香港発活劇エクスプレス 大福星(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『香港発活劇エクスプレス 大福星』とは、サモ・ハン・キンポー監督&出演による、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ出演によるアクション・コメディー作品であり、『福星』シリーズ第2弾。全編日本ロケで行われた。香港警察の刑事マッスル(演:ジャッキー・チェン)とリッキー(演:ユン・ピョウ)が、日本でヤクザ「かかし組」を追うが、リッキーが捕まってしまう。マッスルは香港から応援としてキッド(演:サモ・ハン・キンポー)を応援に要請し、彼の仲間達も日本へやって来て、リッキー救出と「かかし組」の撲滅に挑む。

キッドスタッフ(演:サモ・ハン・キンポー)

出典: i.ytimg.com

キッドスタッフ(写真左)。

CV:水島裕(日本語吹き替え版)
テレビ吹き替え版の名前はデブゴン。
通称キッド。マッスルと同じ施設で育った仲であり、泥棒を働いた為に刑務所で服役中だった。執念深い性格で、マッスルが施設時代から自分に行った事を今も根に持っている。カンフーに長けていて、数人を一気に蹴散らす程の腕前である。
そんなある日、マッスル刑事から協力して欲しいと要請があり、突然釈放される。訳が分からぬまま外の世界へ出るも、またも目の前にあった車を盗もうとしたところ、警官隊に取り囲まれる。その直後、警官隊の中から出てきたウォルター特部長から、押収したダイヤを盗み日本へ逃亡した警察官を捕まえて欲しいと依頼される。しかし一人では無理で助けが必要だと答え、サンディ、ハーブ、ローハイド、ラウンドヘッドの4人をスカウトとして集め、ウォルター特部長が指定する家に向かう。ウォルター特部長はキッド含む五人を「銀行強盗」に仕立て上げ、極秘の任務(「かかし組」の撲滅、リッキーの救出)を依頼するが、全員乗り気ではなくその場を去ろうとする。しかし、玄関先で美人刑事・バーバラに出会うと、一同は手の平を返す如く、あっさりと要請を受け入れる。
バーバラと終始同行する事になった際も、サンディ達と共にバーバラに様々なイタズラを仕掛ける等して彼女を困らせる。一同で任務の為に日本へ向かい宿泊先のホテルでも、誰がバーバラの寝室の隣のベッドで寝るかどうかでサンディ達と揉めて、しまいにはサンディ達が強引に寝室に入ろうとしたのを止める。そのやり取りを隣の部屋の中で聞いていたバーバラが「キッドが入ろうとした」と勘違いし、扉を開けたバーバラにより蹴りを浴びせられる。結局、自分の勘違いと自覚したバーバラから、謝罪を受ける。
皆が寝静まった頃にバーバラに起こされ、彼女と二人でスクーターに乗り外へ出て、本題を切り出される。そして今回の件にマッスルが関わっている事が分かると、スクーターを降りて帰ろうとする。更に追いかけてきたバーバラに、マッスルを施設時代から嫌っていて、昔マッスルが盗みを行った際に自分を犯人に仕立て上げたり、挙句はカジノへ強盗に入る計画を告げた後に「警察」と名乗ったマッスルに逮捕されたりと、散々な扱いをされた事を話し、マッスルを完全な「役病神」扱いしていた。それでも、「あなたの勇気で悪人を倒して欲しい」というバーバラの説得により二人でマッスルの隠れ家に向かう。そこには既に「かかし組」の追手が待ち構えていたが、バーバラ、そして途中から現れたマッスルら三人で叩きのめす。
未だ過去の事を根に持ってはいたものの、そんな自分を尻目にマッスルは直ぐに依頼の話に移り、部屋の奥から鞄に入った「軍資金」の2000万円を彼から渡される。「軍資金」を手にバーバラやサンディ達と共に「かかし組」が仕切る賭博場へ向かい、「かかし組」の女用心棒が行う壺振り(丁半)に参加する。そこへ警察の手入れが入るも、自分やサンディ達を香港の「銀行強盗」だと確認した女用心棒の案内により裏出口へ逃れる。その後「かかし組」からのもてなしを受け、「かかし組」のボスから自分達の「銀行強盗」としての活躍を見込んで「かかし組」との付き合いを持ちたいと告げられる。
しかし汚職警官の告げ口でマッスルの仲間だとバレて、「かかし組」と付き合う為の「保証金(身代金)2000万」をボスから要求され、自分がその金を取りに行く事となり、バーバラやサンディ達は「かかし組」のアジトの檻へ収監された。
再びマッスルのもとへ行き、彼からトランクに入った1000万香港ドル(金額はごまかす様に言われた)と居場所が分かる為のGPS機能付きライターを渡される。そして、「かかし組」のアジトがある富士急ハイランドへ向かい園内へ向かうと、「かかし組」の部下達に呼び止められ、そのままアジトへ連れて行かれる。アジトにて、「保証金」半額(1000万香港ドル)な事、自分達が「銀行強盗」でない事がバレてしまい、部下達に取り押さえられ、GPS付きのライターも取りあげられる。そしてサンディ達がいる檻へ連れて行かれるが、タイミングを見計らい部下が収監しようと檻のドアを開けた時、激しく抵抗して、そのスキにサンディ達も開放する。マッスルやサンディ達が「かかし組」の部下達との戦いを繰り広げるなか、オフダとの格闘を繰り広げる。最後はオフダのみぞおちに数発鉄拳をたたきつけた挙句、ガラステーブルへ殴り飛ばす。その後、女用心棒との戦いに苦戦しているバーバラに遭遇し、バーバラが駆け寄って来て「相手(女用心棒)は手ごわい」と告げる。そこで自分が女用心棒の相手をして、彼女の顔に鉄拳を一発食らわせ決着が付く。
物語終盤に「かかし組」一同が警察に逮捕され、マッスルが事件解決の礼を言ってくるが、(施設時代より「疫病神」としてマッスルを嫌っていた為に)「会うのはこれっきりだ」と答え、「送っていく」というマッスルの言葉に対しても「パトカーは嫌いだ」と告げ、サンディ達と共にその場を立ち去ろうとする。それでもどうにか仲を緩和させたいと思ったマッスルが傍に駆け寄り、「ジャンケン」の歌を歌い出す。するとサンディ達と共に歌い始め、富士山をバックとする「大合唱」で物語を締めくくる。
キッド役を演じたサモ・ハン・キンポーは、1970年代頃から多くのカンフー映画のアクション指導やスタント・監督を務め上げ、手掛けた作品は数知れず。俳優としても『デブゴン』シリーズや『SPL 狼よ静かに死ね』(2005年)、『イップ・マン 葉問』(2010年)等に出演、また『霊幻道士』シリーズといった大ヒット作品の制作を手掛けた。

サンディ(演:リチャード・ン)

出典: m.media-amazon.com

サンディ(写真左)。

CV:青野武(日本語吹き替え版)
テレビ吹き替え版の名前は念力、またはクレイジー。
キッドの仲間で精神病院に入院しているが、実際は生活が保証されている事から病人のフリをしているとの事。また、常日頃から超能力を研究しており、「相棒」のアヒルに手をかざし、「卵を産め」と言っている。そこへキッドがやって来て、任務に同行する様に誘われ、近くのベンチで寝ていた患者にアヒルを託し、病院を去る。この同じキャラクターは、前作『五福星』や後作『七福星』(1985年)にも登場し珍妙な表現で観る者を笑わせた。
キッドやハーブら他の仲間達と共にウォルター特部長が指定する家に向かうと、ウォルター特部長により極秘任務を依頼されるが、キッド達一同は全く乗り気がなくその場を去ろうとする。しかし玄関にて出会ったバーバラを見るや、態度を改めて、すんなり依頼を承諾する。
物語後半、「かかし組」のアジトにてバーバラ達と共に収監されていたが、キッドの活躍により檻から開放される。キッドや途中からアジトへやって来たマッスルが「かかし組」の面々と格闘を繰り広げるなか、自身(サンディ)もハーブ、ローハイド、ラウンドヘッドと共に目の前に現れた数人の「かかし組」の部下達を相手に奮闘する。それぞれ五獣の拳らしき構えを見せて(自身は「蛇拳」もどき)立ち向かい、一人の部下をたたきつける。その部下が一瞬ひるんだ様に見え、「気絶しろ」と念力を唱えるが効かず、部下から鉄拳をくらう。しまいには「ぶたないで」と唱えつつ、その場から逃げ出す始末(その後の結末は不明)。
サンディ役を演じたリチャード・ンは、映画『ピックポケット!』(1981年)や『五福星』(1983年)をはじめとする『福星』シリーズ等に出演、その特徴的な顔つきとコメディ演技は、日本の香港映画ファンのお馴染みの顔として知られている。

ハーブ(演:チャールス・チン)

CV:安原義人(日本語吹き替え版)
テレビ吹き替え版の名前はハンサム、または二枚目。サンディ達メンバーの中で一番整った顔である一方で、美人に弱くバーバラに真っ先に声を懸けた。
香港の宝石泥棒で、自分が噛んだガムに小型爆弾を仕込み宝石店の店頭のガラスに張り付けリモコンを操作しガラスを破裂させる。そこへ煙幕を巻き周囲が動揺しているスキに、割れたガラスのショーケースにある宝石を盗み出すというのが手口である。またいつもの様に小型爆弾を仕込んだガムを宝石店店頭のガラスへ張り付けた後、キッドがガムの上に更に倍の大きさのガムを張り付け去っていく。それを知らずにリモコンを操作したところガラスケースは大きな爆発を起こし、唖然とする。慌てて逃げようとしたところへ、車に乗ったキッドに呼び止められ乗る様に促され、車に乗り込み逃亡。これはキッドが自分の任務に参加させる為の作戦だった。その後、ローハイド、サンディ、ラウンドヘッドらと共に同行し、ウォルター特部長が指定する家に向かう。そしてウォルター特部長から極秘任務を依頼されるが、自分やキッド達は乗る気がなく帰ろうとするが玄関先で美人刑事バーバラに出会い態度を改め、依頼を承諾。
物語後半、サンディらと共に「かかし組」のアジトで収監されていたが、キッドの活躍で檻から脱出する。キッドや途中からアジトへやって来たマッスルが「かかし組」の面々と格闘を繰り広げる一方で、自身もローハイド、サンディ、ラウンドヘッドと共に目の前に現れた数人の「かかし組」の部下達を相手に奮闘する。それぞれ五獣の拳らしき構えを見せて部下達と戦う。自身は「鶴拳」の構えを見せ、それなりの対抗力を見せたが、マッスルやキッドには及ばない。そして、ローハイドやラウンドヘッドと共にボスを追い詰め、それでも逃げるボスを追いかける(その後の結末は不明)。
ハーブ役を演じたチャールス・チンは、1970年代に台湾で二枚目スターとして多くの映画へ出演。1980年代からは香港映画界にも進出し、サモ・ハン・キンポー監督の『福星』シリーズや、ユン・ピョウ主演の『オン・ザ・ラン 非情の罠』(1988年)等に出演。1992年の『五福星撞鬼』を最後に俳優業を引退、アメリカ・ロサンゼルスへ移住し表舞台から遠ざかっていたものの、2013年に開催された台湾の映画祭「第50回金馬獎終身成就獎」にゲストとして参加、久々に公の場に立った。

ローハイド(演:フォン・ツイファン)

ローハイド(写真左から2番目)。

CV:羽佐間道夫(日本語吹き替え版)
テレビ吹き替え版の名前はヒゲ。
キッドの仲間で強盗である。しかし強盗としては、やや詰めが甘い一面がある。歯科医院へ行き患者を装い、歯科医に金を要求し歯科医になりすますが、そこへある女性とその夫と名乗る男がやって来て、男から痛めつけられてしまう。その原因は、女性と(本物の)歯科医が不倫をしたという事であり、慌てて(歯科医のマスクを外し)素顔を見せ「偽物」だと証明しようとするも、女性は何故か「この男(不倫相手)よ、男らしくして」と答えては詰め寄ってくる。夫である男が更に痛めつけようとしたところへ警察と名乗ったキッドとハーブがやって来た事で、どうにか解放される。
その後、サンディ、ラウンドヘッドらも加わり、ウォルター特部長が指定する家へと向かう。ウォルター特部長により極秘任務を依頼されるが、自分達はやる気はなくその場を去ろうとする。しかし玄関で会ったバーバラにより態度を変え依頼を承諾。
物語後半、サンディやバーバラ達と共に「かかし組」のアジトで収監されていたものの、キッドの活躍で檻からの脱出に成功する。キッドや途中からアジトへやって来たマッスルが「かかし組」の面々と格闘を繰り広げる一方で、自分やハーブ、サンディ、ラウンドヘッドらと共に目の前に現れる数人の「かかし組」の部下達を相手に奮闘する。それぞれ五獣の拳(自身は「龍拳」)らしき構えを見せ部下達と戦う。一人の部下により、劣勢に追い詰められるも、ラウンドヘッドが部下に飛びつき、数発鉄拳を食らわせ、背中からの体当たりで難を逃れる。そして、ハーブやラウンドヘッドと共にボスを追い詰め、それでも逃げようとするボスを追いかける(その後の結末は不明)。
ローハイド役を演じたフォン・ツイファンは、サモ・ハン・キンポー監督の『福星』シリーズをはじめ、『霊幻道士2キョンシーの息子たち!』(1986年)や『サイクロンZ』等、多くのヒット映画に出演。2000年代以降も、『アクシデント/意外』(2012年)や『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2013年)等に出演。

ラウンドヘッド(演:エリック・ツァン)

CV:小松政夫(日本語吹き替え版)
テレビ吹き替え版の名前はウスノロ、または「ちび」。
飲料工場に勤務しており、上司からこき使われている事に嫌気がさし、上司の目を盗んでは(同じコーラ瓶の箱を持ちベルトコンベア付近で何度も往復したりして)仕事をサボったりしている。休憩時間に同僚達と「蠅が自分の持つトランプに止まったら勝ち」というカードゲームを行っていた時にキッド達がやって来て、彼等に誘われた事を機に、キッド達と同行し職場放棄してその場を去る。一同で、ウォルター特部長が指定する家へと向かうとウォルター特部長本人がおり、彼から極秘任務を依頼される。自分達は乗る気がなく、そこから立ち去ろうとするも、玄関先で出会った美人刑事バーバラにより態度を改め、依頼を承諾。
物語後半、サンディやバーバラ達と共に「かかし組」のアジトで収監されていたが、キッドの活躍により檻から開放される。キッドや途中からアジトへやって来たマッスルが「かかし組」の面々と格闘を繰り広げる一方、自分もハーブ、サンディ、ローハイドらと共に目の前に現れる数人の「かかし組」の部下達を相手に奮闘する。それぞれ五獣の拳(自分は「虎拳」)の様な構えを見せ部下達と戦う。一人の部下により、ローハイドが劣勢に追い詰められているところへ部下に飛びつき、数発鉄拳を食らわせ、ジャンプからの背中での体当たりを食らわせる。その後ハーブやローハイドらと共にボスを追い詰め、それでも逃亡しようとするボスを追いかける。追いかけようとした矢先に躓き転ぶも、ローハイドに助けられそのままボスを追いかける(その後の結末は不明)。マッスルやリッキーらが「かかし組」の部下達との対決が終わった頃、警察が来たと慌てて彼等に駆け寄るが、マッスルに「自分も警察」と言われホッと胸を撫で下ろす。
ラウンドヘッド役を演じたエリック・ツァンは、プロサッカー選手、スタントマンを経て1970年代終盤頃から俳優として活動を開始。その特徴的なキャラクターで、『男たちのバッカ野郎』 (1987年)や『インファナル・アフェア』 (2002年)等、数多くの作品に出演。また、『不夜城 SLEEPLESS TOWN』(1998年)や『無問題2』(2002年)といった日本映画にも顔を出している。他にも『悪漢探偵』 (1982年)といった、数々の作品を監督・制作する等、マルチに活躍している。

「かかし組」

ボス(演:ポール・チャン)

ボス(写真右)。

CV:川合伸旺(日本語吹き替え版)
ヤクザ「かかし組」のボスであり、物語冒頭で富士急ハイランドにて汚職警官らを探していたリッキーが忍者集団の猛攻を受けた末にさらわれた際に、リッキーを探すマッスルと対面する。その時、女用心棒と同行しており、写真を撮ってくれとマッスルに促し、また一緒に写真に写る様にマッスルに言い、マッスルは写真に写り、これにより面が割れてしまう(以降、マッスルは暫く自身の隠れ家の方にいた)。
物語中盤、キッド達が「かかし組」が仕切る賭博場へ向かい、「かかし組」の女用心棒が行う壺振り(丁半)に参加している途中で警察の手入れが入るも、キッド達を香港の「銀行強盗」だと確認し女用心棒が彼等を裏出口から逃す。
警察の手入れから逃れたキッド達を「かかし組」で酒の席でもてなし、キッド達の香港での「銀行強盗」としての活躍を見込んで、「かかし組」との付き合いを持ちたいと告げる。そこへ汚職警官が来て、キッドがマッスルの仲間だという事を告げる。それを知ったのかキッドやサンディ達一同へ、「かかし組」と付き合う為の「保証金(身代金)2000万」を要求する。サンディ達は唖然とするも、キッドは金を取りに行くと言い、その場を後にする。
キッドは再び「かかし組」のアジトへ来るが、「保証金」が半額(1000万香港ドル)な事、キッド達が「銀行強盗」でない事を既に知っており、キッドを部下達に取り押さえ、GPS付きのライターも取りあげる。そして、キッドを富士山で焼き殺す様に部下達に指示する。キッドが檻の方へ連れて行かれるがタイミングを見計らい、「かかし組」の部下が(他の仲間達もいる)檻のドアを開けた瞬間に激しく抵抗し仲間達を開放する。キッドや途中からアジトへ来たマッスルが「かかし組」の面々と格闘を繰り広げる一方で、ハーブ、ローハイド、サンディ、ラウンドヘッドと共に目の前に現れた数人の「かかし組」の部下達を相手に奮闘する。そして、ハーブ、ローハイド、ラウンドヘッドの三人に追い詰められ、逃亡を図り、彼等に追いかけられる。その後の結末は不明であるが、物語終盤に「かかし組」一同が警察に逮捕された。組織の頭角として機転が利く反面、追い詰められるとテンパる一面を見せている。
デヴィットの父親役を演じたポール・チャンは『ドラゴン武芸帖』(1973年)や『ドラゴンロード』(1982年)等、1970~1980年代にかけてジャッキーチェン作品や数多くの香港映画に出演。

女用心棒(演:西脇美智子)

CV:西脇美智子(日本語吹き替え版)
女用心棒
「かかし組」につく博打の壺振りの女性で、物語全体を通して他のキャラクターと比べて、口数が少ない。物語冒頭で富士急ハイランドにて汚職警官らを探していたリッキーが忍者集団の猛攻を受けた末にさらわれた際に、リッキーを探すマッスルと対面する。その時、「かかし組」のボスと同行しており、ボスが写真を撮ってくれとマッスルに促し、また一緒に写真に写る様にマッスルに言い、マッスルは自分達と写真に写り、これにより面が割れる(以降、マッスルは暫く自身の隠れ家の方にいた)。
キッドやサンディ達が向かった、「かかし組」が仕切る賭博場にて壺振り(丁半)を仕切って、それにキッド達が参加する。またその際にキッド達を香港の「銀行強盗」だと確認しボスに連絡、警察の手入れが入った時も、キッド達を裏出口へ逃がす。やがて汚職警官の告げ口でキッドがマッスルの仲間だという事も分かり、ボスからキッド達一同へ「かかし組」と付き合う為の「保証金(身代金)2000万」を要求し、キッドがその金を取りに行くまでの間、「かかし組」のアジトの檻へバーバラやサンディ達を収監する。
キッドが「保証金」を用意し「かかし組」のアジトへやって来るも、「保証金」が十分でなく、キッド達が「銀行強盗」でない事も分かり、キッドは檻の方へ連れて行かれる。しかしキッドは「かかし組」の部下に抵抗し、サンディ達も開放する。バーバラがリッキーが閉じ込められている部屋へ向かい、檻のドアを開けようとしていた時に現れ、バーバラと一対一の対決を繰り広げる。互いの髪を掴んで、ガラスを突き破り飛び込む程に激しい格闘を行い、バーバラを劣勢に追い込む。するとその場にいたキッドが相手となり構えるが、キッドから顔に鉄拳を食らってその場で失神する。
女用心棒役を演じた西脇美智子は、1980年代前半から「ボディビル界の百恵ちゃん」 と注目されて以降、多くのメディアへ出演。特撮テレビドラマ『時空戦士スピルバン』(1986~1987年)の悪役、香港映画『香港・東京特捜刑事』(1988年)や『ゴッド・ギャンブラー』(1989年)に出演し注目されます。2000年のハリウッド映画『チャーリーズ・エンジェル』にて、主演のルーシー・リューの代役でスタントをこなした事で最優秀スタント賞を受賞した。

汚職警官(演:ラム・チェンイン)

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