わたしは真悟(楳図かずお)のネタバレ解説・考察まとめ

『わたしは真悟』とは、楳図かずおによる漫画。1982年から1986年まで『ビッグコミックスピリッツ』誌上にて連載された。恐怖漫画の第一人者楳図かずおが、来るべき近未来を描いた長編SF作品であり、連載終了後もラジオドラマ化やミュージカル化されるなどの大ヒットを記録した。また、楳図かずおの1980年代の代表作としても知られている。ともに小学6年生である近藤悟と山本真鈴の淡い初恋と、2人の行動の影響で自我を持つに至った産業用ロボットを中心にしてストーリーが展開される。

『わたしは真悟』は、幼い子供の恋愛とその結果自我を持った機械が暴走するという2つの核を持つ物語として知られている。非常に難解なストーリー展開のため、読む人を選ぶ漫画という論調も多く見られた。その中で、漫画評論家の呉智英は同作品を「1980年代に発表された芸術作の中でも最高傑作」と大絶賛した。また、楳図かずおの大ファンである作家の綾辻行人は、同作品を「1頁目から泣いて読む」と語っている。このように、『わたしは真悟』は玄人受けする漫画として認知されている。

ミュージカル版の主演は高畑充希と門脇麦

左:門脇麦(近藤悟役)、右:高畑充希(山本真鈴役)

2016年から2017年にかけて上演されたミュージカル版では、山本真鈴役を高畑充希、近藤悟役を門脇麦が務めた。高畑充希はNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』でブレイクした直後であり、門脇麦は映画『愛の渦』で体当たりの演技を披露し演技派女優として注目されていた。また、ミュージカル版はフランスの著名な演出家フリップ・ドゥクフレが演出と振付を手掛けたことでも知られる。

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