リリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士3〜(A3)のネタバレ解説・考察まとめ

『リリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士3〜』とはガストから発売されたPlayStation2用RPGゲームでアトリエシリーズの第3作目。第1作目『マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜』より前の時代が舞台。
エル・バドールという大陸から錬金術を広める為にザールブルグにやってきた主人公リリーと仲間達。
毎年城で開かれる「展覧会」に錬金術で作ったアイテムを出品し評価と資金を得ながらアカデミーの完成を目指す。

城壁の上から外を見渡すと、森の中に奇妙な塔を発見するリリー

アイテムの採取に出掛けようと街外れまでやって来たリリー。天気が良く気持ちが良かったので、城壁に登ってみると今まで行ったことがなかった森の中に大きな塔が見えた。ハインツや冒険者仲間からも塔の情報は聞いたことがなかった為、何の塔なのかリリーは知らなかった。
後日、リリーは金の麦亭にいたシスカという冒険者仲間に森の中の塔について尋ねると、その塔の名前は「エアフォルクの塔」と呼ばれていて中は強いモンスターがたくさんいるのだと教えられる。街の人々から話を聞くと、どうやらエアフォルクの塔には強いモンスターがたくさんいるだけでなく、最上階には大柄な魔界の住人もいるということが判明する。怖いと思いながらも、もし冒険者として成長できたら行ってみるのもいいかもしれないとリリーは思うのだった。

レオ引退後、ゲルハルトが跡継ぎとして武器屋の店主になる

採取の為、街の外に行く機会が増えたリリーは、何度か武器屋に行き武器を購入していた。武器屋店主のレオは自分が年を老い、仕事に対する熱意が沸かなくなってきていた。
そんなある日、リリーがいつもの様に武器屋に行くとレオがいつも以上に元気がなさそうに見え、訳を聞くと今日で武器屋店主を引退して田舎に帰るのだと言う。
突然の引退宣言にリリーは驚く。レオは以前から引退を考えていたが、武器屋を閉店させるわけにもいかず今までやってきたのだが、武器屋を継ぎたいと言ってくれる人物が現れたので今日で店主を引退するこを決めたのだと話す。翌日、リリーが武器屋へ行くと店のカウンターには冒険者仲間のゲルハルトの姿があった。ゲルハルトは冒険者をしているが、実は武器が大好きで武器屋の店主になることが夢だった。レオの引退話を聞いて、武器屋を受け継ぎたいと申し出たところ快く譲ってくれたので夢が叶ったと喜んでいた。

水気のないシュミッツ平原に水が噴き出し辺り一面水浸しになっている場所を発見するリリー

ある日、工房で調合をしているとヘルミーナが慌てた様子で走ってきた。リリーが訳を聞くと、ヘルミーナはヨーゼフ雑貨屋というよく調合材料を買いに行く雑貨屋の横にある井戸の水が出なくなって街中大騒ぎになっていると話す。この井戸は綺麗な水が汲める為、ザールブルグの住民みんなが譲り合って使っている共同の井戸で、リリーも調合材料の1つとして利用していた。
急いで井戸の様子を見に行くと確かに井戸水を汲めなくなっていた。
井戸の隣にある雑貨屋の店主ヨーゼフに話を聞くと、この井戸の水はザールブルグ周辺を流れているストルデル川とは繋がっておらず、完全に地下水なのだと言う。この地下水はヴィラント山から流れ出しており、ヘーベル湖やその周辺にある湧き水と同じ水源らしく、いくつかある水源のどこかが何らかの理由で止まってしまっているのではないかとヨーゼフは推測していた。
工房に戻ると、ドルニエも井戸水について自分の考えを話し始めた。ヨーゼフの推測通り、水源のどこかで問題が起きて水が塞き止まってしまっていたら、その周辺は洪水になっているはずだが、今のところどこも洪水になっているという話は聞かない。つまり、どこかが塞き止められているのではなく、どこか別の場所に流れ出てしまっている為に井戸まで水が来なくなってしまったのではないとドルニエは推測した。
ドルニエの話を聞いた後、リリーがシュミッツ平原へ採取に行くと、ある一帯に水が勢いよく噴き出して辺りが水浸しになってしまっていた。今まで水気が全くなかった所にいきなり水が噴き出す様になったのを不思議に思っていたリリーは、この辺りに出るモンスターが「コジョ」という穴を掘って生活しているネズミの様な生き物だと思い出した。コジョが誤って水源に穴を開けてしまい、そこから噴水になってこの辺りに流れ出てしまったことがザールブルグの井戸が枯れた原因ではないかと考えたリリー。採取を終えてザールブルグに戻ると早速お城に向かい、ウルリッヒにシュミッツ平原の噴水の話をする。ウルリッヒはすぐにシュミッツ平原へ騎士隊を派遣させると言うのでお願いする。
数日後、王室騎士隊が問題を解決してくれた様で、井戸は無事に復活し、今までの様に井戸水が汲める様になった。

ゲマイナーは自分は錬金術士だと名乗り、貴族達から勝手に依頼を受けてはリリー達の下に仕事を持ってくると言い放つ

リリーがザールブルグにやってきてから随分経ち、多くの依頼をこなす内にリリーの存在は街で有名になり始めてきていた。そんなある日、いつもの様に仕事の依頼をもらう為に金の麦亭へ行くとハインツに「最近貴族達の仕事を受けまくっているらしいが、そんなに受けて大丈夫か?」と尋ねられる。ハインツの話では、最近、錬金術士を名乗る人物が貴族達の依頼を片っ端から受けているということだった。身に覚えのない質問にリリーが「私はそんな依頼を受けた覚えはない」と答える。ドルニエは考えなしにそんな無茶なことはしない人物だとリリーは知っているし、イングリドとヘルミーナも直接依頼を請け負うことはしない。つまり、リリー達とは別の錬金術士がこの街に現れたということになる。ハインツの知る錬金術士はリリー達だけだったので、貴族から仕事を受けているのはリリーだと勘違いしていたのだった。
その錬金術士とリリーは別人だと判明したが、貴族から仕事を受けている人物が錬金術士を名乗っている以上、もしその人物が仕事に失敗すれば錬金術士を名乗っているリリー達の名前にも傷がついてしまうのではないかとハインツは心配する。早めにその錬金術士を名乗っている人物を調べてみる方が良いとハインツに勧められ、リリーは一先ず工房に戻った。
それから数日後、工房にゲマイナーと名乗る男性が訪ねてくる。ゲマイナーは自称錬金術士を名乗り、貴族達から依頼を受けまくっているのは自分だと話す。ゲマイナーは錬金術について知識も技術も全くなく、自分の金儲けの為に錬金術士の名を語り無責任に貴族達からの仕事を受けていた。そして、これからその貴族達から勝手に受けた依頼をそのままリリー達に依頼しに来ると言う。その依頼を受けるか受けないかはリリー達の自由だが、もし断ったり失敗した場合は錬金術士の名前に傷が付き人気や名声は下がるだろうと告げ帰っていった。ゲマイナーの言動に怒りを覚えるリリー。
数日後、本当に貴族達から受けた依頼を持って訪ねてきたゲマイナーにリリーは何故こんなことをするのかと質問する。ゲマイナーはリリー達や錬金術を嫌っているわけではなく、怪しい術を使って王室に媚びを売り、援助金として受けた金で贅沢な暮らしをしようという考え方とやり方が気に入らないのだと答える。リリーはアカデミーを建てる資金集めと錬金術を国に認めてもらう為に頑張っていることを説明するが、ゲマイナーは国に認めてもらわないと普及できないような学問なら、庶民は付いてこられないだろうと反論する。国が作った研究施設なら何を作るかは国が決める様になり、国民を不幸にするような物も作らなくてはならなくてはいけなくなるかもしれないと言いそのまま帰ってしまう。リリーはゲマイナーの話に胸を痛めるが、自分達のやっていることは決して間違っていないと気を強く持とうとした。
ゲマイナーが街中で錬金術士を名乗って貴族の依頼をたくさん受けていると言う話は好事家依頼でいつも直接取引している貴族の女性ヘートヴィッヒの耳にも届いていた。ヘートヴィッヒの自宅にリリーが行くとヘートヴィッヒは貴族達の依頼を無責任に受けるものではないと咎められる。リリーはその錬金術士は自分ではなくゲマイナーと言う男性が勝手にやっていることだと答える。ゲマイナーの名前を聞いたヘートヴィッヒは少し考え込んだ後、リリーに今日の取引を中止させて屋敷を出てもらった。リリーは不思議に思ったが、詮索することもできず工房へと戻っていった。

4年目 様々な人の生き方に触れる

タイタスビーストを倒したリリーは銀貨500枚しか報酬を受け取っていないが、ゲマイナーは城から銀貨5,000枚もの報酬を受け取っていることが判明する

ある日、リリーは金の麦亭でハインツからヴィラント山に毛むくじゃらの大きなモンスターが出没するという噂があるという話を聞いた。話の出処がゲマイナーらしいのでガセネタかもしれないと言われるが、工房に戻るとゲマイナーが訪ねてきて、噂は本当で錬金術士が倒しに行くともうあちこちで宣伝してしまったと話す。ゲマイナーは報酬として銀貨500枚を出すから、早めにその噂のモンスターを倒して証拠としてモンスターの毛でも採ってきてくれと一方的に依頼をして帰っていく。怒りが込み上げるリリーだが、一方的にとはいえ依頼を受けてしまった以上やらないわけにもいかず、仲間と一緒にヴィラント山に向かう。すると噂通り、大柄なモンスター「タイタスビースト」が現れる。苦戦しながらもなんとかタイタスビーストを倒すと、ゲマイナーの指示通り体毛の一部を刈り取ると急いでヴィラント山を下りた。
リリーが工房戻るとゲマイナーが訪ねてきて依頼したモンスター退治は終わったかと質問される。リリーは指示通り、倒した証拠としてタイタスビーストの体毛をゲマイナーに渡す。ゲマイナーは「さすが高名なる錬金術士様」と嫌味を言いながらも報酬を支払って帰っていった。
それから数日後、金の麦亭に行くとハインツからゲマイナーがヴィラント山に出没するタイタスビーストを自分が倒したと言い、証拠としてタイタスビーストの体毛をあちこちで見せびらかしているのだと教えてもらう。実は、タイタスビースト退治は王室から賞金がかけられていたらしく、ゲマイナーは王室から銀貨5,000枚という大金を受け取っていたということが判明する。しかもゲマイナーはその手に入れた賞金を一晩で酒や遊びに使ってしまったらしい。リリーはその話を聞いて、自分が苦労してタイタスビーストを倒したのは何の為だったのか、ゲマイナーは何故そんなことをしているのかと疑問を持った。

リリーは酒場でいつもと違う雰囲気のゲマイナーを発見する

リリーがいつもの様に仕事を受けに金の麦亭に行くと店のカウンターにゲマイナーの姿があるのを発見する。ゲマイナーはロケットに入った肖像画を眺めて独り言を呟いていた。店内がとても賑やかだった為、ゲマイナーの独り言は聞こえなかったが、いつもの雰囲気とは違いどこか寂しそうに見えたので、リリーは少し心配していた。工房に戻るとゲマイナーが持っていたロケットが気になった。かなり古い物の様で煤けた感じだったので、リリーは錬金術で新しいロケットを調合してゲマイナーに渡そうと考えた。
ロケットを調合した数日後、ゲマイナーが工房に様子を見に訪ねてきたので、リリーは酒場で見かけたことを話して新しいロケットをプレゼントする。何故自分にロケットなんかプレゼントしようとするのかとゲマイナーが警戒して聞くと、リリーは自分達が万人を幸せにする錬金術を目指しているから、例えゲマイナーの様な人間に対してでもその考え方は変わらないと告げる。しかしゲマイナーはそんなリリーの言動が気に入らないと言う。デキる人間がデキない人間に対して自分の能力を見せびらかす様に感じたゲマイナーはロケットをリリーに突き返す。以前は自分にも貴族になるという夢があり、王宮の官職に就こうと猛勉強したり、様々な仕事に本気で取り組んだが全て上手くいかず諦めてしまったのだとゲマイナーは自分の過去を明かす。リリーは上手くいかなかったからと言って他人にぶつけたり妬んだりすることは良くないことだと諭すが、ゲマイナーは君にはわからないだろうと告げるとそのまま帰っていった。
それから数日後、再び工房にゲマイナーが訪れる。リリーは先日の話を聞いて、ゲマイナーが過去に夢の為に一生懸命頑張ったことがあったことを知ったが、それでも他人を妬んだりするのは良くないと話す。そして自分に協力できることがあるなら協力するから夢をあきらめないでとリリーはゲマイナーに告げる。ゲマイナーはリリーの話を黙って聞いていた。そして、先日ある人に同じ様に叱られたのでリリー達に今までのことを謝りにきたと口を開く。ゲマイナーはその人物に久しぶりに会って今までにないぐらい叱られたことで、今までリリー達にしてきたことを深く反省し謝罪する。そして、今後はもう錬金術士を名乗ることもしないしリリー達の前に姿を現さないと約束し去っていった。

木の下でのんびりしていたリリーだったが、突然木の上からエルザという少女が落ちてくる

調合ばかりしていたある日、外はとても天気が良く気持ちよさそうだったので、リリーは街外れまで行ってのんびり過ごそうと考え工房を出る。街外れにある大きな木の下でリリーが息抜きをしていると、突然木の上から少女が落ちてきた。少女はエルザと名乗り、街のパン屋で働いているのだと告げると足早に去って行った。
数日後、リリーの工房にエルザが訪れる。リリーはエルザを工房に招き入れお茶を入れながら会話を楽しむ。2人が友達になった頃、街では最近貴族の家から高価な美術品が盗まれたという話で騒がれる様になっていた。金の麦亭でもあちこちでこの泥棒騒ぎの話がされており、伝説の怪盗デア・ヒメルの再来ではないかと噂されていた。
デア・ヒメルとは、今からずっと昔にザールブルグ中を騒がせた伝説の怪盗で、多くの金品を盗み続け捕まることがなかったという。今までにも同じようにデア・ヒメルの名を語って多くの泥棒がザールブルグに現れたが、みんな呆気なく捕まってしまっていた。しかし今回の泥棒騒ぎは証拠も残さず銀貨80,000枚相当の美術品が盗まれたとあって、今度こそデア・ヒメルの再来だと噂されていたのだった。
街中で泥棒騒ぎが大きくなる中、リリーは中央広場にいる男の子が高価なペンダントを持っているのを見かけて思わず声をかける。すると、男の子はエルザからもらったのだと話す。何故エルザが高価なペンダントを子供にあげたのか不思議に思っていると職人通りでエルザと遭遇する。リリーはエルザに声をかけ、エルザが働いているというパン屋はどこにあるのか尋ねてみる。しかしエルザは今忙しいと慌てた様子ですぐに去ってしまう。
数日後、リリーは街の広場でエルザが子供達と楽しそうに遊んでいる姿を目撃する。すると街のフローベル教会の神父クルトに声をかけられ、エルザについて話をする。クルトの話では、エルザと一緒に遊んでいる子供達は教会で面倒を見ている孤児院の子供達で、最近よく遊びに来てくれているのだと言う。クルトと別れた後、ヘートヴィッヒの屋敷に取引に行き世間話をしていると、最近妹のエリザベートの姿を見かけないとヘートヴィッヒが言う。マクスハイム家は女系家族で5人姉妹。ヘートヴィッヒは4女で、その下にエリザベートという名前の末妹がいるらしいのだが、最近屋敷内でエリザベートに会っていないらしい。
ヘートヴィッヒの話を聞いた数日後、リリーは何気なくフローベル教会に立ち寄る。すると、中では内容までは聞き取れなかったが、クルトとエルザが孤児院のことで言い争いをしている様だった。エルザが教会を出た後、リリーがクルトに声をかけると、クルトは驚きながらも何でもないと答えて会話が終了してしまう。

屋根から落ちそうになったリリーを助けたのはエルザだった

金の麦亭では、相変わらずデア・ヒメルの話題が尽きなかった。今は貴族の家しかデア・ヒメルの被害にあっていないが店が狙われる可能性だってあるのではないかと不安に思う店主が増えた為、ハインツの提案で夜に街を見回る自警団が結成された。テオに誘われるまま、リリーも自警団に加入する。見回りがある日にテオが工房まで知らせに来てくれると言うので、リリーは渋々協力することになった。
リリーが金の麦亭を出ると、街の中央広場でエルザに遭遇する。エルザは唐突にデア・ヒメルってどんな人物だと思うかリリーに質問する。リリーはデア・ヒメルが何度も泥棒に入って証拠を残していない点を挙げて「かなりの腕を持った熟練者」だと答えるとエルザは笑って去っていった。
それから数日後、夜にテオが工房を訪れ、リリーに今日は自警団の張り込みの日だと声をかける。テオは製鉄工房の辺りを張り込むと言うので、リリーはフローベル教会で張り込みをすることする。睡魔と戦いながら、教会の長机の下に隠れて張り込みを続けるリリー。すると夜中にも関わらず、教会に人が入ってくる気配を感じた。人影が教会の奥に設置されている女神アルテナ像の前までやって来たところで、リリーがその人物を捕まえようと姿を現す。リリーに驚いた人影は教会の窓から屋根に上って逃げようとする。リリーも急いで教会屋根に上るが風に煽られて転んでしまい、屋根から滑り落ちそうになってしまう。もう駄目かとリリーが目を瞑ると何者かに手を握られ、助けられる。リリーが目を開けてその人物を見ると、それはエルザだった。
エルザがデア・ヒメルの正体だと気付いたリリーが何故こんなことをしているのかとエルザに質問する。エルザは実は貴族マクスハイム家の末娘で、最初はただのイタズラのつもりで屋敷から銀貨を持って出てきたのだと話す。リリーと出会ったあの日が屋敷から初めて出てきた日だった。エルザは貴族の娘としてずっと屋敷の中で育ってきた為、街の住民達が普段どんな生活をしているのか知らなかった。屋敷の外がどうなっているのか自分の目で知りたいと思い屋敷を抜け出してきたのだった。その内に孤児院子供達と知り合い、話をする内に、孤児院では最低限の食事しか出されておらず、苦しい生活を強いられていることを知る。自分は生まれてからずっと食べきれない程の料理が食卓に並ぶことが当たり前だった為、ショックを隠し切れず、貴族なんかよりこの孤児院にいる子供達の方が生きる価値のある人間だとエルザは思う様になっていた。最初は自分のお小遣い用にと屋敷から銀貨を盗んでいたが、今では何も知らずに今まで生きてきた自分への罪滅ぼしと思い、孤児院の子供達の為に使うお金として盗みを働いているのだとエルザは正直にリリーに話した。それを聞いたリリーはエルザの気持ちを理解しながらも、盗んだお金では子供達は幸せになれないと諭し、エルザに泥棒行為をやめる様に伝える。エルザはリリーの言葉を黙って聞き、何も答えないまま2人は教会を後にした。
数日後、エルザが工房を訪れ、泥棒騒ぎのことを謝罪した上で、孤児院の子供達の為に自分ができることを考えた結果、冒険者になることを決意したとリリーに話す。屋敷を出て、冒険者エルザとして自分の足でお金を稼ぎ、そのお金を孤児院に寄付すると言うエルザにリリーはその方が良いと声をかけ、エルザを冒険者として雇用できるようになった。

5年目 アカデミーの完成

アカデミーが完成するが、錬金術を広める為にはまだまだこれからだとリリーとドルニエは考える

錬金術の知識と技術を広める為に海を渡ってザールブルグにやってきたリリー達。それから5年が経ち、毎年行われている展覧会にも高評価のアイテムを出展し続けたことで、錬金術は王室から認められる学問になった。王室の協力に加えて、リリー達の丁寧な仕事ぶりや親切心はザールブルグの住民達にも広く知れ渡り、遂に念願だったアカデミーの設立に成功する。しかし、アカデミーの完成はゴールではなく、新たなスタート地点だとリリーやドルニエは考える。自分達が努力して建てたこのアカデミーは、これから錬金術を学ぶ多く人々の「始まり」の場所にするべく、今まで以上の努力をしていかなければならないのだと気合を入れる。
その後、ドルニエがアカデミーの校長となり、ザールブルグには錬金術という学問を学ぼうと多くの生徒が集まる様になるのだった。

『リリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士3〜』のエンディング

本作はマルチエンディングであり、様々な方法で最終目的であるアカデミーの設立を目指す。エンディングは全部で12種類ある。
エンディング1は私立系、エンディング2は王室系、エンディング3は工房系と呼ばれ、その他は特殊エンディングと呼ばれる。
エンディング0、1-1、2-1、2-2、2-3、3-1、3-2にはショートムービーが用意されており、エンディング1-2、2-4、4-1、4-2には一枚絵が用意されている。バッドエンディングにはムービーも一枚絵もなく、真っ黒の背景で悲しいBGMが流れるだけとなっている。バッドエンディング以外は全て歌入りのエンディングテーマが流れる。

エンディング0 どこか遠い空の下で

ザールブルグとは別の街で錬金術の教師をしているリリー

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②「メルルのアトリエPLUS」のかわら版(新聞)は見ているだけで面白いまとめ

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「メルルのアトリエPLUS」のかわら版(新聞)①の続きです。記事や4コマ、下のコラムに至るまで、いろいろ気になるところがありますね。今回もめちゃくちゃ面白い内容が盛りだくさんです(笑)。どんな風にかわら版が作成されるか気になった方は、ぜひ本編をプレイしてみてくださいね(PS3、PSVITA)。(画像はうp主の自撮りです)

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