KO世紀ビースト三獣士(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『KO世紀ビースト三獣士』(こうせいきビーストさんじゅうし)とは、1992年に発売されたOVAシリーズ。翌年の1993年には続編となる『KO世紀ビースト三獣士II』が発売され、物語も完結した。もともとはTVアニメ用の企画だったが、いったん頓挫した後にOVAで再スタートしたという経緯を持つ。
ヒューマンと呼ばれる謎の侵略者により、ビーストたちは追い詰められていた。ビーストのワン、メイ・マー、バドの3人は、謎のロボット神霊機たちと共に、ヒューマンが探し求める秘宝ガイアを求めて旅に出る。

『KO世紀ビースト三獣士』の概要

『KO世紀ビースト三獣士』(こうせいきビーストさんじゅうし)とは、1992年に発売されたOVAシリーズ。
翌年の1993年には続編となる『KO世紀ビースト三獣士II』(こうせいきビーストさんじゅうし ツー)が発売され、物語も完結した。小説版も存在するが、物語の全てを書き切らないまま全2巻で完結となっている。

もともとはTVアニメ『NG騎士ラムネ&40』(エヌジーナイト ラムネアンドフォーティー)の後番組用の企画だったが、『ラムネ&40』のオモチャの売り上げ不振などから頓挫。いったん凍結されるも、クリエイターの努力と一部だけ公開されたキャラクターデザインなどが話題になったことで企画が再スタートし、販売にこぎつけたという経緯を持つ。

ヒューマンと呼ばれる謎の侵略者により、ビーストは追い詰められていた。ケモノ族の少年ワン・ダバダは、幼馴染でマーメイド族のメイ・マー、トリ一族の少年バド・ミントと共にヒューマンに囚われるが、ヒューマンながらビーストへの敵意も差別意識もないDr.パスワードという人物に助けられる。
そのDr.パスワードもヒューマンの攻撃からワンたちを庇って死亡。彼から「孫のユーニ・チャーム・パスワードをガイアの下に連れていってくれ」と頼まれたワンたちは、恩人の最期の願いを叶えるため、3体の謎のロボット「神霊機」(ジン)と共にガイアを探す旅に出る。

『KO世紀ビースト三獣士』のあらすじ・ストーリー

ガイアを求める旅

右からワン、メッカ、ユーニ、メイ・マー、バド。ガイアを目指して旅をする仲間たちである。

遥かな未来。南半球が消失し、北半球のみで存在する地球には、ビーストと呼ばれる獣人たちが自然と寄り添いながら平和に暮らしていた。しかしある日、ここに「ヒューマン」を名乗る謎の侵略者が現れ、ビーストたちを攻撃。超人的な身体能力を持つビーストだったが、ヒューマンの優れた科学力の前には歯が立たず、次々と追い立てられていく。
ケモノ族の少年ワン・ダバダもまた、ヒューマンに捕らえられたビーストの1人だった。ワンの幼馴染でマーメイド族のメイ・マーとメッカ・マンネン、トリ族の少年バド・ミントもまた同様にヒューマンに捕らえられ、彼らはそれぞれの一族が長年崇めてきた神像と共に一か所に集められる。

ワンたちを連れてくるよう命じたのは、Dr.パスワードというヒューマンの科学者だった。ヒューマンながらビーストへの敵意も差別意識も持たないDr.パスワードは、ワンたちの戒めを解きつつ非礼を詫び、彼らに「孫のユーニ・チャーム・パスワードをガイアの下へと導いてほしい」と頼み込む。
この行為はDr.パスワードの独断で行われており、異変に気付いたヒューマンの戦士たちがワンたちを襲撃。Dr.パスワードは一行を庇って致命傷を負い、そのまま息を引き取る。それぞれの一族の神像の中から現れた「神霊機」(ジン)という3体ロボットの助けもあってなんとか脱出に成功したワンたちは、命の恩人であるDr.パスワードの最期の願いを叶えるため、それがどんなものかも分からないままガイアを探す旅に出る。

神霊王の顕現

ユーニと共に各地を旅するワンたちは、ヒューマンの戦士V・ダァーンとV・ジョーンから執拗に追撃される。ヒューマンの指導者であるツァー・マスターの狙いもまたガイアにあり、彼らの侵攻そのものがガイアの捜索を真の目的としていた。
それぞれの一族に伝わる神像が変化した3体の神霊機、地霊王、海霊王、空霊王の力でからくもその攻撃を退けるワンたちだったが、業を煮やしたツァー・マスターは魔霊王という強力な神霊機を投入。その圧倒的な力の前に地霊王、海霊王、空霊王は次々と倒され、ワンたちは窮地に陥る。

しかし危機を感じたユーニが突如トランス状態に陥り、彼女に命じられたがごとく地霊王たちが合体。最強の神霊機たる神霊王が顕現する。ワケも分からないままその内部に取り込まれたワンたちが、「いいからとにかくやってしまえ」と攻撃を指示すると、神霊王は圧倒的な力で魔霊王を粉砕する。
切り札を送り込んで敗れたヒューマンだったが、神霊王はガイアと密接な関係にある存在らしく、ツァー・マスターは「ついに手がかりを見つけた」と笑む。そんなことは露知らず、ワンたちは神霊王の強さに大喜びし、「これで怖いもの無しだ」と快哉を上げていた。

ガイアの正体

度重なる失敗によってV・ダァーンとV・ジョーンはツァー・マスターから見限られ、代わりにワンたちの追撃部隊を指揮するようになったのはC・シーガルという女戦士だった。冷徹に狡猾に振る舞うC・シーガルの追撃を凌ぎつつ、ワンたちはガイアを目指して旅を続ける。Dr.パスワードの恩に報いたいという思いと、ヒューマンがこれほど探し求めるガイアであれば彼らの侵略を食い止められるのではという期待が、彼らの足を進めさせていた。
少ない手掛かりを集め、ついにワンたちが辿り着いたガイアは、ヒューマンのそれに似た高度に機械化された人工的な施設だった。ここで今まで共に旅をしてきたユーニはガイアの生体端末であること、C・シーガルこそが本物のユーニであることが明らかとなる。Dr.パスワードの言っていた「孫のユーニをガイアに連れていってほしい」とは、ツァー・マスターに洗脳されたC・シーガルこと“本当のユーニ”を、ガイアの力で解放してほしいということだったのだ。

1万年前、発達し過ぎた科学文明により地球を滅ぼしかけた人類は、「科学文明を捨てて自然と共に歩む道を選んだ者」と「なお科学を捨てなかった者」に別れて異なる道を歩み始めた。前者の道を歩んだ者の子孫がビーストで、後者を選んだのがヒューマンだった。ツァー・マスターとは1万年前に製造された人工知能であり、南半球ごと異空間に封じられた人類に新天地を与えるため、北半球を管理するガイアの制圧を目論んだのだった。
ガイアの基幹システムはツァー・マスターに掌握され、異空間に隔離されていた南半球が出現する。生体端末だったユーニだけは支配を免れるも、彼女が殺されれば世界はツァー・マスターとヒューマンを止められる者もいなくなる。ワンたちは“ガイアを守護するための機体”である神霊王を駆り、ユーニを守ろうと奮戦。ガイアごとツァーマスターを破壊し、ここに長きに渡って人類を支配してきた人工知能たちは滅亡する。戦いの中、ユーニもまたいずこかへと姿を消していた。

数年後。本来の記憶と人格を取り戻し、長い療養生活を経てすっかり元のように動けるようになったC・シーガルは、ワンたちが興した村を発つ。ツァー・マスターがいなくなったとはいえビーストとヒューマンの戦いは続いており、それを食い止めたいと考えての出立だった。ワンたちはC・シーガルたちを見送りつつ、自然と共に生きるビーストの民として、その後も力強く生きていくのだった。

『KO世紀ビースト三獣士』の登場人物・キャラクター

ビースト

ワン・ダバダ

CV:山口勝平

ケモノ族の14歳の少年。虎に似た獣人に変身する能力を持つ。ビーストの中でも特に身体能力に優れ、小型の神霊機くらいであれば生身でもある程度戦える。
直情径行の熱血漢で、細かいことを考えるのは苦手。その有り余る行動力で、一行の中ではリーダー的な立ち位置にある。

メイ・マー

CV:かないみか

マーメイド族の少女。14歳。ワンとは幼馴染で、互いに憎からず想い合う間柄。一行の中では知恵を回らせる方だが、怒らせると怖いタイプで、激昂すると逆に仲間を振り回すこともしばしば。
人魚のごとく下半身を魚の尻尾に変えることが可能で、水中行動はお手の物。小説版では「体の変化を完全に制御できておらず、水に濡れると自動的に人魚の姿になってしまい、地上でも鰓呼吸で苦しむ」描写があったが、アニメ版ではこの設定は使用されていないようである。

バド・ミント

CV:子安武人

トリ一族の少年。一行の中では15歳と最年長だが、色男を気取る割に気が弱く、ワンやメイ・マーに振り回されている。
鶏のような鳥人に変身する能力を持ち、この姿の時は空を飛ぶことができる。

ヒューマン

ユーニ・チャーム・パスワード

BOTAnNABE
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