わたしは真悟(楳図かずお)のネタバレ解説・考察まとめ

『わたしは真悟』とは、楳図かずおによる漫画。1982年から1986年まで『ビッグコミックスピリッツ』誌上にて連載された。恐怖漫画の第一人者楳図かずおが、来るべき近未来を描いた長編SF作品であり、連載終了後もラジオドラマ化やミュージカル化されるなどの大ヒットを記録した。また、楳図かずおの1980年代の代表作としても知られている。ともに小学6年生である近藤悟と山本真鈴の淡い初恋と、2人の行動の影響で自我を持つに至った産業用ロボットを中心にしてストーリーが展開される。

真悟(しんご)

元々は豊工業にリースされていた産業用ロボット。悟と真鈴が様々な情報を入力したことと、2人が東京タワーのてっぺんからヘリコプターへ飛び移ったことをきっかけに自意識を持つに至った。悟と真鈴の名前から1字ずつ取り「真悟」と名乗った。その後は、豊工業を飛び出して悟のメッセージを真鈴に届けようとする。その際に世界のあらゆるものと繋がることで、まるで全知全能の神の如き存在となり人類を震撼させた。

悟の関係者(さとるのかんけいしゃ)

コンドウイサム

悟の父親で年齢は35歳。豊工業の工場で労働者として働いていた。産業用ロボットのモンローとリーが導入されたことであちこちの持ち場を転々とさせられたが、最終的にはモンローを動かす係となる。その後、工場が大幅な機械化を実行したことでリストラの対象となった。新潟県に一家で引っ越して以降は酒に溺れるようになり、悟を大いに落胆させている。

近藤はるひ(こんどうはるひ)

悟の母親。年齢は不明だが、夫のイサムと同世代だと思われる。悟に対しては常に厳しく接しており、彼のいたずらに呆れていた。夫が職を失って新潟県に引っ越して以降は、頼りない夫を尻目に家族を養うために元クラスメイトから紹介してもらったバーでホステスとして働くようになる。しかし、そのことが理由でイサムは酒浸りになってしまった。バーでの源氏名は「おはる」。

沼田(ぬまた)

悟のクラスメイトであだ名は「ヌー」。悟とは友達だが、女子に関心を示さない悟のことを幼稚だと思っている。また、悟に内緒で同じくクラスメイトのむつみと交際していた。大人たちに引き裂かれそうになって真鈴と逃亡した悟は、沼田のことを頼りにして電話をしたが、警察が動いていることを知っていた沼田は2人の居所を確かめようとする。

むつみ

悟のクラスメイトの少女。彼のいたずらの対象になって、髪の毛を引っ張られて泣き出した。悟はそのことが原因で、実は彼女と交際していた沼田の怒りを買うことになる。沼田とは彼の家で一緒に宿題をするなど、健全な付き合いをしていた。

しずか

近藤家の隣に住む少女。幼稚園児くらいの年齢だと思われるが、ませていて悟に好意を持っている。そのため、真鈴に焼きもちを焼くなど2人の邪魔をしていたが、悟が新潟県に引っ越した後に真悟の存在を知ってからは真悟を逃がすために尽力するなど心境に変化があったもよう。

九鬼(くき)

豊工業に務める熟練工で、悟の父親の同僚。機械化が進む工場に苛立って退職したが、不愛想な態度が災いして他の仕事をしても長続きしなかった。後に廃品回収業者となり、悟と彼の父親の前でモンローと同型のロボットを解体する様子を見せつけた。

真鈴の関係者(まりんのかんけいしゃ)

真鈴の父(まりんのちち)

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@yudai1004

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