買い直したため、生徒会はLINEグループを作ることにする。
写真を失ったショックで心ここにあらずなかぐやだったが、LINEグループを使って他の生徒会メンバーの写真を共有することができた。
さらに、パンフレット撮影の時に撮れなかった生徒会全員の集合写真をかぐやの新しいスマホで撮り直した。
今までの人生で集合写真を撮ったことがなく、羨ましく思っていたかぐやは、笑顔を取り戻したのだった。

奉心祭と海外留学の誘い

一緒にスタンフォード大学まで来てほしい。愛の告白にも等しい言葉を白銀から告げられたかぐやは、感極まって彼と口付けを交わす。

白銀とかぐやの恋の駆け引きは空回りを続ける。しかしその学力を見込まれてスタンフォード大学の受験を学校側から勧められた白銀はこれに合格し、来年の夏には日本を発つことになる。こんな機会は2度とないと海外留学を決意する一方、白銀はいよいよかぐやと過ごせる時間は残り少ないと考え、彼女との関係を進めるべく秀知院学園の文化祭である「奉心祭」を利用しようと考える。
奉心祭には、「意中の相手にハート型の小物を渡す」という風習があり、白銀はこれに目をつけていた。入念に準備したその当日、白銀は自分が卒業するより早く海外に留学することを打ち明け、大量のハートの風船と共に「一緒に来てほしい」と告げる。愛の告白にも等しい言葉にかぐやは感激し、思わず白銀に抱き着いて初めての口付けを交わすのだった。

一方、つばめに好意を寄せるようになった石上は、奉心祭の風習を知らないまま彼女にハート型の小物を渡す。つばめはこれを「石上からの告白」だと受け取り、彼との関係についてどのような答えを出すべきか思い悩む。
生徒会の仲間として一緒に過ごす内、不真面目でいいかげんなヤツだと思い込んでいた石上が意外としっかり仕事をしていることを知り、「無条件で嫌っていたのは私の偏見だったのかもしれない」と彼への評価を改め始めていた伊井野は、これをおもしろくなさそうに見詰めていた。

クリスマスの狂騒

想いを通じ合わせた白銀とかぐやは、クリスマスイヴに改めて口付けを交わす。

晴れて互いの気持ちを確認して歓喜と興奮に浸る白銀とかぐやだったが、「勢いでキスまでしてしまったが、はっきり言葉で好きとは言われていない。これは“恋人関係になった”ということでいいのだろうか」と思い悩む。改めて相手に「好き」だと言わせようと空回りする2人だったが、双方が相手の弱いところを受け入れようとすることでクリスマスイヴの夜に和解し、名実共に恋人となる。
アニメ版では、この顛末は『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』として劇場版作品にまとめられている。

同じ頃、石上は伊井野と共につばめの家で開かれたクリスマスパーティーに参加していた。それが終わった後、石上はつばめに部屋へと招かれるが、彼女がそうまでしてくれたのが「自分は間もなく卒業だし、多分付き合うことは無理だろうから、本気で告白してくれた石上にせめて良い思い出を作ってあげよう」という同情めいた気持ちからであることを知って絶句。つばめの軽率さとそこまで思い詰めさせたことに気付けなかった自分自身に失望し、「そういうことは本当に好きな人とするべきだ」と言い残して部屋を去る。
奇しくもこの時、マンションの入り口には伊井野が立ち寄っており、つばめの部屋から飛び出してきた石上を見て驚愕。「つばめと何かあったのだ」と確信した伊井野は、石上に事情を問い質すも、彼は涙すら浮かべて「何もない」と言い張るばかりだった。大切にしたいと思っていたつばめを、結果として傷つけることしかできなかった自分に絶望しながら帰路を急ぐ石上は、階段で足を踏み外して落下。慌ててこれを庇った伊井野が骨折するという事態を招くのだった。

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