烈車戦隊トッキュウジャー（TQG）のネタバレ解説・考察まとめ
『烈車戦隊トッキュウジャー』とは、東映制作のスーパー戦隊シリーズ第38作品目の特撮ドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーロー名である。2014年2月から2015年2月に放送された。モチーフは列車や鉄道で、「勝利のイマジネーション」がキャッチコピー。闇の皇帝の復活と世界を闇で支配することを目論むシャドーラインと、夢見る力であるイマジネーションを原動力としたレインボーラインの戦士達が平和のために戦う物語である。
トカッチの作戦が成功して「そして復活！」のタイトルが浮かび上がる。
クールな頭脳派の人物像であることの多い戦隊ブルーでは珍しく、ドジで空回りしやすく残念な印象を受けがちなトカッチ。作中では自分は頭の良さでは光に劣ると発言している。そんなトカッチの策士としての一面や、日頃からの努力が垣間見える回。
ある時トカッチは子どもでありながらレインボーラインを見る事ができない少年・弘樹（ひろき）と出会う。弘樹は大事な野球の試合で失敗した事がきっかけで、イマジネーションを失いかけていたのだ。そんな中、タイプシャドーという、自分の体についたボタンをタイピングする事でタイトルをつけ、対象の未来を決定する能力を持つシャドー怪人が現れる。トカッチは「トカッチ、夕焼けに死す」というタイトルをつけられてしまい、余命数時間となってしまった。
弘樹はトカッチを心配するが、トカッチはイマジネーションをなくさなければ絶対に勝てる、「イマジネーションはお祈りじゃない」と断言。タイプシャドーとの戦いのイメージトレーニングを重ねる。
再び現れたタイプシャドーに、トカッチはイメージトレーニング通りに攻撃をしかける。しかしその間に空は夕焼けに染まり、トカッチは倒れ込んでしまう。ところが「そして復活！」というタイトルと共に蘇った。トカッチは闘いの中で器用にタイプシャドーの体のボタンをタイピングしていたのだ。戦いを見ていた弘樹は、トカッチのイマジネーションが、ただ成功すると信じて祈る事ではなく、成功の為に明確な作戦を立てて努力する事だったのだと気がつく。そして同時に野球の試合で自分はただ祈っていただけだったことを思い出した。そうしてタイプシャドー撃破後、努力の大切さを学んだ弘樹は、イマジネーションを取り戻す事ができたのだ。
おっちょこちょいで失敗することも多く、ネガティブな一面もあるトカッチだが、彼の持つ強いイマジネーションは、日頃からの直向きな努力によって裏付けられている事が判明した。
EP21「花嫁は逃走中」中身が入れ替わってしまったトッキュウジャーの名演技
入れ替わってしまったライト、トカッチ、ヒカリ。
グリッタ嬢は闇の皇帝ゼットとの結婚から逃れる為、自らの家臣のシャボンシャドーの力を利用する強硬手段をとる。シャボンシャドーは精神を入れ替える能力を持っており、グリッタはこの力でトッキュウジャーの誰かと入れ替わろうと考えたのだ。結果、ミオとグリッタの精神が入れ替わってしまった。このままではミオはゼットと結婚させられてしまう。さらにシャボンシャドーはトッキュウジャーを無力化する為に、ライトの中身はヒカリ、トカッチの中身はライト、ヒカリの中身はトカッチに替えてしまった。
大混乱に陥りながらも、皆で協力して何とかシャボンシャドーを撃破。無事に全員が元通りになることができ、グリッタの作戦は失敗に終わった。
今回、精神が入れ替わってしまった人物を演じる志尊淳、平牧仁、梨里杏、横浜流星の演技が見どころの回。台詞がない時にも仕草や立ち姿だけで、誰と誰が入れ替わってしまったのかを細やかな演技で表現した。
また、入れ替わり後の声はアテレコで本人達が吹き込んでおり、戦闘シーンでのスーツアクターに当てた声以外の、日常シーンで俳優が自分の役に声を吹き込んだ、貴重な場面でもある。
普段のトッキュウジャーの姿からは想像できないクールキャラのライト、熱血のトカッチ、ドジなヒカリの表情が見られることからも、視聴者を楽しませた。
EP33 「カラテ大一番」ライトとヒカリの大迫力アクション
冒頭にライトとヒカリが、2人で空手の型をやっている場面。
トッキュウジャーのメンバーのうち、ライト役の志尊淳、ヒカリ役の横浜流星の2名が空手の経験者であることから作られたストーリー。
ライトとヒカリは、ライトの祖父から空手を習っており、ライバル関係だったことを思い出す。2人の高い戦闘力は空手の経験に由来する部分もあったのだ。2人は久しぶりに手合わせをしようと提案するが、丁度その時シャドー怪人が現れたと連絡を受ける。現場に駆けつけるとシャドー怪人はビルの最上階で待ち構えており、大量のクローズが行手を阻んでいた。ライトとヒカリは最上階までたどり着く間に、どちらが多くのクローズを倒す事が出来るかで勝負することになった。2人は圧倒的な格闘術で大勢のクローズ達を一掃し、シャドー怪人の元にたどり着く。そこへカーキャリアレッシャーのダッシュカーに乗ったトカッチ達が合流し、シャドー怪人の不意をついた攻撃で撃破した。
最上階に向かっていく過程のライトとヒカリは変身せずに素顔のままでのアクションシーンとなる。建物の中でのアクションの為、階段の高低差や廊下などの狭い空間を活かした、テクニカルな戦闘シーンは大迫力。
特に極真空手の世界チャンピオンでもある横浜の足技は余りの素早さに、監督が上手く効果音を入れないと何回蹴ったのかわからないと評されるほどのキレを見せた。格闘技経験のある志尊と横浜の、圧巻の立ち回りの名シーンだ。
『烈車戦隊トッキュウジャー』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
毎週オープニングで誰かが転倒
6号以外全員転倒するバージョン。
本作品の主題歌の「烈車戦隊トッキュウジャー」のオープニング映像の中盤の爆発の場面で、毎週トッキュウジャーの誰かが転倒する。1話から15話までは、1〜5号のローテーション制。
その後ストーリーで6号が新たにトッキュウジャーに加入した事で、オープニング映像も6人のものに差し替えられる。第21話で初めて6号が転倒、その翌週22話では逆に6号以外の5名が転倒するバージョンが追加。以降1〜6号の転倒と5名転倒の、計7パターンのローテーションとなった。
実在する列車を紹介したみんなの列車コーナー
2010年以降のスーパー戦隊ではダンスをするエンディングが主流となっていたが、本作では本編終了後のエンディングの時間を大幅にカットし、「みんなの列車コーナー」が放送された。その影響でキャストやスタッフの全クレジットの表記はオープニングの中に集約された。
列車の紹介文は半世紀以上の歴史を持つ鉄道雑誌『鉄道ファン』の編集部、映像は日本の鉄道ビデオのシェアNo.1で長時間ノーカット映像のギネス記録も持つ『ビコム』の協力を受け制作。短いコーナーでありながら見応えのあるものとなっており、鉄道ファンからも人気のコーナーとなった。しかし映像の著作権の関係でDVDには収録されていない。
本コーナーでは毎回3種類ずつ紹介し、通算96種類もの実在する列車と、9つの戦隊シリーズに登場する列車とその変形ロボを紹介した。
映画のCMを放送する為の時間の兼ね合いにより21話から26話はコーナー休止、43話以降はコーナー終了となっている。
鉄道賞特別賞受賞
本作品は2014年10月に鉄道の日実行委員会選定による、第13回日本鉄道賞の「『鉄道×ヒーロー』で親子が鉄道をもっと好きになる！」特別賞を受賞した。親子で鉄道について考える良い機会を与えているというのが受賞理由である。これを受けて同年10月19日放送の第33駅の「みんなの列車コーナー」では、特別賞受賞を報告する内容が放送された。
『烈車戦隊トッキュウジャー』の主題歌・挿入歌
OP（オープニング）：伊勢大貴「烈車戦隊トッキュウジャー」
作詞：渡部紫緒／作曲・編曲：坂部剛
冒頭に「7時30分発、烈車戦隊トッキュウジャーが発車いたしまーす、お乗り遅れのないようご注意くださーい」というアナウンスが流れ、続けてオープニングが始まる。
歌唱担当の伊勢大貴は、この楽曲で戦隊シリーズに初めての参加となった。翌年放送の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』でもエンディングテーマを担当している。
トッキュウジャーは戦いが目的の戦隊ではないことから、歌詞にも戦いに関する言葉は使用されていない。本作のモチーフである列車や鉄道を意識した、疾走感のある曲調が印象的な曲。
ED （エンディング）：Project.R（YOFFY、谷本貴義、鎌田章吾）「ビュンビュン!トッキュウジャー」
作詞：藤林聖子／作曲：俊龍／編曲：坂部剛
通常のエンディングテーマとは違い、エンディングコーナーとして放送された「みんなの列車コーナー」や次回予告のBGMとして流れる。「みんなの列車コーナー」では歌唱ありの1番のサビ、次回予告では歌唱なしのAメロが使用されている。
最終話である終着駅では、シャドーラインとの決着後に子どもに戻ったライト達のエピローグ映像と共に、1番がフルコーラスで使用された。
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目次 - Contents
- 『烈車戦隊トッキュウジャー』の概要
- 『烈車戦隊トッキュウジャー』のあらすじ・ストーリー
- トッキュウジャーの誕生と旅の始まり
- 闇の皇帝の登場と新たな仲間トッキュウ6号
- 女帝グリッタの誕生
- シャドータウンと新たな力・ハイパーレッシャー
- 全ての記憶を取り戻したトッキュウジャー
- 昴ヶ浜の発見
- シャドーの本拠地への侵攻
- 最後の戦い
- 烈車を降りて日常へ
- 『烈車戦隊トッキュウジャー』の登場人物・キャラクター
- トッキュウジャー
- ライト／鈴樹来斗（すずき らいと）／トッキュウ1号
- トカッチ／渡嘉敷晴（とかしき はる）／トッキュウ2号
- ミオ／夏目美緒（なつめ みお）／トッキュウ3号
- ヒカリ／野々村洸（ののむら ひかり）／トッキュウ4号
- カグラ／泉神楽（いずみ かぐら）／トッキュウ5号
- 虹野明（にじの あきら）／ザラム／トッキュウ6号
- レインボーライン関係者
- 車掌
- チケット
- ワゴン
- 総裁
- シャドーライン関係者
- 闇の皇帝ゼット
- ネロ男爵
- ノア夫人
- シュバルツ将軍
- モルク侯爵
- グリッタ嬢
- クローズ
- シャドー怪人
- 『烈車戦隊トッキュウジャー』の用語
- イマジネーション
- レインボーライン
- 闇
- シャドーライン
- 闇駅（やみえき）／シャドータウン
- レインボーラインの戦力
- トッキュウジャー
- ハイパーレッシャターミナル
- トッキュウジャーの装備
- トッキュウスーツ
- トッキュウチェンジャー
- レインボーパス
- アプリチェンジャー
- トッキュウブラスター
- レールスラッシャー
- ホームトリガー
- シンゴウハンマー
- トンネルアックス
- テッキョウクロー
- ユウドウブレイカー
- レンケツバズーカ
- ハイパートッキュウジャー
- ダイカイテンキャノン
- 烈車（れっしゃ）
- レッドレッシャー
- ブルーレッシャー
- イエローレッシャー
- グリーンレッシャー
- ピンクレッシャー
- ビルドレッシャー
- ハイパーレッシャー
- シールドレッシャー
- カーキャリアレッシャー
- タンクレッシャー
- ディーゼルレッシャー
- ファイヤーレッシャー
- ポリスレッシャー
- ドリルレッシャー
- スコープレッシャー
- エナジーレッシャー
- ポストレッシャー
- ロボ
- トッキュウオー
- トッキュウオーシールド
- トッキュウオーカーキャリア
- トッキュウオータンク
- トッキュウオーポリス
- ディーゼルオー
- 超トッキュウオー
- ビルドダイオー
- 超超トッキュウダイオー
- ハイパーレッシャテイオー
- トッキュウレインボー
- シャドーラインの戦力
- キャッスルターミナル／闇の巨獣（やみのきょじゅう）
- クライナー
- その他
- 昴ヶ浜（すばるがはま）
- 『烈車戦隊トッキュウジャー』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- EP10 「トカッチ、夕焼けに死す」トカッチの努力と策士としての一面が明らかに
- EP21「花嫁は逃走中」中身が入れ替わってしまったトッキュウジャーの名演技
- EP33 「カラテ大一番」ライトとヒカリの大迫力アクション
- 『烈車戦隊トッキュウジャー』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 毎週オープニングで誰かが転倒
- 実在する列車を紹介したみんなの列車コーナー
- 鉄道賞特別賞受賞
- 『烈車戦隊トッキュウジャー』の主題歌・挿入歌
- OP（オープニング）：伊勢大貴「烈車戦隊トッキュウジャー」
- ED （エンディング）：Project.R（YOFFY、谷本貴義、鎌田章吾）「ビュンビュン!トッキュウジャー」