ツクヨミ(推しの子)の徹底解説・考察まとめ

ツクヨミとは、【推しの子】の登場人物で、主人公の星野アクアの前にたびたび現れては忠告めいた揶揄を告げる少女。ツクヨミは芸名であり、本名は不明。
見た目は小学校低学年程度の少女ながら老成した雰囲気の持ち主で、アクアに対しては“出会う以前から知っていた”かのように接し、彼が雨宮吾郎の転生体であることを言及するなど謎めいた存在。常にカラスを従えており、超常的な力を持つかのように振る舞う。それでいて子供っぽいところもあり、アクアの挑発への反発から“ツクヨミ”の名で子役デビューを果たす。

ツクヨミ(推しの子)の概要

ツクヨミとは、【推しの子】の登場人物で、主人公の星野アクア(ほしの アクア)/星野愛久愛海(ほしのアクアマリン)の前にたびたび現れては忠告めいた揶揄を告げる謎めいた少女。
芸能人としても活動するアクアが、仕事仲間たちと撮影のために旅行した先で初登場を果たす。常に無数のカラスを引き連れて現れ、アクアがかつてこの地で殺された雨宮吾郎という産婦人科医の転生した存在であることを“以前から知っていた”かのように語り、超常的な雰囲気を放つ人物である。

その後アクアは母の仇討ちのため、芸能界で知り合った人々と協力して犯人の罪を告発する内容の映画製作に没頭。そんな彼の前に再び現れ、目的を果たしたとしてもアクア自身は不幸にしかならないと嘲るような口調で指摘する。
しかしその彼に「子役を探している、お前ならできそうだから頼まれてくれ」と要求され、「できないなら素直に謝罪を添えて断れ」と挑発された結果、「バカにするな」と反発した末にこれを引き受けてしまう。以降はツクヨミという芸名を名乗り、アクアの映画撮影に協力していく。

ツクヨミ(推しの子)のプロフィール・人物像

見た目はせいぜい小学校低学年程度ながら、非常に老成した雰囲気を持つ少女。アクアの前に現れる時は常にカラスを従えており、人ならざる存在であるかのように振る舞う。
本人は「人間から生まれたことは事実」とする一方で、「普通の親ではない」とも語り、その実態と正体は謎に包まれている。

アクアは「何者か知らないが、自分の復讐が完遂された方が彼女にとっても都合が良い」と推測しており、これに「良い読みをしている」との言葉を返している。同時に彼の魂が崩壊寸前の状態にあること、自分なら今すぐにでもそれを掻き消せることをほのめかしており、普通の人間なのか、人間になんらかの超常的な存在が宿っているのかは判然としない。

ツクヨミ(推しの子)の来歴・活躍

アクアとの接触

主人公であり、母の仇を探すために芸能界で活動している星野アクア(ほしの アクア)/星野愛久愛海(ほしの アクアマリン)が、アイドルとして活動している妹の星野ルビー(ほしの ルビー)/星野瑠美衣(ほしの ルビー)の撮影の付き添いで九州の高千穂を訪れた際、彼の前に不意に姿を見せる。この時は無数のカラスを従えており、ずっと前から知っていたかのようにアクアに接する。
アクアはツクヨミに対し「気味の悪い子供」という印象を持つが、自身が「十数年前にこの地で崖下に突き落とされて死亡した産婦人科医の雨宮吾郎(あまみや ごろう)の転生した存在」であるという誰にも打ち明けたことの無い事実まで指摘されたことで、彼女を「生と死と魂の転生についてなんらかの知識か技術を持つ人物」だと認識する。

母の仇を討つことだけを考えて生きてきたアクアは、ツクヨミが超常的な力に近しい人物であることを知っても何をするでもなく、自身の目的のために邁進。しかしアクアが妹たちと共に東京に戻ってからもツクヨミはたびたびカラスを従えて彼の前に現れ、彼の進む道が正しいかどうかを、そしてその先に待つのが破滅でしかないことを、揶揄と皮肉を込めて告げていく。

唐突な子役デビュー

アクア(後ろ)の挑発に乗ってしまったツクヨミは、彼が仲間と製作している映画に子役として出演することとなる。

やがてアクアは母の仇が顔も名前も知らなかった自分の父であることを突き止め、その正体を調べて復讐の準備を整える。彼が選んだのは、犯行当時の年齢などから軽い罰しか与えられない刑事事件としての告訴ではなく、“父の犯罪の全てを映画の形で永遠に残す”という方法だった。
妹のルビーや懇意にしている映画監督など、これまで芸能人として培ってきた全てのコネと人脈を駆使してアクアはこの映画製作を進めていくも、複雑な演技を要求される子役だけがどうしても決まらない状態が続く。

そんな折、ツクヨミは1人でふらりと外に出たアクアの前に現れ、嘲笑とも激励ともつかぬ言葉を彼に伝える。そんな彼女にアクアは「お前が何者か知らないが、普通の人間ではなさそうだし、その分人生経験も豊富だろう。これだけ何度も俺の前に現れるということは、今回の映画が成功した方がお前に取っても都合がいいはずだ」と理屈を並べて、彼女に子役として映画撮影に参加するよう要求する。
ツクヨミはこれに困惑し、「芸能は自分の司るところではない」と言っていったん断る。しかしアクアに「子役になる度胸も演技力も無いならはっきり言え、こっちだって本気で頼んでるんだから“ごめんなさい”と謝罪した上で断ればいいだろう」と食い下がられ、格下扱いされることに反発して「それくらいできる」と言ってしまう。

これを「子役デビューに同意した」と見なされ、アクアによって彼の所属する芸能プロダクションへと案内される。アクアがいきなり女の子を「子役を捕まえた」と言って連れてきたことに驚くルビーや事務所の面々の前で、「捕まってない、自分の意志で来た」と言い張った。

ツクヨミ(推しの子)の関連人物・キャラクター

星野アクア(ほしの アクア)/星野愛久愛海(ほしの アクアマリン)

母を殺した黒幕を探して芸能界に飛び込んだ少年。産婦人科医の雨宮吾郎が転生した存在だが、「言っても誰も信じないどころか自分が変人扱いされる」とこれをずっと秘密にしていた。
ツクヨミはどういうわけかアクアのことを高千穂で顔を合わせる前から知っていたらしく、前世のことまで言及して彼を驚かせている。一方のアクアはツクヨミを「会うたびに意味深なことを好きなだけ言って去っていく不愉快なガキ」だと認識しており、どうやら彼女が超常的な存在であるらしいことを薄々察してはいるが、あまり良い感情は抱いていない。

renote.net

星野ルビー(ほしの ルビー)/星野瑠美衣(ほしの ルビー)

アクアの双子の妹。雨宮吾郎が研修医時代に出会い、治療の甲斐なく命を落とした天童寺さりな(てんどうじ さりな)が生まれ変わった存在である。前世の頃から芸能界の煌びやかな雰囲気に憧れ、転生して健康な体を手に入れてからは自身もアイドルを志すようになった。
ツクヨミはルビーがさりなの転生した存在であることも知っているらしく、高千穂では彼女の前にも姿を見せている。しかしアクアほどには興味が無いのか、彼女に対しては通りすがりの子供を装って傷心を嬲るような言葉だけ告げて立ち去っている。

renote.net

ツクヨミ(推しの子)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「神様はきっと優しいよね」

アクアの前に初めて姿を現した時、ツクヨミは唐突に「神様はきっと優しいよね」との言葉を口にしている。無数のカラスを従えて不可思議なことを言い出した女の子を前に、アクアは「この子は何を言っているんだ」と大いに面食らうも、自身が生まれ変わりを経験していることを指摘するような彼女の言動にただならぬものを感じる。
ツクヨミというキャラクターの初登場の場面であり、彼女が超常的な存在であることを巧みに表現している印象的なシーンだ。

「はぁー?出来るしなめんな」

アクアに子役として映画に出てほしい旨を頼み込まれたツクヨミは、「まさか自分にそんなことを要求してくるとは思わなかった」と困惑しつつ、それは自分の領分ではないと主張する。しかしアクアは諦めず、「難しい物言いで煙に巻こうとするな、子役になる度胸も演技力も無いなら素直にそう言え」とツクヨミを挑発。これにツクヨミは「はぁー?出来るしなめんな」と言葉を返し、アクアが復讐のために製作している映画に子役として出演することを事実上承諾してしまう。

ここまで超常的な存在として描かれてきたツクヨミが、映画に子役として出演するという形でアクアの日常に絡んでくることとなった印象的なシーン。ネットでは「この展開は予想外」、「この子は意外とチョロいのでは」といった感想が多く聞かれた。

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