おじゃる丸(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『おじゃる丸』とは、NHK Eテレにて、1998年から放送している子供向けテレビアニメ番組。原案者は、犬丸りん。これまでに、漫画化、映画化、ゲーム化のメディア展開もなされている。ヘイアンチョウの妖精・おじゃる丸が、小学生のカズマをはじめ様々な個性的な登場人物と出会う。そして、月光町で出会う仲間たちと起こる愉快な物語が描かれている。子供向け番組ではあるが、愉快な仲間たちの織り成す物語に大人も癒され、楽しむことができるのが『おじゃる丸』の魅力である。

『おじゃる丸』の概要

『おじゃる丸』とは、NHK Eテレにて、1998年10月15日に放送を開始した子供向けのテレビアニメ番組。2022年4月からは、月〜木曜、午前6時40分〜6時50分(再放送:午後5時〜5時10分)に放送している。」これまでに、『おじゃる丸』は漫画化、映画化、ゲーム化のメディア展開もなされている。原案者は、犬丸りん(1958年-2006年)。犬丸りんは、漫画家・エッセイストであり『おじゃる丸』の他にも数多くの漫画・エッセイ・小説を残した。
このアニメの主人公・坂ノ上おじゃる丸(さかのうえおじゃるまる)は、ヘイアンチョウの妖精貴族。ひょんなことから月光町にたどり着いたおじゃる丸は月光町で小学生の田村カズマ(たむらかずま)と出会う。かずまの家で、一緒に暮らすようになったおじゃる丸は、月光町で、様々な個性的な登場人物と出会う。また、おじゃる丸を追うエンマ大王は、子分である子鬼トリオを月光町に送り込んだ。おじゃる丸を追う子鬼トリオや月光町の仲間たちが繰り広げる愉快な物語が描かれている。『おじゃる丸』は10分の物語のなかに起承転結がおさまっている。そのため、子供向けの番組でありながらも、個性的で愉快な仲間たちが織り成す物語に大人も楽しむことができるのがの魅力である。

『おじゃる丸』のあらすじ・ストーリー

おじゃる丸の月光町での暮らし

電ボ(左)とともに月光町へやってきたおじゃる丸(右)

ヘイアンチョウ妖精界貴族の子供である坂ノ上おじゃる丸(さかのうえおじゃるまる)。ある日、おじゃる丸はエンマ界のエンマ大王から大事なシャクを奪いとり逃げ回ることとなった。そして、逃げているうちに穴に落ちてたどり着いたのが、ヘイアンチョウから千年後の時代に存在する月光町。月光町にたどりついたおじゃる丸は、そこで田村カズマ(たむらかずま)と出会う。カズマは月光小学校に通う小学生。おじゃる丸は、そんなカズマが住む坂田マンションで一緒に暮らすことになる。カズマはもともと父・マコトさんと母・愛ちゃんの3人家族。そこにおじゃる丸とおじゃる丸にお仕えしている電書ボタルの電ボ三十郎(でんぼさんじゅろう)が家族として加わった。おじゃる丸は、月光町にきてからもヘイアンチョウと変わらず気ままな毎日を送っている。何をするかは、その日に決めるような自由な暮らし。そんなおじゃる丸の毎日の楽しみは、1日1個と決められたカズマの母、田村愛(たむら あい)お手製のプリン。月光町の気ままな暮らしのなかでもおじゃる丸は、多くの仲間たちと出会う。月光町に暮らす仲間は、個性的で愉快なものたちばかり。そんな仲間たちやおじゃる丸が引き起こす騒動が繰り広げられる。

ヘイアンチョウとおじゃる丸

月光町にたどり着くまで、ヘイアンチョウで暮らしていたおじゃる丸。ヘイアンチョウは、月光町から千年前の時代。ヘイアンチョウには、おじゃる丸の父上や母上も暮らしている。父上と母上は、月光町に行ってしまったおじゃる丸をとても心配しており、寂しく思っている。ヘイアンチョウには、オカメ姫(オカメひめ)や牛(うし)、赤紫式部(あかむらさきしきぶ)といったおじゃる丸の仲間たちが暮らしている。また、おじゃる丸や電ボは月光町に行ったきりではなく、ヘイアンチョウにも帰っている。月光町からヘイアンチョウに戻る手段があるのだ。月光町の月夜ヶ池に満月の夜に水面に月が映ると「満月ロード」が生まれ、月光町の者は過去に戻ることができる。おじゃる丸や電ボも時折ヘイアンチョウに戻っている。特に電ボは、定期的にヘイアンチョウのおじゃる丸の父上・母上から伝言を預かり、おじゃる丸に届けるようにしている。

月光町の愉快な仲間たちとおじゃる丸

月光町には個性的で愉快な仲間たちが数多く登場する。例えば、満願神社(まんがんじんじゃ)は、ボロボロでさびれている古い神社。そこには、貧乏神(びんぼうがみ)の貧ちゃんが住み着いたため、ボロボロになった。オコリン坊(オコリンぼう)とニコリン坊(ニコリンぼう)も住んでいるが、人がほとんど来ないため、賽銭が集まらない。一度、嵐で倒壊したが、貧ちゃんの「神通力」でボロボロの姿のまま復旧した。
田村富美男(たむら とみお)ことトミーの住むログハウスには、庭には月光草の畑と小鬼トリオたちの住むテントがある。
また、ジャズ喫茶一服は、トミーの友人・マイクこと茶畑一服(ちゃばたけ いっぷく)がマスターを務める喫茶店。彼こだわりのコーヒーがメインだが、おじゃる丸のような子供向けにホットミルクも置かれている。電ボや公ちゃんなどの体が極小の客には、小さいミルクピッチャーで出してくれる。月光町民憩いの場。メニューのきまぐれコーヒーは、その日の気分で豆を選んでいる。
十文字麻璃子(じゅうもんじ まりこ)ことマリー屋敷の離れアパートでは、館長さん、ケンさん、うすいさちよ、乙女先生が下宿生活をしている。
他にも月光町には数多くの仲間たちが楽しく暮らしている。そして、おじゃる丸と月光町の仲間たちは、様々な事件や騒動を起こしていく。

子鬼トリオとのシャクをめぐる争い

そんな月光町で平穏な日々を送るおじゃる丸であるが、元はエンマ大王(エンマだいおう)の大事のシャクを奪ってしまったことにより月光町にやってきた。その後も、エンマ大王は、おじゃる丸が月光町に行ってしまった後もどうにかして、おじゃる丸からシャクを取り戻そうとする。そのために、エンマ大王が月光町に送り込んだのが子鬼トリオであった。子鬼トリオはカズマの祖父であるトミーの家の庭でテントを張って暮らしている。尊敬するエンマ大王のために子鬼トリオはおじゃる丸の前に度々現れ、シャクを取り戻そうとする。試行錯誤して様々な手段を試しているが結局取り戻すことはできていない。毎回、絶対取り返してやるぞと意気込んでおじゃる丸に挑む子鬼トリオであるが、3人とも心優しいところがあり、おじゃる丸や周りの人々に気を遣ってしまっている。小鬼トリオは、作戦をたてさまざまな着ぐるみを着ておじゃる丸の前に現れることもある。ストーリーに関する着ぐるみに変装して登場しシャクを取り戻す作戦が多いが、おじゃる丸にすぐバレてしまうのがお約束。第9シリーズの第1話『あしたこそ』では、未来の子鬼トリオを現在に連れて、大量の子鬼軍団を結成しておじゃる丸からシャクを取り戻そうしたこともあるが、結局失敗に終わっている。子鬼トリオのおじゃる丸からシャクを取り戻そうとする争いは続いていく。

『おじゃる丸』の登場人物・キャラクター

おじゃる丸と 田村家

坂ノ上おじゃる丸(さかのうえ おじゃるまる)

CV:小西寛子(第1~3シリーズ)、西村ちなみ(第4~25シリーズ)
坂ノ上のおじゃる丸、5歳。ヘイアンチョウ妖精界の貴族である。
一人称は「まろ」、語尾に「おじゃる」をつけるのが口癖である。自分のことは、やんごとなきみやびなお子さまのおじゃる丸と名乗る。性格は、自由奔放で好奇心旺盛。そんなおじゃる丸の苦手なものは水。かつてヘイアンチョウにいた頃に池で溺れた経験があるからだ。そのため、お風呂に入ることも嫌いである。好きな食べ物は、カズマの母・愛ちゃんが作るプリン。プリンが好きなあまり、食べてよいのは1日1個と決められている。両親は、アニメのなかで母上、父上として登場する。母上と父上はヘイアンチョウで暮らしており、月光町に行ったきりのおじゃる丸を心配し寂しく思っている。ヘイアンチョウに暮らす両親のことを思いながらもおじゃる丸は、月光町でカズマなどと暮らしている。

電ボ三十郎(でんぼさんじゅうろう)

CV:岩坪理江(第1~7シリーズ)、佐藤なる美(第8~25シリーズ)
電ボ三十郎は、代々、坂ノ上家につかえる電書ボタルの一族。おじゃる丸のお世話がかりとしておつかえをしており、おじゃる丸とともに月光町で生活をしている。ヘイアンチョウにも行き来しており、おじゃる丸の父上と母上の伝言役も務めている。カズマと同様に自由奔放のおじゃる丸には、何度も振り回されている。電ボの好きな食べ物はおにぎり。酒癖が悪いところがあり、お酒を飲むと、おじゃる丸の愚痴を話したりもしている。
電書ボタルの一族は、電ボだけでなくその他にも多くのキャラクターがアニメに登場する。「子電ボ」は、電ボの弟。その他にも、電書ボタル一族の長老「電ボ八老」、電ボに片想いする「一二三」などが登場する。

田村カズマ(たむら かずま)

CV:渕崎ゆり子
田村カズマ、8歳。月光小学校に通う小学2年生。
運動が得意でサッカー好き。性格は素直で面倒見がよい。自由奔放のおじゃる丸には、いつも困らされているが、おじゃる丸を、ほんとうの弟のように思って面倒をみている。また、かずまは川辺などにある小石を集めるのが大好きで、自分の部屋にコレクションをしている。かずまが石を愛でたり、磨いたりする場面が物語でも登場する。
かずまの母は「愛ちゃん」、パパは「マコト」としてアニメにも登場する。「愛ちゃん」は、主婦でスーパーでパートをしておりとても明るい性格。「マコト」はサラリーマンでおおらかな性格。「愛ちゃん」のことが大好きである。かずまはそんなラブラブな両親に愛されながら、おじゃる丸とともに生活を送っている。おじいちゃんの「トミー」は月光町の歴史研究家で、ログハウスで一人暮らしをしており、アニメにも度々登場する。

田村マコト(たむら まこと)

kyohe0079-_7
kyohe0079-_7
@kyohe0079-_7

目次 - Contents