HUNTER×HUNTER（ハンター×ハンター）のキメラ＝アントまとめ

コンドル型のキメラ＝アント。人間だったころはクルトという名前の少年で、女王に最初に喰われた兄妹の兄。女王に忠実でまじめな性格をしており、頭も良い。その性格ゆえに、荒々しい性格をした部下のラモットとは仲が悪い。また、人間だった時の記憶が微かに残っている個体である。
メルエムが生まれる前までは、女王の食事確保や外敵対策に奔走していたが、女王の腹を突き破ってメルエムが誕生したことで瀕死の女王を救うために、人間に降伏する。結果的に女王は命を落としたが、彼女の胎内に残っていたメルエムの双子を見て、人間だった時の妹、レイナの名前を付けた。その場に居合わせたモラウはコルトに「人間を襲わない」と誓うなら守ると言い渡し、コルトはそれに同意する。以後、ネテロに護衛軍の情報を提供するなど、人間に協力するようになった。

ヂートゥ

チーター型のキメラ＝アント。大雑把な性格で蟻としての仕事も不真面目。自分のスピードに絶対の自信を持っており、その速度は銃弾を軽々と躱すほど。人間を嬲り殺す趣味があり、自慢の速度で翻弄して殺すといった芸当を見せている。
六系統に大別される念能力の系統の一つであり、オーラを別の物質に変化させることを得意とする具現化系能力者。サバンナのような空間に閉じ込め、鬼ごっこを強要する能力、ボウガンとクロウを右腕に具現化させる能力、「紋露戦苦（モンローウォーク）」がある。このうち、紋露戦苦については名前こそ登場しているものの、発動前に死亡したため、詳細不明である。
女王の死後、王になるべく巣を旅立ち、NGLの国境付近でモラウ、ナックルと交戦。そのときに相手に攻撃した分のオーラを「貸し」付けて「利息」を課し、相手の残オーラ量を超えさせることで念能力の使用を三十日間封じさせるナックルの「天上不知唯我独損（ハコワレ）」を受け、ポットクリンを付けられる。兵隊長のヒナに除念してもらった後、王に忠誠を誓うことと引き換えにプフの繭に包まれて新たな能力を手に入れた。その後ペイジンにてモラウと再戦し、新たな能力を発動するが、精神力の差で破れて逃走した。
王討伐作戦の際にモラウとナックルにリベンジすべく彼らを探している最中に暗殺一族の一人、ゼノ＝ゾルディックと出会い、強引に戦闘を仕掛けようとしていたが頭上から降下したゼノの息子、シルバ＝ゾルディックによって殺害された。

ペギー

ペンギン型のキメラ＝アント。キメラ＝アントの参謀で分厚い本を持ち歩いている。また、コルトとはしばしば行動を共にし、女王に尽力していた。
メルエム誕生後、瀕死の女王を案じて彼女のもとに向かおうとしたが、メルエムによって殺害される。生前はNGLに敬虔な人物であり、同じく師団長のキメラ＝アントであるメレオロンの里親をしていたため、彼がメルエムに復讐を誓い、王討伐作戦に加担するきっかけとなった。

ザザン

サソリ型のキメラ＝アント。ネイルアートやファッションを好む女性的な一面を見せる一方、支配欲が強く周囲を見下す性格をしている。
操作系念能力者で、尾についた針で相手を刺すことで対象をキメラ＝アントに変異させ、部下にする「審美的転生注射（クイーンショット）」を有している。彼女の母であるキメラ＝アントの女王と違い、捕食・産卵をすることなく兵力を増やすことができる。この能力を有するがために、ザザンは「母最大の失敗は造兵するのに産卵という古くて非効率な方法をとらざるを得なかったこと」と言って見下している。
女王の死後、新たな女王となるべく旅立ち、流星街にたどり着く。そこで審美的転生注射を使い、兵力を増やしつつ巨大な巣を作り上げた。流星街の出身者が多く所属し、盗みと殺しを主な活動とする盗賊集団、幻影旅団によるキメラ＝アント討伐時は、フェイタン＝ポートオと対峙する。フェイタンから練習台と言われて苛立ちを見せたが、彼の仕込み杖による攻撃で顔を傷つけられて激昂。尾を引きちぎることで女性的な容姿から一変し、筋骨隆々としたトカゲ人間のような姿に変化して、フェイタンを圧倒する。だが、ダメージを負いすぎたことでフェイタンが怒り、受けたダメージの分だけオーラを増幅させてより強い攻撃を繰り出す能力「許されざる者（ペインパッカー）」を発動。最後はフェイタンの許されざる者の技の一つ「太陽に灼かれて（ライジングサン）」によって召喚された小型の太陽によって全身を焼かれて死亡する。

レオル（ハギャ）

ライオン型のキメラ＝アント。ヂートゥ同様に人間殺しを愉しむ残忍な性格をしている。百獣の王を自称する尊大さがあるが、打算的で野心家な一面もあり、強者に対しては狡猾に立ち回って利益を得ようとする。また彼の部下にはフラッタやヒナ、オロソ兄妹などがおり、部下を率いて戦うことも多い。元はハギャと名乗っていたが、後にレオルに改名している。
特質系能力者で、恩を売った相手の発を一時的に借りることができる能力「謝債発行機（レンタルポッド）」を有している。作中ではこの能力によって、念で創った無数のトンボを操るフラッタの「衛星蜻蛉（サテライトンボ）」と雨の日限定で大量の水を呼び寄せて操り、波などを起こすモラウの友人グラチャンの「TUBE（イナムラ）」を使っている。
女王の死後新たな王になるべく旅立ったが、ハンターの襲撃に遭った。その後はメルエムの下に就き、プフによって能力を伝授される。だが、この行動はメルエムに恩を売ることで実質的な支配権を得ようと画策しての行動で、最終的には自らが王に返り咲くつもりでいた。
護衛軍の命令で「選別」の邪魔をするハンターを始末するため動き出し、地下教会でモラウと交戦。TUBE（イナムラ）による水の物量攻撃でモラウを追い詰めるが、モラウが二酸化炭素を放ったことで呼吸困難を起こし、落水。水中で身動きを取れなくなり溺死した。

ブロヴーダ

ロブスター型のキメラ＝アント。短気で頭に血が昇りやすい性格をしている。
六系統に大別される念能力の系統の一つであり、オーラを体から切り離して留めることを得意とする放出系能力者。両手のはさみから軍用エレベーターやトラックを破壊するほどの威力を持った散弾式の念弾を放つ能力を有している。
女王の死後、新たな王になるべく旅立ったが、最終的にメルエムの下に就き、ペイジンでモラウや彼の作った煙人形と交戦した。王討伐作戦の際は兵隊長のキメラ＝アントであり、キメラ＝アント討伐隊となったイカルゴが寄生したフラッタを疑って、地下で彼と戦うも催眠ガスで気絶させられる。その後、イカルゴがとどめを刺さなかったことで生き延び、最終的にはコルトの生前の妹がキメラ＝アント化した個体、シドレに同行し生前の彼女の故郷に向かう。そこでシドレを送り届けて離れるつもりだったが、里の人たちに受け入れられたことで感涙した。

ウェルフィン

オオカミ型のキメラ＝アント。疑い深い性格をしており、悪知恵が働く。
具現化系能力者で背中に4門のミサイルランチャーを具現化させる能力「卵男（ミサイルマン）」を有している。この能力は対象者を定めてその対象者に質問や命令をし、相手が偽りで答えたり逆らったりした場合、対象に必ず命中するミサイルを発射するという効力を持っている。ミサイル自体に殺傷能力はないが、命中した箇所に念によって生み出された虫「黒百足」を植え付けることができる。この黒百足は宿主のウェルフィンに対する反抗心を糧に成長し、最終的に宿主の体を突き破って死に追いやる一方、ウェルフィンが弱気になると死亡するという特徴を持つ。総じて、猜疑心の強いウェルフィンの性格を如実に表した能力といえる。
女王の死後、新たな王になるべく巣を立ち去ったが、後に東ゴルドーにいるメルエムに下る。ただし、メルエムに対する忠誠心はなく、国を裏から操る「影の王」を目指していた。
王討伐作戦の際はイカルゴが操作するフラッタの存在を訝しみ、宮殿地下のモニター室で交戦。イカルゴの捨て身の攻撃に圧倒されて降伏した。その際のイカルゴとのやり取りで、生前の名前が「ザイカハル」であったこと、生前はイカルゴと共に環境保護団体「NGL」の創設者であるジャイロと組んでいたことが判明するとともに、人間としての意識が芽生えてキメラ＝アントを敵視するようになる。
メルエムが残党狩りを始めた際に捕捉され、強化された彼の円により王に対する殺意を見透かされる。メルエムからの詰問で絶体絶命の状況に陥り、彼の放った「腹が減ったな」という言葉で死を覚悟すると、極限のストレスから一瞬にして老け込んでしまった。だが、生存本能のまま放った「コムギ」という言葉で、メルエムが彼女の存在を思い出し、事なきを得る。
最後はその場を後にするメルエムに対し、「俺の王はジャイロ唯一人」、「貴様等は敵だ」と言い捨てる。最後はジャイロを探すために東ゴルトー共和国長官ビゼフたちと共に流星街へ旅立った。

メレオロン（ジェイル）

カメレオン型のキメラ＝アント。陽気でノリが良く、砕けた口調で話す。元々はジェイルという名前だった。
特質系念能力者で自分の姿を透明化させる能力と呼吸を止めている間、自分の存在を誰にも気づかれなくする「神の不在証明（パーフェクトプラン）」、神の不在証明を発動中に、手で触れた対象にも能力を連動させる「神の共犯者（かみのきょうはんしゃ）」を有している。
女王の死後、巣を旅立ったが、その時に人間のころの記憶を取り戻し、メルエムに殺害された師団長ペギーが生前の里親だったことに気づく。また、メレオロンは人間だったころの名前で、記憶を取り戻したタイミングで改名している。以降はメルエムへの復讐を誓い、自身の念能力と相性の良い念能力者を探す過程でゴンと遭遇。意気投合し、王討伐軍へ加わる。
王討伐作戦時はナックルを中心に、討伐隊の面々と組み、奇襲を成功させていった。ナックルがユピーに降参した直後も、ナックルと組んで作戦を継続していたが、貧者の薔薇から復帰したメルエムの円に捕捉されて気絶させられ、人質になる。その後はメルエムが死んだことで、無事に生還した。

ビホーン