ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』とは、2017年にスパイク・チュンソフトより発売されたPS4・PS Vita向けのゲーム。同年9月以降には、米国、欧州等でも発売している。ダンガンロンパシリーズにおいては4作目、ナンバリングタイトルとしては3作目となる。作品舞台が希望ヶ峰学園から、才囚学園に変更された。1、2との関連性は薄い。今作は才能あふれる「超高校級」という称号を持つ16人が才囚学園に監禁され、コロシアイの1番を競わされるストーリーとなっている。

『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』の概要

『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』とは、2017年1月12日にスパイク・チュンソフトより発売されたPS4・PS Vita向けのゲームである。
同年9月26日には、『Danganronpa V3: Killing Harmony』としてアメリカで発売、Steamでも日本を含む世界にWindows版の配信もされた。
その後はヨーロッパやオーストラリアでPS4・Vita版が発売された。
限定版『超高校級の限定BOX』も発売され、オリジナルデザインの「描きおろし限定BOX」、オリジナルアニメBlu-ray「スーパーダンガンロンパ2.5 狛枝凪斗と世界の破壊者」、「ニューモノクマストラップ」、資料集「ニューダンガンロンパV3 才囚学園調査書」、「ダンガンロンパカレンダー2017」、「厳選サウンドトラック&キャストコメントCD」、「オリジナルカスタムテーマダウンロードカード」が付属している。
ダンガンロンパシリーズにおいては4作目であり、ナンバリングタイトルとしては3作目にあたる。
1作目の「サイコポップ」、2作目の「サイコロトピカル」に続き、本作のテーマは「サイコクール」。
今作の舞台は過去作の「希望ヶ峰学園」ではなく、「才囚学園」となっており、世界設定、登場人物等が一新されている為、過去作のキャラクターもほぼ登場せず、関連は薄い。ただし、2016年12月20日に配信された体験版では過去作のキャラクターがゲスト登場し、製品版とは異なるストーリーが展開されている。「希望ヶ峰学園」を舞台とした続編は、同じ「3」のナンバリングになっているアニメ作品『ダンガンロンパ3 -The End of 希望ヶ峰学園-』が製作されている。
今作では才能あふれる「超高校級」という称号を持つ16人が才囚学園というおかしな学校に監禁され、コロシアイをさせられるというストーリーになっている。

『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』のあらすじ・ストーリー

コロシアイ

集められた生徒たちとモノクマーズ

どこかのロッカーから出てきた少女・赤松楓

赤松楓は暗闇の中で目覚めた。
手を伸ばすと、光が差し込み、扉のような物が開いた。
どうやら今まで赤松が居たのは、どこかのロッカーだった。
ロッカーから出て、何故か意識が朦朧としている赤松が最初に取った行動は床に倒れる事だった。
それから額を強打し、ひどい痛みが走るが、そのお陰で赤松の意識ははっきりとした。
周囲を見渡した赤松の目に飛び込んできたのはどこかの教室のようだった。
しかし、教室と呼ぶには異様な光景が広がっている。
有刺鉄線で塞がれている窓、パソコンのモニターのように光っている黒板、やたらスピーカーのついたテレビ。
少なくとも、赤松が知っている学校の教室ではなかった。
「ここ…どこ?なんで私…こんな所にいるの?」と混乱する頭で必死に考える赤松。
その時、赤松が入っていたロッカーの隣のロッカーから突然「ガタン!」という物音がした。
赤松がロッカーに目をやると、ゆっくりと扉が開いた。
そのロッカーから出てきたのは少年だった。
赤松が見る限りでは、赤松と同じ高校生くらいの少年だった。
少年は、顔を上げ赤松を見ると「うわぁぁぁぁ!」と言って後ずさった。
そして「キ、キミは誰!?”あいつら”の仲間?」と赤松に言った。
「あいつら…?」と聞く赤松に対し少年は「僕を…さらった連中だ!」と言った。
少年は、どこかでさらわれてここに来たらしく、赤松の事をさらった人物だと勘違いしているようだった。
混乱し続ける少年に赤松は名前を聞くと、少年は「最原終一」と名乗った。

赤松は自分も名乗り、更に「最原くん、静かにしてっ!混乱してるのはキミだけじゃないんだからねっ!」と怒った。
素直に謝る最原。
最原の「僕をさらった」という言葉から、赤松も記憶を辿る。
すると、「いつもの通学路を、いつものように登校してたら、いきなり車の中に押し込められて…『助けてー』って必死に叫んだけど、誰も助けに来てくれなくて…いつの間にか気を失ってたんだ…」と、赤松も最原同様にさらわれた事を思い出した。
さらわれた時の状況は最原も同じだった。
二人はお互いに「何の特徴も、取り得もない普通の高校生」と言い、何故さらわれたのか、結局分からなかった。
何も分からない状況だったが、ひとまずは教室の外に出て逃げようと赤松は最原に提案した。
二人が教室のドアを開けた先に待っていたのは、バケモノのようなロボットだった。
訳の分からない状況だったが、二人は全力で逃げた。
逃げ回った先で見つけたドアを思いっきり開いて中に飛び込んだ赤松と最原。
その先には、またもや信じられない光景が広がっていた。
体育館らしき場所には、自分達と同じような高校生達が何人も居たのだ。
同じように先程のバケモノに追われてこの体育館に逃げ込んできたらしい。
すると、高校生達の中の一人が「これで16人っすね。しかも、みんな高校生って…これ、どういう事っすかね?」と意味深な発言をした。
意味深な発言をした少年は「天海蘭太郎」と名乗った。
他の高校生が「つーか、16人がどうしたんだよ?これからまだ増えるかもしれねーだろ?」と言ったが、天海は「いや、多分これで揃ったんじゃないっすか。これが”俺の想像通りの事態”ならね」とまた意味深な発言をした。
天海以外の人物は、赤松と同じ様に状況が分からず、天海が言っている意味も分からなかった。
その時、体育館内に「はーい、静かにしてー!静粛にー!静粛にー!」という声が響いた。
声が響いた後、先程赤松達を追いかけまわしたバケモノのようなロボットが5体現れ高校生達を囲んだ。
高校生の一人が「すっかりバケモノ共に囲まれてんじゃねーか!」と言うと、1体のロボットから声がして「バケモノじゃないよ。こいつらは”エグイサル”って言うんだ」と言った。
続けて、別の「エグイサル」が「高機動人型殺人兵器なんやでー」と説明を足した。
すると、エグイサル同士が「エグイサルの出番はまだ」とか「段取りをミスった」とか「台本を確認しないのが悪い」等と訳のわからない会話を始めた。
最終的に「じゃあ、今からでも降りようか」と言うと、エグイサルの頭部が開き、そこからは5体のクマが出てきた。
5体とも、右半身は白、左半身にはそれぞれ違う色がついていた。
赤色のモノタロウ、黄色のモノスケ、ピンクのモノファニー、緑のモノダム、青のモノキッド、5人合わせて「モノクマーズ」と名乗った。
どう見てもクマのヌイグルミのようだったが、モノクマーズは動いて喋っている。
高校生達は呆然とするしかなかったが、天海だけは「これってやっぱり…俺の”想像通りの事態”だったみたいっす。誰の仕業なんすか?」と一人冷静だった。
しかし、天海の質問には答えず、モノキッドは「ゴチャゴチャうるせーな!オメーら普通過ぎてツマンネーよ!」と言い、続いてモノタロウが「って言うか…よく見ると、格好も普通だね?」と言った。
そしてモノクマーズの間で「最初の記憶がまだだったんじゃないか」という話になっていた。
モノスケは「せっかくの才能を忘れて、モブキャラ高校生になってもうたんやな」と言った。
続けてモノタロウが「あのね、設定では…『超高校級狩り』のせいなんだよ。キサマラは『超高校級狩り』のせいで記憶を失って、まったくの別人になっちゃったんだ」と付け足した。
更には「とりあえず、キサマラにはさっさと『本当の自分』を思い出して貰わないとね」とモノタロウが言い、「そうよ!記憶を取り戻して、『封印されし才能』をその手に掴むのよ!」とモノファニーが続いた。
高校生達の質問や話には、まったく耳を傾けず、モノクマーズの意味不明な会話は続いていた。
最終的にモノキッドが「まずはその地味な見た目から、おキャワたんにしてやるぜ!」と言うと何着もの服がエグイサルから飛び出し、赤松を含む16人の高校生達はいつの間にか着替えさせられていた。
その直後には「今度は記憶だ」と言うモノクマーズ。
懐中電灯のような見た目のライトを高校生達に当てると、頭の中に多くの情報が飛び込んできたと同時に気を失ってしまった。

次に赤松が目覚めた時には、教室のロッカーにいた。
「ここ…どこ?」と、同じ状況を繰り返し、隣のロッカーからの物音に振り返るとそこからは、最原が出てきた。
しかし、二人とも初対面のような会話を繰り返す。
そうこうしている内にモノクマーズが二人の前に現れた。
赤松も最原も、モノクマーズの登場に驚き、「何でヌイグルミが喋ってるの…?」と不思議がっている。
モノクマーズと名乗るクマ達に「え、モノクマーズ?」と聞く赤松。
モノファニーに「私達の事、知ってるの?」と聞かれたが、赤松は「知るわけないじゃん!そんな動いたり、喋ったりするヌイグルミなんてっ!」と言った。
すると、モノクマーズはお互いに顔を見合わせた後「やったー!大成功だー!」と喜んだ。
そして、モノタロウは「じゃあ、一個ずつ聞きたい事を説明してあげるよ」と赤松と最原に言った。
赤松はまず「ここって、どこなの?なんか…学校みたいだけど…」と場所について質問をした。
モノタロウは「ここは『才囚学園』だよ」と答えたが、赤松と最原は「そんな学校は聞いた事がない」と不思議がった。
モノファニーは「そりゃそうよ。キサマラ16人の為に作られた学校だもの」と補足説明をした。
続けてモノスケが「せや!この才囚学園には16人の『超高校級』がおるんや」と言い、更に「超高校級の事は知っとるやろ?政府が実施している特別な奨励制度…ご存知『ギフテッド制度』から派生した称号や」と説明した。
ギフテッド制度とは、国家的に天才を育成する為に設立された制度であり、政府が将来有望と見込んだ生徒に対し、様々な特権を与える制度である。
ギフテッド制度で選ばれた『超高校級』と呼ばれる生徒は、授業料免除を始め、高校生ながら選挙権、奨励金をもらう事が出来る。
「超高校級のピアニスト」である赤松にとってみれば、制度自体は知っている話だった。
一通り才囚学園や超高校級について話終わると、モノクマーズはこの才囚学園を調べて、学園内に居る他の超高校級に挨拶してリサーチをしておくように、赤松と最原を促した。
最後に他の超高校級について、モノスケが「あとで『アレ』する相手やからな」と意味深な言葉を残して、モノクマーズはどこかへ行ってしまった。
残された二人は、改めてお互いに自己紹介をした。
最原は、「超高校級の探偵」だった。
しかし、最原は「探偵」だと胸を張って言えるような実績はないらしく、「たまたま遭遇した事件を解決しただけ」だと言う。
一方、赤松は子供の頃から暇さえあれば、ピアノばかり弾いていて、ひたすら練習した結果、コンクールでも受賞するまでになった為に「超高校級のピアニスト」と呼ばれるようになった。
お互いの自己紹介が済んだ所で、最原は「自分がどうやってここに連れてこられたのか…さっぱり見当がつかないんだよ。覚えてないんだ。気付いたらあのロッカーにいたんだ。さらわれたような記憶もないし…」と切り出した。
その話を聞き、赤松も「それ、私も一緒だよ!」と激しく同意した。
どうにかして、連れて来られた時の記憶を思い出そうとする赤松だったが、突然の頭痛に襲われ、思い出す事が出来ない。
仕方がないので、二人は出口と他の超高校級を探す事にした。

超高校級の生徒達

教室から出ると、廊下が広がっていたが、室内なのに草木が生い茂っていた。
教室から出た最原は、自分の制服の中に何か入っている事に気付く。
ポケットから出てきたのは、小型のタブレット端末だった。
それを聞き、赤松も自分が背負っているリュックの中を確かめ、同じタブレット端末が入っているのを確認した。
端末の裏側には「モノパッド」と書かれていた。
いつの間に入れられていたのか分からない二人。
最原が端末を起動させると、最原の名前が出てきた。
どうやら、このモノパッドは超高校級の生徒一人一人に割り当てられた生徒手帳のようだった。
何に使うかは現時点では不明だが、捨てる訳にもいかず、ひとまず赤松と最原はモノパッドをしまった。
その後、赤松はピアノの鍵盤が描かれたドアを発見する。
音楽室かと思い、ドアを開けようとしたが鍵が掛かっている。
「まさに、私の為って感じの教室なのに…」と赤松が言うと、どこからともなくモノクマーズが現れた。
モノクマーズが言うには、この教室は「超高校級の研究教室」らしかった。
モノタロウは「みんなの才能を伸ばして貰おうと思って、『超高校級』に関する教室を用意したんだー!ここはもちろん『超高校級のピアニスト』の教室だけど、他の超高校級の研究教室も用意してあるよ」と言った。
鍵が掛かっている理由に関してはモノファニーが「アタイ達の準備が遅れたせいなの…ゴメンね、急いで準備するわ」と説明した。
言いたい事だけ言うと、モノクマーズはどこかへ行ってしまった。
残された赤松と最原は、再び校内を探索する事にした。
そして、見つけたのは『超高校級のコスプレイヤー』である「白銀つむぎ」だった。
白銀はメガネを掛けて、地味な印象だが「コスプレイヤー」である事に驚く最原。
白銀本人も、本来は人に見られるのは好きではなく、キャラクターの衣装を再現するのが好きなだけで、「他に着てくれる人がいるならそれでもいい」と言っていた。
しかし、最近ではキャラクターになりきる事よりも、コスプレする自分を出してくるレイヤーも多く、白銀は「そういう人に利用されるくらいなら自分が愛を持ってコスプレした方がマシかな」と言う。
そうした活動をしている中で、白銀には企業のスポンサーがつくようになり『超高校級のコスプレイヤー』となった。
白銀がコスプレをした際には、初来日したパンダを見に来るくらいの人数が集まるらしい。
一通り話し終わると、白銀は近くにある「龍の銅像」が気になると言い出した。
意味ありげに置かれている龍の銅像は、学校に置かれるにしてはあまりにも不自然で唐突なオブジェだった。
しかし、結局のところ何に使って、どういう意味があるのかは三人とも分からずじまいだった。

白銀と別れ、赤松と最原は再探索を始めた。
次に二人が会ったのは、天海蘭太郎と名乗る超高校級だった。
天海は「どうやってここに連れてこられたのか分からない」と言い、更には自分にどんな才能があって「超高校級」と呼ばれていたのかすら分からない状況だった。
自分の記憶がほとんどない状況でも天海は「逆にちょっと楽しみなんすよ。俺ってどんな『超高校級』なのかなーって」と明るく言っていた。
続けて「…というわけで、これから仲良くして欲しいっす。しばらくここから出られないかもしれないし」と意味深に言った。
「やめてよ!すぐ出られるかもしれないじゃん!」と言う赤松に対し、天海は先程までの笑顔ではなく、真顔で「そう上手く行くんすかね」と呟いた。
直後に天海は笑顔になり「深い意味はないっすよ。ただ単に思っただけっす」と言う。
赤松は「爽やかで話しやすそうだったけど、何を考えてるか分からない人…」と感じていた。

その後、学食のような場所へ辿り着いた赤松と最原。
そこで出会ったのは「超高校級の魔法使い」を自称する少女・夢野秘密子だった。
「魔法使い」という言葉に何とコメントしていいか分からず、赤松と最原が黙っていると夢野は「表向きは…『超高校級のマジシャン』という事になっとるがな」と付け足した。
ようやく納得した赤松は「あぁ、マジシャンなんだ。だったら最初から、そう言ってよ。魔法なんて存在する訳ないもんね」と夢野に言った。
それを聞いた夢野は、不機嫌そうに「んあー…魔法は存在するぞ。ウチは魔法使いじゃからな」と言った。
夢野は「表向きは陰謀でマジシャンを名乗らされてはおるが、ウチは魔法使いなんじゃ」と念押しした。
「陰謀って…大げさな」と言う赤松に、夢野は自分が「超高校級」となったきっかけを話し始めた。
夢野が「超高校級」となったのは、世界の手品愛好家が集まる「手品の殿堂」とも呼ばれる『マジシャンズキャッスル』という団体で、「マジシャン・オブ・ザ・イヤー」を歴代最年少で受賞した事がきっかけだった。
そして、「それを受賞した事こそが陰謀なのだ」と夢野は言った。
続けて夢野は「ウチの魔法を手品と称する事で、マジシャンズキャッスルの連中は魔法の存在を隠そうとしておるのじゃ」と肩を落とした。
そして、マジシャンズキャッスルの陰謀のお陰で夢野は「手品師」として有名になってしまい、世界中のマジックショー出演依頼が殺到した。
依頼は殺到したが、誰も「魔法使い」とは認めてくれない事に夢野は不満を持っているようだった。
夢野との話が一通り終わった後、赤松と最原は学食に居たもう一人の少女に話しかけた。
少女は、「超高校級の合気道家」の茶柱転子と名乗った。
赤松は「合気道って武道家っぽいイメージだけど、こんなに可愛い子もやってるんだ」と茶柱に言った。
「可愛い」と言われる事に慣れていないのか、茶柱は「や、やめてくださいよぉ。べ、べ、別に可愛くなんてないですって」と顔を赤くした。
「でも、本当に可愛いよ。ねぇ、最原くん」と赤松は最原にも話を振り、戸惑いながら最原も同意した。
すると、転子の顔が崩れ、凄い顔になっていた。
理由を聞く赤松に「転子、男死なんかに褒められても、嬉しくありませんので」と言い放った。
どうやら「男死」=「男子」の事らしく、転子は男に触れられそうになると条件反射で投げ、すかさず技を極めてしまうという程の男嫌いだった。

食堂を後にした赤松と最原は、大きな倉庫に来ていた。
そこで出会ったのは、やたらと派手な見た目で下品な言葉遣いの少女だった。
散々下品な話をし、最後に最原に「帽子なんか被ってるヤツは全員変態だっ!」と言うと、最原は珍しく怒りの感情を露にした。
そして、「放っておいてくれ!どんな理由で帽子を被ろうが、僕の自由だろ!」と少女に怒鳴った。
先程まで勢い良く話していた少女だったが、いきなり怯えた様子になり「なんだよぉ…オレ様がショックでやる気を失くしたら世界規模の損失なんだぞぉ!」と言った。
赤松は間に割って入り、少女に「さっきから滅茶苦茶言ってるけど、あなたは何者なの?」と聞いた。
少女は「超高校級の発明家」入間美兎と名乗った。
「どういった発明をしているのか」と赤松が聞くと、入間は溜息混じりに「寝ながらキーボードを打てる便利グッズとか、寝ながらマンガを読める便利グッズとかだな」と言った。
「全部寝ながらの便利グッズなんだ…」と呆れ気味な赤松だったが、入間は「こっちは『いかに寝ながら過ごせるか』をテーマに発明に取り組んでんだよ」と言い切った。
続けて「ま、息抜きで作った「目薬型コンタクト」とか、くだらねーのもあるっちゃあるけどな…」と言った。
赤松の友達にも使っている子がいるらしく、そちらの方が発明品としては優秀な物のようだった。
しかし、入間的には「寝ながら楽できる訳でもねーし、失敗作だな!」と、権利ごと企業に渡してしまったらしい。
結局、入間との会話は訳が分からないまま終わった。
そして、赤松は帽子の事で怒った最原について心配していた。

その後、どこかの教室に入った赤松と最原。
そこでは、白い服の少年が、もう一人奇妙な格好をした少年を追いかけまわしていた。
白い服の少年は、「ちょっと、ボディを触らせてよー。オレはロボットと友達になりたいんだよー」と目を輝かせていた。
「ロボット」という言葉に驚く赤松に対し、奇妙な格好の少年は「…なんですか?キミ達もロボット差別ですか?」と言った。
赤松は「ていうか…キミってロボットなの!?本当に本当の…ロボットなの!?」と驚きを隠せなかった。
続けて最原も「まさかモノクマーズの仲間じゃ…」と驚いた様子だった。
ロボットの少年は、見た目通り「超高校級のロボット」であるキーボと名乗った。
すると、近くにいた白い服の少年が「あー、ずるいのー。勝手に1人で自己アピールしちゃってさー」と話に割って入ってきた。
そして、「自己紹介をする」と言って「超高校級の総統」である王馬小吉と名乗った。
「ロボット」に「総統」という、訳の分からない超高校級達に、赤松は頭を抱えた。
キーボはそれに応えるように「見た目はロボットかもしれませんが、キミ達と同じ高校生なんですよ?」と言った。
キーボはロボット工学の第一人者である飯田橋博士という人物に作られ、人間の脳と同じ様に「成長するAI」を搭載されていた。
その後、飯田橋博士はキーボを根気強く育て、高校に通わせた。
その結果、キーボは「超高校級」の称号を得たらしい。
対して、王馬は「オレは悪の秘密結社の総統なんだよー」と言った。
「それって本気で言ってるの?悪の秘密結社なんて…」と言う赤松に、王馬は「さぁね。オレって嘘つきだから」と笑った。
何の総統なのか、 王馬は教える気がないらしく、最原が組織の名前を聞いてはみたが、それも「秘密」だと言った。

教室を出た赤松と最原は、地下に続く階段を見つけた。
地下で最初に入ったのは、ゲームセンターのような場所だった。
そこで出会ったのは、小柄だがハードボイルドな雰囲気を出している「超高校級のテニス選手」である星竜馬だった。
しかし星は「高校生だったのは昔の話だ。テニス選手の成れの果てさ」と言った。
最原は「星竜馬」の名前に聞き覚えがあり、「海外の大会でも優勝している将来有望なテニス選手が、マフィア組織を1人で壊滅させた…というニュースを見た事がある」と言った。
そのニュースでは、特注の鋼鉄製テニスボールを使った「殺人テニス」で、マフィア連中の頭を次々に打ち抜いたと書かれていたらしい。
ニュースは事実のようで、星は「で、どうだ?自分の才能を殺人に使うようなクズを目の当たりにした感想はよ?」と冷静だった。
話の内容に戸惑う赤松だったが、「どうして、そんな自分の将来を棒に振るような真似を?」と星に尋ねた。
星は「フン、その『将来』ってヤツが、俺に必要なくなったからさ」と淡々と答えた。
「え?」と赤松は聞き返したが、星は「いや…なんでもねー。柄にもなく喋り過ぎちまったみたいだ」とそれ以上は教えてはくれなかった。
最後に「ともかく…忠告しておくぜ。俺みてーな殺人者には不用意に近付かねー事だ」と言って、星はどこかへ行ってしまった。

次に赤松達が入ったのは、本棚から溢れる程の本がある図書室だった。
そこで出会ったのは、髪を二つに結んだ無口な少女だった。
赤松と最原は、それぞれ自己紹介をし、赤松が「それで、あなたは?」と少女に聞くとようやく名乗った。
少女は「超高校級の保育士」である春川魔姫だと言う。
「保育士」と名乗っている割に、「子供は好きじゃない」と言う春川。
元々、孤児院で育った春川は、大きくなっても孤児院で手伝いをさせられていて、子供達が勝手に春川に寄ってくる為、いつの間にか「超高校級の保育士」になってしまったらしい。
モノクマーズや、出口について何か知ってる事はないか聞く最原達だったが、春川は「私が知る訳ないじゃん」と一蹴する。
「みんなで協力して出口を目指そう」と言う赤松だったが、春川は「見ず知らずの他人同士でそんな上手く行く訳ない」と言うだけ言って、どこかへ行ってしまった。
春川が去った後、最原は「なんか…感じ悪かったね。超高校級の保育士とは思えないよ」と赤松に漏らした。

その後、赤松達は地下から1階に戻り、玄関ホールに来ていた。
玄関ホールという事は、ドアを開ければ外に出られるのではないかと浮かれる赤松に「うかつに扉を開けるのは危険」と最原は制止した。
すると、「その憂慮は不要だヨ。扉に危険がない事は僕がすでに確認済みサ」と、どこからともなく不思議な格好をした少年が現れた。
彼は「超高校級の民俗学者」の真宮寺是清と名乗った。
「民俗学」にいまいちピンと来ない赤松に対し、真宮寺は「簡単に説明するヨ」と言った。
民俗学とは、伝統的な文化や習慣、伝説、民話や民謡等、古くから伝承されてきた民俗を解明・研究する学問だ。
真宮寺は、民俗学を「人間を観察する学問」だと言い、「僕は様々な土地で、様々な人間を見てきた…すべての人間は醜い面も含めて…とても美しいんだ…」と続けた。
そして、自分を含めた16人の高校生が閉じ込められているこの状況すらも「この困難な状況で、人間のどんな美しさが見られるか楽しみなんだ」と言っていた。
赤松は、真宮寺に対し「見た通り、不気味な人」という印象を持ちつつ、最原と共に探索を再開した。

玄関ホールのドア自体には危険はない事が分かった赤松達は、思い切ってドアを開けた。
ドアの先には中庭が広がっていたが、空を見上げると檻のような物が学校全体を覆うように存在していた。

目の前に広がる四方八方を塞ぐ檻のような物に愕然とするしかない赤松達。
そんな二人の前に、またどこからともなくモノクマーズが現れた。
あの檻のような物には、「果ての壁」という名前が付けられているらしい。
由来は「単純にこの世界の果てだから」という事らしいが、赤松達には理解が出来なかった。
「ちゃんと説明してよ!」とモノクマーズに詰め寄る赤松だったが、モノファニーは「説明も何もないわ。そういう事だから諦めて…としか言えないの。ここからは出られないのよ」と言い切った。
「果ての壁」に出入口は存在しておらず、よじ登ったり、壊そうとしたりする事も不可能らしい。
それでも諦めきれない赤松は、壁に向かって「誰かー!!助けてー!!」と大声で叫んだ。
赤松は何度か叫んでみたが、一向に反応は返ってこない。
モノキッドは「いくら叫んだところで、どうせ誰にも聞こえねーんだ!」と言った。
その言葉に最原が「どうして、誰にも聞こえないって言い切れるんだ?」と尋ねたが、モノダムを始め、モノクマーズは誰も答えようとしなかった。
そして「ここがどういう場所なのかは、キサマラ自身で調べるんだよ」とモノタロウが言うと、モノクマーズはどこかへ行ってしまった。
モノクマーズが去った後、一度は諦めかけた赤松だったが、自分自身で頬を叩き、気合を入れ直した。
赤松は「抜け道を探してみようよ!」と最原に提案したが、最原も「ここから出られない」という言葉に呆然として、赤松の話を聞ける状態ではなかった。
そんな最原に、赤松はチョップをお見舞いし「最原くん…人の事は言えないけど、こんな壁くらいで諦めちゃダメだよ」と言った。
赤松達がどこからか入ってきたのだから、出口は必ず存在している。今は出られないというだけで、みんなで協力すれば出られるようになるという思いを赤松は抱いていた。
するとそこへ、学ランを着崩した少年が、果ての壁を見上げ赤松達と同じ様に驚いていた。
最原は「これから…どうなっちゃうんだろうね。もし、このまま出られなかったら…」と言いかけたが、学ランの少年に「そいつは泣き言か?」と聞かれる。
少年は続けて「泣き言だの愚痴だのはやめておけ。クセになっちまうからな。それに、あんな壁なんてちっぽけなモンだ!宇宙のデカさに比べればな!」と熱く語った。
彼は「超高校級の宇宙飛行士」である百田解斗だった。
しかし、百田自身もまだ宇宙に行った事はなく、訓練中の身だ。
そんな百田が「超高校級」の称号を得られたのは、宇宙飛行士の試験に10代で史上初の合格を果たしたからだった。
本来、宇宙飛行士の試験を受けるには大学卒業の資格が必要だが、百田の知り合いに手先が器用な人物がおり、色々と偽造をしてもらった為に百田は高校生ながら受験をした。
最終的には高校生だという事がバレたが、宇宙飛行士の試験を行っている団体の上層部が、試験結果が良かった事もあり、面白がって採用となったのだ。
「越えられねー壁なんてないんだ!あの壁もそうなんだよ!」と熱く語った百田だったが、最原に「何か手があるのか?」と聞かれると黙ってしまった。

百田と別れた後、中庭の真ん中に建つ建物の中にやってきた赤松達。
建物内は円形のホールを囲むように、複数の扉が並んでいる。
そしてまたどこからともなくモノクマーズが現れ、「ここはキサマラのお家やないかーい!」と言った。
それから下らない話をするだけして、あっという間にモノクマーズはどこかへ行ってしまった。
「お家ってどういう意味だろ?」という赤松に対し、最原は「ここに泊まれって意味かもしれないね…ドアも16枚だし、多分それぞれの個室になってるんじゃないかな?」と推測した。
よく見ると、ドアの上には16人の高校生それぞれに似せたアイコンが描かれていた。
この宿舎で出会ったのは、メイド服を着た少女だ。
少女は、「自分達をさらった犯人の目的が分からない」と言って悩んでいた。
身代金目的の監禁にしては、土地が広大過ぎる、更に高校生達を痛め付ける事もなく、逆に丁重に扱っているようにも思える。
そのお陰で、高校生達をこの学校に連れてきた犯人の目的が分からなくなっているのだ。
一通り話したところで彼女は「超高校級のメイド」である東条斬美と名乗った。
最原は東条の名前を聞いた事があるようだった。
世間では、頭脳明晰、スポーツ万能である、スーパー高校生が個人でメイドをしていて、その仕事ぶりがあまりにも完璧であり、どんな依頼も完遂すると評判だったらしい。
東条は「どんな依頼でも…は言い過ぎだわ。前にも国家滅亡を依頼された事があるけど、さすがに無理だからお断りしたもの」と淡々と言った。
他に、各国首脳のメイドとしての依頼が来た事もあるようだった。
そして、東条は「ところで、あなた達はこれからどうするつもりなの?」と、赤松達に聞いた。
急に聞かれても「どうしようかな…」としか答えられなかった赤松は「逆に東条さんはどうするつもりなの?」と聞き返した。
しかし、スーパーメイドである東条は「みんなの望みを叶える事が私の望み…メイドってそういうものよ」と言った。

その後、再び中庭に出てきた赤松達。
そこには、やたらと体が大きく、筋肉ムキムキの人物がいた。
恐る恐る話しかけた赤松に、その人物はいきなり「ありがとう!」と言った。
どうやら、彼は見た目が恐い影響で初めての人からは話し掛けてもらえないらしい。
だから、話しかけてきた赤松にお礼を言ったのだ。
彼は「超高校級の昆虫博士」の獄原ゴン太と名乗った。
そして「ゴン太は紳士になりたいんだ!本当の紳士を目指しているんだよ!」と付け足した。
最初は見た目から「恐い」と思っていた赤松だったが、話していくうちに誤解が解け「なーんだ、本当にいい人なんだね。恐がって損しちゃったよ」と言った。
ゴン太は子供の頃から体が大きく、周りの子供達に怖がられていた。
その影響で、一人で遊ぶようになり、昆虫が好きになったらしい。
また、ゴン太は夢中になると周りが見えなくなるところがあり、以前虫を追いかけて森で迷子になった事もあるようだった。
「大変だったね…すぐに見つけてもらえた?」と聞く赤松に、ゴン太は「うん…10年掛かったけどね」と言った。
その間、山の狼の家族に育ててもらっていたらしく、「そのお陰でゴン太は動物や昆虫と話せるようになった」と明るく言った。
ゴン太が紳士を目指しているのは、立派な紳士になった姿を、感謝の意味も込めて山の家族達に見せたいからという理由であった。

ゴン太と別れた後、また中庭の探索を始めた赤松達は中庭の奥にあった建物に入った。
滝のように水が流れており、花壇で囲まれた白い建物だった。
そこには、やたらと元気な「超高校級の美術部」の夜長アンジーと名乗る少女が居た。
アンジーは「悪い方に考えても仕方ないからねー、明るく元気に楽しく生きないとー!…って、神さまも言ってるよー?」と言った。
続けて「アンジーは神さまの声が聞けるんだー。島の神さまがいつもアンジーの隣にいるからねー」と、信心深さを語った。
赤松が「そういえば、アンジーさんは何を専門にやってるの?絵画?彫刻?」と質問をした。
アンジーは「どっちもやるよー。絵も描くしー、彫刻も彫るしー。でもね、アンジーは体を貸してるだけなんだ。やってるのは神さまだから」と答えた。
そして「面白そう。今度、アンジーさんの作品見せてね」と赤松が言ったらアンジーは「良いけど、イケニエになってねー」と明るく返した。
嘘か本当か、アンジーの創作は神様が行っている為、大量の血をイケニエから取らないといけないらしい。
「かなりエキセントリックな子だ…」と若干引き気味になった赤松と最原は、何とかアンジーとの話を終えた。
その直後、校内に「キーンコーンカーンコーン」とチャイムのような音が響いた。
そして近くにあったモニターにモノクマーズの姿が映し出された。
16人の高校生全員に向けた放送のようであり、モノタロウは「キサマラは体育館にお集まりくださーい」と言った。
モノキッドは続いて「ようやく、始業式を始められるぜ!」と言っていた。
それだけ言うと、モニターの映像はプツリと切れた。
不安しかない赤松と最原だったが、行かないという訳にも行かず、仕方なく体育館へと向かった。

コロシアイの始まり

赤松と最原が体育館に着いた時には、他の全員が集合していた。
これから何が起こるのかと不思議がっていた超高校級の高校生達の前に5体のロボットが現れた。
中からはモノクマーズの声がし「高機動人型殺人兵器『エグイサル』だ!」と説明した。
ほとんどの生徒が「殺人兵器」の名前に狼狽える中、天海だけは冷静にエグイサルへ近づき「で、俺らに何させるつもりなんすか?」と聞いた。
続けて「暴力をチラつかせるって事は、そういう事っすよね?」と言った。
モノキッドは「なかなか勘が鋭いやないか」と言い、モノキッドが溜めに溜めている間にモノキッドが「コロシアイ、ダヨ」とあっさり言ってしまった。
モノキッドが言おうとしていたセリフをモノキッドが奪う形になった事にモノキッドが怒り出し、他のモノクマーズ達も日々のお互いへの不満をぶつけるように怒り出した。
そのうち、高校生達を差し置いて、モノクマーズ同士の争いが始まってしまった。
すると、「おやめなさい…可愛い我が子達よ…醜い争い合いはやめるのです…」とどこからともなく、モノクマーズに向けた声が聞こえた。
その声を聞いたモノクマーズは、エグイサルから降りてきて「お父ちゃん!?お父ちゃんだよね!?」と言い出した。
モノクマーズが「お父ちゃん」と呼ぶと、突然体育館の照明が落ち、体育館のステージの所にモノクマーズのような見た目の白黒のクマのヌイグルミが現れた。
白黒のクマは、おもむろに喋りだし「ボクこそは、この新世界の神であり…そして、才囚学園の学園長!そう、モノクマだよ!オマエラ、ども初めまして!」と自己紹介した。
どうやら、モノクマと名乗る白黒のクマは、モノクマーズの父親という設定のようだった。
散々茶番を繰り広げるモノクマとモノクマーズを、ただポカンと見ているしかなかった高校生達。
真宮寺はモノクマを見ながら「あれはただのヌイグルミじゃなさそうだヨ…僕には見えるヨ…あれは絶望と狂気が渦巻く不吉のヌイグルミ…」と言った。
すると、モノクマが「ねぇ…そもそもヌイグルミじゃなくて、ボクはモノクマなんだけど」と怒りの表情を向けた。
キーボは、自分と同じようなAIが搭載されている自律式ロボットだと推測した。
モノクマーズからの回答によれば、キーボの推測は当たっているようだ。
そしてようやく、天海が「それよりも、さっきの『コロシアイ』ってどういう事っすか?」と本題を切り込んだ。
モノクマは楽しそうに「コロシアイをして貰いたいんだよね。『超高校級』の才能を持つオマエラ同士でさ」と答えた。
口々に反論する高校生達を前にモノクマは「でもさ、オマエラも学園を見て周ったなら分かったでしょ?巨大な檻に囲まれて、外に逃げられないってことも…」と言った。
続けて「『エグイサル』がいる限り、ボクらに逆らえないってこともさ」と笑った。
そしてモノクマは最後に「オマエラは仲間同士なんかじゃなくて、お互いの命を狙って殺し合う…敵同士なんだよ」と言い放った。
訳の分からない状況についていけない生徒がいる一方で、天海と同じく星も冷静だった。
星はモノクマに対し「俺らはどうやって殺し合えばいいんだ?それぞれに武器でも与えられるのか?」と聞いた。
星はそれを聞く事により、モノクマ達の出方を探り、対策を立てようとしていたのだ。
しかし、モノクマは「え、武器って?そんな野蛮な物を想像してたの?この才囚学園で行われるコロシアイはもっと、知的エンターテイメント性にあふれたコロシアイなのです!」と声高に言った。
モノクマの言う「知的エンターテイメント」とは、『学級裁判』を指しているらしい。

『学級裁判』とは、生徒間での殺人事件が起きた場合、犯人を含めた生徒全員で行われる裁判の事。
裁判では、殺人をした犯人である『クロ』とそれ以外の生徒である『シロ』が対決する事となる。
また、この裁判の中で『クロは誰か?』という事を全員で議論していく。
そして、裁判の最後に設けられる『投票タイム』で多数決により導き出された『クロ』を、見事正しく当てる事が出来たら『クロ』は「おしおき」となる。
『クロ』のおしおき後は、残った生徒で共同生活を続ける事となる。
要は、「おしおき」とは公開処刑だ。
「罪がバレたら、罰を受ける」それは、この才囚学園も、外の世界も同じ事だ。
ただし、多数決で決まった『クロ』が間違っていた場合は、『クロ』だけが生き残り、残った『シロ』全員が「おしおき」となる。
モノクマの言う「コロシアイ」は、ただ殺せばいいだけではなく、殺した上でその後の学級裁判も乗り越えなければならない。
その後、モノクマとモノクマーズの下らない会話が続き、最後にモノクマが「そろそろ、ワックワクでドッキドキな『コロシアイ新学期』を始めましょうかー!」と言った。
続けて「殺し方は問いませーん。お好きな殺し方で、お好きな相手を、お好きに殺してくださーい!『才囚学園』は、その為の学園なのです!」と声高に生徒を煽った。
冷静な生徒と動揺する生徒で、場は混沌としていた。
赤松は動揺しながらも、モノクマに「あなたに何て言われようと…私達はやらないよ。コロシアイなんて絶対やらない!」と言い放った。
「今は無闇に逆らわない方が…」と転子は赤松を止めたが、モノクマは「いやいや、そういう反抗は大歓迎だよ」と笑った。
更に「そうやって嫌がってる連中が、コロシアイに手を染めていくから面白いんだし…みんなそれが大好きなんだ!そういう残酷なデスゲームが大好きなんだよ!」とモノクマは意味深な言葉を吐いた。
モノクマーズとモノクマは、楽しそうに笑っていた。
巨大な壁に囲まれた学園、閉じ込められた『超高校級』の16人、謎のヌイグルミと殺人兵器、そして仲間同士のコロシアイ。
これは、フィクションのように残酷で、現実のように残酷な物語。
赤松達は知らない間に、そんな狂った物語の登場人物にさせられてしまっていた。

モノクマとモノクマーズは、言いたい事だけ言って、どこかへ行ってしまった。
その直後、16人の持っているモノパッドから一斉にアラームが鳴りだした。
すると、そこには「校則」と書かれており、才囚学園についての校則が映し出された。
校則は以下の通りだった。

・才囚学園での共同生活に期限はありません。
・学園内で殺人が起きた場合、全員参加による学級裁判が行われます。
・学級裁判で正しいクロが指摘できれば、殺人を犯したクロだけがおしおきされます。
・学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合、クロ以外の生徒であるシロ全員がおしおきされます。
・クロが勝利した場合は才囚学園から卒業し、外の世界に出る事ができます。
・シロが勝ち続けた場合、最後の2人になった時点でコロシアイは終了です。
・夜10時から朝8時までの『夜時間』は、食堂と体育館が封鎖されます。
・才囚学園の学園長であるモノクマへの暴力は固く禁じられています。
・モノクマが殺人に関与する事はありません。
・モノパッドは貴重品なので壊さないでください。
・『死体発見アナウンス』は、3人以上の生徒が死体を発見すると流れます。
・才囚学園について調べるのは自由であり、行動に制限は課せられていません。
・校則違反を犯した生徒は、エグイサルによって処分されます。

校則を確認した後は、「コロシアイなんてしない」という赤松や百田のような生徒が居る一方で、冷静に状況を分析する王馬や星も居た。
いきなり「コロシアイ」をするように言われれば、場が様々な思いで騒然となるのは当然だ。
ざわざしている体育館で、赤松は声を上げ「仲間同士でゴタゴタ言ってる場合じゃないでしょ。こういう時こそ、みんなで協力しないと」とその場に居る全員に向かって言った。
そして、「みんなで協力して、もう1度出口を探してみない?」と赤松は提案する。
続けて「私達は争い合うんじゃなくて、協力し合うんだよ!」と明るく言った。
しかし、場はシーンと静まり返っていた。
何か変な事を言ったのかと気にする赤松に、東条は「貴女が、あまりにも真っ直ぐ正論を言うから、もう他に言う事がなくなっただけよ」とほほ笑んだ。
東条に続くように百田も「まったくその通りだぜ!簡単に諦めてどうするって話だ!」と明るく言った。
場が、赤松に同調するように出口を探しに行こうとした時に、ゴン太が「あ、待って」と話に割り込んだ。
ゴン太は「関係ないかもしれないんだけど、さっき…校舎裏の草むらで、マンホールを見つけたんだ。中を覗いたら広い地下空洞みたいになってたから、そこが出入口かもと思って」と言った。

ゴン太を先頭にして、校舎裏に行こうとする超高校級達。
赤松もそれについていこうとした時だった。
体育館には、まだ天海と最原が残っていた。
天海は赤松に「赤松さん、すごいっすね」と言った。
続けて「キミの発言からムードがガラリと変わったっす。すっかり、みんなの中心人物っすね」と褒め称えた。
赤松が「思った事を言っただけだよ」と言うと、天海は「意識しないでやってるって事っすか?じゃあ、なおさら素質があるんすね。このコロシアイを生き抜く素質が」と意味深に言う。
しかし、天海はこのコロシアイを仕組んだ人間側に立てば、先程の「協力しあう」という赤松の発言はかなり厄介だと推測する。
コロシアイを望んでいる存在にとって、コロシアイが起こらない展開は最も望んでいない。
だからこそ、敵は赤松の思惑を全力で潰しにかかるだろう。
「そうなった時がちょっと心配すね」とだけ言って、天海も遅れてゴン太達の後を追いかけて行った。
何が言いたかったのか、赤松にも分からないまま天海は行ってしまった。
最原は「多分…忠告じゃないかな?僕なんかでも…少しそう思うから」と赤松に言った。
強い希望は、手痛いしっぺ返しを食らった際、強い絶望に変わる。
天海と最原は、赤松に対してそんな不安を抱いているのかもしれない。
ひとまず、ここで分からない事ばかりを話していても仕方がない。
赤松と最原も、ゴン太達の後を追って、校舎裏へ向かった。

赤松達が、マンホールがあるという校舎裏のボイラー室に着いた時には全員集合していた。
確かにボイラー室の中には、草むらに隠れたマンホールが存在していた。
見た目からして重そうなマンホールのフタ。
ロボットであるキーボが挑戦するも、ビクともしなかった。
「それならゴン太に任せてよ」と、ゴン太は軽々とマンホールのフタを持ち上げた。
穴の中は薄暗く、ハシゴがついていて昇り降りが出来る構造になっていた。
一人ずつマンホールの中へ入っていった超高校級達。
そこには、古い工業用の通路が広がっていた。
そして、トンネルの入口にはご丁寧に「出口」と書かれた立て看板が置かれていた。
かなり怪しいが、行動しなければ何も始まらない。
「これだけの超高校級が揃ってるんだから、みんなで協力すれば大丈夫!」という赤松の言葉でトンネルの先へ行く事を全員が決めた。

トンネルの中は一本道だったが、途中にはモノクマの爆弾のような物が浮いていたり、上から檻が降ってきたりと障害物だらけだった。
ほとんど進む事も出来ず、そのまま意識を失っていたようだ。
全員が意識を取り戻した時にはトンネルの入口に戻ってきていた。
最後に目を覚ました赤松は、全員の様子を伺うが、その表情はどれも呆然としていた。
するとそこへ、どこからともなくモノクマとモノクマーズが現れた。
「気付かれたか」と言う百田に対し、モノクマは「気付かれた?オマエラがここから脱出しようとして失敗する事くらいボクはとっくにお見通しだったけど?」とあっけらかんと言った。
モノクマ達がお見通しだったという事は、この「出口」の看板は罠であり、やはり出口なんてないのかと落ち込む超高校級達。
しかし、モノファニーは「いいえ、出口はちゃんとあるわよ」と言った。
どうやら、トンネルの先には本当に出口があるらしい。
「納得するまで何回でもトライするといいよ!」とモノクマは高笑いをして去って行った。
頑張れば出口に辿り着けるらしいが、モノクマの余裕の態度から察するに、やはり出口まで行く事はほぼ不可能なのだろう。
あえて「出口」という小さな望みをあえて提示する事で、超高校級達の「帰りたい」気持ちを煽り、精神的に追い詰める事がモノクマの魂胆なのかもしれない。
そんな中でも、赤松は「諦めちゃダメだよ!何回でも挑戦しようよ!」と他の超高校級達を励ました。
そして「みんなで一緒にここから出られたら、友達になろうよ」と赤松は明るく言った。
その後、何度も何度も出口を目指し、必死に挑戦を続けトンネルを進もうとした。
しかし、何度も失敗し、何度もトンネルの入口まで戻され、心身共にボロボロになった。
超高校級達の顔に諦めの表情が出てきてもなお、赤松は「諦めちゃダメだって!次こそ…」と言った。
しかし、それを遮るように王馬が「いい加減にしてよ」と言った。
続けて「赤松ちゃんが諦めないのは自由だけど、それを押し付けるのは脅しみたいなものだよ?」と言い放った。
無理だと分かっている状況で、赤松の言葉は、諦める事も、正論だからこそ反論も出来ない状況に追い込む行為に他ならなかった。
当然、赤松はそんなつもりで言っていたわけではない。
ただし、実際にそう思っているのは王馬だけではないようだった。
周りを見れば、超高校級達の約半数は王馬と同じ意見を口々に述べていた。
その様子を見ていた星が「さっきまで協力だの仲間だの言っていた割には、あっという間にバラバラじゃねーか」と冷たく言った。
「私のせいだね…本当にごめん…」と落ち込む赤松に、百田や最原は「違う」と言うが、春川は「そう?私は赤松のせいだと思うけど」と王馬の意見に同調した。
ギスギスした空気になってしまった場に、につかわしくないチャイムの軽い音が響いた。
モニターにはモノクマーズが現れ、「午後10時になりましたー。今から『夜時間』だよー」とお知らせした。
才囚学園の校則にあったように、午後10時~午前8時は「夜時間」となり、食堂と体育館が封鎖される。
その放送を受け、心身の疲労と時間を考えると、またトンネルに挑戦するのは得策ではない。
今日の所は、寄宿舎に泊まり、明日の朝8時に食堂に集合しようという事になった。
それぞれの個室へ向かい、赤松もベッドに入った途端、深い眠りについた。

動機

囚人のジレンマ

悪夢のような一夜が明け、目を覚まし、食堂へ向かう赤松。
赤松が着いた時には、全員が食堂に集合していた。
これからどうしたものかと、全員で話し合いを始めようと思ったその時、モノクマがどこからともなく現れる。
何しに来たのか尋ねると、モノクマは「いきなりコロシアイをしろって言われても、そう簡単に人を殺せないだろうから、『人を殺す言い訳』を考えてあげようと思って」と言い出した。
コロシアイが起こらないこの状況に既に不満だったモノクマは、コロシアイをさせる為の『動機』を用意してきたわけだった。
そしてモノクマは『初回特典』と称し、「最初に行われる殺人には学級裁判は行われない」と言った。
つまり、真っ先に殺人を犯した人物は、無条件に才囚学園を卒業出来、外の世界へ出られるという事だった。
楽しそうにコロシアイをさせようとするモノクマに対し、赤松は怒りの感情をぶつけた。
「それ以上…私達をバカにしないで…自分だけがここから出たいとか…そんな理由で人を殺したりすると思ってるの?バカにしないでよっ!」と赤松はモノクマに言った。
それでもモノクマは「もっと、自分が生き残る方法を合理的に考えなよ?誰かを殺せばいいだけなんだよ?」と赤松を含めた全員を煽る。
天海は「なるほど、囚人のジレンマっすか」と冷静にモノクマの言う事を分析していた。
「囚人のジレンマ」とは、お互いに協力する方が、協力しないよりも良いと分かっていながら、協力しない者が一方的に利益を得る状況では、互いに協力しなくなる事である。
その提案は赤松が提唱した「協力ゲーム」を無効化にして、プレイヤーが提携しない「非協力ゲーム」にする為だった。
モノクマが突き付けている、「最初の殺人者は学級裁判を行う事なく、学園から出られる」という条件は正に「囚人のジレンマ」であった。
そこまでして、コロシアイをさせたいモノクマに「貴方の目的は何なの?」と聞く東条。
しかし、百田は目的等どうでも良く、「モノクマをぶっ飛ばさないと気が済まない」と完全に頭に血が上っていた。
そして、百田がモノクマに掴み掛かった時、モノクマーズが現れ「自分達に逆らうとこうなる」と言い、エグイサルを持ち出してきた。
百田を見せしめとするのかと思いきや、エグイサルの下敷きとなったのはモノクマだった。
エグイサルはそのままモノクマを踏みつぶし、モノクマは爆発する。
どうやら、モノクマーズは百田を踏むつもりが、間違えてモノクマを踏んでしまったようだ。
「どうせすぐにモノクマのスペアが出て来る」という東条に対し、モノクマーズは「スペアなんてない」と言い切り、去って行った。
相変わらず状況が飲み込めない超高校級達。
王馬は「ラスボスが居なくなったから、コロシアイも中止だね!オレ達の完全勝利!」と意気揚々としていた。
安易な結末に、赤松は「ちょっと待ってよ」と言ったが、昨日の地下トンネルの一件もあり、あまり意見は受け入れられなかった。

ひとまずは解散となり、赤松は部屋へと戻り、一人になった赤松は涙を流した。
泣いている理由は、赤松自身にも分からない。
そんな中、突然部屋のインターホンが鳴る。
恐る恐るドアを開くと、そこには最原が居た。
最原は、赤松が落ち込んでいるのではないかと、心配で様子を見に来たようだ。
「私は全然落ち込んでないよ」と強がる赤松に「赤松さんは悪くないと思う」と最原は言った。
最原は、昨日みんなで挑んだ地下トンネルはやはり罠だったのだろうと推測していた。
全員で頑張ろうとすればする程、絶望していくという、モノクマの罠。
赤松も、もちろん罠だと分かっていたが、それでも「全員で外に出たい」という思いを捨てきれなかったのだ。
赤松の思いを聞き、最原は「キミの気持ちはよく分かったよ。だったら、僕はキミを信じる事にする」と笑った。
続けて「キミにどうしても話しておきたい事があるんだ。今から一緒に図書室に来て貰えない?」と言った。
内容を聞いた赤松だったが、最原は「図書室に着いてから話す」の一点張りだった為、仕方なく付いていく事にした。
図書室に着き、最原は「この話はみんなには内緒にしてほしいんだ」と切り出した。
赤松が「わかったよ」と言うと、最原は安心したように本題を話しだした。
「この図書室ってやたら本が散らばってるよね。でも、不思議とあの本棚の上には本が積まれていないんだ」と最原は、一つの本棚を指さした。
続けて「それに、あの本棚の前には薄らと何かを引きずったような跡があるんだよ」と言った。
赤松も確認し、確かに最原の言う本棚の前だけ本が積まれていなく、引きずった跡があった。
最原は、以前赤松とこの図書室を探索した時から見つけていて、気になっていたらしい。
改めて今朝、最原は一人で本棚の謎を調べに図書室に来ていた。
最原が本棚の隙間に手を入れると、別の場所の本棚が音を立てながら動き、隠し扉が出現した。
本棚の奥に隠されていた扉は、白と黒でモノクマと同じカラーリングだった。
恐らくモノクマと関係があるのだろと最原は考えていたが、扉の横についているカードリーダーによって扉の鍵は閉じられていた。
しかし、最原はこの隠し扉の存在によって、ある事に気付いた。
それは、集められた16人の超高校級の中に「モノクマの協力者」が居るという事。
可能性としての話だが、最原は「なんで隠し扉なんかあるんだろう?」と疑問に思った。
そもそも、モノクマ自身が入る為の扉ならば、モノクマーズやエグイサルに守らせ、堂々と中に入ればいい話で、わざわざ隠す必要がない。
そうなると、16人の内の「人間」である誰かが他の人に知られないように、こっそり入る為に扉を隠しているのだろう。
「超高校級の探偵」である最原らしい解答の導き方だった。
「16人の中にモノクマの協力者が居るなんて信じられないよ」と言う赤松に、仮説として考えている最原も「僕だってそうだよ」と答える。
しかし、この隠し扉の存在はかなり異質である事は確かだった。
だから最原はカードリーダーに、小さな埃を挟み、誰かがカードを通したら扉を開けた事が分かるトラップを仕掛けた。
もし、本当にモノクマの協力者が16人の中に居るならば、モノクマが爆発した所でコロシアイは終わらない可能性が高い。
最後に最原は「話はそれだけだよ。どうしても赤松さんには話しておきたかったんだ。でも、くれぐれも他のみんなには内緒ね」と言い、そろそろ図書室を出ようと提案した。
それからはそれぞれ部屋に戻り、眠りについた。

迫るタイムリミット

モノクマの爆発から一夜が明けた。
その日は特別約束はしていなかったが、宛もない為、赤松は食堂に向かう事にした。
食堂には全員集まっていて、意外にも明るい雰囲気に包まれていた。
コロシアイもなく、帰れると信じている超高校級達の顔は、昨日とは打って変わって明るかった。
しかし、天海は何かを考え込んでいる様子だった。
そして、赤松も「本当にこれで終わるのかな」と呟いた。
その場に居た全員の視線が赤松に集まる。
「いくらなんでもあっけなさ過ぎるよ。このまま終わるなんて思えない」と赤松は続けた。
その言葉は、喜びの表情を浮かべる他の高校生達に水を差したようだった。
「もしかして、キミはコロシアイを続けたいの?」と真宮寺に言われ、「ハッピーエンドに水を差すな!」と入間に言われた。
王馬が「モノクマが死んだ以上は、もうコロシアイを続けるのは不可能なんだよ?」と赤松に言った瞬間だった。
幽霊の格好をしたモノクマがどこからともなく現れたのだ。
そのうちモノクマーズも現れ、モノクマが存在している事に驚いている様子だった。
モノクマが言うには「モノクマーズにはスペアがないが、自分にはスペアがある」という事らしかった。
モノクマとモノクマーズの下らない会話が繰り広げられ、唖然とする超高校級達。
白銀は「ショックでまともなリアクションができないんだけど…もしかしてコロシアイってまだ続くの?」と青ざめた顔で言う。
天海は「やっぱ…そうっすか。これを終わらせるには、モノクマの後ろにいるヤツを、なんとかしないといけないんすね」と分析していた。
「スペアがある事は想定内…驚く事じゃないわね」と東条も冷静だった。
すると「想定内」という言葉に対しモノクマが「じゃあ、こういうのはどう?『追加の動機』の発表でーす!」と言い出した。
モノクマは「タイムリミットを「2日後の夜時間」とし、それまでに殺人が行われなかった場合、コロシアイに参加させられた生徒は全員死亡」というルールを追加した。
更には「タイムリミットになったら、噂のモノクマ製造機から大量のモノクマを出動させて、クマ本来の野性味を大解放しちゃうからね!」と言った。
いつまでもコロシアイを始めない超高校級達に飽き飽きしたモノクマらしいルールの追加だった。
「もういい加減にしてよ!」と言う赤松に続き「どこまでボク達を苦しめれば気が済むんですか!?」とキーボが言う。
モノクマはあっけらかんと「へー、苦しいんだ。苦しいなら、さっさとコロシアイすればいいのに。うぷぷ…そうすれば苦しみとオサラバできるよ?」と笑った。
そして最後に「仲良く一緒に死ぬのも、自分だけ生き残るのも、ぜーんぶオマエラの自由だからさ」とだけ言い、モノクマはモノクマーズと共に去って行った。
残された超高校級達は、再び不安に襲われていた。
どうすれば全員が生き残れるのか、そんな方法が本当に存在しているのか。
超高校級達は、一人、また一人と絶望を抱えながら部屋へと戻って行った。
人数が減った頃、天海が「妙な質問していいっすか?みんな…『超高校級狩り』って言葉に心当たりないすかね?」と言い出した。
誰も聞いた事がないと答えると、天海は「なんでもないっす。今のは忘れて貰って大丈夫っす」と言い、食堂から出ていった。
再び、これからどうすれば良いのか分からなくなってしまった。
そんな中、赤松は最原に「これからどうすればいいのかな?」と相談する。
すると、最原は「僕は動こうと思う」と力強く言った。
続けて、赤松の耳元で「今朝…食堂に来る前にカードリーダーの埃が落ちているのを見つけたんだ」と囁いた。
カードリーダーの埃が落ちていたという事は、誰かが図書室の隠し扉を開けたという事。
最原には何か考えがあるようだった。
それが何かは分からなかったが、赤松は最原に協力を申し出る。
ひとまず、考えを聞く為に赤松は最原と一緒に食堂を出た。

図書室に到着した最原と赤松。
到着早々、最原は本棚を動かしカードリーダーを出現させる。
赤松が確認すると、確かに埃は無くなっていた。
最原は昨日の夜時間直後にも、図書室にやって来て埃があったのを確認している。
しかし、今朝来た時には埃は落ちていた。
小さな埃が、夜時間の間に誰かがここへ来て、隠し扉を開け中に入ったという状況証拠となる。
最原はそこから、このカードリーダーの埃が落ちていた事と、先程のモノクマの復活は関係しているのではないかという仮説を立てた。
隠し扉の向こうには、モノクマのスペアを作る機械があって、夜時間の間に誰かがモノクマのスペアを作ったと考えるとモノクマの復活も説明がつく。
それから、最原はもう一つ気になっている事があった。
モノクマが言った「2日後の夜時間までに殺人が起こらなかった場合、コロシアイに参加させられた生徒は全員死亡」という言葉。
シンプルに『全員死亡』ではなく、わざわざ「コロシアイに参加させられた生徒」という言い回し。
その理由は恐らく、『参加させられた』訳ではなく、自分の意志で『参加した』人間が混じっているからだと最原は推測する。
そして、その人物こそモノクマの裏で動いている、コロシアイの「真の首謀者」なのではないか。
ただ、最原にとっても現段階では「推理」の範囲を超えておらず、確定的な証拠があるわけでもない。
モノクマの裏にいる首謀者が、超高校級達の中に居るとなれば、首謀者探しが始まり、結果としてコロシアイに繋がってしまう可能性がある。
だからこそ、この事は赤松にしか話していなかったのだ。
そして、最原はタイムリミットの直前、恐らくこの図書室に現れるであろう首謀者を突き止めようとしている。
それも、モノクマが先程言っていた「モノクマ製造機から大量のモノクマを大解放する」という言葉から、最原はそう考えていた。
隠し扉の奥にモノクマ製造機があるであろうという仮説から導き出した最原の推理を赤松は大人しく聞いていた。
ただし、もちろん確実な話ではない。
首謀者が来ない可能性もある。
しかし、それでも何もしないで死ぬよりかはずっとマシ。
最原は、そう考えてこの可能性に賭けようとしていたのだ。
全てを聞き終え、赤松も「私も一緒に首謀者を暴くよ!」と協力の意思表示をした。
「私を信じてその話をしてくれた最原くんを、私も信じる」と赤松は最原に笑顔を向ける。
その後、念の為またカードリーダーに埃を挟み、二人は図書室を後にし、眠りについた。

夜が明け、タイムリミットまであと一日となった。
赤松は昨日の最原の話を思い返し、準備等が必要なのかと逡巡していた。
すると、タイミング良く赤松の部屋のインターホンが鳴る。
最原かと思い、意気揚々とドアを開けた先に居たのはモノクマだった。
赤松は思わず悲鳴を上げ「な、なんの用!?」と警戒した。
モノクマは「ようやく研究教室が開放されたから、オマエラに教えてやろうと思ってさ」と言った。
この才囚学園に来たばかりの頃、赤松と最原が見つけ、モノクマーズが「まだ準備中」と言っていた研究教室が開放されたらしい。
そしてモノクマは「ところで、せっかくだからちょっと上がってお茶してっていい?」と呑気に赤松に言った。
赤松は「ダメに決まってるでしょ!」と言い、強引にモノクマを部屋から締め出した。
その直後、再びインターホンが鳴る。
またモノクマかと思った赤松は「いい加減にしてよ!しつこいんだけどっ!」と乱暴にドアを開けた。
そこに居たのは、今度こそ最原で、赤松の怒りの声を受け、思わず「あ…ごめん。出直した方がいいかな?」と謝った。
赤松も「あ、最原くん…ごめん。今のは忘れて」と謝った。
お互いに明日のタイムリミットに向けての打ち合わせについて話をしようと仕切り直した。
最原は図書室にカメラを仕掛ける事を赤松に説明する。
カメラを仕掛ける目的の一つとしては、首謀者に見つからないようにする為。
首謀者が現れた際、自分達が図書室に隠れていては見つかる可能性がある為、カメラで様子を窺うという事だ。
もう一つの目的は、他の超高校級達にも分かりやすい決定的な証拠を手に入れる事。
いくら自分達が「首謀者を見た」、「首謀者は誰々だった」と口で説明した所で、証拠がなければ信じてもらう事は出来ないだろう。
そして学園内の倉庫にカメラと防犯センサーが置いてあるらしい事を最原は続いて説明した。
カメラとセンサーを組み合わせて改造し、「自動で人の動きを感知して撮影するカメラ」を作る狙いが最原にはあった。
そうすれば、首謀者に見つかる事なく、決定的な証拠が手に入る。
カメラの改造は、「超高校級の発明家」である入間に頼もうとしていたが、最原は入間の乱暴で下品な言葉遣いが苦手である為、赤松に依頼をお願いする。
ただし、入間が首謀者の可能性も無くはない。
計画の話はせずに改造をしてもらう方向で話を進める事とした。

入間は食堂のイスにふんぞり返って座っていた。
挨拶をし、さっそくカメラの改造を依頼する赤松と最原。
当然、「んなモン、何に使うんだよ?」と入間は聞く。
最原は「えっと…モノクマの見張りだよ。あいつらを監視して…何か情報を掴めないかと思って」と説明した。
「なるほど、分かったぜ」と言うが、入間は「答えはノーだ」と秒速で断った。
続けて「凡人がオレ様に頼み事なんで図々しいんだよ!今回は特別に許してやるからオレ様の前から消えろ!」と赤松達は言われてしまった。
しかし、引き下がる訳にも行かない赤松はその場に跪き、入間に頼み込んだ。
「私はどうしてもみんなでここから出たいんだよ。その為には、入間さんの協力が必要なの。だから…お願いだよ!」と必死に頼む赤松。
その姿を見て、最原も同様に入間に頼み込んだ。
二人の気迫に押され、入間も最後には「わ、わかったよぉ…やれば…いいんだろ…」と引き受ける事となった。
お礼を言う赤松に、入間は「べ、別に…オメーらの為じゃねーよ。ちょうど、中庭にあるオレ様の研究教室が開放されたから…」と少々照れながら答えた。
そして、自分の研究教室にカメラとセンサーを持ってくるように言って、入間は去って行った。
入間の気が変わらないうちに、早速赤松と最原は倉庫へカメラとセンサーを取りに行った。

カメラとセンサーを取りに倉庫にやってきた赤松と最原。
最原は「僕が取ってくるから、赤松さんはここで待ってて」と言い、倉庫の奥へ行った。
その間、暇になった赤松は近くにあった木箱の中に、砲丸投げで使うような鉄球が入っているのを見つけた。
試しに一つ手に取ってみると、ずっしりとした重みが伝わってきた。
そうこうしているうちに、使い捨てカメラ3台とセンサー、センサーの受信機を持った最原が戻ってきた。
カメラ等、荷物を赤松のリュックに入れた。
赤松は、荷物を入れている途中で、カメラで首謀者を見つけたその先の事を心配していた。
仮に首謀者が分かったとして、首謀者が開き直り、エグイサルを持ち出されたら、結局全員死亡という結末は同じになってしまう。
計画が進むにつれ、本当にこの計画でいいのか、みんなで一緒にここから出られるのか、赤松は考え込んでいた。
しかし、他に手がないのも確かだ。
最原に呼ばれ、赤松も続いて倉庫を後にした。

中庭に出て、入間の研究教室までやってきた二人。
入った瞬間、入間に「おせーぞ、可燃ブス!天才の1分1秒を無駄にしてんじゃねーよ!」と罵声を浴びせられる赤松。
しかし、赤松はいつもの事だからと、入間の暴言をスルーしつつ、倉庫から持ってきたカメラとセンサーを渡した。
最原は「ただ、1台だけ『防犯センサーの機能を残したまま、それと連動して撮影するカメラ』を作れないかな?」と入間に追加でお願いをした。
つまりは、センサーが動きを察知した際、受信機のブザーも鳴り、カメラ撮影もされるという高度な改造だ。
隠し扉のある、動く本棚に取り付ける事で、誰かが本棚を動かした際に分かる仕掛けが出来るという事だった。
そして、最原は「今お願いした事も含めて、細かい注文はここに書いておいたよ」と、設計図のような紙を入間に渡した。
「センサーが感知して自動で撮影するカメラが2台と、センサーが感知すると、受信機のブザーが鳴るのと同時にカメラの撮影が行われる仕掛けか」と入間は改めて設計図を確認した。
「明日の朝までに…お願いできるかな?」と控えめに言った最原だったが、そこは「超高校級の発明家」、「ぶっ楽勝だっつーの!」と入間は言い、二人を締め出し、作業に取り掛かった。
あとは入間の作業が終わるのを待つだけ。赤松と最原はそれぞれ自室へ戻りそれぞれの時間を過ごした。

遂にタイムリミットの朝を迎えた。
赤松は気合を入れる為に、自分の両頬を叩き、ベッドから飛び起きた。
そして、今日の計画について再度話す為に最原の部屋へと向かう赤松。
インターホンを押しても返事がない。
タイムリミットの朝だけに、まさか最原が殺されてしまったのではないかと不安を抱え、赤松はインターホンを何度も鳴らした。
何度目かのインターホンで、ようやく最原が出てきた。
トイレに行っていて出るのが遅くなったらしい。
二人は早速、改造カメラを受け取りに入間の元へと向かった。
その途中、アンジーから食堂で誰かがケンカをしているという情報が入る。
放っておけない赤松は、入間の元へ行くのを最原に頼み、自分は食堂へ向かう事とした。
お互いに用事が済んだら、「地下への階段の横にある教室」で待ち合わせする事に決め、それぞれ目的の場所へ向かった。
赤松が食堂に着いた時には、天海、星、東条、真宮寺が居た。
天海が赤松を見つけると「赤松さん…ちょうど良かったっす。いやー、参ったっすよ。星君が急におかしな事を言い出して」と困った様子で言った。
星は「おかしな事…か。俺は提案をしているだけだぜ?…少しでも多くの人間が生き残れるようにな」と真面目な顔で言った。
このままタイムリミットを迎えれば全員死亡、それを避ける為にはもうコロシアイをするしかない。
それは星が言わずとも、全員が抱えていた問題だ。
そして、星は「…俺を殺せばいい」とただ静かに言った。
「俺には…どうしても生きなくちゃならねー理由なんてもうねーからよ。この命を譲ってやる」と星は続けて言う。
本来ならば、星も全員での脱出をしたかった。
だから、このタイミングまで待っていたのだ。
しかし、状況は何も変わらなかった。
赤松の言う理想論を振り回している場合ではない事は誰の目にも明白だ。
そこで星はみんなが出られる道として、自分を殺すように提案をしたのだ。
確かに、ここで星を殺した場合、殺した人間は無条件で外に出られ、他の超高校級達もタイムリミットを乗り切れる。
更に、外に出た超高校級が助けを呼び、残った人間はその助けを待てばいい。
「どうだ、他の手があるなら聞きてーもんだな?」と最後に星は言った。
黙るしかない赤松。
いっそ、最原の計画を話してしまおうかと思ったその時、天海が「そんな事する必要ねーっすよ」と割り込んだ。
続けて「星君がそんな事しなくても、俺がこのゲームを終わらせるんで。もう…覚悟は決めたっす」と言い切ったのだ。
東条は「どうやって終わらせると言うの?タイムリミットは今晩なのよ?」と天海に尋ねる。
しかし、天海は「詳細は言えない」と言い、その場を去って行った。
星も、ひとまずは提案を取り下げると言って、食堂を出て行った。
天海の言う「このゲームを終わらせる方法」は何か分からなかったが、場が落ち着いた事もあり、赤松は最原との待ち合わせ場所へ向かった。

赤松が教室に着いた時には、既に最原が待っていた。
入間が徹夜で作業をしてくれていたお陰で、カメラはきちんと完成していた。
使い捨てカメラだったが、フィルムの巻き上げが自動だったり、巻き上げ音やシャッター音も消してある代物だ。
毒舌で何だかんだと言っていた入間だったが、その仕事ぶりはさすが「超高校級の発明家」という物だった。
最原は「じゃあ、これを図書室に仕掛ける前に、この教室の説明もしておくね」と話を切り出し、「カメラを仕掛けた後の見張り場所なんだけど、僕はここがいいと思っているんだ」と続けた。
地下へ続く階段の横にあるこの教室ならば、扉を少し開けておけば地下に行く人間が見張れる。
更には、この教室には、他の教室にはない図書室と繋がった通気口が存在している。
通気口からは本の匂いが漂ってくる。
だからこそ、最原はこの教室を見張り場所に選んだのだ。
一通り、教室の説明について話し終わった最原は「そろそろカメラを図書室に仕掛けに行こう」と言い、教室を出た。

図書室に着き、動く本棚、正面の扉、奥の廊下に面している裏口扉にカメラを設置した。
「通気口の部分にはカメラつけなくていいの?」と聞く赤松に、最原は「僕たちがあの教室を見張ってるから大丈夫だとは思うけど…」と微妙な返事を返す。
「見るだけ見ておこうよ」と言って、赤松は置いてあった脚立を動かし、通気口を調べてみる事にした。
脚立の一番上まで登ったところで、ようやく通気口に辿り着いた。
意外に高さがあり、少々怖い印象を受ける。
通気口を調べると、フタは簡単に外れた。
通気口自体は人間が通るには厳しいようだった。
また、通気口の周りにも本が山積みにされている為、仮に通気口を通ってきたとしても身動きは取れない。
念の為、赤松は更に人が通りにくくなるように、通気口付近に本を重ねて置いた。
脚立から下りてきた赤松は「この計画なら、きっとみんなを守れるよ!」と目を輝かせた。
そして、ようやくカメラの設置を手分けして取り掛かる2人。
赤松は、「途中で取れたら困るから念入りに固定した方がいいよね」と、ガムテープでしっかりと固定した。
最後に、カメラのセンサーの電源を入れ、二人は図書室を後にした。

教室まで戻ってきた赤松と最原。
あとは、タイムリミットと首謀者が現れるのを待つだけとなった。
「受信機は僕なんかより、赤松さんが持っていてくれない?」と言う最原だったが、赤松は「キミの計画なんだし、私は最原くんを信じてるから」と断る。
そして赤松は「ちょっと時間があって良かったかも。最原くんとは話をしておきたかったんだ」と切り出した。
赤松は「余計なお世話かもしれないけどさ、最原くんは「僕なんか」とか言わないでもっと自信を持っていいんじゃない?」と言った。
続けて「だって、キミはあの『ギフテッド制度』に選ばれた『超高校級の探偵』さんなんだよ?」と赤松は言った。
しかし、最原は「ううん、僕は『超高校級の探偵』には相応しくない。だって…探偵ですらないんだから」と目線を落とした。
そして「僕は別に…探偵になりたかった訳でもないんだ」と続けた。
伯父が探偵事務所をやっていた関係で、たまに助手として手伝っていた最原。
普段は浮気調査や素行調査がメインで、大きい案件はなかった。
そんな中、最原がたまたま殺人事件に遭遇した際、たまたま警察よりも先に事件を解決した事があった。
そこで警察から表彰を受け、「少年探偵」として話題になり、ギフテッド制度に選ばれ、「超高校級の探偵」となったのだ。
たった1度、たまたま事件解決しただけで「超高校級の探偵」となってしまった事に、最原は納得が行っていない様子だった。
赤松はそう言う最原に対し「でも、殺人事件を解決させちゃうなんて凄いよ。普通は出来る事じゃないもん」と言った。
しかし、それでも最原は「未だに本当にあの事件を解決して良かったのかって」と後悔を抱いていた。
最原が解決したその事件の犯人は、家族の復讐の為に殺人を犯したという経緯があった。
被害者は、犯人の家族を騙して自殺に追い込んだ最低の人間だったのだ。
その犯人を最原は暴いてしまい、結果的に被害者の味方をしてしまった。
警察に連れられて行く時に、犯人が最原に向けた目は、激しい憎しみが込められていた。
「その目は、今でも忘れられない」と最原は言った。
その事件から、最原は「超高校級の探偵」でありながら「真実を暴く」事が怖くなってしまっている。
また、犯人のあの憎しみのこもった目を忘れられない事から、今でも人の目をあまり見る事も出来ない。
最原は小刻みに手を震わせながら、自分の過去をそう話した。
赤松は震える最原の手を握り「ここにピアノでもあれば、キミを励ます曲が弾けたんだけどね」と言った。
最原は赤松の手も震えている事に気付く。
赤松は「あ、わかっちゃった?私も実は震えてるんだよね。でも、最原くんがいなかったら、もっと震えてたと思う」と笑った。
続けて「…私は最原くんがいてくれて良かったよ。最原くんがいなかったら、何も出来なかった。私はキミを信じてるからさ、キミも自分を信じてあげてよ」と励ました。
最原は「出来るかわからないけど…やってみる」と、先程までよりは自信が持てた様子だった。

第1の殺人

天海の死亡

それからしばらく他愛もない会話を続けていた赤松と最原。
タイムリミットの夜時間が近づいた頃、学園中のモニターから不気味な音楽と、殺人を助長させるような映像が流れ始めた。
さっさとコロシアイをしろという、モノクマからのメッセージだろう。
例のごとく、怒りを露にする赤松に、「待って、赤松さん…廊下から話し声がする」と最原は言った。
二人は耳を澄ませ、ドアに近付き廊下の様子を窺った。
そこには百田、ゴン太、春川、転子、アンジー、夢野、天海の姿があった。
揃って地下への階段を下りているところだ。
予想外の人数の移動に驚く最原。
もしも、あの大人数で図書室に行くつもりならば、首謀者が隠し部屋に入るのを断念する可能性が出てくる。
最原は地下に行って様子を見に行く事にし、赤松にこの教室を見張っているよう頼み、教室を飛び出した。
1人になった途端、緊張感や恐怖が一気に押し寄せ、気が気じゃなくなる赤松。
じっとしていられず、赤松は教室の片隅にあったホウキで意味もなく掃き掃除をし、最原が戻ってくるのを待った。
戻ってきた最原は、掃除をしている赤松を不思議そうに見ていた。
そして、地下に行った人々はゲームルームに入って行ったらしく、図書室は問題なかったようだ。
モニターには相変わらず不気味な映像と音楽が流れていて、「皆殺しまであと1時間」という文字も加わっていた。
少々焦りが出てきた二人。
すると突然、最原の持っていた受信機が音を立てた。
誰かが本棚を動かした合図が鳴り、最原は「行こう、赤松さん!」と一目散に教室を飛び出した。
赤松は、慌てて手に持っていた物を放り投げると、最原の後を追った。

地下に下り、図書室の扉を開けようとすると、百田と転子に声を掛けられた。
先程地下に下り、ゲームルームに入って行ったメンバーで作戦会議をしていたようだ。
しかし、今は一刻も早く図書室に入らなければならない。
赤松は「そ、それより2人とも一緒に来て!図書室の中に「コロシアイの首謀者」がいるんだよ!」と百田と転子に言った。
状況は掴めていないようだったが、百田と転子も協力し、図書室の扉を開けた。
勢いよく中へ入り、動く本棚を目指した4人。
するとそこには、首謀者ではなく、血を流して倒れている天海の姿があった。

天海の変わり果てた姿を前に、状況が受け入れられない4人。
転子が悲鳴を上げると、何事かとゲームルームに居た4人が図書室に集まった。
最原が、天海の脈を確認し、死んでいる事を告げる。
いつの間にか、モニターに映っていた不気味な映像と音楽は止まっていた。
春川は「これって…コロシアイが始まったって事だよね?」と冷静に言った。
それに対し赤松は「待って、もしかしたらコロシアイには…ならないかもしれない。これで、終わりかもしれない」と不安げに言った。
赤松と最原は、タイムリミット直前首謀者がこの図書室に来ると踏んでいた。
なぜ天海が死んでいるのかは分からないが、このタイミングで図書室に来ていたという事は天海が首謀者の可能性が高い。
仮に天海が首謀者だったなら、コロシアイは続かない事になる。
と、最原と赤松が説明していると、校内放送が流れた。
モノクマが「死体が発見されました!オマエラ、死体発見現場の図書室まで急いで集合してください!」とだけ言い、映像は切れた。
すると、今度は図書室で「あー、良かった。タイムリミットギリギリで殺人が起きたね!」とどこからともなくモノクマが現れた。
モノクマを操っていた首謀者は天海だと思っていた赤松は驚いた。
それを聞いたモノクマは「ボクを操ってる黒幕が天海クンだって?あーあ、何を妄想っちまってるんだか!そんな訳ないじゃん!」と高笑いした。
首謀者でないなら、なぜ天海はこのタイミングで図書室に来たのか。
なぜ最原が持っていたブザーが鳴ったのか。
なぜ天海は殺されているのか。
突然の出来事に分からない事だらけで最原も赤松も、頭を抱えるしかなかった。
ひとまず、仕掛けておいたカメラの画像を見てみようと思い立ったその時、居なかったメンバーが図書室に集まり、全員集合となった。
東条は「それで、一体どういう事なの?誰か説明してくれない?」と冷静に言った。
するとモノクマは「初回特典を忘れたの?学級裁判は行われないから、説明も考えるのも無駄だよ」と言った。
そしてモノクマーズも現れ「早速、天海クンを殺したクロに名乗り出てもらいましょーか!」とモノクマが言った。
しかし、誰も手を上げない。
今回のクロは、このまま卒業が確定しているが、それでも誰も手を上げず、沈黙だけが流れる。
するとモノクマが「うぷぷ…そういう事か。どうやら、クロは初回特典なんていらないみたいだね。むしろ、学級裁判がやりたいんだね」と笑った。
結局、学級裁判の開催が決定され、自分達で捜査し、自分達で事件を解決しなければならなくなった。
また生徒達の中に疑心暗鬼の空気が流れ、疑い合いが始まった。
そんな中、最原は「たった1人の犯人の為にみんなが疑い合うなんて…そんなのバカらしいよ。そうじゃなくって、みんながお互いを信じ合う為に捜査しようよ」と全員に言う。
その場に居たほとんどが最原の意見に賛成し、それぞれで捜査を開始した。

捜査に動き出した生徒達に、モノクマは「モノクマファイル」という、モノパッドとは別のタブレット端末を渡した。
モノクマファイルの中には、死体に関する情報が正確に書かれているらしい。
モノクマファイルを確認すると被害者の情報、死因等の情報が出てきた。

・被害者は天海蘭太郎。超高校級の才能は明かされていなかった
・死体発見現場は本校舎地下1階にある図書室
・死亡時刻は夜9時10分頃
・死因は後頭部の外傷で頭蓋骨の陥没骨折による即死。他にこれといった外傷はない

ここまでがモノクマファイルに書かれていた内容であり、当然の事ながら天海が首謀者だったかの記述はない。
そして、天海の横には砲丸投げに使う砲丸が転がっていた。
恐らく、これが頭蓋骨陥没骨折を引き起こしたのだろう。
ひとまず、最原と赤松はこれまでの計画をその場に居る全員に説明した。
16人の中に首謀者が混じっている可能性がある事、首謀者を見つけ出す為に図書室に罠を仕掛けた事など、一部始終を全て話した。
内緒で動いていた事には「水臭い」と百田は言っていたが、結局はそれも誰が首謀者か分からない為に取った手段である事を言ったら納得していた。
そして、カメラに映った映像を現像しようという話になり、東条が現像を買って出た。
すると、モノファニーが現れ「現像はアタイがやるから、キサマラは捜査に集中して」と言い出したのだ。
当然、モノクマーズの一員であるモノファニーの言う事なので、怪しんでカメラを渡さずにいた最原。
しかし、モノファニーは素早い動作で最原からカメラを奪って行った。
そして「心配しなくても大丈夫。アタイ達は絶対にルールを守らなくちゃいけないから、不正なんてしないの」と言った。
「現像が終わったら教えるわねー」と最後に言ってモノファニーは去って行った。
カメラを取られた事に「油断していた」と落ち込む最原。
キーボやゴン太は「ルールは守るって言ってたし、きっと現像して返してくれる」と最原を励ます。
ひとまず捜査を始めなければ、何も始まらない。
単独行動は控えるようにし、生徒達はそれぞれ捜査を開始した。

捜査をしながら、生徒達のアリバイ等も確認していた赤松と最原。
しばらくしてから、校内放送でカメラの現像が終わったとモノクマーズからお知らせが入った。
「倉庫に集合」と言われ、赤松は一目散に倉庫へ向かった。
最原も慌てて赤松を追いかけた。
二人が倉庫に到着すると、モノクマーズも現れ、いつもの茶番を繰り広げ、写真を置いて居なくなってしまった。
その後、全員が倉庫へ集合し、早速写真を見てみようという事になった。
封筒はいくつかに分かれており、まずは「正面扉」と書かれた封筒の中にあった4枚の写真を見た。
1枚目は、赤松、最原、百田、転子が図書室に入った時の写真。
2枚目は、その後に駆けつけたゴン太、アンジー、春川、夢野が入ってきた写真。
3枚目は、死体発見アナウンスを聞いて駆けつけた他全員の写真。
4枚目は、カメラを取り外す最原のアップの写真。
正面扉のカメラには、決定的な証拠は残念ながら写っていなかった。

次に「裏口」と書かれた封筒に入っていた2枚の写真を見た一同。
1枚目は、モノパッドを片手に図書室に入ってきた天海の写真。
2枚目は、1枚目同様カメラを取り外す最原のアップの写真。
ここまで見て、正面扉にも、裏口にも、首謀者が入ってきた様子は写っていなかった。

そして最後に、「隠し扉」の封筒を開け2枚の写真を確認した。
すると、1枚目に写っていたのは隠し扉のある本棚を動かしている天海の姿だった。
そして、2枚目はカメラに向かって手を伸ばす天海の姿が写っていた。
いずれにしても、犯人の姿や手がかりは一切写っていない。
どういう事なのか、訳がわからず、混乱する赤松。
そんな中、校内放送が流れモノクマが「学級裁判を始めるから中庭の『裁きの祠』まで来てくださーい」とアナウンスした。
仕方なく、全員は中庭の裁きの祠へ移動した。

学級裁判

裁きの祠の真ん中には噴水が設置されており、その中央にはマッチョなモノクマの像が置かれている。
調べると、モノクマ像が動き出し、噴水の水が引き、扉が出現した。
中はエレベータになっているようだ。
全員が乗り込むと、エレベータは動き出し、地下へと向かった。
深くまで潜った後、ようやく止まったエレベータが開くと、そこは裁判場のような装いの部屋だった。
そこにはモノクマとモノクマーズが控えていて、モノクマは「オマエラの名前が書かれた席があるから、まずはそこに着席してもらえるかな?」と言った。
円状に設置されている席に全員が着席し、いよいよ学級裁判が幕を開けた。
クロを探し出す議論をしていかなければならないが、何から話せばいいか戸惑う面々。
そんな中、真宮寺が「僕から議題を提供しようか?」と話を切り出した。
続けて「ずっと疑問に思ってるんだけどサ…犯人は初回特典で外に出られたにも関わらず、なぜそれをしなかったんだろうネ?」と言った。
よっぽど学級裁判がしたかったのか、それともモノクマを操っている首謀者が犯人だからなのか。
いずれにしても、すぐに答えが出る問い掛けではなかった。
そこで最原は「とりあえず事件の状況を整理するところから始めない?」と提案した。
天海が死んだ状況を振り返り、まずは何が問題かを考えていく方法だ。
図書室で死んでいた天海。
なぜ天海は一人で図書室に行ったのか、やはり天海が首謀者だったのか。
議論がされる中で、赤松は「やっぱり天海くんは首謀者じゃないと思う!」と言った。
赤松がそう言う理由は、天海が隠し扉を開けるカードキーを所持していなかったから。
首謀者ならば、隠し扉を開けるカードキーを持っているはずという事だった。
天海を殺した後、犯人が持ち去ったという線も考えられたが、写真を見る限りでは、天海はカードキーを持っていなかった。
そして、天海が首謀者ならばコロシアイが終わるはず。
現在も続いているという事は、やはり天海は首謀者ではないのだろうという結論に至った。
しかし、次に問題になってくるのは、なぜ天海が隠し扉の存在を知っていたかという事。
星は「首謀者にこっそり教えてもらったんじゃねーか?図書室に天海をおびき寄せて殺す為に」と推測する。
それに続いて真宮寺が「そう考えると辻褄があうネ…そして、首謀者なら赤松さん達の罠の事を知っていても、不自然じゃないからネ」と言った。
驚く赤松に、真宮寺は「ほら、今回の事件が完全犯罪みたいになってるのは、君らの隠しカメラのせいとも言えるでしょ?つまり、首謀者はキミらの罠を知った上で犯行に利用したんじゃない?」と説明した。
完全犯罪となると、この学級裁判は解決出来ないのではないかという空気が場に流れる。
赤松は「ちょっと、諦めるのが早いって!みんなで協力して首謀者を見つけようよ!そうすればコロシアイだって終わるんだよ!」と訴えた。
それに対し、王馬は「でもさ…みんなで協力って割には、オレらの中に首謀者がいるって疑ってるんだね…?」と赤松にとって痛い質問を投げかける。
赤松は視線を落とし「わかってるよ…酷いってことくらい。だからこそ、終わりにしたいんだよ!こんな酷い事はさ!」と再度全員に訴えかけた。
すると王馬は笑って「たとえ『残酷な真実』が待ってても立ち向かう覚悟はできてるみたいだね。だったら、さっそくその『残酷な真実』を叩き付けちゃおうかなー!」と言った。
王馬は「実はオレ、分かっちゃったんだよねー。天海ちゃんを殺した犯人がさ」と続けて言う。

赤松達の罠を知っていたのは、すなわちカメラの存在を知っていた人物。
王馬が犯人として名指ししたのは入間だった。
カメラを作った入間ならば、カメラの死角も当然分かっていた。
だからこそ、カメラに写らず天海を殺す事が可能だと王馬は推測していた。
しかし、入間は頼まれた物を作っただけであり、図書室に仕掛ける事も知らなかった。
それでも王馬は「そんな怪しいカメラを作ってって言われたら何に使うか確認すると思うけどなー?」と追い打ちをかける。
だんだんと入間が犯人なのではないかという疑いが広がる。
赤松はその空気を覆そうと、「入間さんは図書室に行ってないよ!」と言った。
それに同意するように真宮寺が「殺人が起きた時間帯、入間さんはずっと食堂にいたからネ。僕は食堂で最後の晩餐をしていた時、それを見ているんだ」と言った。
入間のアリバイは、真宮寺の証言により保証されたのだ。
そして「ついでに言っておくと、食堂には他に白銀さんと東条さんもいたヨ」と真宮寺は付け足した。
ずっと一緒ではなく、白銀は途中でトイレに立ったらしいが長い時間ではなかったらしい。
これにて食堂にいた真宮寺、入間、白銀、東条のアリバイは立証された。
次に容疑者として浮上するのが、事件直前地下に向かっていった百田、ゴン太、春川、転子、夢野、アンジーだ。
しかし、それぞれが容疑のなすりつけ合いで「自分は違う」と言い張っている。
作戦会議の途中で抜けたのは天海だけではなく、ゴン太も抜けたという話になった。
ゲームルームの奥にはAVルームがあり、ゴン太はそこで鍵を掛けて虫の映像を見ていたらしい。
アリバイが無ければ容疑者にされてしまう。
おまけに、AVルームには廊下に面している引き戸があり、そこから出ると図書室の裏口にすぐ行けてしまう。
ゴン太が容疑者にされそうになっているところを、赤松は矛盾をつく。
「捜査の時に分かったんだけど、AVルームの引き戸は建て付けが悪くて、少ししか開かなかったんだ」と説明した。
続けて最原が「それと、引き戸を無理矢理こじ開けた形跡もなかったよ。レールには埃が溜まってたからね」と付け足す。
引き戸が使えないとなると、ゴン太が図書室に行く為には、他のメンバーがいたゲームルームを通る事が必須になる。
しかし、ゲームルームに居た面々はAVルームから出て来るゴン太を見かけていない。
となると、やはりゴン太は犯人ではないという事になる。

そして結局のところ、殺害方法と容疑者が分からない、ふりだしに戻ってしまった。
お手上げムードが漂う中、赤松は再度色々な状況を思い出そうと提案する。
仮に天海が首謀者に騙されて図書室に行ったのならば、天海と首謀者が会話しているのを見た人間が居るかもしれない。
他にも首謀者が、赤松と最原の計画を知っていたのならば、どうやってそれを知ったのか。
小さな事でもなんでもいい、首謀者に辿り着く手がかりを思い出せば、真実が分かるかもしれない。
するとアンジーが「でもでもー、本当に犯人って首謀者なの?」と質問を投げかける。
「なんで?」と聞き返す赤松に、アンジーは「だったら、犯人が図書室に入った方法は、さっき神さまが言った方法で間違いないね」と得意げに言った。
続けて「アンジーが代弁してあげる。犯人が首謀者なら、カメラに写らないで図書室に入る方法があるって」と言った。
アンジーは、天海が来る前に隠し扉の中に隠れていたと主張する。
しかし、赤松と最原はカードリーダーに埃を挟む仕掛けをしていた。
事件後確認した際には、埃は残っていたのだ。
つまり、事件当時誰も隠し扉を開けていないという事だと説明した。
しかし、今度は星が「いや、カメラが仕掛けられる前から、犯人が図書室に隠れていた可能性はまだ残ってるぜ…」と反論する。
星は、犯人は図書室に最初から居て、天海を殺した後、再度図書室に潜み、他のメンバーと合流したと考えていた。
ただし、その推理は現像された写真を見れば一目瞭然だ。
全員が駆けつけた写真が、証拠としてきちんと残っている。
結果、やはり犯人がどうやって図書室に入ったのか分からない状況が続いた。
すると突然入間が「閃いちまったぞ!犯人は図書室の扉から出入りしたんじゃねーか?」と今まで散々否定されてきた事を言い出した。
キーボが「あの…今までの話は聞いていましたか?扉から入ったら、写真に写ってしまうんですよ?」という当然の否定をした。
しかし、入間は「んなモン、『カメラのインターバル』を狙えば、カメラに写らねーで出入りできんだろーが!」と意気揚々と言った。
「カメラのインターバル」という初耳の情報に、赤松は「何の事?」と聞く。
入間は、当然知っているだろうという体で「あのカメラは1度シャッターが下りると次に撮影できるようになるまで30秒かかるんだ」と言った。
赤松は「初耳だよ!もっと早く言ってよ!」と怒った。
すると入間は「なんだよぉ…改造カメラを渡す時に言ったっつーの。そこの帽子を被った童貞にな…」と、最原には伝えていた事を明かした。
最原は「あ…ごめん…言い忘れてたみたいだ…」と曖昧な返事をした。
「言い忘れていた」という言葉に「嘘くさいよね?」と王馬や真宮寺は疑いの目を向けた。
しかし、ひとまず、最原が言わなかった事が故意かミスかは後回しにし、「インターバルの話をしよう」と星が話を進める。
シャッターが下りた後、次にシャッターが切られるのは30秒後。
30秒あれば、図書室に入るどころか、天海を殺し、逃げる事も可能になってくる。
それならば、犯人は、インターバルの事を知っていた人物ではないかと話が進む。
入間は、先程の真宮寺の証言からアリバイが成立している。
となると、他にカメラのインターバルを知っていたのは最原のみだ。

赤松は「最原くん…違うよね…?」と問い掛けるが、最原は沈黙し何も答えない。
ますます、みんなの疑いは最原へ向いて行く。
赤松はそれでも「最原くんは、私と一緒にずっと教室で見張りをしてたんだよ?その最原くんが、いつ天海くんを殺したって言うの?」と、最原の犯人説を否定する。
しかし、春川の「本当にずっと一緒だったの?見張りの最中ずっと一緒に離れなかったの?」という鋭い質問が赤松に刺さる。
7人が地下に向かっていくのを見かけた時、確かに最原は一人で地下に下りて行った。
赤松に見張りを頼んで。
ますます深まる最原への疑惑。
しかし、赤松はめげずに「でも、防犯センサーのブザーが鳴ったのは最原くんが教室に戻ってきた後なんだよ?その時、まだ天海くんは生きていたのが写真に写ってるじゃん!」と反論する。
そこへ王馬が「ねぇ、赤松ちゃんに確認なんだけどさ…その防犯センサーを動く本棚に取り付けたのって最原ちゃんだったりしない?」と怪しく笑った。
確かに、王馬の言う通り動く本棚にセンサーを取り付けたのは最原だった。
そして、赤松も最原がしっかりとセンサーを付けている所を見たわけではない。
王馬は、その防犯センサーを取り付けたという言葉自体が最原の嘘なのではないかと主張する。
最原は相変わらず黙ったままだ。
しかし、動く本棚を開けている天海の写真が撮れている事から、防犯センサーは取り付けられている事が証明されている。
王馬はあっさりと間違いを認めた。
それでも、やはりみんなの疑いの目は最原に向いている。
防犯センサーを持っていたのが最原ならば、自分のタイミングでオンオフの切り替えが出来たのではないか、という新しい疑惑が持ち上がっていた。
赤松は必死に「違う」と言い続けるが、当の最原が何も言わない限り、疑いが晴れる事はない。
赤松は、最原が何も言わないのであれば、自分が「嘘をついてでも何とかしなければならない」と考えていた。
そこで、「実は…私なんだよね。防犯センサーの受信機を持っていたのって…」と嘘の証言をした。
今までの推理を根本から覆す赤松の発言に戸惑いを隠せない面々。
そんな中、王馬は「なーんか、赤松ちゃんの発言嘘っぽいんだよねぇ。ほら、オレって嘘つきだから、嘘をついてるヤツの事がわかっちゃうんだよ」と言った。
最原が犯人だというメンバーと、まだ最原が犯人だと決めつけるには早いというメンバーで、意見は真っ二つに割れた。
それでも赤松は、最原は犯人ではないという主張を続け、ゴン太や百田もそれに同意した。
そして、赤松は最原が黙っているのは、犯人だからではなく、何かに気付いたからではないかと指摘する。
「真実を暴くのを怖がらないで言ってよ。キミや私だけじゃなくて…みんなの為にさ…」と赤松は最原に訴えかける。
最原は、赤松の言葉を受け、ようやく口を開いた。
最原がずっと気になっていたのは、隠し扉を狙ったカメラで撮影された、天海が殺される直前の写真だった。

真犯人

写真を見る限りでは、天海がカメラの存在に気付き、カメラを取り外そうとしているようだった。
最原の推理では、隠し扉を出現させていた写真の時点で「なんらかの理由」があり、天海はカメラの存在に気付いたのだろうという事だ。
そして、最原が無口だったのは、その「なんらかの理由」を考えていた為だった。
その答えは、写真にも写っている通り、カメラのフラッシュが光ったからだろう。
最原がカメラを取り外す際に写ってしまった写真とは、人物の光の当たり方が明らかに違っていた。
なぜフラッシュの機能が残っていたのか。
赤松はその問いに答えるように「本棚を動かした人物をあのカメラがある位置までおびき寄せる為…だよね」と言った。
続けて「その為に、カメラのフラッシュを入れておいて、あえてカメラに気付かせたんだよ。そして、実際その通りになったよね」と話した。
その様子を見て、百田は「赤松…お前なんかさっきから変じゃねーか?」と疑問を持っていた。
続いて真宮寺が「今の君の発言には、何やら確信めいたものを感じるヨ…」と言い、転子が「もしかして、犯人がわかったんじゃないですか?」と言った。
赤松は困ったように笑って「…うん、わかったよ。ていうか、本当はずっと前からわかってたんだよね」と言った。
天海を写したカメラのフラッシュを入れられるのは1人しかいない。
そう、あの場所のカメラの設置をした赤松だけだ。
最原がずっと黙っていたのは、途中からその事実に気づいてしまったから。
そして、天海をあの場所におびき寄せ、殺した犯人が赤松だとわかってしまったから。
赤松は自分で首謀者を暴く事は叶わなかったが、「みんなで脱出する」という想いを心の中で最原に託し、最原もそれをわかっていた。

赤松からの悲しくも残酷な想いを受け取った最原は、犯人として赤松を名指しする。
「そんな訳ないじゃないですか!ねぇ、赤松さん!」と言う転子に、赤松は何も答えない。
まさか、本当に赤松が犯人なのか、という空気が流れだした時、赤松は「あははっ!冗談だって!」と明るく言った。
「え?もしかして、本当に私が犯人だと思っちゃった?嫌だなー、そんな訳ないじゃん」と続けた。
天海が殺された時、赤松は最原と教室で見張りをしていた。
「その後、図書室に行って初めて死体を確認した」という主張をする赤松。
そして「あんな重い砲丸で人を殴れる腕力が私にあると思うー?犯人っていうのは、最原くんの冗談だよ」と赤松は笑った。
それでも、真実を暴く事を怖がるのを止めた最原は「いや、冗談なんかじゃないよ。天海くんを殺したのは間違いなく赤松さんだ」と言い切った。
赤松は「だったら、教えてくれる?私があの砲丸で天海くんを殺した方法をさ」と、最原に真実を暴かせるように促した。
最原の推理としては、赤松が砲丸を使ったのは図書室ではなく、見張りをしていた教室。
1階の教室から地下の図書室へ砲丸を投げられる場所がある。
1階の教室に設置されていた通気口だ。
あの通気口は、図書室と繋がっている。
そして、通気口から出てきた砲丸は本棚の上を転がり、天海の頭上に落ちた。
赤松と最原が図書室を調べた時、赤松は脚立に上り通気口を調べていた。
その際、本を整理すると言っていたのだ。
砲丸を、任意の位置まで転がす為に。
そこで、入間が操作中、「自作のドローンで現場の見取り図を撮っていた」事が分かり、早速全員で確認した。
すると、通気口から一直線で天海の頭上まで本が並べられていた。

「仮に赤松が砲丸を通気口に放り込んだとして、いつ投げたんだ」という疑問が百田から上がる。
それに対しても最原は推理していた。
恐らく、赤松が砲丸を投げたのは教室を出て、地下へ向かう時だ。
教室を先に出たのは最原で、赤松には一瞬一人になる時間が出来ていた。
赤松は「あの時の事もちゃんと覚えてたんだ…さすがは「超高校級の探偵」だね」と認めるような発言をした。
しかし、百田は納得が行っていなかった。
あんなにコロシアイを否定していた赤松が殺人をするはず等ないと、最原の推理を否定する。
そして百田「図書室は静かだったはずだろ?砲丸がダクトを通ってたならすごい音が響いちまうじゃねーか!」と言った。
最原はそれに対し、「殺人が起きた時、「コロシアイを促すビデオ」が流れてたよね?だから、事件発生当時、図書室の中は静かじゃなかったんだ」と反論する。
実は、赤松の犯行は最原の目の前で行われていたのだった。
凶器となった砲丸も、カメラや防犯センサーを取りに行った倉庫でリュックに隠すように入れていた。
本を並べる時も、砲丸を投げる時も、全ては最原と一緒に居る時に行われていた。
しかし、東条は「でも、最原君を責める事はできないわ。彼女のどの行動も殺人に結び付く訳じゃないから、気付くのは難しいもの…」と最原を庇った。
そして王馬は「でも…それが真実だとしたら、こんなに悲しくて残念な事はないよ…あんなに『みんなで出よう』って言ってた人が、自分が助かりたいからって人を殺すなんて…」と言いかけた。
割り込むようにして最原は「違う。そうじゃない」と言った。
赤松は、モノクマに乗せられたからでも、自分が助かりたいからでもなく殺人を犯した。
本来、赤松がやろうとしていたのは「コロシアイの首謀者を殺すこと」だった。
コロシアイを終わらせる為に、何よりみんなの為に。
あのままタイムリミットが来てしまえば、首謀者も分からず、全員死亡だった。
だからこそ、赤松は首謀者を殺す為に行動をした。
そして赤松は「最原くん…せめてキミの手で終わらせてくれない?最後にキミの推理でこの事件の全てを明らかにして、それで終わりにしてほしいんだ…」と言った。
「それが…私からの最後のお願いだよ」と続けた。

最原も赤松の願いを受け取り「…わかった、僕が終わらせるよ」と事件の全貌を明らかにした。
事の発端は、モノクマが「追加の動機」を発表した時。
追加された、コロシアイのタイムリミットが結果的に引き金となってしまった。
そこから、団結してモノクマと戦おうとする者、それぞれの考えで独自に動こうとした者等、16人の行動は様々に分かれた。
最原も首謀者を見つける作戦を思いつき、赤松に協力を依頼した。
まさか、最終的に赤松が犯人になるとは、その時の最原に分かるはずもなかった。
その後、最原と赤松は図書室の隠し扉と、何者かが出入りした痕跡を発見。
恐らく、首謀者が中に入ったのだろうと予想し、首謀者の正体を掴む為、図書室に隠しカメラを設置。
タイムリミットが迫れば、モノクマを出動させる為に首謀者が図書室の隠し扉に訪れるだろうという考えのもとだった。
そして翌日、罠に使うカメラの改造を入間に頼む為、必要な材料を揃えに最原と赤松は倉庫へ向かった。
本来必要だったのは、使い捨てカメラと、防犯センサーのみのはずだった。
しかし、倉庫で赤松は凶器として利用出来る砲丸を発見した。
赤松は最原から受け取ったカメラをリュックに入れるのと同時に、砲丸も一緒にリュックに入れていたのだ。
そして訪れた、コロシアイのタイムリミット当日。
入間が改造したカメラを設置するべく図書室を訪れた最原と赤松。
図書室に着いてからすぐにカメラを仕掛ける場所の検討を始めた。
通気口を調べると言って脚立を登り、通気口のフタを斜めに立てかけ、更に本棚の上の本を整理するフリをして砲丸の転がる道を作った。
他にも赤松は防犯ブザーと連動した改造カメラにも細工を行っていた。
赤松は設置の際、カメラをガムテープでガチガチに固定し、フラッシュのスイッチを入れていた。
他のカメラを設置していた最原には、赤松の行動を気付く事が出来なかった。
カメラ設置後、1階の教室へ二人は移動し、地下に下りて行く人間の見張りをしながら防犯ブザーが鳴るのを待った。
見張りの途中で、地下に下りていく7人の姿を見かけている。
その中には今回の被害者である、天海の姿もあった。
そして、タイムリミットまで1時間を切り、コロシアイを促すビデオが流れた頃、防犯ブザーが鳴った。
最原は、首謀者が隠し扉に来たのだと思い、すぐに図書室へ向かった。
首謀者を暴こうとするが故に、赤松を置いて行ってしまう程、焦っていた最原。
最原が居なくなった教室で、一人になった赤松はリュックから砲丸を取り出し、教室の通気口へ投げ入れた。
防犯ブザーが鳴った時、図書室では天海が動く本棚を動かしていた。
しかし、同時に赤松が仕掛けていた殺人の仕掛けも動き出していた。
まずは、防犯ブザーと連動した改造カメラがフラッシュをたいて天海の姿を撮った。
その光により、天海は隠しカメラの存在に気づき、調べようと本棚に近付いた。
赤松はカメラの存在をフラッシュで知らせる事により、天海を凶器の通り道の先に誘導していたのだ。
砲丸はダクトを通り、図書室の本の通り道を通っていた。
殺人を促すビデオのせいで凶器が転がる音に、天海は気付かず、凶器は天海の頭上へと落ちて行った。
最原達が図書室へ駆けつけた時には、既に赤松の計画が終わった後だった。
天海の死体を確認した赤松は恐らく「首謀者は死んだ…これでコロシアイは終わる…これでみんな帰れる…」と思っただろう。
しかし、現実は残酷で、天海は首謀者などではなく、コロシアイが終わる事もない。
「みんなを救う為であり、首謀者を殺しコロシアイお終わらせる為」、それこそが赤松が今回の行動に踏み切った真実だ。

赤松が犯人である事に、百田やゴン太は信じられないという様子で愕然としていた。
東条は「確かに、信じたくない真実だけど、それでも最原君がすべてを明らかにしてくれたお陰で…少なくとも『今までの赤松さん』を信じる事は出来るわ」と言った。
殺人を犯してしまった赤松。
しかし、その根底には「首謀者を殺し、コロシアイを終わらせ、みんなを守る」という想いがあった。
この才囚学園に来てから、赤松がずっと言い続けてきた事だ。
その言葉に、一切の嘘はなかったのだ。
そして赤松は笑って「最原くんやるじゃん!さっきのキミは本当に頼もしかったよ」と言った。
最原は「赤松さん…なんでだよ…なんで周りのことばっかり考えるんだよ!」と涙ながらに叫んだ。
続けて「そうじゃなかったらキミは…こんな殺人なんて犯さずに済んだのに…」と言った。
赤松も涙を流し「ゴメン…ね…」と一言だけ呟いた。
モノクマが「はーい、ストーップ!そういうのは裁判の決着が付いた後にやってくれる?」と話に割り込んだ。
これから投票タイムが始まる。
それぞれの手元にあるスイッチで全員が犯人を決めるのだ。
結果は、満場一致の赤松で決定した。
結果を受け、モノクマは「まぁ、今更言うまでもないだろうけど、もちろん大正解でーす!」と高笑いした。
みんなで涙を流しながら結果を受け止めていたが、キーボは「赤松さん、教えてくれませんか?キミは何を思ってこんな事をしたのですか?」と問い掛けた。
赤松は話し始めた。
先程最原が言った通り、赤松は首謀者を狙っていた。
そうすればコロシアイが終わると思っていた。
タイムリミット直前でなければ、赤松も首謀者を「殺そう」とは思わなかった。
生かして捕らえる事も出来たはずだった。
しかし、タイムリミット直前で首謀者を捕まえたとしても、しらばっくれらりたり、開き直られたりしている間にタイムリミットを迎えてしまう可能性が高かった。
そうなってしまう事が不安で、赤松は首謀者を殺す事を選択したのだ。
赤松が「やるしかない」と決心したのは、カメラを図書室に仕掛ける直前だった。
「これがみんなを救える最後のチャンスかもしれない」と考え、赤松は行動に移した。
本当なら、天海の死体を発見し、首謀者ではないというのが分かった時点で赤松は罪を告白するつもりだった。
しかし、モノクマが設定した「初回特典」のせいで、罪を告白する事すら叶わなくなってしまった。
あの場で赤松が告白してしまったら、赤松のみが卒業出来てしまう。
助けたいと願っていた仲間を全員置いて。
告白出来なくなった赤松は「本当にみんなの為を思うなら、罪を告白して自分が楽になるよりも…みんなに嘘をついてでも前に進むしかない…」と考えた。
だからこそ、学級裁判を開き、そこで首謀者を見つけようとしていた。
最原は赤松の話を聞き、「首謀者がいるなんて言ったから…赤松さんを計画に巻き込んだから…だから、今回の事は全部僕のせいなんだ!」と自分を責めた。
しかし赤松は「違う、そうじゃないよ。だって、殺したのは私だよ?キミじゃないじゃん」と泣きながら笑った。
赤松を責める事は出来ず、赤松のお陰で生きられた他のメンバーはただ泣くしかなかった。
そして、痺れを切らしたモノクマが「はいはーい!そこまでー!お楽しみの「おしおきタイム」始めるよー!」と割って入った。
百田、ゴン太、転子はおしおきタイムという名の赤松の処刑を阻止しようとするが、モノクマーズがエグイサルを持ち出し、邪魔をする。
どこかに連れて行かれた赤松は、巨大なピアノの上で宙吊りにされながらピアノ演奏をさせられていた。

映像として見せられていた他のメンバーは、その場で呆然とするしかなかった。
今、目の前で起きた事が本当に現実なのか。
何も言えずに立ちすくむ最原に、百田の怒りの鉄拳が飛んだ。
百田は「テメーは、赤松の言葉を聞いてなかったのか!?あいつは…テメーを信じるって言ったんだぞ!テメーに自分の想いを託すっつったんだぞ!」と最原に叫んだ。
殴られたのと、百田からの言葉で思い直した最原は、赤松からの言葉を思い出していた。
「私はキミを信じてるからさ、キミも自分を信じてあげてよ」。
完全に立ち直れた訳ではもちろんなかったが、赤松が最原に託した想いを胸に、また歩き出す事を決めた。
みんなを救おうと犠牲になった赤松の為に、最原はこのコロシアイを仕組んだ犯人を必ず見つけ出すと誓った。

第2の殺人

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江ノ島盾子のイラスト・画像まとめ【ダンガンロンパシリーズ】

江ノ島盾子のイラスト・画像まとめ【ダンガンロンパシリーズ】

江ノ島盾子は『ダンガンロンパシリーズ』に登場する「超高校級」の才能を持つキャラクターの1人である。ボリュームのあるツインテールや赤い付け爪が特徴的で、当初は超高校級の「ギャル」として紹介される。しかしその正体は超高校級の「絶望」であり、超高校級の才能を持つ生徒たちに「コロシアイ」生活を強いた黒幕だった。

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モノクマのイラスト・画像まとめ【ダンガンロンパシリーズ】

モノクマのイラスト・画像まとめ【ダンガンロンパシリーズ】

モノクマは『ダンガンロンパシリーズ』に登場するクマのぬいぐるみである。右と左で色が分かれていることが特徴的。性格は陽気で残忍。「うぷぷぷぷぷ〜」という笑い方をする。超高校級の才能を持つ生徒たちに「コロシアイ」生活を強いた黒幕が操作しており、モノクマに危害を加えると爆発したり、おしおきと称して罰せられたりする。

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苗木誠のイラスト・画像まとめ【ダンガンロンパシリーズ】

苗木誠のイラスト・画像まとめ【ダンガンロンパシリーズ】

苗木誠は『ダンガンロンパシリーズ』に登場する超高校級の幸運の肩書を持つキャラクターである。やや引っ込み思案だが、人よりも諦めが悪く、どんな苦境に立たされても決して前向きな姿勢を失わないことから、『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の終盤では超高校級の希望と称された。また、超高校級の幸運とされるものの、作中では何かと不運に遭うことが多い。

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ダンロンのイラスト画像・壁紙まとめ【ダンガンロンパシリーズ】

ダンロンのイラスト画像・壁紙まとめ【ダンガンロンパシリーズ】

『ダンガンロンパシリーズ』は『 ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』から続くシリーズ作品である。ミステリー・推理要素が中心のゲームであり、公式ではジャンルを「ハイスピード推理アクション」と命名している。「超高校級」と称される才能を持った生徒たちが「コロシアイ」生活に巻き込まれるというのが、主なあらすじ・ストーリーとなる。

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pixivに投稿されたダンロンのイラストまとめ【ダンガンロンパシリーズ】

pixivに投稿されたダンロンのイラストまとめ【ダンガンロンパシリーズ】

『ダンガンロンパシリーズ』はミステリー・推理要素が中心のアクション要素を含んだアドベンチャーゲームで、アニメや漫画などにメディアミックス展開されるほど人気の作品である。イラストコミュニケーションサービスのpixiv(ピクシブ)にも数多くのダンロンキャラクターのイラストが投稿されている。ここではブックマーク数が多いイラストを厳選してまとめた。

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ダンガンロンパ1・2 Reloadの攻略情報、Wiki・公式HPなど役立つサイトまとめ

ダンガンロンパ1・2 Reloadの攻略情報、Wiki・公式HPなど役立つサイトまとめ

『ダンガンロンパ1・2 Reload』は『ダンガンロンパシリーズ』の作品で、1つのソフトに『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』と『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』の2つがまとまっている。単なる移植に留まらず、グラフィックがHD化されている他、『1』には追加要素として「スクールモード」が実装されており、作品をプレイしたことがある人も楽しめるような仕様となっている。 ここでは『ダンガンロンパ1・2 Reload』の攻略サイトやWikiを紹介する。

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ダンロンのおしゃれな壁紙・画像集【ダンガンロンパシリーズ】

ダンロンのおしゃれな壁紙・画像集【ダンガンロンパシリーズ】

『ダンガンロンパシリーズ』は超高校級と称される類まれなる能力を持つ生徒たちが「コロシアイ」生活に巻き込まれるゲームである。プレイヤーは殺人が起こるたびに現場を検証して証拠を集め、「学級裁判」にて犯人を暴かなければならない。その際に挿入されるアクション要素がかっこいいと評判である。ここではそんな『ダンガンロンパシリーズ』のおしゃれな壁紙・画像をまとめた。

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【ロトシリーズ】ドラゴンクエストI~IIIに登場する主人公パーティのキャラクターまとめ【DQ1・2・3】

【ロトシリーズ】ドラゴンクエストI~IIIに登場する主人公パーティのキャラクターまとめ【DQ1・2・3】

「伝説の勇者ロト」の子孫と竜王の苛烈な争い『ドラゴンクエストI』、Iから百年後の世界で三人のロト子孫が戦う『ドラゴンクエストII』。そして後に「勇者ロト」と呼ばれるようになった主人公の冒険を描いた『ドラゴンクエストIII』は、通称【ロトシリーズ】と呼ばれて親しまれている。本記事ではドラゴンクエストI~IIIに登場する主人公パーティのキャラクターを、画像と併せてまとめて紹介する。

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『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の被害者・生存者まとめ【ダンロン】

『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の被害者・生存者まとめ【ダンロン】

『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』では、超高校級の才能を持つ高校生たちが「コロシアイ」生活を強制されたことで、多くの殺人事件が起こってしまう。ここでは『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』で他の生徒に殺害された、または「学級裁判」にて殺人が暴かれて「おしおき」された登場人物・キャラクターを被害者として、無事に学園を脱出できたキャラクターを生存者としてまとめた。

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ダンロンの名言・名セリフ集【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】

ダンロンの名言・名セリフ集【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】

『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』はハイスピード推理アクションゲームである。「超高校級」と呼ばれる類稀なる才能を持つ生徒たちが「コロシアイ」生活に巻き込まれ、事件後に開廷される「学級裁判」にて殺人犯を特定する。作品名の通り相手の言葉の矛盾などを「論破」していくことに焦点が当てられており、各登場人物・キャラクターのセリフが重要な意味を持つ。

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