恐怖(高校生記者シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ

『恐怖』とは、楳図かずおによるホラー漫画。『月刊平凡』にて1966年から1970年まで連載された『高校生記者シリーズ』をコミックスにまとめたものである。全21エピソードから成り、視覚的な怖さやサイコサスペンス的な恐ろしさなど、あらゆる形の恐怖ストーリーが描かれている。同作品はみやこ高校新聞部に所属する高校生男女が、様々な恐怖体験や事件に巻き込まれていくホラー作品である。

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楳図かずおが描いた『ウルトラマン』のヒドラ像

『コンドラの童話』は、怪獣コンドラが大暴れするストーリーであり、『恐怖』の中では活劇のような描写を楽しむことができる。熱心なファンの間では、『コンドラの童話』と特撮作品の金字塔『ウルトラマン』に登場する高原竜ヒドラとの共通点が考察されている。ヒドラは同作品の第20話『恐怖のルート87』において、轢き逃げ事故で死亡した少年ムトウ・アキラの魂が乗り移った存在として実体化し、轢き逃げ犯を探し出して復讐すべく街を蹂躙した。このように『コンドラの童話』とストーリー展開が酷似しているのだ。実は楳図かずおは、1966年から1967年まで『ウルトラマン』のコミカライズを担当しており、そこでヒドラのエピソードを描いたことがある。楳図は同エピソードが一番好きだったとインタビュー等で語っており、『コンドラの童話』にその要素を活かしたことが窺えた。

秋田書店サンデーコミックス版『恐怖』に収録された別エピソード『灰色の待合室』

『恐怖』 秋田書店サンデーコミックス版 第3巻表紙

『恐怖』が初めて単行本化されたのは、秋田書店サンデーコミックス版全3巻である。1960年代から1970年代にかけてのコミックスは、全話収録されないことがしばしばあった。例えば横山光輝の『バビル2世』は、初単行本化の際に最終回が収録されなかった。『恐怖』のサンデーコミックス版も、何故か第2話『悪魔の24時間』がオミットされ、その代わりに短編『灰色の待合室』が第3巻に収録された。『灰色の待合室』は、額を怪我した少女杏子(きょうこ)が治療先の病院で幽霊と間違われてしまうという内容のホラー作品だが、『恐怖』の母体『高校生記者シリーズ』とは全く関係がない。『悪魔の24時間』が削られて『灰色の待合室』が選ばれた理由は不明である。

実写ビデオソフトが制作・発売された『うばわれた心臓』

『うばわれた心臓』VHSジャケット

日本では、1980年代中頃に実写ホラービデオブームが起きた。同時期はビデオデッキが急速に普及し、多様なジャンルのビデオソフトが製作・販売されたのだ。多数リリースされた実写ホラービデオの中に、『恐怖』の1エピソードを原作にした『うばわれた心臓』がある。実写ビデオ版は、ストーリーはほぼ原作通りの展開であるが、漫画版の主人公荒井エミ子が登場しないという相違点もあった。

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