デビルマン(漫画版DEVILMAN)のネタバレ解説・考察まとめ
『デビルマン』(漫画版DEVILMAN)とは、永井豪が『週刊少年マガジン』に連載した漫画である。デーモンとの戦いを通して人間の弱さや邪悪さが露呈し、その過程で本当に守るべきものは何か、本物の悪魔とは何かを問う作品となっている。おとなしい高校生の不動明は友人飛鳥了の提案により、200万年の眠りから目覚めたデーモン軍団から人間を守るためにデビルマンとなり戦うことを決断する。デビルマンとなった明はデーモンから人間を守りたいと戦うが、追い詰められた人間が見せる剥き出しの残虐さに絶望していく。
デビルマンとの戦いで重傷を負ったシレーヌがゼノンに助けを求めると、天からカイムが現れた。明を倒すために自分との合体を提案する。重傷のシレーヌの意識が合体後の体を支配すると、明との闘い後には死が待つのみである。しかしシレーヌに氷河期以前から焦がれていた彼はそれを良しとし、自分の体を使えと言った。戸惑うシレーヌに「きみにデビルマンをたおす勝利の感激を味わわせたいだけだ」「シレーヌ血まみれでもきみは美しい」と続ける。カイムの献身に心を打たれたシレーヌもそれを受け入れ合体し「デビルマンきさまの命をカイムにささげる!!」と言い明に襲いかかった。
飛鳥了「動物はハラがいっぱいになったらそれ以上ほしがらない…人間はちがう 一生 つかいきれない金をためようとするし かぎりなく強くなろうとする…武器も発達させてね」
了は人間と動物の違いとして「動物はハラがいっぱいになったらそれ以上ほしがらない…人間はちがう 一生 つかいきれない金をためようとするし かぎりなく強くなろうとする…武器も発達させてね」と語った。理由として彼は、人間は心のどこかで自分たちより強い敵がいることを知っており、つねにおびえているのではないか、と推測した。遺伝として体の形を子孫に伝えるように、悪魔への恐怖心も記憶として伝えているとも付け加えている。
ジンメン「だからおれは殺さずに食ったのさ」
自分の甲羅を明に攻撃させ、そこに浮かび上がった人の顔をつぶさせた。そしてお前は人を殺した、殺すのはいけないことだと明の罪悪感をあおる。人間は家畜を食べることを例に挙げ、「だからおれは殺さずに食ったのさ!」と言い放つ。食べるだけの自分は悪くない、殺した明が悪いのだと精神的にも明を攻撃した。ジンメンが人間の弱さをよく理解し、そこを強烈に刺激する非常に悪魔らしい場面である。
飛鳥了「人間の未来をこわす!地獄のおどりだ」
恐怖心をあおられたときの人間の弱さに感づいたデーモンたちが、無差別合体という形で人間への攻撃を仕掛けてきた。この後の第1回攻撃と合わせて人間社会は混乱し、破滅の道をたどってゆく。その様を了は「人間の未来をこわす!地獄のおどりだ」と評した。
ゼノン「わが名はゼノン!悪魔王ゼノン」
第1回攻撃を開始する前に世界各地の空に悪魔王ゼノンが姿を現した。「わが名はゼノン!悪魔王ゼノン」と全人類に呼びかけ、5分後に人間社会への攻撃を開始すると宣言した。そのショッキングな見た目と宣戦布告は人間を混乱に陥れるのに充分であった
空母にて偵察機を出迎えた男「塩の柱だ!」
謎の光の球に飲み込まれたソ連領より偵察機が帰還したが、そこから出てきたパイロットは白い粉となってその場に崩れ落ちた。出迎えた男は巨大な国(ソ連)をおおった光の球から、聖書「ソドムとゴモラ」の話の中で神に滅ぼされた町を連想し白い粉をなめると、それは塩であった。「塩だ!塩の柱だ!」と彼は驚く。
雷沼教授「人間狩りだー」
生物科学研究所にて研究を続けていた教授だが、人間と合体しそこなったデーモンを調べていたところ、デーモンとの体に共通点があることに気が付いた。これにより悪魔の正体は人間であり、人間の強い願望が体細胞を変化させたのだと結論付けた。彼は現代社会に不満を持つものが悪魔になると言い、そのような者を殺せと人々に呼びかけた。そして「人間狩りだー」と殺人を促すような言葉を発する。このことから中世のヨーロッパで起こった魔女狩りのような迫害行為が巷に氾濫することとなった。
不動明「これが!これが!おれが身をすてて守ろうとした人間の正体か! 地獄へおちろ人間ども!」
特捜隊に連れ去られた牧村夫妻を救うため本部に乗り込んだ明が見たものは、凄惨な拷問を受けた多くの人々だった。その中の1人でもある牧村夫妻の死を悼んでいると、彼らを拷問した人間たちが姿を現す。しかし彼らは自分たちが拷問したのは悪魔ではなく人間であった、そして自分たちは上からの命令でしたことなのだと言い逃れをする。それに対して明はきさまらこそ悪魔だと声を荒げる。「これが!これが!おれが身をすてて守ろうとした人間の正体か! 地獄へおちろ人間ども!」と叫び彼らを焼き殺した。
ヒロイン美樹の惨殺シーン
暴徒と化した群衆に牧村家が襲撃され、タレちゃん、木刀政、そして美樹も無残に殺害される。ヒロインである美樹が惨殺されるというストーリーは非常に衝撃的であった。
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目次 - Contents
- 『デビルマン』(漫画版DEVILMAN)の概要
- 『デビルマン』(漫画版DEVILMAN)のあらすじ・ストーリー
- デビルマンの誕生
- デーモンとの人知れぬ戦い
- 姿を現しはじめたデーモン達とそれに恐怖する人類
- 人類破滅へのシナリオ
- 理性を失った人類とデビルマンの存在意義
- 最終戦争(アーマゲドン)
- 『デビルマン』(漫画版DEVILMAN)の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 不動明(ふどう あきら)
- 飛鳥了(あすか りょう)/サタン
- 牧村(まきむら)家
- 父
- 母
- 牧村美樹(まきむら みき)
- タレちゃん
- 不良5人組
- 木刀政(ぼくとうまさ)
- カミソリ鉄(かみそりてつ)
- ドス六(どすろく)
- メリケン錠(めりけんじょう)
- チェーン万次郎(ちぇーんまんじろう)
- デーモン
- アモン
- ゼノン
- シレーヌ
- アグウェル
- ゲルマー
- カイム
- ラズバ
- ジンメン
- サイコジェニー
- デーモン軍団
- ミーコ
- ヒンズー教の僧侶たち
- その他の人々
- サッちゃん
- 雷沼(らいぬま)教授
- 飛鳥(あすか)博士
- 本物の飛鳥了(あすか りょう)
- ススムくん
- ススムくんの母
- ススムくんの父
- 小野さんの長男
- 神
- 『デビルマン』(漫画版DEVILMAN)の用語
- デーモン
- デビルマン
- 悪魔特別捜査隊
- 『デビルマン』(漫画版DEVILMAN)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- カイム「おれは生き延びるつもりはない シレーヌきみにデビルマンをたおす勝利の感激をあじわわせたいだけだ」「シレーヌ血まみれでもきみはうつくしい」
- 飛鳥了「動物はハラがいっぱいになったらそれ以上ほしがらない…人間はちがう 一生 つかいきれない金をためようとするし かぎりなく強くなろうとする…武器も発達させてね」
- ジンメン「だからおれは殺さずに食ったのさ」
- 飛鳥了「人間の未来をこわす!地獄のおどりだ」
- ゼノン「わが名はゼノン!悪魔王ゼノン」
- 空母にて偵察機を出迎えた男「塩の柱だ!」
- 雷沼教授「人間狩りだー」
- 不動明「これが!これが!おれが身をすてて守ろうとした人間の正体か! 地獄へおちろ人間ども!」
- ヒロイン美樹の惨殺シーン
- 最終戦争後の明と了の対話シーン
- 『デビルマン』(漫画版DEVILMAN)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 後世の作品に多大な影響を与えた『デビルマン』の斬新な設定
- 『デビルマン』の実写化が評価の低い映画の典型例となった理由
- テレビアニメ『デビルマン』の終了に合わせた原作の打ち切り
- 『DEVILMAN crybaby』がNetflixにて公開