ラブ&ドラッグ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ラブ&ドラッグ』とは、2010年に公開されたアメリカ映画。真実の愛にたどり着く2人の男女を描いたロマンティック・コメディである。プレイボーイのジェイミーはある日、火遊びがたたって仕事を首になってしまう。転職を繰り返して来た彼だったが、大手製薬会社への就職が決まる。持ち前の巧みな話術で営業をするが、上手く行かない日々が続いていた。そんな中、パーキンソン病を患うマギーという女性に出会う。やがてジェイミーは、マギーに特別な感情を抱くようになるのだった。
パーキンソン病とは、脳の異常によって体の動きに障害が現れる病気。手足の震えなどが起こる。60歳以上では100人に約1人とされており、若い年齢での発症は珍しい。マギーはステージ1だったが、ハサミを上手く扱えないなど手の動きに症状が出ていた。
シカゴでの患者の会にいた初老の男性の妻はステージ4の段階。4になると、自力での着替えも難しく、排泄も人の世話がないと出来なくなる。ステージ1からは想像出来ない症状に、ジェイミーはショックを受けていた。
バイアグラ
ファイザー社が世界で初めて開発したED治療薬。この新薬の情報はあまり知られていなかったが、薬の専門誌をよく読んでいたマギーから薬の存在を知ったジェイミーは、この薬の価値に目をつけ、ブルースにバイアグラの営業担当を任せて欲しいと頼み込む。ジェイミーのセールストークが好評を得たこと、さらには薬の効果が画期的だったことからバイアグラは大ヒット。ジェイミーは本社に栄転できるほどのトップセールスマンへと成り上がった。
ゾロフト
製薬会社ファイザーの抗うつ剤。作品の序盤ジェイミーが売り込みに行っている薬。
プロザック
トレイが営業をしている抗うつ剤。ジェイミーは陳列されたプロザックを全部ゴミ箱に捨てるが、トレイに見つかりパンチを浴びる。
『ラブ&ドラッグ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
マギーに想いを伝えるシーン
ある夜、マギーの自宅に向かったジェイミーは発作を起こしたような息遣いになり苦しそうに座り込む。そして乱れた呼吸を落ち着かせながら、「愛してる」とマギーに伝えた。深入りしない関係を望むマギーに対し、ジェイミーは次第にマギーへの抑えられない気持ちに気付く。ジェイミーは胸の内を伝えられず葛藤していたのだ。初めての感情だったことに加え、口に出したことがない言葉だったためジェイミー自身も動揺していたのだった。絞り出すように伝えたジェイミーの言葉が印象に残るシーンである。
パーキンソン病の妻を持つ男性の話
パーキンソン病の患者の会に参加したマギー。マギーを待つためロビーに向かったジェイミーは、パーキンソン病の妻を持つ男性に会う。妻はステージ4だと話す男性に、何かアドバイスはないかと尋ねるジェイミー。すると男性は「今すぐ別れを告げて健康な女を探せ。妻を愛してるが二度とはごめんだ。最愛の人が別人になってしまう。心も体もな」と話した。男性の苦労を悟ったジェイミーは、パーキンソン病の患者と付き合っていくことの重大さと責任を思い知る。患者の会によって前向きになっていくマギーと、深刻になっていくジェイミーの対比が印象的なシーン。
マギー「すごく幸せ。”今”が幸せよ」
病気に振り回されたくないと言って別れを選んだマギーとの破局後、シカゴへの異動が決まったジェイミーは引っ越しの準備をしていた。ビデオテープが目に留まり、手に取る。以前マギーが撮影していたものだった。再生するジェイミーの目に映ったのは、楽しそうに話すマギーの姿。ビデオの中でマギーは「すごく幸せ。”今”が幸せよ。あなたの顔に差す光。窓から入るそよ風。こんな瞬間が二度となくてもいい。今があるから。それでいい。何も望まない」と言っていた。今この瞬間を生きることの尊さに気付いたジェイミーは、本当に大切にしたいのはマギーなのだと改めて実感する。そしてその想いを伝えるためマギーを追いかけるのだった。
ジェイミー「僕らがいい。君がいい」
ビデオの中で幸せそうに微笑むマギーの姿を目にしたジェイミーは、急いで彼女の元へと向かう。薬を購入するためにカナダ行きのバスに乗るマギーを追いかけて、ハイウェイをひたすら飛ばすジェイミーはついにバスに追いつく。話がしたいという思いがなんとか伝わり、5分間だけ時間をもらうことが出来たジェイミー。支えは要らない、あなたに迷惑をかけてしまうと言うマギーに対しジェイミーは、「どこかの世界にあるカップルがいたとする。健康な女と優しい男。悩み事もささやかだ。でもそんなの嫌だ。僕らがいい。君がいい」と伝える。
ありのままを受け入れることを選んだのではなく、それを望んだジェイミー。彼の言葉の重みが伝わってくる感動的なシーン。
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目次 - Contents
- 『ラブ&ドラッグ』の概要
- 『ラブ&ドラッグ』のあらすじ・ストーリー
- マギーとの出会い
- 気持ちの変化
- ジェイミーの葛藤
- 2人が出した答え
- 『ラブ&ドラッグ』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- ジェイミー・ランドール(演:ジェイク・ジレンホール)
- 主な登場人物
- マギー・マードック(演:アン・ハサウェイ)
- ブルース・ジャクソン(演:オリヴァー・プラット)
- スタン・ナイト博士(演:ハンク・アザリア)
- ジェイミーの家族
- ジョシュ・ランドール(演:ジョシュ・ギャッド)
- ジェームズ・ランドール博士(演:ジョージ・シーガル )
- ナンシー・ランドール(演:ジル・クレイバーグ)
- その他の登場人物
- トレイ・ハニガン(演:ガブリエル・マクト)
- シンディ(演:ジュディ・グリア)
- リサ(キャシー)(演:キャサリン・ウィニック)
- 『ラブ&ドラッグ』の用語
- パーキンソン病
- バイアグラ
- ゾロフト
- プロザック
- 『ラブ&ドラッグ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- マギーに想いを伝えるシーン
- パーキンソン病の妻を持つ男性の話
- マギー「すごく幸せ。”今”が幸せよ」
- ジェイミー「僕らがいい。君がいい」
- 『ラブ&ドラッグ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作者ジェイミー・レイディが感じた本作の印象
- アン・ハサウェイの意気込み
- 『ラブ&ドラッグ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):Spin Doctors『Two Princes』
- ED(エンディング):Regina Spektor『Fidelity』
- 挿入歌:Belinda Carlisle『Heaven Is A Place On Earth』