かまいたちの夜（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ

『かまいたちの夜』の概要

『かまいたちの夜』とは、1994年11月25日にスーパーファミコン用ソフトとしてチュンソフトから発売されたサウンドノベルゲームの第2弾作品。前作『弟切草』と同じく画面いっぱいの背景に文章が表示され、プレイヤーの選択肢次第で様々な物語へ進展するマルチシナリオを採用したゲーム。『弟切草』と大きく異なる点では登場人物が大幅に増員され、判別がつくようキャラクターそれぞれに半透明のシルエットが表示されるようになった。猛吹雪の中のペンションという閉鎖空間で起きる殺人事件に主人公の透がその謎に迫る、という内容で、多岐にわたるエンディングが存在し、特徴としてプレイヤーの目的とずれた結末を迎えることがある。
ゲームプレイを何回もしていると徐々に選択肢が増えてゆき、プレイヤーの望まないエンディングに到達してしまってもまた新たな展開が楽しめるように工夫されている。選択肢が広がることによってストーリーの展開も大きく、スムーズに進むため、各選択肢を選ぶ行為がプレイヤーのゲームに対するモチベーションの維持の助けになり毎回新しい気持ちで「またプレイしてやろう」という促進剤になっている。

『かまいたちの夜』のあらすじ・ストーリー

物語冒頭

大学生である透（主人公）は、友達以上・恋人未満な関係のガールフレンド、真理と仲を深めるべく、彼女の叔父が経営しているペンション「シュプール」への泊りのスキー旅行の誘いを受け、長野県にあるスキー場へ出かける。初心者の透と真理がスキーを楽しんでいると空はだんだん暗くなり、あいにくの悪天候に変わっていった。雪の降る中ペンション「シュプール」へ足を運ぶ2人。シュプールにはアルバイトの2人の他に、OL3人組、関西人の夫婦、フリーカメラマン1人と宿泊客が6名ほど泊っており、和気あいあいとする中お互いに自己紹介を始める。しかしその6人の他にその場に似つかわしくない男がいた。サングラスをかけ人目をさけるように振る舞うヤクザ風のその男は宿泊後、夕食を済ますとすぐに自室へ姿を消し、誰とも顔を合わせようとしなかった。
夕食後、OL3人組の部屋に、不気味な文が書かれた手紙が発見され、質の悪いイタズラだと一同は一蹴し、その場を離れる。9時を過ぎたころペンションの2階からガラスが割れる音が響き、宿泊客一同は音の聞こえた部屋を調べに行くと、そこにはやくざ風の宿泊客だった男が体をバラバラにされた惨殺死体で発見された。ガラスの割れた音は部屋の窓のものでそのまま開け放たれており、その場にはもうすでに犯行にかかわった人影は見当たらなかった。
夕方からの猛吹雪により一同は外に出ることを許されず、ペンションに完全に閉じ込められる形になってしまう。電話線も切れており、携帯電話も圏外の為、外部に助けを呼ぶことさえできなくなってしまう。
この地方には人の身体をかまで裂く妖怪「かまいたち」の伝説が伝えられていた。

姿の見えない「かまいたち」に脅える宿泊客達は、お互いの動向に疑心暗鬼になり、そんな中彼らをあざわらうかのように、第2、第3の殺人が起きてゆく。透は真理を守るべく、事件の究明の為、真犯人を探そうと推理を始め、真相に立ち向かう。

ゲーム前半にプレイできるシナリオ

本作はマルチシナリオを用いているため多岐にわたるエンディングが存在するが、ここでは初期にプレイできるメインストリーである「ミステリー編」、その後プレイできる8つのストーリーの計9つを紹介する。

ミステリー編

ペンションでの夕食後、渡瀬、河村、北野のOL3人組の部屋の床に、「こんや、12じ、だれかがしぬ」と赤いマジックペンで書かれた紙切れが発見される。その場では悪趣味なイタズラ、と片付けられたが9時過ぎたころにガラスの割れる音が2階に響き、その客室でやくざ風の男、田中が、バラバラの惨殺死体となって発見された。夕食後遅れて到着したフリーカメラマンの美樹本はふと「かまいたち」の伝説を話し始める。透達は女性陣をのこし、ペンション内に潜むと思われる事件の犯人の捜索にでる。しかしペンション側の人間と宿泊客以外に不審者は見当たらなかった。
そこで透はある推理をする。「あの死体は本当に田中の死体だったのか」。そしてふいにあることに気が付く。田中と顔を合わせていない宿泊客がいる。その人物こそ今回の犯人だ。死体はペンション内でバラバラにされたものではなく、外部から持込まれたと仮説を立てた。そうするとサングラスをはずし、コートを脱いで着替えてしまえばしゃべることもしなかった田中は、誰も彼だと認識することが出来ないことに気が付く。田中が自室に入ってからペンションに到着した人物はただ一人しかいない。その人物は美樹本だった。透の推理によって正体がばれてしまった美樹本は付け髭を取ろうとした透を人質にする。透を助け出すために真理も含めた全員が美樹本にせまるが腕を折られてしまった透は気を失ってしまう。意識が戻るとペンションの自室に運ばれているようだった。みんなが美樹本に襲い掛かった後のことを覚えていない透の腕はギブスがつけられていた。それは医者が来れるほどに吹雪がおさまっていた明かしだった。隣のベッドに両腕を抱えて寝ていた真理が目を覚ます。泣き疲れて寝てしまったようだった。すべてが終わった。
徹は真理に声をかけた。「おはよう、真理」。

スパイ編

「かまいたち」という諜報員を巡る、フランス諜報員、CIAなど各国スパイ間の熾烈な争いが描かれる。透は真理にスキー旅行に誘われて長野県にあるペンション「シュプール」を訪れるが、実は真理は日本の諜報機関の一員だった。何も知らない透はこの争いに巻き込まれ、何度も危険な目に合う羽目になる。何人もの死者が出る中、真理たちのボスである小林から実は「かまいたち」というスパイは存在しないという事実を知らされる。今回の騒動は、「かまいたち」を捕らえるという作戦と称して、内部の裏切り者を炙り出す作戦だったのだ。その作戦を知らされていなかった真理と透は皆をだました挙句に死者まで出してしまったことが許せず、小林を殴り飛ばした。

悪霊編

ペンション「シュプール」に幽霊が出るというストーリーが進む。自室でいい感じになる透と真理だったが窓から誰かに覗かれたこと、また同じような報告をOL達が小林に伝えていたことを知る。小林は客商売で幽霊などの話はご法度といいながら小声で時々「シュプール」で幽霊が出るという話を透達に伝える。そこで宿泊客一同よりだいぶ遅れてきた美樹本というフリーライターが20年前のクリスマスで事件があったことを語る。そしてその事件は真理、真理の実の親に関係あると言う。20年前、炭火小屋だった「シュプール」で一郎という男と美雪という女性がある人物に殺されるという事件が起こった。実はその一郎と美雪が、真理の両親だったのだ。このことは真理にも伝えられていなかった。
しばらくたってからガラスの割れる音がペンションに響く。田中が自室で何かにズタズタに引き裂かれたようだった。悪霊、その考えが正しく思えてくる。小林は警察に連絡を取ろうとするが通じない。何回も試すと電話から恐ろしい声で「真理…」と呼ぶ声が聞こえた。真理は全身血まみれの姿で透の前へ姿を現し、髪を鞭のように振るい襲い掛かってきた。透は胸元をみると洋服ごと切り裂かれ血がにじみ出ている。おそらく田中も同じようにされ殺されたのであろう。真理は自身の母、美雪に操られているようだった。美樹本の助けを借り真理を拘束することに成功した一同は透の真理への思いを聞き、危険とわかっていたが二人だけにする。ふたたび部屋に大きな衝撃が起こり、美樹本、小林が二人のいる部屋に入る。次々に起こる怪奇現象の中、美雪に操られている真理は意味深げな言葉を発しだし、それについて小林は20年前に起こった殺人事件の真相を語りだす。美雪は小林を責め、その髪で小林の首を絞め始めた。美樹本は透と真理を部屋へ誘うときに渡したお守りを美雪にむかって投げろと叫ぶ。しかしそのお守りはバラバラになってしまっていた。どのお守りを投げつけても効果がない。すると美樹本は「やめるんだ、姉さん！」と叫ぶ。事件の真相を知った弟であった美樹本は自分の手で仇をとると決め、「シュプール」へ訪れていたのだ。透の手元には安産のお守りしか残っていない。しかし美樹本はそのお守りは美雪が真理を生んだとき身に着けていたお守りだったと透に告げる。このお守りしかないと思った透はそれを握りしめ強い衝撃の中、美雪へ近づいていく。そして美雪に操られている真理を抱きしめるのであった。真理とも美雪ともとれる叫び声の中、真理の身体から力が抜けていく。美雪が去っていったのだ。美樹本は20年前の事件の真相を透に告げる。しかし透には美雪に操られていた記憶が真理に残っていることを心配していた。透は真理が目を覚ました時伝えようと思った言葉があった。「お母さんは君を愛していた」。

鎌井達の夜編

談話室にゲームがある事に透と真理は気付く。
2本のソフトのうちかまいたちの夜というゲームを2人はプレイし始める。
プレイヤーの名前は透と真理。
なぜかそのゲームがなぞるストーリーは今まで二人がペンションへ足を運ぶ経緯と同じ内容で進んでゆく。
さらに進めると現在に至る行動がそのままゲームに反映されていた。ゲームの中の2人がゲームを始めていく。そしてその事に二人は不気味さを感じていた。
という2人の心情までゲームに反映されている。ここでゲームを止めると気持ちの悪いままになってしまうと感じた透はゲームを中断する事なく続けてゆく。
談話室には関西弁の社長さんとその夫人、OL3人組がいた。関西弁の社長さんの苗字は鎌井という。偶然にも透の苗字も鎌井だった。登場人物が増えてゆく。女の子もカマイ、サングラスの男はカマーイ。
皆で酔っ払い、実に楽しい夜だと透達は思った。
「鎌井達の夜」完。

「なんだ、このゲーム？」そう言って「透」はゲームの電源を切った。
「ひどいな、こりゃ」そう言って「透」はゲームの電源を切った。
「どうなってんの？」そう言って「透」はゲームの電源を切った。
ゲームの中の「透」が次々と電源を切っていく。
「透」はそれを呆然と見つめていた。
そしてテレビの向こうで電源を切ろうと手を伸ばす、もう1人の自分（透）の姿が（画面が砂嵐に）。

雪の迷路編

真理によって中級者コースへ連れていかれた透はコースの途中で転倒してしまい足を痛めてしまう。車の運転が出来なくなった透の代わりに真理がシュプールまで運転することになった。しかし運転に自信のない真理。透は不安に思うが任せるしかない。ペンションへの帰り道、2人の乗った車の前を何かが横切ったため、真理はハンドルを慌てて切るが車は横転してしまう。車での帰還は不可能になってしまった。車に積んであったハンドライトを手に取るが外は猛吹雪で全く先が見えない。ひたすら歩き続けるが完全に雪山に迷う二人。防寒具を通しても寒さが襲い、身体の感覚が少しずつなくなっていく。寒さと疲労で限界になっていた2人だが遠くに明かりがあることを発見する。シュプールだ。一筋の光に生還を喜ぶ2人であったが、シュプールの玄関に人が倒れているような姿を目撃する。それは頭から血を流し死んでいるアルバイトの久保田のものだった。状況がわからないままペンションの中に入る。大声で呼びかけるも誰からの返事もなく、何があったんだろうと思いながら雪でぬれた服を着替えるため2階に上がる2人。廊下の途中でまた誰かが倒れている。香山の奥さんだった。やはり久保田と同じく息がない。ペンションを見つけ安堵した2人だったが度重なる緊張と不安で頭は完全に混乱し思考が麻痺していた。違和感を感じここから逃げ出したいと思う気持ちをグッと抑え小林夫婦の部屋へ向かう。香山も死んでいる。真理を落ち着かせて自室へ戻る透。ドアのロックをかける。悪夢だと祈る2人に突然、女性の悲鳴が聞こえる。そして再度にわたる女性の悲鳴。静寂が戻ると、今度は何者かが床を歩く音がする。その足音は確実に透達がいる部屋へ近づいてきていた。ロックのかかったドアノブが、ガチャガチャと音を立てる。そして軽いノック、次にドアを叩く乱暴なノック。雪山から生還した2人の悪夢はまだ終わらないようだった。

O（オー）の喜劇編

ピンクのしおり出現後のハチャメチャセルフパロディーシナリオ。
2人で山頂へ登り、ハチャメチャな名前の難関コースにトライすることになる。ここでは透はスキーの天才プレイヤーで五輪にも出場していた。ところが透はコースから外れ、気絶していたようだった。透を心配しペンションへ車を走らせる真理は実は原付の免許しか持っていない。透は真理の運転を無理やり辞めさせ、タクシーで「シュプール」へ戻る。
7時になり宿泊客は食堂へ向かう。そこには超ミニのワンピースを着た厚化粧の女装した男性がいた。真理は「ホモ？」と透に尋ねるとその男は「ホモじゃなくて、オカマ。一緒にしないで」と真理を注意する。
「シュプール」は料理が美味しいことで有名で、メインのステーキが美味しかったことから透は何の肉かアルバイトのみどりに質問すると、みどりは真っ青になり逃げるようにキッチンへ行ってしまう。気になった透たちはみどりの後をつけ、廊下の奥にある物置の中にさらに地下に続く階段を見つける。階段を降りると小林の不気味な声が響き、みどりの悲痛な声が聞こえる。悪魔のような顔で包丁を握りしめている小林の前には、なんとニワトリがいた。拍子抜けした2人は食堂へ戻る。食後のコーヒーを飲むと全員で談話室へ集まった。すると急に全ての明かりが消える。小林が今日子へロウソクを持ってくるように頼む。数分後、今日子がなんと黒のボンテージに片手に鞭という姿で、ロウソクを持って戻ってきた。小林の「ロウソクだけでいいんだよ」と言う言葉を聞くとロウソクだけ置いてそそくさと戻る今日子。
不意に2階から男とも女ともつかぬ悲鳴が聞こえる。小林を先頭に様子を見に行く。姿のないオカマの名（田中）を呼ぶ小林。しかし返事はなく田中の自室には鍵がかかっていなかった。ロウソクの光で部屋を照らすと赤いハイヒールを履いた足が見えた。明かりがつくと「彼女」（田中）が倒れていた。どうやら死んでいるらしい。左手には訳の分からないダイイングメッセージが書かれた小さな板を持っていた。「オカマ、板、血、かまいたち」なにがなんだかさっぱりだった。透は流れ的にこの中に犯人がいると推測し全員を談話室に集めた。全員の顔を見回ると、玄関から忍び足でその場から離れようとする男を見つける。黒ずくめの格好にスキーマスクを着け、血の付いた包丁を手に持っている。その男に大声で呼びかけ、透はその謎の男の正体を「魚屋さん」だと言い当てる。魚を配達するのに大変なためスキーマスクをしているのだ。いろいろな名（迷）推理を的中させ、その男が犯人ではないと確証すると、再び推理を始める透。ペンションにいる全員に問い詰める透の姿を見た魚屋さんの様子がおかしい。次々に浮かぶ推理を宿泊客に言い放つ透。ついに魚屋さんは「自分はバーテンだ」と叫ぶ。お客としてきた田中（オカマ）に恋をしたと語る魚屋さん改めバーテンさん。しかし田中が残したダイイングメッセージの謎が唯一わからない。その謎をバーテンさんに聞くと自身の名が鎌井達朗だと全員に告げた。「お鎌、井た、ち、釜井達」。
透は「これまで解決しなかった事件の中で、もっとも難しく悲しい事件でした。」と語りだす。「この事件は、おかまの…いや、『Oの悲劇』と名付けたいと思います。」とかってに締めくくる透。
すべてが終わったと思った矢先、階段から田中の声が聞こえる。田中は停電になった瞬間、鎌井とぶつかった衝撃でベッドに頭をぶつけ、気を失っていたらしい。謎だったことに全ての辻褄があってしまう。
田中と鎌井はお互いを見つめあい一同は甘いやり取りを見ながら「私はあなたにふさわしい女じゃないわ」と言う田中に対し「おまえは女ではない」と心の中でツッコむ。そして熱いキスを交わす2人。透は「これはOの喜劇だ。」と思った。

暗号編

田中の部屋にはロックがかかっており小林はマスターキーを使用し、部屋の中へ入る。部屋を調べることに抵抗のある小林をよそに透は部屋の中へ突き進む。田中の姿はなかった。そして血の付いたメモ用紙を見つけた。メモ用紙には暗号のような文が書かれており部屋の散策を終えた透達は雑談室にもどる。内容は以下のようなものだった。

宝はシュプールの中にある。
1と3の間、
冥土へ向かう道の途中。
負け犬はされ。
車井戸かきしるから、
あの泥棒がうらやましい。
あなたに似た人をより早く、
たからのありかを探りだせ。

一同はメモ用紙の内容を宝のありかだと確信し、それぞれ記載のある場所を探し始める。しかし宝は一向に見つからない。再度談話室に戻る一同だったが透が「分かった！！」と叫ぶ。透の推理では宝は談話室にある。というものだった。まわりを探す者もいれば、半信半疑の者もいる。そんな中小林は透に「宝はどこにある？」と率直な質問をする。「頭の上です」。その一言に一同は天井を見上げる。だが透は違うところを見ていた。談話室にかけられていた鳩時計だった。その中には小さな袋が入っており透は中身を確かめる。赤や緑の宝石が光り輝いており、一緒に小さな紙が入っていた。「おめでとう。謎を解いたようだな。宝は君のものだ」
真理は不可解だったメモからどうやって宝の場所を突き止めたのか質問すると透は説明をはじめる。
謎は簡単なもので文の2文字目を縦読みするだけという内容だった。
香山はなんとか宝を譲ってほしいと透に懇願するが真理は、「これを売ることはできません」と少しおおげさに答えた。紙には最後にこう付け加えられていた「追伸ただしこれは全部ただのガラス玉です。総額350円也。あしからず 小林」一同はその真実におどろく。小林が考えたなど誰が予想できただろうか。小林は一手間かけてもらった田中を呼びに談話室から出ていった。一行は談笑をしていたが小林は青ざめた顔で戻ってきた。
「死んでる。死んでるんだ！」全員がその言葉に息を呑む。しかしまた小林の冗談だと思った。しかし小林は「バラバラで死んでいるんだ！」と叫ぶ。
これが恐ろしい悪夢の始まりだった。

チュンソフ党の陰謀編

暗号編の一部から分岐する物語。

『かまいたちの夜』の製作に携わった原作者が、「恐ろしい陰謀を止めるため」にある秘密文書をそのカセットに忍び込ませることに成功したとある。
当時の機密文書を書いた人物は我孫子武丸（あびこたけまる）。そういう名前で知られている人物の影にいる、本当の作者。という内容だった。そして『かまいたちの夜』のほとんどのストーリーをチュンソフトの一室で書かされていたと明かす。プロジェクトが進むにつれ、チュンソフトの真の姿と恐るべき陰謀があると気付いたようだった。過去に発売されている『弟切草』ではゲームの中にはサブリミナル効果を挿入し、その後のゲームに「日本をになうことになる若者達を子供のうちに洗脳し、熱狂的なチュンソフトの信者とし、その野望は日本全体を支配する」という凶悪な野望が目指されていた。我孫子武丸は4年後のPlayStation版にもその陰謀を告発すべく裏設定をほどこしたようだった。
そして最後には、「後はただ運を天に託して祈るだけだ。今これを読んでいるあなたが無事生き延びて、陰謀を止めてくれる事を」とあった。