宇宙の騎士テッカマンブレード(タツノコプロ)のネタバレ解説・考察まとめ

『宇宙の騎士テッカマンブレード』とはタツノコプロが1992年に制作したSFアニメである。宇宙進出を果たした未来世界において、突如宇宙から襲来した侵略者ラダムと、仮面の超人・テッカマンブレードとの、人類の存亡をかけた壮絶な死闘が描かれる。原作『宇宙の騎士テッカマン』では描かれなかった、肉親と戦い葛藤する要素を取り入れており、主人公・Dボゥイが、肉体的・精神的に極限まで追い詰められ全てを失いながらも、敵に改造された兄弟・友人と死闘を繰り広げるという、非常にハードな展開が特徴である。

フリーマン「もし神がいるのなら、それが彼に与え給うた救いなのだ」

車椅子に乗せられ、無心で夕日を眺めるDボゥイ(右)と、それを甲斐甲斐しく介護するアキ(左)

第49話。奇跡的に地球に帰還したが、肉体以外の全てを失ったDボゥイ。赤子のように無心で夕日を眺める彼を見守りながら、フリーマンが「忘却を、悲しみから逃れる手段にしてはならない。しかし彼にだけはそれが許される。いや、許される気がする。もし神がいるのなら、それが彼に与え給うた救いなのだ」と述べる。肉親の血で染まった手も、仲間を失った悲しみも、丸ごと忘れ去ることが神の救済だという意味である。ノアルも続いて「ゆっくり休んでくれ、なにもかも忘れて」と願う。

『宇宙の騎士テッカマンブレード』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

声優に関するエピソード

森川智之の絶叫により収録マイクが故障

Dボゥイの声優を担当した森川智之は、今作が初主演である。そのため気合いが入りすぎたのか、Dボゥイが叫ぶシーンで、収録用のマイクを破損させたのはファンの間で語り草になった。

子安武人が声優を続けるきっかけとなったエビル役

テッカマンエビル=相羽シンヤの声優を担当した子安武人は、テッカマンエビル=相羽シンヤが一番好きなキャラクターだと語る。自身の演技に限界を感じ引退すら考えていたところに、シンヤのエキセントリックなキャラクターを思い切り演じきったことで、声優として大きく成長した旨の発言をしている。

飛田展男が一人二役で演じたテッカマンダガーVSペガス

テッカマンダガー=フリッツの担当声優・飛田展男は、本作品内でも他にペガス役も担当している。このため、ペガス初登場には、中の人が飛田展男同士で戦う事態になっている。

テッカマンについての考察

テッカマンとラダム獣の外観における違いについて

ラダム獣やラダム本体に対して、その外観が全く異なるため、テックシステム自体はラダムが地球より以前に侵略した、高度文明の星から鹵獲した物ではないかと考えられる。

テッカマンの装甲について

テッカマンの装甲は、大気圏突入の摩擦熱に耐え、反応弾のような熱核兵器に対しても全くの無傷だ。その反面、テックランサーやラダム獣の爪、触手による打突には意外ともろいが、これは装甲表面に反物質・フェルミオンの層を作り、対消滅反応でダメージを相殺していると考えられる。そのため、単純な大質量・高速の打突や、テックランサーのような同質の(こちらにもフェルミオンの層が展開されている)鋭利な刃による斬撃は、そのフェルミオンの層を突き破ってくるので防御しきれないのかもしれない。作中においても宇宙の暗闇の中で、テッカマンの輪郭が淡く光っている描写がある。

ソルテッカマンについての考察

フリーマンの思惑について

フリーマンの流出させた研究データの中には、反応弾の熱核攻撃を平然としのぐ脅威の装甲に関するデータが含まれていなかった(Dボゥイを連行した連合軍がテッカマンの装甲データを取ろうと躍起になっている)。フリーマンとしては、テッカマンの防御性能を恐れた連合軍幕僚を、ソルテッカマン大量配備に誘導しようと画策していたと思われる。しかしこの時点ですでに正常な判断力を失っていたコルベット准将の独断により、ソルテッカマン1体のみを中心とした、オービタルリング奪還作戦が決行され、結果は大失敗に終わる。ここに理論思考で感情の暴走を計算に入れられないフリーマンの性格が表れていると思われる。

ペガスについての考察

ペガスに搭載された超高度AI

ペガスは戦闘ロボットとしてはオーバースペックな人工知能を有している。例として、バーナード軍曹の部隊を救出する作戦において、軍曹が帰還を拒否する明確な命令違反を犯し、主であるDボゥイを酔い潰して強引に連れ去ろうとしている事案が発生しているにも関わらず、なりゆきを見守って同行しているのである。命令系統が違う軍曹の指示に従う義理は本来無いはずだが、ひとまずDボゥイの身体に危険が無いことを確認し、人間達のやりとりを読み取って、成り行きにまかせた方が穏便に作戦目標を達成できる、と認識している可能性が高い。

『宇宙の騎士テッカマンブレード』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):小坂由美子「REASON」(第0話〜第27話)

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