かまいたちの夜（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ

不思議のペンション編

ペンションへ無事戻ることが出来た2人だが、ある違和感に気付く。ペンションの名が「クヌプル」となっている。透は気のせいだと思い中へ入るが中にいる小林も、ペンションの内装までも変わっていた。そこは入るたびにマップが変わるという伝説の「不思議のペンション」だった。地下の奥深くに眠ると言われる宝を求めて、2人は地下室へ潜入することにした。不気味な迷宮を探索する2人。どんどん中へ進んでいくごとに奇妙な体験をする。真理はくだらない冗句のようなものを話し出すようになっていった。透は全くついていけない。
真理の「ここが最後の階」という言葉に気を引き締めて広い空間へ入っていく。部屋が大きく揺れる。そして部屋に響く天の声。「わたしは業界初の意識を持った迷宮、人は私の事を恐れ敬意をこめて、『迷宮くん』と呼ぶ」真理は理解しているようだったが透は何のことかさっぱりだった。
迷宮くんは金色に光る2つの宝箱を出現させ、1つは「しあわせの箱」、もう一つは「ふしあわせの箱」と説明した。真理は見事「しあわせの箱」を選ぶことに成功するが箱の内容には全く納得していない。迷宮くんはおまけと称してしおりを金色にすればCDドラマが聞けると言い「では、さらばじゃ」と言い残すと空間をゆがませながら姿を消した。

気が付くと2人は地下への入り口に戻っていた。夢とも現実ともとれる現象に戸惑いながらも1階へもどる。夜はすでに明けておりその朝日を目を細めながら2人で見つめていた。

『かまいたちの夜』のゲームシステム

シナリオの分岐システム

物語を進めていくうえで読みあげていく文章の中で、時折出現する選択肢をプレイヤーが自由に選び、その選択によって物語の進行がマルチに変化していく。スーパーファミコン版ではオートセーブ機能がついていた為、リトライは章のはじめからという制約が付いている。すべてのエンディングを見るにはかなりの時間と労力を要したが、1998年12月3日に発売されたPlayStation版ではフローチャート機能が搭載されたため、スーパーファミコン版で問題であった各エンディングへの到達の困難さが大きく緩和された。

透の推理システム

「ミステリー編」では物語の佳境で犯人を名指しするシーンがある。そのさい通常の限定された選択肢ではなく、直接犯人の名前を入力する画面が登場する仕組みになっている。また推理においてミスリードを誘ういやらしい選択肢が登場するため、完全にトリックを把握していないと事件を解決することが困難である。またプレイヤーの推理で犯人や犯行のトリックがわかっていても、透自身の発言や考えを理解したうえで選択肢を選ばないといけない。

『かまいたちの夜』で行われるゲーム内の演出

登場キャラクターのシルエットによる演出

前作『弟切草』より、登場人物が大幅に増員されたため、各キャラクターは青い半透明のシルエットで表現されている。登場キャラクターの容姿が固定されているためシルエットを見るだけでどの人物なのか判別がつくようになっている。

アニメーションによる演出

ROM容量の増加によって可能になった表現で、いくつかの場面で臨場感を出すためにシルエットや画面の一部にアニメーション表現が使用されるようになった。文章を読むだけのサウンドノベルゲームにおいて大きな表現方法の変化で以後の作品に多く使用されている重要な役割になった。

サウンド面

『かまいたちの夜』のBGMは人気を博し、報道番組やワイドショーなどで使用されることが時折ある。効果音の数も250種類ほどあり、生活音の他に物語のヒントになるような恐ろしい効果音などが用意されている。

『かまいたちの夜』の登場人物・キャラクター

物語の中心人物

透（とおる）

本ゲームの主人公。設定では慎重172cm、60kgの、平凡な大学生。ヒロインである真理と一緒の大学に通っており、何回もアタックしても相手にされなかったが今回の「スキー旅行」の計画を聞き、チャンスとばかりに承諾をする。同社のノベルゲーム『弟切草』の主人公とは違い、大まかな設定が決まっている。スーパーファミコン版では苗字は無かったが、他の作品では『矢嶋透』となっている。ヒロインの真理のことをとても大切に思っている。

真理（まり）

透と同じ大学へ通っている。雪国育ちでウィンタースポーツに長けており、叔父が経営しているペンションへの宿泊込みのスキー旅行を提案する。主人公である透を思っているものの、はっきりとした関係性を見いだせていない。身長165cmで、長い黒髪の美人。スーパーファミコン版では透と同じく苗字が無かったが、以後に作成されているものにはペンション「シュプール」のオーナーと同じ「小林」と設定されている。

ペンション「シュプール」のオーナーと従業員

小林 二郎（こばやし じろう）