GOD EATER 3(ゴッドイーター3)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『GOD EATER 3』とは、バンダイナムコスタジオ/マーベラス1stStudioの開発によるドラマティック討伐アクションゲーム。PlayStation4/Nintendo Switch/STEAM用ソフトが発売された。近未来、あらゆるものを捕食するもの「アラガミ」に世界の大部分を食い荒らされ世界が崩壊しようとしていた。本作は、この崩壊しようとする世界で適合試験に合格した主人公が仲間のユウゴやジークらと共に「アラガミ」を討伐しながら世界を救う物語。

『GOD EATER 3』の概要

『GOD EATER 3』とは、バンダイナムコスタジオ/マーベラス1st Stadio開発によるドラマティック討伐アクションゲーム。バンダイナムコエンターテイメント販売によるPlayStation4/Nintendo Switch/STEAM用ソフトである。
2018年12月にパッケージ版、PlayStation Storeにてダウンロード版が発売された。ほかにも、それぞれ特典を同梱した「初回生産版」や、「ファミ通DX特典」なども発売されている。また、2019年2月にSTEAM版、同年7月にNintendo Switch版が発売されている。ゲームジャンルはドラマティック討伐アクションゲームで、主人公は見た目を自分の好きなようにカスタマイズすることができ、性別の選択も可能になっている。

本作は豪快さも爽快さも持つハイスピードなアクションと、キャラクター達とのストーリーが魅力である。討伐に必要な武器「神機」は打撃と射撃を即座に切り替えることができ、「ダイブ」という突進攻撃を中心に立ち回りながら様々な攻撃でアラガミを「捕食」する。本作はシリーズ化されており、シリーズ累計出荷本数は450万本を突破。ナンバリング最新作となっているが、本作から初プレイでもストーリーは分かりやすく構成されている。新たなアラガミの追加や前作に登場したアラガミも出現する為、シリーズを通してプレイしているプレイヤーも楽しめる要素がある。また、主人公を自分好みにカスタマイズできるのも魅力の一つ。目の色や髪の色の選択、髪飾りや顔に傷やペイントをつけたりもできる。服装はプレイ中に変更できるので、気分で変えることができたりするのもいい。本作はマルチプレイが可能な為、仲間と共に強敵なアラガミ討伐もプレイできる。

本作は、2050年以降の未来を時代に、アラガミが世界を滅ぼそうとしている。人類は瞬く間に消え、残ったわずかな人類の中から選ばれた「ゴッドイーター」と呼ばれる高い感応能力、身体能力を持つアラガミ討伐や物資の回収など行う者たちの心境なども描かれている。危険な任務を日々課せられた彼らの報酬は極めて少ない上に、隷属的な契約に縛られている為、彼らに自由などない。そんな彼らでもいつか必ず自由を手にすると夢見る希望を忘れなかった。今の時代でも、似たような境遇が重なる場面がいくつか本作には登場し、彼らの行動力に感心する場面もある為、今の時代にでも共通する自分の意志の持ち方などを考えさせられる作品である。

西暦2050年頃、突如発生した「オラクル細胞」。地球上のあらゆるものを「捕食」し、急激な変化をし続け多様な生物体となった。通常の兵器が効かず、人々はいつしか極東地方に伝わる八百万の神々になぞらえ、それらを「アラガミ」と呼ぶようになった。これが「アラガミ」の誕生である。

『GOD EATER 3』のあらすじ・ストーリー

本作はGOD EATER 1からストーリーは繋がっている部分がある為、重要な部分をはじめに紹介する。

西暦2050年頃、突如現れた「アラガミ」によって人類は瞬く間に消えていった。なんとか生き長らえていた人類のなかで、北欧の製薬会社「フェンリル製薬会社」が体組織を構成する「オラクル細胞」の性質の解読に成功する。それを基にアラガミに対抗すべく、「神機」が開発された。フェンリルは研究成果に対する利権を独占。世界を牛耳る企業・組織に成長していった。だが、その神機を扱えるのは適合試験を受け、合格した者のみだった。
GOD EATERシリーズはアラガミやフェンリルがストーリー上で重要な部分を占めているといっても過言ではない。本作は、章ごとにアラガミを倒しつつストーリーを進めていく。

そして本作のストーリーは上記のものから約40年先の物語の設定になっている。

はじまり

ゴッドイーターに取り付けられる腕輪

西暦2087年。人類は未知の厄災「灰域」の発生により、危機に陥っていた。空気中を漂う灰域は領域を拡大し続け、接触するもの全てを灰と化していった。フェンリル各支部は灰域の侵攻に為す術もなく、フェンリルの統治体制も崩壊した。
辛うじて生き長らえた人類は各地で通称「ミナト」という地下拠点を造り、さらには灰域に高い耐性を持つ「対抗適応型ゴッドイーター(Adaptive God Eater 通称AGE)」という兵士をも造り出していた。しかし、従来のゴッドイーターよりアラガミに近い性質を持つAGE達を人々は差別し、AGEの大半は奴隷同然の扱いを受けており、過酷な環境で必死で生きていた。その中に主人公、ユウゴもいた。まだ幼かった二人は辛くも適合試験を受け合格し、この日からペニーウォート所属のAGEとなった。ペニーウォートは利益第一主義で、灰域への潜行、アラガミの討伐などの危険な仕事を主としており、AGEたちの損耗率が非常に高いミナトである。ここには、主人公やユウゴのほかにも、ジーク、キース、まだ幼い子供たちもAGEとして所属している。主人公とユウゴはいつか必ず自分たちの自由を掴み取ると夢見て、過酷な日々を生きていた。
ある日、いつものように任務に出ていた主人公たち。任務を終え帰投しようとしたとき、灰域の活性化現象・灰嵐が発生した。ミナトに取り残された仲間たちを救う手立てもなく焦る主人公たちに突如あるキャラバンから通信が入る。仲間と自分たちの保護をする代わりに周辺のアラガミの討伐依頼が持ち掛けられる。主人公たちは、急ぎアラガミ討伐に向かった。

アラガミの討伐に成功し、ミナトに取り残された仲間と主人公たちは灰域踏破船・クリサンセマムに保護され一時的に搭乗することになった。キャラバンのオーナー、イルダはグレイプニルより受託したコンテナ移送任務の途中で灰嵐に遭遇したという。主人公たちを保護したことから、一度自身のミナト・クリサンセマムに戻ることを決めるが、灰嵐によって航行に必要な感応レーダーの担い手を失い、更に破壊された航路の再建が必要であることを告げられる。主人公たちは、その役割を自分たちが担う代わりに対価を求めることにした。これは、主人公たちが共有する目標達成の第一歩でもあった。イルダは受諾し、クリサンセマムまで主人公たちはキャラバンに搭乗することになったのだ。
オペレーターを務めるエイミー、船内の家事をこなすゴッドイーター・リカルド、そしてグレイプニルより受託したコンテナ移送任務の積荷の護送のため搭乗していたクレアと協力しながら主人公たちはクリサンセマムに向かっていた。その道中である救難信号が入った。主人公たちはイルダの命令のもと捜索に出る。主人公たちは、救難信号を出したであろう一人の女性AGEと遭遇する。彼女はいきなり主人公たちに襲い掛かり、ジークの隙をつき捕まえこう言った。
「神機を捨てろ。お前たちの直属の上司と話がしたい」
主人公たちは素直に話を聞き、通信をイルダに繋いだ。彼女はバランという有名なミナトに所属する、ルルと名乗った。彼女は任務の途中でキャラバンとはぐれてしまったためバランまでの移送を願い出たのだ。イルダはルルがバラン所属のAGEなのか確認すると伝え、バランに直接問い合わせた。すると、バランからはルルという人間は存在しないという返事がきたのだ。イルダはルルと直接話をしてくるといい、主人公たちの元へ。ルルにそのことを伝えると膝から崩れ落ち、こう呟いた。
「私は…捨てられた」

イルダはルルを保護し、ルルもキャラバンに搭乗することになった。ルルが所属していたバランというミナトは商工業が盛んで灰域やAGEに関連する様々な研究開発が行われている大型のミナト。新しい設備や兵器の開発依頼を他のミナトから請け負うなど高い技術力が伺える反面、周辺灰域に大きな影響を及ぼすほどの危険な実験がしばしば行われてきたため灰域航行法に抵触するとして非難を浴びることが多く、イルダもあまり関わりたくないというほどのミナトに所属していたルルの神機にはある危険なものが仕込まれていた。それは、ジークの弟・キースが調べた結果「アクセルトリガー」だということがわかった。アクセルトリガーは自身の体力を削り取る代わりに大幅にアラガミに対抗できる力を出せるというもの。ルル曰く、まだ試作品で完成品ではないという。バランはアクセルトリガーを開発し、それをAGEたちの持つ神機に付与し実験を行っていたのだ。
だがキースのおかげでアクセルトリガーの付与は外され、いい形で皆にも使用できるように再開発した。そしてルルも少しずつ主人公たちに心を開いていき、イルダは正式にルルをキャラバンに迎え入れようと皆に提案した。主人公たちは快く受け入れ、新たな仲間が増えたのだった。

新たなアラガミ

灰域種アラガミ ラー

航路を順調に進めていると、イルダから灰域種アラガミの情報が伝えられる。灰域種アラガミ、通称「厄災のアラガミ」。極めて強力な捕食能力を持ち、ゴッドイーターの感応能力を奪い、ゴッドイーターにみられる能力「バースト」に近しい現象を起こし戦闘能力が飛躍的に上昇する危険で特別なアラガミ。そのアラガミが突如、クリサンセマムの後部に襲い掛かってきたのだ。後部にはグレイプニルより受託したコンテナが積んであった。主人公たちが急いで向かうと、コンテナは既に破壊され、コンテナの中にはヒト…子どもが座っていた。灰域種アラガミに襲われそうになる子どもを庇った主人公は、捕食攻撃を受けてしまう。仲間の攻撃によってアラガミを撒いたが主人公は大きな傷を負っていた。ユウゴたちが主人公のもとに駆け寄ろうとするが、驚く場面を目撃する。それは子どもが主人公の傷を癒していたのだ。手から光が溢れ、主人公の傷はゆっくりと癒えていったが、そのまま主人公は意識を失っていった。
目が覚めた主人公は、3日間眠り続けていたと仲間たちから聞かされる。そして、あの子どもが仲間たちみんなに懐いていたのだ。ユウゴやイルダはあの子どもが人間でないことはわかっているが何なのかは分からないと言った。コンテナの護送に就いていたクレアはグレイプニルからはただ人類の希望だということしか知らされていないと言い、謎は膨らむが子どもは我々の管理下に置くとイルダはクレアに告げる。そしてジークの提案で子どもに名前を付けようということになり、フィムと名付け共にクリサンセマムに向かうことになった。
そしてまた航路を進んでいきアラガミ討伐の任務中、主人公たちは再び灰域種アラガミと遭遇してしまい、主人公たち全員が捕食攻撃を受けてしまう。もうダメかと思ったその時、灰域種アラガミの前にフィムが立っていた。フィムは灰域種アラガミを跳ね除け、主人公たちの傷を癒していった。そしてフィムは神機を握りしめ、主人公たちと共に灰域種アラガミを討伐する。彼らはたった小規模隊勢で灰域種アラガミの討伐に成功したのだ。
そしてキャラバンに戻った彼らにイルダは「フィムは、ヒト型アラガミである」と告げた。

それから主人公たちは目的地である、イルダたちのミナト・クリサンセマムに近づいていた。イルダは主人公とユウゴに改めて今後の話をした。主人公たちAGEの所有権は今も変わらずペニーウォートにあり、返還要請もきているとのこと。そして主人公たちはクリサンセマムでの引き渡しとなることが伝えられた。またあの頃に戻るのかと気分が落ち込む主人公とユウゴ。イルダとの会話の後、ユウゴはあることを決意する。
そして主人公たちは無事にクリサンセマムに到着した。イルダが造ったミナトは緑豊かで皆が自由に生きていた。それを見たユウゴは、更に気持ちを固めイルダにある交渉をしたのだ。それは主人公たちをペニーウォートから買い取り、正式にクリサンセマムの所属になることだった。ユウゴが決意したあることとはこのことだった。その代わりに、今まで自分たちが集めた灰域種アラガミの情報やバランの開発したアクセルトリガーの機密情報など皆の知恵や知識を絞り出してそれらを対価にしてイルダにかけおったのだ。さらにユウゴは灰域種アラガミが執着しているのはフィムなのではないかと気づいていた。フィムを作戦本部に連れていくまでの道のりでまた灰域種アラガミに襲われる可能性もあるということも伝え、その時は必ず自分たちが守るという誓いを立てユウゴらはイルダに頭を下げたのだ。その熱意に押されたイルダは、莫大な私財と情報をペニーウォートに売りその見返りとして主人公たちを買い取った。
主人公たちは正式にクリサンセマムのハウンドとなったのだった。

狙われるフィム

ヒト型アラガミ・フィム

主人公たちは気持ちを新たにして作戦本部があるアローヘッドへ向かう道中で、ある一部分のみが灰域濃度が著しく上昇している場所でのアラガミ討伐の任務を遂行することになる。無事にアラガミ討伐を成功させたが任務に就いていた主人公とフィムの通信が途切れ他のメンバーとはぐれてしまう。はぐれた二人は灰域濃度が濃い場所で一人のゴッドイーターの男と出会う。彼は自分たちの船で送り届けようと言うが、フィムがそれを断り彼は「我々は君たちAGEのためにある」と告げた。会話の最中でイルダからの通信が繋がり、フィムがイルダと呼んだ瞬間、彼はどこかへ消えてしまった。何者なのか気になりながらも二人はキャラバンに無事に戻ることができた。
船に戻ったあと、イルダからアローヘッドにて大会合が行われるという情報が伝えられる。その会合の内容は、フェンリル本部奪還作戦の会合だという。現在のフェンリル本部がある地域は灰域種アラガミの巣と化してしまい誰も近寄れずにいた。その本部を取り戻すために各キャラバンに協力依頼がきていたのだ。ユウゴと主人公はその会合で自分たちの価値を周りに売り込むことを決める。
任務を終えた主人公はイルダに呼び出される。内容は作戦本部に着いたら、フィムを引き渡さなければならないことだった。だがイルダも主人公もフィムはもう自分たちの家族同然だという思いがあった。イルダは主人公と話し、本部にはフィムをこちらに預けてくれないかという交渉すると心に強く決めたのだ。そして仲間一人一人がフィムと離れたくないと強く思っていた。皆がフィムのためになにができるのかを考えながら船はアローヘッドに少しずつ近づいていった。
アローヘッドに到着目前。任務終わりに皆がフィムに呼び出された。部屋に入ると、風船などで綺麗に飾り付けされた光景が目に入る主人公たち。フィムは皆の仕事が終わることをお祝いしようと一人でサプライズを計画していたのだ。そしてフィムはプレゼントがあると言い、一枚の絵を主人公たちに渡した。そこには、船に乗っている主人公たち全員の似顔絵が描かれていた。
「しごと、おわり!おめ、でとう!」
と言うフィムに皆は涙する。だがこの時はみんなで楽しく過ごそうというユウゴの提案にみんな頷き、その夜はパーティーを楽しんだ。

その次の日。アローヘッド近郊で灰域種アラガミが現れたとの情報が入り、主人公たちは討伐に向かった。無事に討伐を終え帰投しようとした時、突如エイミーとの通信が途切れ急いで船に戻った主人公たち。船には、グレイプニルのアラガミを研究している犬飼博士がおり、後ろには首に機械を着けられ意識が混濁しているフィムが拘束されていた。犬飼はAGEやキャラバンに暴言を吐きながらフィムを連れていこうとする。主人公は通さんとするも、ユウゴからのアイコンタクトでその場はじっと堪えフィムは犬飼に連れていかれてしまう。このままにしておかないとユウゴはある作戦を思いつき、イルダらに話す。その作戦とは灰域種アラガミを使ってフィムを取り返すというのだ。フィムに執拗に執着する灰域種アラガミを誘い出し、フィムが乗る輸送船を襲わせ、そこに“たまたま”通りがかった主人公たちが灰域種アラガミからフィムと乗組員らを守るという作戦内容だった。エイミーは危険だと反対したが、イルダは決めたら曲げないユウゴの性格からその作戦に乗り、各自準備に入った。

そして作戦実行の時。ユウゴは灰域種アラガミを輸送船近くまで誘導することに成功し、主人公たちはユウゴからの合図で輸送船に潜り込み、フィムを無事に救出する。輸送船の乗組員もケガはなく灰域種アラガミから“守る”ことに成功した。そのあとクリサンセマムはグレイプニルから呼び出しがかかる。グレイプニルは灰域種アラガミから輸送船とフィムを守ったことの功績は称えるとするも、積荷の中身を知ってしまったこと、中身が外に出たことで傷をつけ研究に差し支えるという犬飼からないことばかりの報告を受けていたとし、クリサンセマムに損害賠償請求、関わったAGEの銃殺ということが伝えられる。口論の途中で大型の灰域種アラガミが接近しているとの情報が入る。グレイプニルは主人公たちに討伐してこいと命令する。だが主人公たちは拒否し、アラガミに喰われるより銃殺されたほうがマシだと言った。グレイプニルとの口論が続くなか、大型ビジョンが映し出され、ビジョンにはグレイプニル最高司令官・ガドリン総督の姿があった。彼は、灰域種アラガミに対抗できる術を我々は持っていないと話し、主人公たちに仲間を助けてくれないかと願い出たのだ。討伐が成功すれば今回のことを再検討するという約束をし、主人公たちは討伐に向かう。
見事に大型の灰域種アラガミを討伐した主人公たち。総督は約束通りに主人公たちを放免するとし、フィムも主人公たちと行動することに許可を出した。灰域種アラガミを討伐したことをグレイプニルに見せつけたクリサンセマム。総督はクリサンセマムに期待を持ちながら奪還作戦の会合に参加して欲しいと伝え、主人公たちは本部を後にした。

船に戻ると、ロビーに客人が来ていた。イルダの知人でダスティミラーというミナトを経営しているアインと名乗る男だった。彼は、主人公たちが集めた灰域種アラガミの情報を買いたいと言ってきたのだ。アインが提示した額は20億という大きな額だった。これにユウゴは驚くが、アインはこれまでイルダとの契約に外れがないこと、主人公たちの無茶っぷりを気に入ったといい、契約を持ち掛けてきたのだ。ユウゴはこれに承諾。初めて主人公たちの契約が成立した時だった。

グレイプニルの影

グレイプニル最高司令官・ガドリン総督

そして作戦本部にてフェンリル本部奪還作戦についての大会合が開かれた。ガドリン総督は、対アラガミにおける技術資料などがフェンリル本部には遺されていること、本部の地下には巨大兵器「オーディン」が眠っているとも語った。オーディンは、かつて研究者たちによって造られた対アラガミの兵器。灰域種アラガミに対抗できるものとし、これらを取り戻す為の作戦と説明した。本部周辺には灰域種アラガミが確認されているため危険だという他のミナトからの意見に総督は、まだ希望はあると語り皆にクリサンセマムのメンバーを紹介する。皆の期待を胸に抱きながら、主人公たちは会合を終え本部を後にする。

作戦に入る前に、クリサンセマムにグレイプニルからある任務が依頼される。内容は、グレイプニル内に「朱の女王」に通ずる内通者がいると発覚。内通者はキャラバンの近くで消息を絶ったという情報があり、近くを捜索して欲しいとの依頼だった。さらにその任務は犬飼博士からの依頼らしく、主人公たちは気に入らないながらも任務を遂行することに。
朱の女王とは、対抗適応型ゴッドイーターの過激派によるレジスタンス組織。AGEの保護や解放活動を行っているがグレイプニル保有のキャラバンへの攻撃などテロに近い行動があることから危険視されている。そんな組織の内通者がいることに主人公たちは少し戸惑うも捜索していたとき、突如灰嵐が発生した。急ぎキャラバンに戻ると、灰域濃度が急に上昇しさらに灰嵐が発生したことに疑問を持つ主人公たち。すると、犬飼から無線電話が入る。犬飼は内通者がキャラバン付近で消息を絶ったこと、朱の女王は人工的に灰嵐を発生させることができるという噂があり、タイミングが良すぎる灰嵐の発生からクリサンセマムが内通者だと言ってきたのだ。全てはフィムを取り戻すための罠で、本当は犬飼が朱の女王の内通者だったのだ。そしてキャラバンは灰嵐が発生したことで移動してきたアラガミたちに包囲されていた。さらに犬飼はクリサンセマムが朱の女王と内通していると予測できることを明かす。それは、過去にイルダと朱の女王の首領・ヴェルナーが交際関係にあったということだった。犬飼は無線を切り、主人公たちはアラガミの包囲を突破することが最重要だとし、討伐に向かう。包囲されたアラガミのほかに運悪く灰域種アラガミもエリア内に侵入し討伐する主人公たちの耳に入ってきた犬飼の声とガドリン総督の声に混乱する主人公たちはキャラバンに戻り、真相を聞くことに。
キャラバンのモニターに映し出されていたのはグレイプニルに拘束される犬飼の姿だった。実はこの作戦は作戦本部を出た時から仕組まれていた囮捜査だったのだ。フィムに執着する犬飼が怪しいと思っていたガドリン総督はイルダに協力を依頼し、ガドリン総督はキャラバンに搭乗しており、犬飼が何かしらの尻尾を出すのでないかと予測していた。案の定、犬飼はフィムを取り戻すためにクリサンセマムを罠に陥れ危険にさらしたが全ての行動・言動をガドリン総督に見聞きされていた。犬飼はグレイプニルに拘束、ガドリン総督は主人公たちに危険なことに巻き込んですまないと謝罪し、キャラバンを後にした。

総督が船を降りたあと、イルダは主人公たちにヴェルナーとの関係を話してくれた。イルダとヴェルナーは過去に同じ研究所に所属していた同級生で、ヴェルナーは周りから一目置かれる優秀な研究者だったという。優しく、純粋な彼に惹かれたイルダは幸せな日々を送っていくと思っていたが「厄災」が起きてしまい徐々に心は離れていったという。さらにユウゴはイルダと総督が長年の知り合いのように見受けられたと話しその関係も追及した。実は、ヴェルナーはガドリン総督の子息だという。人類が生き延びれたのは間違いなくグレイプニルの力があったからだとするが失うものも多かった。それにヴェルナーは耐えられなかったことから親子でいがみ合うことになってしまったと明かす。
イルダは私にあの時彼を止める勇気あればと話す。ユウゴはイルダも諦めず戦っている、だから自分の力でミナトを持つこともでき、こうしてみんなが一つになり家族のように居られると励ました。イルダは肩の力が抜けたと笑った。
そして主人公たちは作戦本部に帰投することになった。

任務を終え、作戦本部に入った主人公たちは総督から奪還作戦の概要を聞く。作戦は3段階に分けられ、主人公たちは主に灰域種アラガミやアラガミの排除を担うことになる。一番重要かつ難関ルートを任されたクリサンセマムの支援をするのがかつてルルが所属していたバランが行うことになった。この振り分けに胸騒ぎを覚えるルル。
アイン率いるダスティミラーは物資を調達する輸送船団として運行する。クリサンセマムとバランの二つの船団により、開拓される新規ルートによってフェンリル本部への道を切り開く重要な任務を任された主人公たちは緊張しながらも気合いを入れ作戦に挑む。

フェンリル本部奪還作戦

灰域種アラガミ・冥界の主 アヌビス

作戦の第一フェーズが開始し、順調に航路を進む主人公たち。しかし、灰域濃度が著しく上昇している「深層」へと少しずつ近づいていた。深層は灰域濃度が上昇していることから偏食因子を移植しているAGEでも長時間の滞在が難しい場所とされている。その深層を突破しなければ本部に辿り着けない為、イルダは深層に関する資料を調べ尽くすが役に立ちそうな情報は見つけられず、苦心していた。それを耳にしたルルがイルダにあることを報告する。深層は朱の女王の拠点があり、感応レーダーに反応しないようジャミングが施されていて、特別な感応レーダーでなければビーコンを取得できないこと。ルルはバランに所属していた頃からバランは朱の女王と繋がりがあったことを明かす。そして第一フェーズが無事に終了し第二フェーズに移行。クリサンセマムとバランの両船は物資の調達を待っていた。だが、バランの工作員がクリサンセマムに侵入しルルと直接接触してしまう。工作員は深層についての情報が欲しいとイルダから申されたと言い、ルルが絡んでいると推測。工作員はルルにある取引を申し出た。バランにヒト型アラガミであるフィムを渡せと言い、その見返りで深層についての情報提供を行うとした。さらにバランは取引に応じない場合は、灰嵐を起こしキャラバンごと沈めると脅しをかけてきたのだ。その話を偶然にも主人公が聞いてしまい、ルルは自分の問題だからと主人公に口止めをする。
主人公も仲間に報告することができないまま、主人公たちは限界灰域へと突入。アラガミ討伐の任務をこなすが途中でルルの姿が消える。彼女はひとりでバランとの取引場所に向かっていた。バランはヒト型アラガミを連れていないとし、交渉決裂とした。そして主人公やキャラバンを守るためにルルはバランの工作員に立ち向かう。工作員の正体は実はルルの師匠であった。バランを離れてからルルの太刀筋や心境の変化に何かを感じた師匠は、バランの船長の命令を無視をする。船長は怒り狂い、砲塔から砲弾を打つよう命を出すが師匠はそれからルルを守る。主人公たちがルルたちの元へ駆けつけ、船長は拘束された。ルルの師匠はあるべき場所へ帰ると言い姿を消した。

キャラバンに戻り、イルダはバランが所有していた深層への航路、ビーコンの特定も確認できたと皆に報告する。そしてグレイプニルは、船長の身柄を拘束。ルルの師匠もバランの責任追及を負うことになり、バランは本作戦から離脱すると発表した。作戦本部へはクリサンセマムのみで向かうことになった。そしてルルもしばらく謹慎処分としたがイルダはルルの気持ちは受け止めていると微笑んだ。

こうして深層へと向かう航路ができた主人公たちは再び本部へと足を進め、作戦は第三フェーズへと移行した。
主人公たちは灰域濃度が極限まで至る深層まで進み、航路を確保する任務に就いていた。その途中で朱の女王と遭遇する。朱の女王の首領・ヴェルナーが姿を現し、主人公たちに朱の女王に入らないかと誘う。さらに、朱の女王にはジークの生き別れたもう一人の弟・ニールがいたこととヴェルナーが話す内容に共感を覚えたジークは戸惑いを見せる。だが主人公たちは自分たちの未来の為、やるべき仕事があると断りを入れた。ヴェルナーは責めることなど一切せず、フェンリル本部へ続く道を示し、そしてそこには「冥界の主」がいることも伝えられた。覚悟を決め、彼らはさらに奥へと進んだ。

進んだ先に見たものは、大型のアラガミたちの餌場だった。だが突如起きた地響きと共に現れたのは大型のアラガミを一撃で始末するほどの強さを見せた大型の灰域種アラガミだった。今までと比べ物にならないほどの大きさと強さに苦戦しながらも、主人公たちは無事に討伐に成功する。そして、深層の奥を進み大きな建造物が見えた。
フェンリル本部だった。
主人公たちは、小部隊のみのたったの一船で深層到達と共にフェンリル本部奪還作戦を成功させた。

そのあと、本作戦で見事に活躍したクリサンセマムのオーナー・イルダはグレイプニルから見返りとして莫大な報酬を、主人公は常に最前線に立ち灰域種アラガミの討伐に力をいれ、仲間たちとの連携、見事な戦いを行ったことからガドリン総督から優秀かつグレイプニル・キャラバン両方が期待している者のみに贈られる白狼賞が贈呈された。そしてクレアはグレイプニルに戻ることにし、主人公たちと別れ自分の帰るべき場所に戻ったのだ。

主人公たちもイルダたちとともにミナトへ帰ることになった。

グレイプニルの新たな作戦

アイン

フェンリル本部奪還作戦を終え、時は少し流れ一か月が経とうとしていた。
主人公、ユウゴ、ジーク、ルルは毎日忙しなく仕事に励んでいた。そして、久しぶりにクレアがミナトに訪れることになり、フィムはルルと共に腕によりをかけてクレアの好物を作っていた。任務を終え、クレアを迎え再びいつものメンバーに戻った主人公たち。
クレアは、あれからグレイプニルに戻り総督の口利きで内勤を務めるようになったという。グレイプニル内の派閥に嫉妬からくる悪口や陰口にも耐えながらも毎日仕事をこなしていると明かす。主人公たちも主に灰域種アラガミの討伐や情報収集を行い、様々な情報を他のキャラバンに契約・提供をしていると報告した。主人公たちは特に何もない「普通」の生活を送ることができていることに充実を感じ、日々を送っていたのだ。

ある日、いつものように任務に出ていた主人公たち。突如、イルダから通信が入り急ぎキャラバンへ戻った。
戻ってみるとイルダとエイミーは渋い顔をしていた。その理由はグレイプニル最高司令官のガドリン総督がある作戦を発令したからであった。その作戦は「灰域捕喰作戦」。
ガドリン総督はオープン回線で各ミナトに映像を送っていた。主人公たちもその映像を見ると、総督自ら作戦内容を説明する映像だった。作戦内容は、グレイプニルは”対アラガミ”捕喰の巨大兵器・オーディンを”灰域捕喰”の兵器に改修させることに成功し、さらに稼働させることにも成功したと語る。だが、オーディンを稼働させるためには多くの偏食因子が必要不可欠であるとし、AGEを触媒とする必要があると語るが、オーディンに搭乗し触媒となったAGEはそのまま消失すると発表した。この言葉に主人公たちはうろたえたが、総督の言葉は続く。慈悲無き言葉と承知しているが、我々人類の未来に光を射して欲しいと言った。そして総督はグレイプニルに登録しているAGEのデータを元に本作戦の為に前もって調査・整理されており既に各キャラバンにグレイプニルへの招集命令が下されており、この時既にクリサンセマムはグレイプニルの踏破船に包囲されていたのだ。命令を無視したミナトは強制連行にもなり得るとし、まるで人類の敵かのような物言いで映像は終了する。
ユウゴたちはイルダにこれ以上は迷惑をかけられないと招集命令に従おうとするがイルダは即座にそれを止める。イルダは乗組員全てを集めるようエイミーに指示した。

イルダは、グレイプニルへの返答は断固拒否としてミナトの住人、乗組員全ての人を乗せミナトを出ると表明した。家族をおいそれと差し出すことはできない、したくないと言いさらに自分の意思を売り出すこともしないと力強く言った。これにユウゴは、なにがあってもこの船は自分たちで守ると決意し、クリサンセマムに滞在していたクレアもみんなと一緒に行くと言い、みんなと進む未来が正しいと思うからと自分の意思に従った。まずはグレイプニルの包囲網を突破することを掲げ、主人公たちはまた新たな道へと進む。

包囲網をなんとか突破した主人公たち。その裏でリカルドが秘匿回線をダスティミラーのオーナー・アインに繋ぎ、船はダスティミラーへ向かうことになった。だが、グレイプニルが各地で検問を展開していると推測しエイミーは山域ルートを提案する。このルートは非常に危険とされ禁忌指定になっているルートだとクレアが明かす。その理由は、「AGE喰い」といわれる灰域種アラガミが出没するという記録が残されていたからだった。執拗にAGEを狙い、AGE喰いと遭遇したキャラバンはAGE含め乗組員全てが消滅したとも記録が残されている。だが、ユウゴは他に道もなく時間もあるわけでもないこと、みんなが居れば大丈夫だと言いそのルートで進むと決める。
山域ルートへの航路を進んでいると、イルダからある情報が入る。各ミナトに所属していたAGEがミナトから脱走、朱の女王へ流れていることが判明。さらに問題が、かつてバランが開発した技術である人工的に灰嵐を発生させる行為をAGEが行っているというのだ。今まで働かせて最後は生贄と言わんばかりのグレイプニルへの憎悪がAGEたちを襲っていることにイルダは言葉を失くす。さらに航路を進んでいる道中で、AGEがはめていた腕輪が無数に散乱していた光景をジークが見つけ、その付近には大きな足跡も残されていたと語る。おそらくオーディンの稼働実験が行われていたと推測するが、その痕跡を見てジークは自分の弟の腕輪がなくて安心してしまったと複雑な心中を語り、人同士で何故ここまで争わなければならないのか、何をどうしたらいいのか分からないと打ち明ける。けれど、フィムのしたいことをすればいいの純粋な一言で気持ちの落ち着きを少し取り戻した。

船はダスティミラーへ近づいていた。しかし、直前でAGEからの救難信号を捉える。主人公たちは捜索を開始。すると、未知の灰域種アラガミを発見し、そばにはグレイプニルのゴッドイーターとAGEが数人アラガミに襲われていた。そのAGEの中にジークの弟・ニールもおりジークは単独で弟を守るため先陣を切った。だが灰域種アラガミの強さに敵わず捕喰されてしまう一歩手前で主人公がジークを助け、灰域種アラガミに攻撃を仕掛ける。エイミーの調査で、やはりAGE喰いであると判明するが討伐方法も弱点もなにも情報がないという。苦戦しながらも主人公たちはAGE喰いの討伐に成功、ニールと他のAGEもクリサンセマムが保護することになった。

そして船はダスティミラーへ到着、アインと接触した。

ヴェルナーの覚悟とフィムの覚悟

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