土居潜具羅／地號（るろうに剣心）の徹底解説・考察まとめ

土居潜具羅／地號（るろうに剣心）の概要

土居潜具羅（ドイ モグラ）とは、『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-』（るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん ほっかいどうへん）の登場人物で、護国を使命とする武装集団「劍客兵器」（けいかくへいき）の一員。通称「地號」（チゴウ）。
劍客兵器の登場人物は、読み仮名が全員カタカナで表記されているという特徴があり、ここでもそれにならって表記する。

劍客兵器は、元寇により海外勢力の脅威を知った鎌倉幕府が作り出した組織で、使命である“護国”のためにひたすら研鑽を続けてきた剣士集団である。欧米列強によって日本が開国させられると、これを「元寇以来の日本の危機」として、表舞台に打って出る。海外勢力から日本を守ること、そのために日本に自分たちに匹敵する猛者を増やすことを目的としているが、“地獄のような戦場こそが猛者を生み出す”との思想の下、北海道で「実検戦闘」と称した戦闘行為を繰り返すようになった。
土居もまた劍客兵器の一員として、部隊将である凍座白也（イテクラ ビャクヤ）の指揮の下、函館山を占拠。排除しようとやってきた陸軍の部隊と交戦してこれを蹴散らすなど、圧倒的な力を見せつけた。

土居潜具羅／地號（るろうに剣心）のプロフィール・人物像

劍客兵器の中では比較的落ち着いた言動の持ち主だが、強者ならではの傲慢さを隠そうともしておらず、戦場に弱者が踏み込むことを嫌う。これから雇う予定の相手であってもその力を試し、未熟と判断すれば容赦なく殺害するなど、“戦うこと”に関しては冷酷かつ独善に満ちた判断を下す。
部隊長の凍座のことは、自身の興味の赴くまま振る舞う奔放な姿勢と、戦いを楽しむことを優先してなかなか本気を出さないことに呆れている。このため上司でありながら対等以下の相手のように接することもあるが、その化け物じみた実力も重々理解しており、本気で戦うことを決めた彼から「誰に向かって物を言っている」と指摘された際はその場で謝罪している。

土居潜具羅／地號（るろうに剣心）の装備・能力

赫力（せきりき）

劍客兵器の使う特殊な技法。心臓から全身に送り出される血液の脈動と、それを押さえつける筋肉の動きのことを指し、これを御して自在に操ることで運動能力や技の破壊力を強化するというもの。血の赤と筋肉の赤を合わせることが「赫力」の名前の由来となっている。

戦型・土遁暴威蟲（せんけい・グラボイズ）

自由自在に地中を移動し、土、砂、石、岩を様々な武器へと変えて戦う土居独自の戦型。
移動能力はかなりのもので、あえて敵地に留まる凍座に酒や肴を届けるなどサポート面でも力を発揮。「大地がつながっている場所である限り、（自分が食料を届けるので）我らに兵糧攻めは効かない」と語っている。

岩槌腕（ガンツイワン）

腕に槌となる土塊を装着して相手を殴る技。単に威力を増すだけでなく、「相手の攻撃をこれで相殺しつつ自身の腕で殴る」といった使い方も可能。

砂蜥蜴（スナトカゲ）

砂を利用して滑走し、地上で素早く移動する技。相手の技を避ける際に使用することが多い。

岩蟻塚（イワアリヅカ）

地中から岩の塊を噴出させて敵を攻撃する技。

蜂飛礫（ハチツブテ）

砂礫をまとった腕を岩に叩きつけ、飛び散った瓦礫の破片で敵を攻撃する技。

岩破杵（ガンバッショ）

岩で作った杵で敵を殴る技。土居の持つ技の中でも威力が高く、勝負を決める際に繰り出すことが多い。

土居潜具羅／地號（るろうに剣心）の来歴・活躍

実検戦闘の始まり

劍客兵器（けんかくへいき）は、元寇により海外勢力の脅威を知った鎌倉幕府が作り出した組織で、使命である“護国”のためにひたすら研鑽を続けてきた剣士集団である。土居も厳しい修行を重ね、やがてその実力を認められて正式な劍客兵器の一員となった。
欧米列強によって日本が開国させられると、劍客兵器はこれを「元寇以来の日本の危機」として、表舞台に打って出る。その目的は海外勢力から日本を守ること、そのために日本に自分たちに匹敵する猛者を増やすことにあったが、“地獄のような戦場こそが猛者を生み出す”との思想の下、その手段は北海道で「実検戦闘」と称した戦闘行為を繰り返すというものだった。

土居は自身の所属する部隊の隊長である凍座白也（イテクラ ビャクヤ）の指揮の下、宣戦布告を兼ねて函館山を占拠。これを排除しに来た陸軍の部隊を蹴散らし、劍客兵器の力を見せつける。
当初の計画では、土居の同僚の権宮剛豪（ゴングウ ゴウゴウ）がわざと敵に投降して自分たちの素性と目的について明治政府側に伝えることになっていたが、まだ見ぬ猛者との出会いに歓喜した凍座が勝手にその役を奪ってしまう。やむなく土居は権宮や仲間たちと共に、引き続き函館山を占拠し続けることとなった。

緋村剣心の来訪

それからしばらく、函館山を占拠しつつ明治政府側の監視下に置かれた凍座の様子を見守る日々が続く。この時凍座は露天牢に入れられていたが、土居は地面を通して酒や食料品などを届け、彼が快適に過ごせるようサポートしていた。
ある時、たまたま北海道にやってきていた緋村剣心（ひむら けんしん）という剣客が、陸軍の士官に頼まれて凍座の尋問に立ち会うこととなる。剣心は伝説の古流剣術飛天御剣流の使い手で、“最強の維新志士”と恐れられた伝説的な人斬りであり、劍客兵器からしても「自分たち以外では日本屈指の猛者」と高く評価される人物だった。凍座は剣心の来訪に歓喜し、「自分と立ち会うなら、その間に限って劍客兵器についての問いに答える」と提案。剣心はこれを引き受け、凍座と壮絶な戦いを繰り広げ、劍客兵器の名前と正体と目的についての情報が彼らの側に渡ることとなる。

この立ち合いで剣心の猛撃を食らった凍座は失神。もともと凍座は常人より遥かに血液量が多く、普段は劍客兵器に伝わる血流捜査を伴う秘技「赫力」を使うことができない体質だった。剣心に倒されたことで相応の血を流し、凍座が赫力を使える条件が整ったことで、土居は「目覚めた時が恐ろしい」と嘯いている。
凍座たちの部隊が動いたのを皮切りに、劍客兵器は北海道の各地で実検戦闘を開始。この活動のサポートのために外部の戦力を招くこととなり、土居は仲間と共に闇乃武という忍者集団と面会する。しかしこの時、「弱い者は自分たちの仲間に不要」との思想の下、いきなり奇襲して闇乃武の忍者を何人か抹殺。闇乃武の頭目からは「“役に立たない”と判断するのも、それを理由に処分するのもいいが、その決定権はあなた方にはない」と返され、自ら不和の種を仕込んでしまう結果となった。