宇宙の騎士テッカマンブレード(タツノコプロ)のネタバレ解説・考察まとめ
『宇宙の騎士テッカマンブレード』とはタツノコプロが1992年に制作したSFアニメである。宇宙進出を果たした未来世界において、突如宇宙から襲来した侵略者ラダムと、仮面の超人・テッカマンブレードとの、人類の存亡をかけた壮絶な死闘が描かれる。原作『宇宙の騎士テッカマン』では描かれなかった、肉親と戦い葛藤する要素を取り入れており、主人公・Dボゥイが、肉体的・精神的に極限まで追い詰められ全てを失いながらも、敵に改造された兄弟・友人と死闘を繰り広げるという、非常にハードな展開が特徴である。
マルロー
CV:辻谷耕史
フルネーム不明。連合軍技術士官。バルザックの幼少期からの親友。入手したテッカマンの研究データを元に、ソルテッカマンを完成させる。バルザックと共に浮浪児として不遇な幼少時を過ごし、盗みをしながら食いつないでいた。仲間の裏切りによって捕まった先でその才能を見出され、軍の技術士官として日々を過ごしていた。世の中を見返し、成り上がって権力を思いのままに振るいたい。そんな野望を抱きながら虎視眈々と機会をうかがっていた。テッカマンの研究データを入手し、既存のパワードスーツ技術と組み合わせることで、ソルテッカマンを完成させる。今まで歯が立たなかったラダム獣を一撃で撃破するその性能に、バルザックと共に野望実現の扉が開いたと確信する。しかし、フェルミオンを採取して帰還しようとしたタイミングでラダム獣の襲撃を受ける。虎の子のフェルミオンを抱えて逃げ惑うが、ついにバルザックの目の前で命を落とす。他人を平気で裏切り蹴落とす性格だったバルザックも、この時ばかりは人目をはばからず大声で泣き叫んでいた。彼の死が、敗北後に隠遁しようとしていたバルザックを再び戦場に戻らせるきっかけとなった。
相羽家
相羽ミユキ(あいば みゆき)
相羽家の末っ子。16歳。テッカマンレイピアの正体。思い出の砂浜で摘んだアマリリスの花をこよなく愛する可憐な少女で、Dボゥイ=タカヤには実の兄として以上の愛情を持つ。兄たちと一緒にラダムに捕らえられ、テッカマンとして改造が進んでいたが、不適合として突如排除される。その後、残り少ない寿命を振り絞り、地球に渡った。兄であるDボゥイと合流すべく、地球上を放浪していたが、テッカマンエビルと戦闘になる。不完全な上に戦闘タイプではないテッカマンレイピアはたちまち追い詰められるが、テッカマンの反応を追ってきたDボゥイが駆けつけ、事なきを得る。奇跡的に人間として再会できた、最愛の妹に寄り添うDボゥイだったが、死が間際に迫っていることを知り更に絶望する。ミユキの口から語られた、ラダムの宇宙船が月の裏側に潜んでいること、ラダム樹が開花することで侵略が完成するとの情報は、人類側がラダムに反撃する重要な突破口になった。思い出の砂浜を再訪することをねだり、病身を押して兄との一時を過ごす。好きな女性ができた兄に、複雑な感情を抱きつつも、その仲を応援した。度々襲う組織崩壊の激痛に耐えつつ、テッカマンブレード不在のスペースナイツ基地を守るため、最後の力を振り絞りテックセットする。戦闘力に勝る敵テッカマン4体を相手に必死に戦うが及ばす、はりつけにされ、よっていたかってその身を切り裂かれる。兄タカヤを守りたい一心で放った、捨て身のボルテッカは、敵テッカマンを撤退に追い込んだ。エビルはPSYボルテッカの応用でその場をしのいだが、他のテッカマンを保護するために限界を超えてしまい、長期療養を余儀なくされた。直後に駆けつけたブレードの目に映ったのは、焼け野原になったスペースナイツ基地と、レイピアのクリスタルが砕けた破片だけだった。
ラダムと遭遇する前のミユキは、末っ子で周囲が年上ばかりなせいか、甘えん坊で幼さが抜けない、ごく普通の少女だった。彼女がこよなく愛するアマリリスの花は、作中度々登場し、前・後期オープニングでも舞い散る花びらとして(赤いのは血に染まった意味か)演出に使用されている。
相羽孝三(あいば こうぞう)
CV=麦人
相羽家の家長にして、相羽兄弟の実父。宇宙物理学者。51歳。よほどの家長気質らしく、家族全員を引き連れて宇宙船アルゴス号に乗り込み、土星圏の有人探査の旅に出ていた。その道中、土星付近で異常な重力波を感知、出現したラダム宇宙船と遭遇する。人類史上初の異星人とのコンタクトを果たすべく、ラダム宇宙船の中に足を踏み入れた彼らは、船内に潜んでいたテックシステムに捕らえられ、強制的にテッカマンにされてしまう。孝三は高齢のためテックシステムから不適合品として排除された。それを逆手に取り、息子タカヤをかろうじて救い出すことに成功。アルゴス号の脱出ポッドに押し込み、地球を救う使命を託して送り出した。その後、孝三は、ラダム宇宙船に取り込まれていたアルゴス号を自爆させ共に果てた。ラダム宇宙船は月の裏側への不時着を余儀なくされ、ラダムの侵略を遅延させることに成功する。その不屈の精神とたぐいまれな行動力が、結果的にラダムの侵略を阻止する事となった。学者の肩書きに不釣り合いなほどの射撃の腕前を有している。息子タカヤが囚われている肉塊に対して、相当な距離から拳銃を連射、伸びている触手のみを狙撃して見事救出に成功するほどである。
相羽家の邸宅は洋風の門構えを備えた絢爛たる豪邸であり、相羽家の世帯収入は相当なものだったと推察できる。地球を経つ前は、その邸宅で4人の子供達と平和に暮らしていた。男手1つで4人の子供を育てた経緯からか、非常に子煩悩な人物で、子供達の様子を見ながら自宅で仕事をするために、仕事机を居間に置くほどである。それゆえ、息子であるタカヤに、他の兄弟を殺して地球を守れと命じた心中は、まさに断腸の思いだった。
相羽夫人
作中には登場しない。相羽孝三の妻にして4兄弟の実母。ミユキを生んですぐに火災事故により死去したことが、特別映像『燃えた時計』で描かれた。そのため本編中には登場せず、回想中にも登場しない。シンヤ曰く、アキに面影が似ていて、気丈で子供を甘やかさない性格だったそうだ。最終決戦で一瞬だけ脳裏に蘇った家族の姿の中に、ミユキと同じ髪の色をした顔の写らない女性が描かれており、おそらくそれが相羽夫人であるようだ。
民間人
カル
CV:梅津秀行
フルネーム不明。木星開発団のリーダーを務める男。Dボゥイのことを、フリーマンから聞いたままの「デンジャラス・ボーイ」と呼ぶ。博士号を有し、その言動から惑星環境学が専攻と思われる。かつては連合政府の御用学者だったが、環境破壊が進むことを訴え、連合軍設立に反対していた。それが連合政府の不興を買い、実質島流しである木星圏開発に任命される。妻子を地球に置いての無期限の単身赴任だったらしく、衛星イオを「いつか」きっと人の住める環境にする決意を語っている。ラダムの侵略開始後、しばらくは木星圏に止まっていたが、資源を満載した輸送船団を編成し、地球への帰還を敢行する。その際、自らをおとりにしてラダム獣を全てひきつけ、搭乗している宇宙船を爆破する計画を立てる。途中でラダム獣に致命傷を負わされるが、駆けつけたテッカマンブレードに後を託し、息を引き取る。その姿に父・孝三を重ねたのか、ブレードは船が爆散する瞬間まで、その亡骸を守っていた。ブレードに手渡したブレスレットには、妻子と共に写ったカル博士の写真が納まっていた。彼の自己犠牲で物資は大半が回収されたが、輸送船団の乗員は重体の2人をのぞき全滅した。彼の死に対する連合軍の扱いのぞんざいさに、Dボゥイは嫌悪感を募らせていく。
フリーマンとは旧友であり、カルが壇上で演説するのを、他の政府高官と共に聴取し、木星圏に旅立つ時も見送りに来ていた。妻子は回想以外では登場しないが、おそらくラダムの襲撃により他界している(ラダムが跋扈する地球に妻子が生きていれば、さすがに物資輸送目的で自己犠牲はしないと思われる)。
リルル
CV:松井菜桜子
フルネーム不明。辺境で弟と共に農家を営む女性。行き倒れていたバルザックを保護し、そのまま家に住まわせる。そのまま彼が農夫として日々を過ごすうちに恋仲になり、彼との子供を授かった。バルザックの秘めた志を察し、自分たちの元を旅立って戦いに出るように説得する。最終決戦時には、オービダルリングに避難する民衆の中に弟と共にいる様子が描かれる。そのお腹はすでに臨月を迎えている様子。バルザックがはるか大気圏の彼方で、死に際に別れの言葉をつぶやくのを、虫の知らせで感じた。
アンジェラ・オトゥール
CV:土井美加
バーナードの妻。愛する者を奪ったラダムを憎み、敵を討つために民間人ながら特殊部隊に同行する。バーナードが戦死する場に居合わせたはずのDボゥイに、その最後の様子を教えてくれるように懇願する。しかし当のDボゥイはブラスター化の影響でバーナードの記憶を失っていた。Dボゥイの事情を知ったアンジェラは、全てを忘れて、ラダムと戦えなくなることを恐れる彼に、大事な人間を奪われた怒りと憎しみは何があっても消えない、と諭す。巨大ラダム獣に苦戦するテッカマンブレードを救うべく、前面に出たところで致命傷を負わされる。自身の死も心に刻み、打倒ラダムへの原動力にするように言い残し、至近距離で不発弾を打ち抜いて爆死した。その言葉はDボゥイの心に残り、彼は家族の思い出を心に刻みつけるため、相羽邸を訪れる。その成果か、ブレードはラダム宇宙船に向かう途中で記憶を失い、自分が誰かも分からない状態になるが、ラダムへの怒りと憎しみだけで進撃を再開する。
『宇宙の騎士テッカマンブレード』の用語
テッカマン
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目次 - Contents
- 『宇宙の騎士テッカマンブレード』の概要
- 『宇宙の騎士テッカマンブレード』のあらすじ・ストーリー
- テッカマンブレード登場
- 戦場の出会い
- テッカマンエビル出現
- ソルテッカマン完成
- 妹ミユキとの再会
- テッカマンアックスとの死闘
- 超戦士ブラスター
- 最終決戦
- 『宇宙の騎士テッカマンブレード』の登場人物・キャラクター
- スペースナイツ
- Dボゥイ/相羽タカヤ(あいば たかや)
- ノアル・ベルース
- 如月アキ(きさらぎ あき)
- ハインリッヒ・フォン・フリーマン
- ミレッタ・ルルージュ
- レビン
- 本田(ほんだ)
- ラダムサイド
- 相羽シンヤ(あいば しんや)
- 相羽ケンゴ(あいば けんご)
- フリッツ・フォン・ブラウン
- ゴダード
- フォン・リー
- モロトフ
- 地球連合軍
- コルベット
- バーナード・オトゥール
- バルザック・アシモフ
- マルロー
- 相羽家
- 相羽ミユキ(あいば みゆき)
- 相羽孝三(あいば こうぞう)
- 相羽夫人
- 民間人
- カル
- リルル
- アンジェラ・オトゥール
- 『宇宙の騎士テッカマンブレード』の用語
- テッカマン
- テッカマンブレード
- テッカマンダガー
- テッカマンエビル
- テッカマンアックス
- テッカマンソード
- テッカマンランス
- テッカマンレイピア
- テッカマンオメガ
- ブラスターテッカマン
- ブラスターテッカマンブレード
- ブラスターテッカマンエビル
- ラダム
- ラダム(本体)
- ラダム獣
- 飛行ラダム獣
- 騎乗ラダム獣
- 巨大ラダム獣
- マザーラダム獣
- 水棲ラダム獣
- スペースナイツ
- ペガス
- ブルーアース号
- ソルテッカマン
- グリーンランド号
- 地球連合軍
- 反応弾
- フェルミオン砲
- ニードル弾
- 超高分子フェルミオンミサイル
- 民間
- アルゴス号
- 『宇宙の騎士テッカマンブレード』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- Dボゥイ/ブレード「貴様らの野望は、宇宙で叩き潰す!この俺が必ず!」
- ノアル「まったくとんでもないDボゥイだぜ」
- Dボゥイ「死なないさ、いや死ねないんだ、俺は!」
- Dボゥイ/ブレード「俺はこのペガスによって再び命を授かった。お前達と戦うために。そして、そしてお前達をひとり残らず葬り去るまで、俺は死なん!」
- Dボゥイ/ブレード「へっ、俺はデンジャラス・ボーイだ」
- バーナード「まず生き残ること。生きて帰って、仲間の命を守り続けること。それが戦場の掟だ」
- シンヤ/エビル「俺たちは双子だ。元々ひとつだったモノがふたつに分かれたんだ。どちらか勝った方が生き残ればいい……生き残ればなあ!」
- アキ「あなたの30分をわたしにちょうだい!」
- 孝三「さらばだタカヤ。この名前も今日から忘れるんだ。お前が倒すのは兄でも弟でもない、侵略者ラダムなのだ」
- ミユキ/レイピア「あなたたちに殺させはしない。お兄ちゃん……」
- Dボゥイ「あいつ、俺と同じ眼をしていたんだ」
- アンジェラ「わたしも、あんたの思い出になるよ。忘れるんじゃないよ、その怒りを……!」
- シンヤ/エビル「最高だ、最高だよ兄さん……こんなにも充実した時を過ごせるなんて。もうラダムも人間も関係ない! この瞬間が俺の全てだよ兄さん!」
- 名も無き兵士「大丈夫だ、ボウズ……俺たちにはまだ、テッカマンブレードがいる!」
- シンヤ「ごめんね、兄さん……」
- Dボゥイ「Dボゥイも相羽タカヤも今ここで死んだ!俺はテッカマンブレードだ!」
- アキ「Dボゥイ生きて、生き続けて。例え記憶を、何を失おうとかまわない。あなたがあなたのまま帰ってきてくれればそれでいい」
- ケンゴ/オメガ「人の心を信じたお前がしてきたことはなんだ、人としての最大の罪、肉親殺しではないか!」
- アキ「神様、あなたはどこにいるのですか? 彼はもう、もてるもの全てを失いました。愛する父も兄弟も友も、その思い出すら」
- Dボゥイ/ブレード「帰ろう、家へ」
- フリーマン「もし神がいるのなら、それが彼に与え給うた救いなのだ」
- 『宇宙の騎士テッカマンブレード』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 声優に関するエピソード
- 森川智之の絶叫により収録マイクが故障
- 子安武人が声優を続けるきっかけとなったエビル役
- 飛田展男が一人二役で演じたテッカマンダガーVSペガス
- テッカマンについての考察
- テッカマンとラダム獣の外観における違いについて
- テッカマンの装甲について
- ソルテッカマンについての考察
- フリーマンの思惑について
- ペガスについての考察
- ペガスに搭載された超高度AI
- 『宇宙の騎士テッカマンブレード』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):小坂由美子「REASON」(第0話〜第27話)
- OP(オープニング):小坂由美子「永遠の孤独」(第28話〜第49話)
- ED(エンディング):小坂由美子「ENERGY OF LOVE」(第0話〜第27話)
- ED(エンディング):小坂由美子「LONELY HEART」(第28話〜第49話)
- 挿入歌:小坂由美子「午前0時」(第40話)
- 挿入歌:小坂由美子「Meditation」(第40話)
- 挿入歌:三松亜美・山浦克己「Once More Again」(第46話)
- 挿入歌:小坂由美子「マスカレード」(第48話)