ゲッターロボ アーク(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゲッターロボ アーク』とは、石川賢が手がけたSF巨大ロボットバトル漫画であり『ゲッターロボ』シリーズの叙事『ゲッターロボ・サーガ』最終作。
正義のロボットだったはずのゲッターロボが、未来ではゲッターエンペラーとして宇宙を侵略する悪魔のようになってしまう予知があった。
なぜ、そのような未来が創られたのか。初代ゲッターパイロット流竜馬の子、流拓馬が現代での最新ゲッター「アーク」を駆って、その謎を解き明かす予定だったが、作者急逝により謎のまま未完となった。
2021年夏アニメ化。

ゲッターD2を含む、早乙女研究所に配備される名も無きゲッターの総称。
だが量産型というわけではないらしく、一機一台がそれぞれ異なる外観をしている。
隼人によって研究開発された機体だが、いずれもゲッターアークの性能を上回る事はない。

UAVステルバー

かつてアメリカ空軍が開発した空戦用ロボット・ステルバーa04の後継機。ゲッター線は使用していないが性能はかなりのもので、変形して高速で飛行することが可能。原作には設定からして存在せず、アニメ版にのみ登場する。
それでもアンドロメダ流国の大軍勢を前には質と量の両面で圧倒され、終始苦戦を強いられていた。

ゲッターザウルス

ゲッター線が苦手なはずのハ虫人類が、自滅覚悟で恐竜帝国の科学力を結集して造り上げたゲッター。
火力を重視したのか、それとも恐竜帝国の優れた科学技術もゲッター制作のノウハウが不足していたせいなのかは不明だが、ゲッターアークより二回りほど大きい。
最終決戦までゲッターアークと共に戦ったが、なぜか最終章(最終話)ではパイロットごとフェードアウトしており、どうなったのかまったく不明。
最終章自体も、まるでゲッターザウルスなどいなかったかのごとく話が進む。

アニメ版では、ゲッターザウルスのパイロットたちがカムイの幼馴染であるという新しい設定が追加されたこともあり、出番が増えている。

ゲッタードラゴン

地下深くで進化しているゲッタードラゴン。

早乙女研究所の地下奥深くで、ゲッター線の繭に包まれて進化の眠りについているゲッター。
かつて『ゲッターロボG』で主役メカをつとめたゲッターGそのものなのだが、本作ではゲッターGの名称は使われず(ゲッタードラゴン、ゲッターライガー、ゲッターポセイドンの三形態に変形するメカを総称して「ゲッターロボG」略して「ゲッターG」と呼ぶ)あくまでゲッタードラゴンとして呼ばれる。

アンドロメダ流国の破壊対象だったが、物語の最後で覚醒。危機に陥るゲッターアークの背後に守護として現れた。
その際の「でたなゲッタードラゴン」というカムイのセリフは、初代『ゲッターロボ』から続く『ゲッターロボ・サーガ』のトリを飾る言葉として、『ゲッターロボ』ファン、そして石川ファンの中で有名である。

外部媒体で「真ゲッタードラゴン」と紹介される事もあるが、この段階のゲッタードラゴンは進化途上であり、あくまで冠なしの「ゲッタードラゴン」である(作中で「真ゲッタードラゴン」と呼ばれた事は一度もなく、そのような設定もない)。

公式設定ではないのだが、多くの『ゲッターロボ』ファンは「はるかなる未来で、このゲッタードラゴンが進化を遂げた後に、火星に飛び立って進化した真ゲッターと合流し、融合する事で"ゲッターエンペラー"が誕生したのではないか」と考察しており、作中でもゲッターエンペラーのデザインは真ゲッターとゲッタードラゴンを掛け合わせたような姿をしている事が論拠となって、半ば通説になっている。

ゲッター艦

現代のゲッターよりも、異形化が進んでいる機体が多い。

未来の世界でゲッターエンペラーに率いられ、宇宙を侵略して回る宇宙戦艦型ゲッター。とはいえ変形合体メカらしく、ほとんどの艦が人型ゲッターに変形できる模様。
無数におり、宇宙中で大艦隊を構成している。ゲッター艦隊のいる領域へ入ると、宇宙のどこを見回してもゲッター艦が浮いているような状態になる。
敵にとっては逃げ場がない。

さらに、一機一台がどれも主役ロボ・ゲッターアークをはるかに上回る性能を持っており、ゲッターアークと共同戦線を張った際には、戦闘にはやる拓馬をたしなめて「あせるな拓馬! 奴らの戦闘力は我々が奪う!」「ゲッターアークの戦闘値では敵に叩きのめされる!」「奴らが弱小な敵でも、お前らには無理だ!」などと、主役ロボとそのパイロットに向かって、容赦のない戦力外通告を次々と放った。

だが実際、サイズも戦力もゲッターアークとは桁違いのレベルであり、これらゲッター艦と比較するとゲッターアークはまるで巨象の群れに迷い込んだ子猫のようだった。
作劇上で「主役ロボよりも圧倒的に強力な"味方ロボ"がうようよ存在していて、しかも主役ロボは王女様のごとく彼らにエスコートしてもらって戸惑っている。なお、敵は大半が味方ロボに殺戮されており、生き残った敵も絶望に沈んでいる」という描写をされており、これはロボットもの史上、後にも先にも例のないシーンとして有名。

ゲッターエンペラー

合体の余波で周囲の惑星が破壊されている。

はるかなる未来の世界で、人類をその庇護下に置き、宇宙全体を戦場に人類以外の生命体を殺戮して回る、天文学的サイズの宇宙戦艦型ゲッターおよび、それが3機合体して出現する人型ゲッター。
同時に、人類率いるゲッター艦隊の旗艦でもある。
通常のゲッター艦でも、ただ一隻そこにあるだけで人類以外にとっては悪夢そのものなのに、そのゲッター艦がもしも束になってかかったとしても、軽く蹴散らされるほどの馬鹿げた強さを誇る。

そのサイズは作者の石川賢によると「太陽系と同じくらい」であり、しかもまだまだ巨大に進化する可能性を秘めている。
変形しただけでビッグバンが起きるレベルのエネルギーを放出し、亜空間を物理的に握りつぶすなどの荒技も披露する。

ゲッターの行き着く先の姿とされており、その目的はゲッター艦隊曰く「大いなる意志の戦い」である。
この「大いなる意志」というのは、石川賢の別作品『虚無戦記』に登場するキャラクターであり、無限の大きさを持つ敵「時天空」と戦っていた神の軍団の事である。しかし時天空には大いなる意志の攻撃も一切通用しなかったため、大いなる意志は自らの攻撃を諦めビッグバンで時間を稼ぎ、その間に大いなる意志のそれぞれが時天空を倒せる兵器を創り出す事を計画する。
その際のワンシーンに、「宇宙を消滅させる機械の化物でもいい!!」というセリフがあり、これが本作にも登場するゲッターエンペラーの事であると示唆されている。

本作では竜馬の意志あるいは魂が宿っているようであり、宇宙のどこかへ飛んでしまったゲッターアークに乗る拓馬を探し出し、元の時代の地球に送り返した。

ウザーラ

漫画版『ゲッターロボG』に登場する古代兵器。かつて栄華を極めたアトランティス大陸の科学者が作り上げた巨大ロボで、胴体中央に生えた人型ロボの上半身が大体ゲッターロボアークと同等のサイズという巨体を誇る。
そのサイズに見合ったすさまじい戦闘力を有し、当時のゲッタードラゴンすら成す術もなく敗北。百鬼帝国すら太刀打ちできず、たった1機で第3勢力的な存在となり、作中では最後まで正面からはほとんど無敵の力を振るい続けた。

それを回収したのか、あるいは同型の別の機体なのか、マクドナルドと彼の仲間たちがゲッタロボアークとの最後の戦いの時に搭乗。原作さながらのすさまじい力を発揮して、ゲッターロボアークをあと一歩まで追い詰めた。それでも母の仇を前に激越した拓馬がゲッターロボアークの力を限界以上に引き出した結果、ゲッター線をまといながらの体当たり攻撃によって胴を貫通されて爆沈した。

バグ

アンドロメダ流国が、対ゲッター兵器として開発中していた兵器。
しかし開発が間に合わず、アンドロメダ流国はゲッター艦隊に消滅させられてしまったため、開発はカムイへと託され、過去の地球で開発が継続され、そして完成する。
本作の最終シーンで登場しているが、その姿は石川の別作品『セイテン大戦フリーダーバグ』に登場するメカ「シグム・セイクン」と完全に同一の外見をしている。
違うのは名前だけだが、それも「バグ」と、シグム・セイクンの登場する作品名『セイテン大戦フリーダーバグ』と、その作中に登場するヒロイン「バグ」から拝借されている。

これは単なるスターシステムという事ではなく、実際に『ゲッターロボ』シリーズの世界と『セイテン大戦フリーダーバグ』の世界がリンクしはじめており、石川が自らの作品の集大成を創り出そうとしていた事の現れであるとされている(ただし石川が急逝したため、その発想はこのバグのようにさわりの部分だけが語られ、具体的に物語として描写される事はなかった。一応、元々は別物だった作品をひとつにまとめる、という発想は『虚無戦記』で実践しているのだが、この作品は『ゲッターロボ』もまとめられておらず、石川漫画の集大成というには無理がある)。
アニメ版では、Biogeocenosis(生態系) Unlimited(無限界) Genocidemachine(抹消機)の頭文字を取って「バグ」という名称であるという設定が追加。ゲッター艦隊やゲッターエンペラーに対抗するために作られた機体で、単機で地球の環境を完全に破壊し作り変える神のごとき力を持つ機体だとされる。

ゲッター天(げったーわん)

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