武田一鉄（ハイキュー!!）の徹底解説・考察まとめ

武田一鉄の概要

武田一鉄（たけだ いってつ）とは『ハイキュー!!』に登場する人物で、烏野高校バレーボール部の監督兼顧問を務めている。
烏野高校を全国へ導いた一繫の後任として奮闘する。
バレーは未経験で、ルールも理解し切れていないが、自分で勉強したり、選手に教えて貰ってメモを取るようにしたり、顧問としての自覚は強く持っている。

技術面に関しては初心者だが、誰よりも選手想いで、繋心をコーチとして迎えてきたのを皮切りに、音駒高校、他梟谷学園グループとの練習試合や合宿など烏野の躍進に非常に大きな貢献をしている。
それに対してキャプテンの澤村大地（さわむら だいち）から「先生が監督であることが俺たち最大の幸運です」と感謝の言葉を捧げられた。

学校では現代文の教師をしているからか言葉選びが所々ポエミーな節がある。
特に選手たちを鼓舞するときは熱が入りすぎてしまうのか詩情的になりがちで、自分でも熱く語った後に「ポエミーだったかな」と照れた事もあった。

特技は料理と土下座で、ハイキューアニメ（含劇場版）のゴールデンウィーク合宿のシーンでは、烏野マネージャーの清水潔子（しみず きよこ）とともに料理の腕前を披露している。
小説版の日誌ページには清水が「美味しい」とコメントしている事から、料理が上手であることがわかる。

また部員たちが暴れれば学校関係者に頭を下げ、実力が落ちてしまった烏野を再び強くするために、繋心や他校の監督に頭を下げてきたのは武田だった。
本人もさらりと「土下座が得意」とコメントを残している。
毎回土下座をしているわけではないが、部員たちのためなら惜しみなく頭を下げられる教師、顧問であることから、澤村に涙ぐまれるシーンがある。

温厚なイメージの強い武田だが、怒るとかなり怖い。

武田一鉄のプロフィール・人物像

所属：烏野高校
役職：バレーボール部監督
担当教科：現代文
年齢：29歳
身長：166.5cm
体重：59.4kg（29歳）
誕生日：1月10日
好物：肉じゃが
最近の悩み：生徒に「先生メガネダサイ」と言われた
CV：神谷浩史

黒髪短髪の天然パーマで、普段学校では薄緑のジャージを着用してる。
色白でスクエア型のナイロールフレームの眼鏡をかけている。また太めの下がり眉で目が丸く表情も柔らかいので温厚であることが外見からも伝わってくる。

武田一鉄の能力

「能力パラメータ」 （出典：『ハイキュー!!極ファイナルガイドブック』）

パワー：1／スタミナ：2／頭脳：4／テクニック：1／スピード：1

能力パラメータはパワー・バネ・スタミナ・頭脳・テクニック・スピードは5段階評価になっている。

バレーの経験もなければ、顧問としてバレーをしたり技術を指導したりするわけではないため、パラメータは全体的に低めだ。
しかし教師であるため頭脳の数値はやはり高い。
バレーの知識がほとんどなかったのにもかかわらず、教わればすぐ覚えているところやメモを取ることが身に付いていることからも、学ぶことに関しては能力が高いことがわかる。

武田一鉄の来歴・活躍

繫心をコーチにするために奮闘

烏野高校に新入部員の1年生が入ってきてすぐに、県ベスト4の青葉城西高校との練習試合が決まった事を選手に伝えに来た武田は、そこで初めて問題児で1年の日向翔陽（ひなた しょうよう）、影山飛雄（かげやま とびお）と出会う。
あちらこちらに練習試合のお願いをしに各学校へ行っていた為、体育館に顔を出せなかったと選手達に説明をした。すると澤村から、「まさかまた土下座を…」と言われ「土下座は得意だけど今回はしていない」と伝えた。
しかし武田は練習試合をするには、青葉城西から条件がある事を選手達に伝えた。それは、「影山をセッターとしてフルで出す事」だった。話し合いの結果、影山をセッターとして起用する事がチーム内で決まる。

その試合で、日向と影山の変人速攻（普通よりも早い速攻）を見て、「バラバラだったらなんてことない、1人と1人が出会うことで化学変化を起こす。今もこの瞬間、どこかで世界を変えるような出会いが生まれていて、それは遠い遠い国のどこかかもしれない。そんな出会いがここで、烏野であったんだと思った。根拠なんかないけど、信じないよりはずっといい。きっとこれから君らは、強く、強くなるんだなぁ」と興奮気味で語った。その言葉回しがポエミーだったため、日向と影山には伝わらなかった。
この試合を見て、早く技術を教えられる指導者を見つける事を決意する。

何度も繫心の店に電話をして、烏野高校の指導をお願いするが、「自分が教える側になることをイメージできない」という理由で断られてしまう。
その後も諦めずに電話し、ついに店に行く事にした。
直接会ってお願いをし、「東京の音駒高校との練習試合が近々行われる」こと、「今の音駒高校のコーチが同校OBで、繋心と同年代である」ことを伝えると、コーチ就任に一気に前向きになっていった。

まず音駒高校との練習試合前に繫心は、烏野高校の実力を知るために”烏野町内会チーム”との練習試合をすることにした。
そこで、武田は繫心から、レギュラー選び特にセッター選びに苦戦している事を聞かされる。
武田は悩んでいる繫心に、「菅原君が3年生だから悩む」と言い放つ。菅原とは、3年生セッター菅原孝史（すがわら こうし）の事だ。
菅原からの打診でセッターは影山で行く事になった。

烏野高校（通称“カラス”）の前監督・烏養一繫の現役時代から因縁がある、音駒高校（通称“ネコ”）との練習試合が始まる。この試合は、両校の通称がゴミ捨て場を漁る動物であることにちなんで、「ゴミ捨て場の決戦」と呼ばれていた。
全敗した烏野高校に音駒の監督である猫又育史（ねこまた やすふみ）は、「全国の舞台沢山の観客の前で、数多の感情渦巻く場所で、ピカッピカキラッキラのでっかい体育館で”ゴミ捨て場の決戦”最高の勝負やろうや」と烏野高校の選手達に言った。
武田は猫又から、「熱意には熱意が返ってくる。あんたが不格好でも頑張ってれば生徒はちゃんとついてくる。頑張って」と言われ涙ぐむ。
そしてこの練習試合のお陰で、繫心をコーチとして迎え入れる事が決定した。

インターハイ予選

1回戦目、常波高校戦。
他校から、烏野は「落ちた強豪、跳べない烏」と言われる。そんな中、武田は「これは、お世辞でも親ばかでも無くて、皆は強いです。烏野は強いです」「”飛べない烏”がまた飛ぶところを会場中に見せつけよう」「”見よっ、古兵烏野の復活だ！！”」と力強く言い、選手達の士気を高めた。
1セット目は25-12で、2セット目は25-14で烏野高校が勝利する。

2回戦目、伊達工業高校戦。
試合が始まり日向の速攻は、伊達工業高校ミドルブロッカー青根高伸（あおね たかのぶ）がブロックに跳んでくる。伊達工業高校は徹底した「リードブロック」だ。トスがどこに上がるか見てから跳ぶため囮にはなかなか引っ掛からなかった。
1セット目は25-19で、2セット目は22-25で烏野高校が2回戦突破する。

3回戦目、青葉城西高校戦。
影山が相手セッターの及川徹（おいかわ とおる）を意識しすぎてミスが続いたためコートから外れる。外したことを気にしている繫心に、「大丈夫ですよ。影山君の強さ、上手さの要因は高いプライドとそれを上回る上達への貪欲さだと思うから」と声を掛ける。
1セット目は15-25と負けるが、2セット目は25-23と取り返す。
そして3セット目、11-13と青葉城西がリードの場面で、武田は繫心に「きっと100％の実力を出した時、チームとして強いのは青城」「勝負は70%に落ちたり120%に跳ね上がったりするが、烏野には皆の攻撃力を120%にする為の”最強の囮”が居ます」と日向を見て言う。
その”最強の囮”の活躍により接戦となるが、最後は日向と影山の変人速攻をブロックされてしまいセットカウント2-1で烏野高校は負けてしまう。

負けて落ち込み喧嘩を始める影山と日向に対し、「確かに負けました。でも実りある試合だったのでは？”負け”は弱さの証明ですか？」「君達にとって”負け”は試練なんじゃないんですか？地に這いつくばった後、また立って歩けるのかという」「君達がそこに這いつくばったままなら、それこそが弱さの証明です」と言うと、2人は立ち上がり前を向いた。

春高へ向けて3年生との話し合い

インターハイ予選宮城県大会では3回戦で敗退した烏野だが、春高バレー宮城県予選大会を8月に控えていた。菅原をはじめ他の3年生らは皆、進路を決める大切な時期に差し掛かっていた。
全員はじめから部活に残ることを決めていたが、3年の先生から「部活を続けてもスポーツ推薦の見込みは薄い、成績は優秀だがそれを維持できるかどうか。話をして貰えますか」と頼まれる。
武田は教師として悩むが、そこへ日向がやってくる。
日向から、「一番後悔するとすれば、二度とバレーが出来なくなることだ」と言われ、何が選手達にとって最適か考える。
そして教師として3年生に、「試験に落ちることがどってことないなんて言いません。難関を超え行く人は、相応の努力や我慢・犠牲の上で掴んだ道」「部活に費やす時間を他の子達は勉強や将来確実に為になる事に費やす。そこには当然差が生まれる」と部活を選んだ場合の困難を伝え最後に、「その差に君達は大きく後悔するかもしれない。考えて選んで下さい。君達が5年後・10年後後悔しない方を」と自分の思いを話した。

3年生は全員バレー部に残り、菅原は後輩に「行くぞ、春高！」と声を掛けた。春高バレーへ向けて烏野バレー部は再始動した。

春高までの関東合宿

埼玉県の私立森然高校で開催される、関東のバレーボール強豪校合同夏合宿に参加する。音駒高校の他には同じく東京の梟谷学園、神奈川の生川高校、そして地元の森然高校が主な顔ぶれとなったが、今回は猫又の計らいでここに加わる事となった。

音駒高校戦で日向の速攻が、灰羽リエーフ（はいば りえーふ）によって止められてしまう。すると日向は、「今のままじゃダメだ。目を瞑る事を辞めたい」と提案する。
選手達に意識の変化が生じ勝てなくなってきていた。
そんな時、武田は選手達に「皆さんはここに居るチームの中で一番弱いですね」と満面の笑みで言った。選手達が言い返せずにいると間髪入れず、「どのチームも公式戦で当たったなら、とても厄介な相手」と言い「彼らを”敵”と見るか、それとも技を吸収すべき”師”と見るのか」「君達が弱いということは、伸びしろがあるということ。こんな楽しみな事無いでしょう」と言う。
その言葉に選手達も繫心も心を動かされた。
負け続けたが、合宿が終わり宮城へ帰ってくると各々課題に向き合い自主練習に励んでいた。

そして春高予選前の最後の東京遠征へ出かける。
各自課題に向き合い自主練習をした結果が少しずつ見え始め、選手達が成長した実りのある遠征となった。
そんな姿を見て、「今、君達はサーブもコンビネーションも他のチームには敵わない。後から始めたのだから当然ですね」「でも、止めてはいけません。”自分の力はこのくらい”と思ってはいけません」「”色”は混ぜると濁って汚くなって行きますよね。でも混ざり合った最後は、どの色にも負けない黒です」「”烏”らしく黒のチームになってください」と伝える。
選手達にこの言葉が響き、練習試合後に自主練習を始める。

遠征最後のお楽しみとして参加したチームで、バーベキューをする事になった。
猫又に感謝の言葉を言いに行くと、「半年後には今と同じチームは1つも存在しない」「後悔の残らない試合など知らない。それでも、後悔の無い試合をしてほしいと思うし、そうであるよう力を尽くすしか無いのだろう」と言われ、監督としてベストをつくす事を誓う。

春高バレー宮城県代表決定戦

1回戦は扇南高校との戦い。
緊張する選手達に武田は、「関東の強豪を相手に練習試合通算約70敗」「今までの悔しさに見合うだけの勝利を手にして下さい」と言うとチームの士気が高まった。
セットカウント2-0で烏野高校が勝利した。

2回戦は角川学園高校との戦い。
角川学園高校には1年生に2メートルの長身百沢雄大（ひゃくざわ ゆうだい）が居る。
セットカウント2-0で烏野高校が勝利した。

代表決定戦1回目は条善寺高校との戦い。
変幻自在のプレーで烏野高校を翻弄していく条善寺を見て武田は、「自由奔放な攻撃なら、ウチの日向君・影山君は負けてませんよ」と言った。
セットカウント2-0で烏野高校が勝利した。

代表決定戦2回戦目は和久谷南高校との戦い。
繫心から、和久南は烏野との相性が悪い事を聞かされる。
それは、高さはそれ程でもないが、レベルの高いレシーブでとにかく拾って繋ぐチームである事、去年から主力だった中島猛（なかじま たける）が3年になってチームの完成度が一段と増している事、守備力と粘り強さは音駒に近い事が理由だった。
そして、和久谷南の中島は県内ではもしかしたらプレースタイルがかつての”小さな巨人”に似ていると聞かされた。
1セット目18-17とリードの場面で、2年生ウィングスパイカーの田中龍之介（たなか りゅうのすけ）と澤村が衝突してしまう。頭を打った澤村に武田は駆け寄り、「大丈夫である事を確認して来なさい。それが試合へ戻る最短の道です」と言い医務室へ行かせる。
澤村が不在となり代わりに入った2年生縁下力（えんのした ちから）の奮闘もあり、セットカウント2-1で烏野高校が勝利する。

準決勝は青葉城西高校との戦い。
セットカウント2-1で烏野高校が勝利した。
最後、前回負けた時と同じシチュエーション（日向の速攻に3枚ブロックがつく）に冷や冷やした武田と繫心だったが、日向の手でブチ破り勝利を得た事に安堵する。

試合が終わり一旦学校へ戻るバスの中で、繫心から「先生には本当に感謝している」「強豪グループと何度も練習試合出来たことは凄い事だ」と言われ照れる。

決勝は白鳥沢学園高校との戦い。
圧倒的なタレントをそろえる白鳥沢学園高校は、その主将である牛島若利（うしじま わかとし）の全国屈指の攻撃力に苦戦する。
接戦の末、セットカウント3-2で烏野高校勝利。
春高全国大会に出場する事が決まった。