神の左手悪魔の右手（楳図かずお）のネタバレ解説・考察まとめ

柴沼清美（しばぬまきよみ／演：松金よね子）

映画『神の左手 悪魔の右手』のみに登場する女性で、児童養護施設「エンジェルハウス」の園長を務めている。

谷ミワコ（たにミワコ／演：根岸季衣）

谷ヨシコの母親で、ケーキ屋を営んでいる。光一郎がケーキ屋の常連客だったことから、ヨシコは彼の正体をつきとめた。

古川（ふるかわ／演：小木茂光）

連続殺人事件を捜査している刑事で、実写映画版のみに登場した。

『神の左手悪魔の右手』の用語

ヌーメラウーメラ

ヌーメラウーメラとは、『神の左手悪魔の右手』に登場する架空のキャラクター。
元々は、主人公である山の辺想が自身の想像上で創った存在だと思われていた。しかし、最終エピソード『影亡者』において、ヌーメラウーメラそのものが想の正体であることが判明した。ヌーメラウーメラは、霊的な存在で、「この世の元」を自称していて、あらゆる傷ついたものを癒すことのできる神の左手と、全てを消すことのできる攻撃力のある悪魔の右手を有している。
また、想は筆箱の中に、消しゴムで作ったヌーメラウーメラとどんどろ、でんでろ、がんがろ、べんべろの計5体を入れていた。

守護霊（しゅごれい）

守護霊とは、人などに取り憑いてその対象を守ろうとする霊のことである。
『神の左手悪魔の右手』の『影亡者』に登場する守護霊も、同様の目的を持っていることが示唆された。しかし、影亡者に食い尽くされることもあり、守護霊を食われた人間は絶命している。また、三郎太のように、影亡者に守る対象（土井みよ子）を奪われた守護霊も存在する。

影亡者（かげもうじゃ）

影亡者（かげもうじゃ）とは、『神の左手悪魔の右手』の同名エピソードに登場する架空の霊。
かつての大女優、大森世津子に取り憑いていたが、彼女が死亡すると、たまたま居合わせた土井みよ子に取り憑く。影亡者に取り憑かれた者は、運に恵まれて大成功する。しかし、その裏側で他の人間に大きな不幸や犠牲をもたらす。また、他の人間の守護霊も食い尽くされてしまう。
ヌーメラウーメラに変身した想の右手で倒されたかと思われたが、最終的に想の父親が勤める病院にいた実験用の猿に取り憑いた。

『神の左手悪魔の右手』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

山の辺泉の体内から出てくる多数の異物

『神の左手悪魔の右手』の1編『錆びたハサミ』では、山の辺泉が体内から多くの異物を出すシーンが描かれた。ストーリーの冒頭では、山の辺想が見た悪夢の中で錆びたハサミが泉の顔を切り刻んでいく。そして、30年前に八天王市で起きた連続殺人事件の手がかりとして、泉は当時の新聞記事を体内から出し、更には大量の泥、三輪車などを吐き出した。この一連のシーンは、徹底したゴア描写として展開され、多くの読者に強烈なインパクトを与えたといわれている。

屋敷の女の顔から出たおびただしい数の蜘蛛

『神の左手悪魔の右手』の1エピソード『女王蜘蛛の舌』に登場する屋敷の女は、高品明をストーキングして遂には婚約者のかおりに成りすまして彼を狙っていた。女の企みは想の知るところとなり、想は車にトラバサミを仕掛けて女を閉じ込めることに成功する。そして、想は車内に殺虫剤を投げ込んだ。すると、女の口から大量の蜘蛛が溢れ出した。やがて、口ばかりではなく目や鼻の穴からも蜘蛛が出るというおぞましい光景が展開された。原作者の楳図かずおは、蜘蛛嫌いを公言しており、無数の嫌いな虫を描いたシーンはトラウマ必至と評されている。

残虐な殺され方をする『黒い絵本』の登場人物