蒙恬(キングダム)の徹底解説・考察まとめ
蒙恬(もうてん)とは『キングダム』に登場する秦国の武将である。主人公・信(しん)と同年代の武官であり、「楽華隊(がくかたい)」隊の隊長である。秦国将軍・蒙武(もうぶ )の長男にあたる。若くして楽華隊を率いて多数の武功を挙げ、将来を期待されているが本人は大将軍になる気はないと発言する事もある。性格はお気楽な雰囲気を醸し出ているが、率いる楽華隊の戦術や武勇は非常に優れており、剣術に長けている。主人公の信(しん)の事を気にかけており、時に彼を庇い、時に彼と協力して戦功を上げて共に成長している。
胡漸(こぜん)は、楽華隊の副長であり蒙恬が幼いころからの教育係。蒙恬からは「じい」と呼ばれており、蒙恬が自ら敵陣に突撃をする際は、代わりに胡漸が隊を率いる。蒙恬に対しては過保護な面が多く、その子供を抱くまでは死ねないと、老将ながら蒙恬を支える。逆に、敵陣に突入する事を心配する胡漸に対し蒙恬は、「俺の子を抱くまで死ねないんだろ?」と言って安心させようとする。蒙恬が主人公の信(しん)に対し、自己紹介した際に「君と同じ大将軍を目指すものさ」と言ったのを聞いた胡漸は、涙を流して喜んだ。蒙恬は日ごろから実力は十二分にあるものの出世欲がなく、将軍には興味がないと言っていたため、その意外とも思われるセリフに驚いたためである。胡漸は朱海平原の戦いで、蒙恬不在時に新趙国三大天の龐煖(ほうけん)の襲撃を受けて死亡した。その際、龐煖に一太刀を浴びせている。死の間際、「あなた(蒙恬)に出会えて幸せでした」と蒙恬の事を思い出していた。
王翦(おうせん)
秦国六大将軍であり、名門・王一族宗家の現当主であり、王騎(おうき)の親戚である。玉鳳隊(ぎょくほうたい)の隊長の王賁(おうほん)を息子に持つ。王騎に比べ王翦の地位が低いのは、彼が危険な野心を抱く者として問題人物とされているためである。王翦は強い野心家であり、「自らが王になる」と豪語している。そのため、昭王(しょうおう)の代から王翦は活躍しているものの、周囲から信頼されず、蒙驁将軍の元で働く日々を送っていた。しかし武将としての能力は高く、野戦築城や心理操作を織り交ぜた戦術を得意としている。恐ろしげな形相の顔をあしらった鎧と顔の半分を覆った兜といったインパクトのある風貌で、謎が多い存在である。朱海平原の戦い初日で、蒙恬率いる楽華隊五千は、対する趙右翼麻鉱(まこう)将軍が討たれて統率を失った所を、麻鉱軍の崩壊を防ぐべく、蒙恬が麻鉱軍の指揮を取り立て直しに成功した。この事により秦国の総指揮を取っていた総大将王翦の特権により蒙恬は、臨時で将軍へ格上げされ、左翼の大将を任される事になった。その際に王翦将軍は、「見事に左の役目を果たした暁には、わが側近として幕僚に加える」と明言した。朱海平原初日で、麻鉱軍の指揮をとり、軍壊滅の危機を救った事が、王翦や麻鉱軍兵士に認められた結果となった。この功績が認められ後の論功行賞で蒙恬は正式に将軍へと任命された。
蒙恬の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「天下の大将軍をめざすものさ」
蒙恬が主人公の信(しん)に対と出会った時に、自己紹介した際に言ったセリフ。日ごろから実力は十二分にあるものの出世欲がなく、将軍には興味がないと言っていたため、その意外とも思われるセリフに驚いた胡漸は、、涙を流して喜んだ。蒙恬としては信をからかうつもりだったため、本意ではないと説明している。
「俺たちにしかできない事が目の前にある」
山陽の戦いで、蒙恬率いる楽華隊、主人公の信(しん)が率いる飛信隊(ひしんたい)、王賁(おうほん)が率いる玉鳳隊、の同世代千人将は、元趙国三大天・廉頗(れんぱ)が率いる廉頗四天王の一人・輪虎(りんこ)を対応する中央軍に配置された。輪虎は圧倒的な突破力を武器に蒙驁の首を狙っており、蒙恬としては祖父を是が非でも守りたいという強い気持ちもあり、いつもは競い合っている二人(信、王賁)を呼び出し、ライバル三人で輪虎対策の案を練る事にした。二人へ策を話し「俺達にしかできない事が目の前にある」といって、普段は競い合っている者達の協力を仰いだ。その策は、楽華隊と飛信隊と玉鳳隊の三隊が共闘しこちらから輪虎を攻めるというものだった。まず、三隊に本部指示とは別に独立遊軍として動く事を宣言させ、蒙恬は自身が率いる楽華隊を潰れ役として敵の戦力を削ぎ、敵軍に突破口を開くというものであった。その後、後方に待機させておいた飛信隊・玉鳳隊の二隊を輪虎本陣へと突入させ、二人で輪虎を討ち取る作戦を立てた。この奇策が見事に成功し、結果的にはこの作戦で輪虎を討つ事は出来なかったが、蒙恬は三百将にして三隊九百人を操る見事な才能を見せつけた。
「ありがとう じーちゃん」
蒙驁危篤との一報で、蒙驁と信(しん)が合流し蒙驁の元へ向かい、到着した頃には蒙驁はすでに意識がなくなっていた。二人が到着した事に気付いた蒙驁は起き上がり、蒙恬と信に最後の金言として、「蒙恬と信と王賁。三人で一緒に高みに登れ」と告げる。それは時には対立もしながら、三人それぞれがお互いを意識し、かつての秦の六大将軍がそうであったように、切磋琢磨して共に登りなさいという助言だった。そのまま蒙驁は、起き上がった状態で静かに息を引き取った。息子で蒙恬の父親である蒙武(もうぶ )は、駐屯先で敵に動きがあり戻る事はできず、それについて蒙驁は蒙武の事を「あやつらしいわい」と述べる。蒙恬は息を引き取った蒙驁を抱きしめ、「六将なんかじゃない 俺にとってはあなたが一番の英雄でしたよ。蒙驁将軍…本当にお疲れ様でした ありがとう じーちゃん」と言った。
蒙恬の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
史実では筆の改良者とされている
かつては、史実において蒙恬が獣の毛を集めて作り、始皇帝に献上したのが筆の始まりとされていた。しかし1928年に戦国時代(紀元前400年ごろ)の遺跡から筆が発見された為、蒙恬が筆の発明者だという説は覆された(キングダムの時代は紀元前200年頃)。現在では甲骨文字の中に筆を表す文字が発見されており、筆の発明は殷(いん、紀元前17世紀頃 - 紀元前1046年)まで遡るのではないかと考えられている。その為、現在の解釈では、蒙恬は"筆の発明者"ではなく、"筆の改良者"とされている。『千字文』(書の手本として使うために用いられた漢文の長詩)には、「恬筆倫紙(蒙恬は筆をつくり、蔡倫(さいりん)は紙をつくった)」との句がある。
大将軍の景色が見える
蒙恬は将軍になる前、時々、戦の最中に大将軍の景色が見えると王賁に話していた。それは、「主人公である自分が絶対に戦の中心にいて、全部をぶん回すっていう自分勝手な景色が見える」と言ったものだった。王賁は戦の中で劣勢に立たされピンチに陥った際に、この蒙恬の言う”大将軍の景色”がみえ、体制を立て直し状況を打破する事に成功する。このように王賁が覚醒できたのは、戦の中で多くを学んで大将軍としての才を身につけつつある蒙恬との交流があったためであり、まさに「三人で高みに登れ」という蒙驁の遺言の通りに彼らが成長していることが明らかとなった名シーンである。
史実での蒙恬
『キングダム』中では、名家の出でエリートである蒙恬は、史実でも蒙恬の祖父は蒙驁(もうごう)、父親も武将として活躍した蒙武であるため、物語と一致している。しかしキャリアのスタートは百人将ではなく、文官だった。「刑法を学んだ事があり、司法関係の書記を務めた」と書かれている。蒙恬はその後に兵を率いる将軍となっています。また、史記などの書物には蒙恬が物語中のように「容姿端麗だった」とする記述はない。物語中では、主人公の信(しん)と百人将としてであい共に出世していくが、史実で蒙恬が初めて戦場に出た記録は、李信(信が将軍となった時の名)の副将として楚を攻めた時となっている。李信と蒙恬は、燕を攻撃し大功を立てている。李信と共に武功を上げて活躍するという点では、物語と一致している。
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キングダム 運命の炎(キングダム3)のネタバレ解説・考察まとめ
『キングダム 運命の炎』とは、原泰久の漫画『キングダム』を原作とする2023年公開の実写映画作品。同シリーズでは3作目にあたるため『キングダム3』とも呼ばれる。キャッチコピーは「大いなる夢を、新しい時代を、その手で掴め―」。監督は佐藤信介が務め、主役の山﨑賢人や吉沢亮など主要人物の役者は全員が前々作から続投している。 趙の大軍に攻められた秦は、六大将軍の王騎を総大将にしてこれを迎撃する。将軍を志す剣士にして秦の若き王嬴政の友でもある信も従軍し、師である王騎から重要な作戦を託される。
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蒙毅(キングダム)の徹底解説・考察まとめ
蒙毅(もうき)は『キングダム』に登場する秦国の若き軍師である。祖父は秦国大将軍である蒙豪、父は中華最強を自負する秦国将軍の蒙武、兄は物語の主人公・信と共に切磋琢磨して己の実力で将軍となった蒙恬というエリート軍人一家の出身。突出した武の力を誇るもそれに任せた戦法を取ることが多い蒙武を、知略の面で支えたいと考えて軍師を目指し、秦国軍総司令・昌平君の軍師学校の門を叩く。信と生活を共にする少女・河了貂とは軍師学校の同期で、特別軍師認可を受けている彼女と軍略囲碁でまともに戦えるのは蒙毅だけである。
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目次 - Contents
- 蒙恬のプロフィール・人物像
- 蒙恬の武器・技・戦術
- 武も秀でるが軍略家としての才能も高い
- 敵の力を受け流す剣技
- 蒙恬の来歴・活躍
- 武将の能力以外にも、多方面に顔が利く政治力を持つ
- 山陽の戦いで活躍
- 楚軍千人将・白麗(はくれい)を負傷させる
- 楚軍総大将・汗明(かんめい)に大怪我を負わされる
- 朱海平原の戦いで臨時将軍に任命
- 朱海平原での功績で正式に将軍となる
- 蒙恬の関連人物・キャラクター
- 信(しん)
- 王賁(おうほん)
- 蒙驁(もうぶ )
- 蒙驁(もうごう)
- 蒙毅(もうき)
- 胡漸(こぜん)
- 王翦(おうせん)
- 蒙恬の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「天下の大将軍をめざすものさ」
- 「俺たちにしかできない事が目の前にある」
- 「ありがとう じーちゃん」
- 蒙恬の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 史実では筆の改良者とされている
- 大将軍の景色が見える
- 史実での蒙恬