世界最速のインディアン（映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『世界最速のインディアン』とは2005年のニュージーランド・アメリカ合衆国の伝記映画である。実在のライダであるバート・マンローの話を元にした伝記作品であり、監督はロジャー・ドナルドソン、出演はアンソニー・ホプキンスが務めた。初老のライダー、バート・マンローは、愛機「1920年代インディアン・スカウト」で世界最速記録に挑戦することが長年の夢であった。ある日自身の老い先が短いことを悟ったバートは、人生最後のチャンスとしてバイカーの聖地「ボンネビル塩平原」へ向かう決断をする。
トラブルを乗り越え無事出場許可をもらい本番を迎えるバート。いよいよインディアン・スカウトによる世界最速に挑むクライマックスシーンだ。疾走感溢れるインディアン・スカウトの駆け抜ける姿は生々しいまでの臨場感に満ちていて、バートの大胆な駆け引きやエンジンの過熱による火傷を耐え抜く姿は観てる者をハラハラさせる。最上級のドラマの果てに、ついにインディアン・スカウトが走り抜け世界最速タイムを記録した瞬間は溢れんばかりの爽快感が待っている。
『世界最速のインディアン』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
多くの映画で使われるボンネビル塩平原
到着したボンネビル塩平原で佇むバート（右）とラスティ（左）
塩で形成された特殊な環境はスピードレースの舞台に留まらず、映画のロケ地として多く使用されている。代表的なものでいえば『パイレーツ・オブ・カリビアン／ワールドエンド』、『インデペンデンス・デイ』などである。雪原とはまた違う真っ白の世界は神秘的でどこか人を魅了する魔法で溢れている。
素の自分で演じたアンソニー・ホプキンス
豪快な老ライダーを楽しみながら演じたアンソニー・ホプキンス
オスカー俳優で名役者の称号を欲しいままにするアンソニー・ホプキンス。代表的な出演作『羊たちの沈黙』に出てくるハンニバル・レクター博士のイメージが強く、ミステリアスで不気味な印象が色濃く残る。しかし当の本人は本作品のバートのような朗らかな人物であり、バートを演じる際は特別なイメージを必要とせず素の自分で演じたという。
自然体だからこそ出来る演技によってリアリティなバートの表情が伝わり、一人の人間へのリスペクトとそれを表現する名俳優の貫禄が窺える。
過去にドキュメンタリーを撮影したロジャー・ドナルドソン
ドキュメンタリーで登場する実在のバート・マンロー
本作品の監督であるロジャー・ドナルドソンは、過去に実在するバート・マンローの偉業に感銘を受けドキュメンタリーを撮影している。それが1970年代に制作された『Offerings to the God of Speed（スピードの神様への捧げもの）』だ。職業監督としてキャリアを積んできたロジャー・ドナルドソンにとって、本作は自分が撮りたい、自分の為の映画であると語っている。その為脚本から資金繰りなどとドキュメンタリーを撮影してから30年以上懸けて準備してきており、監督にとって非常に思い入れのある作品として仕上がっている。
J・ピーター・ロビンソンが手掛けたオリジナル・サウンドトラック
2007年1月24日にリリースされ、音楽は『カクテル』 『15ミニッツ』等を手掛けたJ・ピーター・ロビンソン が務めた。ニュージランドのほのぼのとした情景、バイクシーンのスリリングさ、ロードムービーとしてのブルージーさとバラエティ溢れる音像と場面にあった心温まる旋律が特徴。
『世界最速のインディアン』の主題歌・挿入歌
挿入歌：Jimmie Davis and Charles Mitchell「You Are My Sunshine」
バートが特例で出場を果たし、多くの人に歓迎された際に小躍りして口ずさんだのが『you are my sunshine』だ。作詞・作曲はジミー・デイビスとチャールズ・ミッチェル。1940年に録音されたアメリカのポピュラーソングであり、同年公開の映画『Take Me Back to Oklahoma』の挿入歌として使用され、今でも多くのミュージシャンにカヴァーされている。日本でも戦後復興の時期に流行したのをきっかけに広く知られている。
挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Burt And Tom」
挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Bike Shop」
挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Departure」
挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Beach Race」
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目次 - Contents
- 『世界最速のインディアン』の概要
- 『世界最速のインディアン』のあらすじ・ストーリー
- 渡米の決断
- アメリカ上陸
- 世界最速への挑戦
- 『世界最速のインディアン』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- バート・マンロー（演：アンソニー・ホプキンス）
- インバーカーギルの住人
- トム（演：アーロン・ジェームズ・マーフィ）
- フラン（演：アニー・ホイットル）
- 道中に出会う人々
- ティナ・ワシントン（演：クリス・ウィリアムズ）
- フェルナンド（演：ポール・ロドリゲス）
- ジェイク（演：サギノー・グラント）
- エイダ（演：ダイアン・ラッド）
- ラスティ（演：パトリック・フリューガー）
- レース関係者
- ジム・モファット（演：クリストファー・ケネディー・ローフォード）
- ロリー（演：ウィリアム・ラッキング）
- マーティ（演：ウォルトン・ゴギンズ）
- マイク・マクファーレン（演：ギャヴィン・グレイザー）
- 『世界最速のインディアン』の用語
- 1920年型インディアン・スカウト
- ボンネビル塩平原
- ボンネビル・スピードウィーク
- 『世界最速のインディアン』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- バート「このマシンでスピードに挑む時は5分が一生に勝る。一生よりも充実した5分間だ」
- 港での暴走族たちからの餞別シーン
- マイク「時には規則を曲げないとな。今日がその時だ」
- ボンネビル塩平原での最速記録挑戦シーン
- 『世界最速のインディアン』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 多くの映画で使われるボンネビル塩平原
- 素の自分で演じたアンソニー・ホプキンス
- 過去にドキュメンタリーを撮影したロジャー・ドナルドソン
- J・ピーター・ロビンソンが手掛けたオリジナル・サウンドトラック
- 『世界最速のインディアン』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌：Jimmie Davis and Charles Mitchell「You Are My Sunshine」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Burt And Tom」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Bike Shop」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Departure」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Beach Race」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Disppointment」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Eggs For Fran」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Memories」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Road Encounters」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Jake」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Burma Shave」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Bonneville Salt Flats」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Trial Run」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Refusal/Heart Attack」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Rusty」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Sportsman Of The Year」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「World's Fastest Indian」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Burt's Triumph」
- 挿入曲：J・ピーター・ロビンソン 「Back to My Shed」