刃牙道(刃牙シリーズ第4部)のネタバレ解説・考察まとめ
『刃牙道』とは『刃牙シリーズ』の第4部で、2014年から2018年まで板垣恵介が『週刊少年チャンピオン』で連載していた漫画。巻数は全22巻で第3部である『範馬刃牙』の続編。今までの『刃牙シリーズ』とは違いストーリーの区切りなどはなく、一貫してクローン技術と降霊術で蘇った宮本武蔵と現代の格闘家たちとの闘いを描いている。江戸時代初期に生きていた宮本武蔵と、現代を生きる地下闘技場戦士たちの闘い方・勝負の終わり方の違いが見どころとなっている。
花山薫(はなやま かおる)
五代目藤木組系暴力団花山組二代目組長。初代組長であった父親の花山景三が抗争で早世したため、15歳にして花山組の二代目組長に就任した。いかなる時も素手で戦い、強くなるための鍛錬をしないというスタイルを持つ。普段は白のスーツに鰐皮靴、縁なしの眼鏡を着用している。体躯は巨大で瓶のふたをつまんで圧し潰す程の握力がある。その強烈な握力で他者の腕や足を握り潰すという「握撃」という攻撃が得意である。範馬刃牙(はんまばき)と範馬勇次郎(はんまゆうじろう)の戦いを見た後、欠伸が止まらない日々を送っていた。退屈からの解放を求めて範馬勇次郎と戦ったが、自身の握力と怪力を使用した渾身のパンチにカウンターの一撃を食らって敗れる。
烈海王(れつ かいおう)
中国拳法の使い手に与えられる「海王」の称号を持つ中国拳法家。中国拳法の最強を信じて疑わない、プライドの高い男。ボディビルダーを思わせる筋骨隆々の肉体だが、右足は前作『範馬刃牙』の登場人物である原始人・ピクルに喰われて義足となっている。アメリカのボクシング界に身を投じ、タイトルのかかっていない非公認試合ながらも、世界チャンピオンを倒した。その後、ボクサーとしての活動を終了して日本へと赴き、宮本武蔵に挑む。今回の『刃牙道』で宮本武蔵(みやもとむさし)と死闘を繰り広げ、宮本武蔵から胴を切られて死亡する。
愚地克巳(おろち かつみ)
神心会空手の使い手で愚地独歩(おろちどっぽ)の養子になった息子。ベンチプレス300キログラム、100メートル10秒台という規格外の体力を持ち、「空手界の最終兵器(リーサルウェポン)」「空手を終わらせた男」などの異名がある。実践空手だけではなく型空手も完璧にこなすうえ、父である独歩からは「俺より強い」と認められている。幼少時は実父とともに「ミズノサーカス」で働いていた。当時わずか5歳でありながら、象との綱引きや空中ブランコなどで驚異的な身体能力を発揮。実父が団のライオンに襲われ死亡する事故を契機に、独歩に引き取られる。徳川光成(とくがわみつなり)には「気持ちのいいくらい正統派な空手」と称されており、実戦で使用される機会の少ない高等技術をも軽々と使いこなす。一方、中国拳法など他流派に交わって新技術を開発する柔軟性も見せている。『刃牙道』では出番は少ないが、中国拳法を学び友となった烈海王が宮本武蔵(みやもとむさし)に殺されたことに激昂するなど人情に熱い一面を見せている。
本部以蔵(もとべ いぞう)
どこの流派にも属さず独自に超実戦柔術を追求し続ける人物である。あえて流派を言えば本部流柔術。柔術家であるが刃牙との練習では四方投げ、小手返し、入身突きなど合気道の代表的な技も多用していた。武術界においても名を知られた人物で、多くの空手家を破壊したと言われる。技術に関する知識は豊富で、他の格闘家同士の対戦で繰り出される多くの技や奥義の数々を補足説明する。昔の剣や槍、弓や棒など武器の戦闘方法にも精通し、自身も古来の戦い方を柔術に織り交ぜ実践する。こうした武器の脅威を自分ほどに知らない他の武術家を宮本武蔵(みやもとむさし)から守るため、宮本武蔵に戦いを挑みたいと望む。烈海王(れつかいおう)が宮本武蔵と戦うにあたっては、烈海王に機関銃を持たせることを提言した。古来柔術を修めるがゆえに武蔵が近代の武術家とは次元が違う危険な存在であることを察知。武蔵と戦えば敗北を通り越して死ぬこともあり得ると考え、他の武術家を「守護りたい」という発想に行きつく。
渋川剛気(しぶかわ ごうき)
実践合気道の使い手。体が小さく且つ老齢でありながら、力の流れを利用することにより、相手の力に自分の力を加えそのまま返すカウンター技である合気や、己の何倍もの巨体の相手すら軽々と宙に浮かせ地面に叩き付ける投げ技で華麗に戦う。その他にも頭突き・足刀などの打撃や、喉元を指一本で突き気絶させる、相手の足の甲を足指で抑え動きを封じる、顔面にある涙穴を水で刺激し相手を溺れた状態にするなどの秘技も扱う。護身術としての合気道を極めたことから、事前に危機を察知し危険な場所には近づけないという領域に達しているが、宮本武蔵(みやもとむさし)の誕生に前後して、強い胸騒ぎを感じている。ひたすらに研鑽を続けた長いキャリアを持ち、自他共に認める達人だが、宮本武蔵が素手で5人の警官を倒す様を見て、自分が「偽物」といわれたに等しい衝撃を受けた。
徳川光成(とくがわ みつなり)
小柄な老人で、周囲からは「ご老公」と呼ばれる。地下闘技場の主でありオーナー。最強の男を見たいという思いと範馬刃牙(はんまばき)や地下闘技場戦士達の退屈に対する不憫から、人間をクローン作成するという禁忌を犯して宮本武蔵(みやもとむさし)を復活させた。内閣総理大臣である阿部心三(あべしんぞう)を呼び捨てにし、クローン実験施設をカムフラージュするために東京スカイツリーを建造させるなど、常識外れの財力と権力を持つ。 宮本武蔵を自分の屋敷に住まわせ、様々な格闘家たちと引き合わせる。
初登場人物
宮本武蔵(みやもと むさし)
二天一流の開祖であり、生涯無敗を誇った伝説の剣豪。クローン技術で作られた肉体に、霊媒師の徳川寒子(とくがわさぶこ)が降霊させた宮本武蔵(みやもとむさし)本人の魂が宿っている。大柄な体躯と猛獣のような骨格、鋭い眼光に悪魔的な殺気の持ち主。現代の最高峰に位置する格闘家・武術家と比較してもその技量は遥か上を行き、素振りのみで日本刀を破壊し、青竹をささらにする。刀を抜かずとも殺気のみで太刀を浴びせることができ、対象者は「斬られた」と錯覚する。地上最強の生物・範馬勇次郎(はんまゆうじろう)と互角に戦う範馬刃牙(はんまばき)を赤子のごとくあしらい、武神と称えられる空手家の愚地独歩(おろちどっぽ)を制するなど、その強さは計り知れない。 その倫理観は古来の侍のままであり、生死をかけた仕合(試合)をすることにいささかのためらいもない。自分が生きていた時代と現代の違いに困惑するが、文化は変わってもそこに生きている人間への勝ち方なら知っていると悟って自分を取り戻した。 自分の死後に生まれた格闘技術であるジャブに楽々と対応、街中の液晶ディスプレイを見て「絵ではない」と悟り、与えられたライターを使いこなすなど、柔軟な思考力の持ち主でもある。
徳川寒子(とくがわ さぶこ)
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『刃牙』シリーズは、強さを求めて飽くなき戦いを繰り広げる格闘家たちの熱く壮絶な生き様を描いた板垣恵介の描く漫画作品。『グラップラー刃牙』、『バキ』、『範馬刃牙』、『刃牙道』、『バキ道』と名前を変えながら30年以上の長期連載を果たしている。 格闘技を扱った作品であるだけに、現実に存在するものを中心に様々な武術や流派が登場する。空手や柔道といったお馴染みのものから柔術、合気道、ボクシングまで多種多様。ここでは、『刃牙』シリーズに登場する武術と流派を紹介する。
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目次 - Contents
- 『刃牙道』の概要
- 『刃牙道』のあらすじ・ストーリー
- 退屈する範馬刃牙(はんま ばき)
- 現世に蘇る剣豪
- 剣豪に相対する地下闘技場戦士
- 烈海王(れつ かいおう)の死闘
- 宮本武蔵(みやもと むさし)との最終決戦
- 『刃牙道』の登場人物・キャラクター
- 主要登場人物
- 範馬刃牙(はんま ばき)
- 範馬勇次郎(はんま ゆうじろう)
- 愚地独歩(おろち どっぽ)
- 花山薫(はなやま かおる)
- 烈海王(れつ かいおう)
- 愚地克巳(おろち かつみ)
- 本部以蔵(もとべ いぞう)
- 渋川剛気(しぶかわ ごうき)
- 徳川光成(とくがわ みつなり)
- 初登場人物
- 宮本武蔵(みやもと むさし)
- 徳川寒子(とくがわ さぶこ)
- 阿部心三(あべ しんぞう)
- 野々村仁(ののむら ひとし)
- 『刃牙道』の用語
- 東京スカイツリー地下
- クローン武蔵
- 二天一流
- 無刀
- 無銘 金重(むめい かねしげ)
- 『刃牙道』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 愚地独歩「なんだァ?てめェ…」
- 本部以蔵「わたし以外におらんのですよ 仲間達(とも)を武蔵から守護(まも)れるのは!」
- 烈海王「立ち上がることすら…遥かに遠い…」
- 『刃牙道』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 東京スカイツリーと地下秘密施設を足すと1000m
- 熊本に眠る宮本武蔵(みやもと むさし)
- 宮本武蔵(みやもと むさし)との戦いのあと異世界に転生した烈海王(れつ かいおう)