川のぬし釣り 秘境を求めて(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『川のぬし釣り 秘境を求めて』とは、パック・イン・ソフトから発売されたPlayStation用釣りゲームで、『ぬし釣り」シリーズの1つ。隠しキャラを含む合計6人のキャラから主人公を選択し、様々なステージでミッションをクリアしながら「ぬし」と呼ばれる幻の魚を釣り上げる。
渓流の村に住む主人公一家は、様々な目的から「ぬし」と呼ばれる幻の魚を釣り上げようと旅に出る。旅の途中で出会う個性豊かな村人や動物達に助けられながら、主人公達は川のぬしを求めて冒険する。

『川のぬし釣り 秘境を求めて』の概要

『川のぬし釣り 秘境を求めて』とは、1998年8月20日にパック・イン・ソフトから発売されたPlayStation用ゲーム。パック・イン・ビデオから発売された『ぬし釣り』シリーズの1つであり、1人用の釣りゲーム。
本作は、『ぬし釣り』シリーズのPlayStation初作品となっており、開発スタッフを増員させたことで凝ったストーリーや演出が実現し、『ぬし釣り』シリーズの中でも人気作となっている。

ゲームのジャンルは釣りゲームだが、主人公を操作して、旅をしながら釣りをしていくプレイスタイルから、RPGの要素も含まれる。本作では、隠しキャラを含む合計6人の主人公が用意されており、ゲームスタート時に主人公を1人選択して物語を進めることになる。
オープニング映像はアニメーションとなっており、主人公である父と長男が何年も前に川のぬしに出会った思い出がムービーとなっている。ゲーム自体は、ドット絵で描かれているにも関わらず非常に綺麗で、マップと魚の描写には特に力が入っており、本作の最大の魅力となっている。
登場する魚は70種類以上で、リアルな描写や詳しい解説が人気となっており、釣具の組み合わせ方と魚との駆け引きを楽しむゲームである。BGMも明るい雰囲気に統一されていて、中でも釣り中に流れる川のせせらぎと鳥のさえずりのBGMはプレイヤーがリアルな釣りを体験しているような気分にさせる。
主人公6人の旅の目的は様々だが、最終的にキャラごとに決められたぬしを釣り上げて自宅に戻るとクリアとなる。それぞれのストーリーは短めに設定されているが、お金を稼いで釣具を買い揃えたり、目当ての魚を釣り上げるのに苦労したりと、プレイ時間は長くなる傾向にある。本作のクリア条件はキャラごとにぬしを釣り、最終的に真のぬしを釣り上げることだが、プレイヤーの中には登場する魚を全種類釣り上げて釣りノートを完成させることを目指す人もいる。

豊かな自然が残る渓流の近くに住む主人公一家。
ある日、一家の主である父親は、幼い息子を連れて魚釣りへと出かけた。人気のない静かな場所で釣りをしていると、巨大な魚が父親の竿にかかる。しかし、あまりの引きの強さに、父親の竿は折れてしまい、かかっていた魚は水中へと逃げていった。2人は、先程戦った魚がこの川に住む「ぬし」だと感じていた。
それから数年後、主人公一家はそれぞれの目的の為、川のぬしを求めて旅に出ることになる。

『川のぬし釣り 秘境を求めて』のあらすじ・ストーリー

太郎(兄)ルート

旅の目的

長男・太郎の旅は、友達の捜索から始まる

家族でのんびり過ごしていた一家の下に、太郎の友達・三平の母親が慌てた様子で訪ねて来る。話しを聞くと、三平が突然「川のぬしを釣りに行く」と言い残して旅に出て行方不明となってしまったことが判明する。心配する三平の母親に、太郎は「自分が三平を探して連れ帰る」と励ますと、父親の許可をもらって三平を探しにいくことになる。
こうして、太郎は三平探しの旅に出るのだった。

三平捜索の旅

近所の店や渓流で釣りをしている釣り師達に話を聞いて回ると、三平は山上湖に向かったことが判明する。山上湖で三平の行方を探していると、この村に住んでいる太郎の祖父母から、「最近この村に鬼が出る」という話を聞かされる。さらに、「その鬼を退治する」と言って三平が1人で鬼の住む家へ向かったことが判明した。
太郎は三平を助けに行く為、鬼が住む家へ向かう。途中で仲間になった動物を連れて鬼退治に向かうと、鬼の正体がキツネであることが判明する。太郎はキツネに注意をして、もういたずらをしないことを約束させると、中で捕まっていた三平を助けるのだった。
三平を助けた太郎は、三平に母親が心配していることを伝えて一度家に帰るように説得し、自宅へと帰した。

ぬし釣りの旅

三平を助け、無事に家まで帰すことに成功した太郎は、三平が目指していたぬし釣りに興味を持ち始めていた。自宅に戻り、「ぬし釣りの旅に出たい」と父親に相談すると、快く了承してくれた為、太郎はぬし釣りの旅を開始するのだった。
清流では、怪我をしたウサギを手当てしたことで仲良くなったり、アユの友釣りに挑戦したりして過ごす。
湖では、夜になると怪物が現れるという噂の宿で事件を解決することになる。宿屋に泊まった太郎は、怪物の正体が山上湖で鬼に化けていたキツネであることを見破り退治する。
次に下流にやってきた太郎は、干上がってしまっている田んぼに頭を抱える村人達に遭遇する。訳を聞くと、この下流の村には意地悪な地主が住んでいていて、田んぼに水を送る水門を閉じてしまったという問題が発生していることが判明した。太郎は、地主の家に行って水門を開けてもらうよう交渉に向かうが、そこに地主の息子が登場し、コイ釣り対決を挑んでくる。地主の息子との戦いに勝てば、水門を開けてくれるというので、太郎はコイ釣り対決を受けることにした。
翌日、村の沼地でコイ釣り対決を行い、地主の息子よりも大きなコイを釣り上げた太郎が勝利を修める。地主は負けを認めると、約束通り水門を開けて村の田んぼに水が行き渡るようになる。村人達は太郎に感謝して、河口へと見送るのだった。
河口までやってくると、村の漁師がウミガメを捕まえているところを目撃する。太郎は、ウミガメを助けたい一心で漁師に話しかけると、大物のスズキ2匹と交換することを条件にしてきた。太郎は早速釣りを始め、80cm以上のスズキを2匹釣り上げ漁師の下へ届けると、ウミガメを解放することに成功する。
ウミガメを助けた後、宿屋に泊まると乙姫が現れ、1本の竿を手渡してきた。この竿は、太郎の住む渓流の上流で釣りをしている「仙人」と呼ばれる老人がうっかり流してしまった大切な竿であった。太郎はこの竿を受け取ると、渓流まで戻って仙人に竿を返す。すると仙人は、お礼にぬしの正体とぬしの住む場所を太郎に教えれくれるのだった。

ぬしを狙う

渓流にいる仙人から、川のぬしが河口に住むアカメという魚であることを聞いた太郎は、河口まで行き巨大なアカメを釣り上げる。
仙人に見せるとぬしであることが判明し、太郎はぬしを釣り上げたことを家族に報告する。念願のぬしを釣ったことに達成感を感じた太郎は、こうして釣りの旅を終えるのだった。

雄三(父)ルート

旅の目的

雄三がぬし釣りの旅に出かけることを、妻の紀子だけは気付いて応援するのだった

渓流の村に住む一家の大黒柱である雄三は、過去にぬし釣りで竿を折られて以来、釣りをやめてしまっていた。しかし、太郎がぬし釣りの旅に出かけた後、自分も元釣り師としてぬしを釣り上げたいという本心が見え隠れするようになる。旅に出ればしばらくは家に帰れなくなる為、悩んだ雄三は、家族に黙って家を出ることを決意する。
こうして、雄三は若い頃に釣り逃がしたぬしを求めて、旅に出るのであった。

ぬし釣りの旅

釣り師としての勘と技術を取り戻す為、雄三は近所の渓流で魚釣りを楽しむ。すると、村でイワナ釣り大会が行われていることを知る。
現在の順位が貼り出されたボードを見ると、そこにはぬし釣りの旅に出た太郎が1位で優勝候補であることが判明する。雄三は、息子には負けていられないと、イワナ釣り大会に参加し、優勝を狙うのだった。渓流の上流で大物のイワナを釣り上げた雄三は、それで大会に優勝すると、若い頃の勘が戻り始めるのを実感し、自信を付けて山上湖へと向かった。
山上湖では、昔からの釣り友達がケガをしてしまったという話を聞く。急いで友達の家に向かうと、友達は腕を骨折してしまっていた。雄三が手伝えることはないかと尋ねると、友達は得意先に40cm以上のヒメマスを釣る約束をしていたので、代わりに釣って来てほしいと頼まれる。雄三は、ヒメマスが狙えるポイントを探し、なんとか40cm以上のヒメマスを釣り上げることに成功する。
友達の危機を救った雄三は、今度は清流へと足を進めた。清流では、湖へ向かう唯一の道がお腹を空かせたイノシシによって塞がれていたが、芋を作っている農家のおじさんと話をつけて問題を解決する。
その後、湖へ向かった雄三は、そこで友達が経営する宿屋に立ち寄る。しかし、宿屋は酷く閑散としていて、今にも潰れそうであった。雄三が友達に訳を聞くと、最近客室に幽霊が出るようになって客が寄り付かなくなってしまったのだと話す。話を聞いた雄三は、なんとか解決できないかと、釣具屋でお札を買い幽霊と対面を試みる。すると、幽霊はウナギが食べたくて化けて出ていることを明かすので、雄三はウナギを食べさせて成仏させようと考えた。
翌朝、雄三はウナギ釣りに出掛け、釣り上げたウナギを持って再び宿屋に出る幽霊と対面する。幽霊はウナギを食べて満足したようで、そのまま成仏して二度と現れなくなった。
湖での幽霊退治を終えた雄三は、下流へと向かう。下流にも雄三の友達が住んでいて、コイ料理の店を経営していた。久しぶりに会いに行くと、最近村の地主がコイ料理の店を建てた為に売り上げが落ち込んでしまっているという悩みを明かされる。友達の一大事を知った雄三は、地主の下へ掛け合い、コイ料理で勝負をすることを持ち掛ける。
雄三は、60cmを越える大きなコイを釣り上げ、それを友達に託す。雄三の釣ってきたコイは鮮度が良く、それを食べた地主はあまりのおいしさに負けを認めるのだった。
料理人の友達を救った雄三は、今度は河口へとやってきた。河口では、漁師に捕まったウミガメを発見し、それを助ける為にスズキを2匹釣り上げる。助けられたウミガメは、雄三に感謝して海へと戻っていった。
その日の夜、宿屋に泊まると乙姫が姿を見せ、ウミガメを救ってくれたお礼にと、1本の竿を譲ってくれた。この竿は、渓流の上流で釣りをしている仙人のような老人がなくしてしまった竿であった。雄三は、渓流まで戻り、仙人に竿を返すと、仙人は竿を見つけてくれたお礼にとぬしの居場所を教える。

ぬしを狙う

仙人から、川の主ぬしが湖のナマズであることを知らされた雄三は、道具を揃えて湖へ向かった。
苦労の末、なんとかぬしのナマズを釣り上げると、雄三はそのナマズを持って家族や仙人に報告へ向かう。長年の夢を叶えた雄三は、満足気に旅を終えるのだった。

紀子(母)ルート

旅の目的

紀子は食べるだけで若返るという魚を求めて旅に出る

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