ゲッターロボ アーク(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ゲッターロボ アーク』とは、石川賢が手がけたSF巨大ロボットバトル漫画であり『ゲッターロボ』シリーズの叙事『ゲッターロボ・サーガ』最終作。
正義のロボットだったはずのゲッターロボが、未来ではゲッターエンペラーとして宇宙を侵略する悪魔のようになってしまう予知があった。
なぜ、そのような未来が創られたのか。初代ゲッターパイロット流竜馬の子、流拓馬が現代での最新ゲッター「アーク」を駆って、その謎を解き明かす予定だったが、作者急逝により謎のまま未完となった。
2021年夏アニメ化。
CV:本田裕之
拓馬がゲッターアークに乗ってから、初めて交戦する事になる、アンドロメダ流国からやってきた敵。
どことなく『西遊記』でよくイメージされる孫悟空のような姿をしており、猪八戒のような豚型メカに乗って空を飛ぶ。
巨大ロボットであるゲッターアークと同じぐらいのサイズだが、兵器なのではなく、そういう生命体である。
ゲッタートマホークで身体をバラバラに切り裂かれて死滅した。
すぐに死んで物語から退場するとはいえ、モブキャラではないのだが、漫画版では名前が設定されていない。兎猿猴という名前はアニメ版でつけられたものである。
マザー(女王蟲)
アンドロメダ流国の巨大昆虫が、被撃破時に産み落としたサナギ(卵ではなかった)から孵化した人型昆虫。
次々と人間に卵を産み付けていき寄生させる。卵に寄生された人間は、間もなくして孵化する虫に身体も脳も乗っ取られてしまい、最終的に昆虫の化け物になってしまう。
言葉は喋れないが知能は高いようで、陽動でゲッターアークを早乙女研究所から誘い出した後に同研究所を襲撃。その所員達にも卵を産み付け、あと少しで早乙女研究所を陥落できるというところまで行ったが、最終的にゲッターアークに身体を食いちぎられて死滅した。
恐竜帝国
ゴール3世
CV:置鮎龍太郎
恐竜帝国の今上皇帝。
ゴール1世となるのが『ゲッターロボ』で登場した「帝王ゴール」である。
だが、2世が誰なのか明言されていない(本作の前日譚となる『ゲッターロボ號』で恐竜帝国が登場した際には「女帝ジャテーゴ」という指導者がおり、彼女がゴール2世である可能性はあるが、公式設定は存在していない)。
表向きは平和主義者だが、支配欲が強く、いずれはカムイを亡き者にし地上を征服しようと考えていた。
最終的には人類に反旗を翻したカムイに皇帝の座から引きずり下ろされた。
ハン
CV:緒方賢一
恐竜帝国の科学者。博士号持ちで、凶暴な性格が多いハ虫人類としては異例といえるほど温厚な性格。
ゴール3世やカムイとは違って、心から人間との和平を望んでおり、必要ならば恐竜帝国の秘密も拓馬に打ち明けるなど、その言動の端々から善良な人格が読み取れる。
作中では、主に彼のもたらした技術によって不可触領域に突入する手段が確立された。
カムイが人類に反旗を翻した後、どうなったのかは描写されていない。
バット
CV:若本規夫
恐竜帝国の将軍。『ゲッターロボ』で初代ゲッターそして竜馬達と激戦を繰り広げた英雄だった。
しかし本作ではすっかり衰え、昔話に興じるだけの老人と化してしまっている。
ただ、その昔話では竜馬達を不倶戴天の敵ながらも戦士としては高く評価していた模様で、拓馬が竜馬の息子だと知ると、恨み言をぶつけるどころか「お前のオヤジも大したもんじゃった」と懐かしげに語っていた。
なお、出番は最初が最後である上に、物語の進行には一切関わらない。ファンサービス的なキャラクターである。
アニメ版ではカムイによる反乱時に正気に戻り、往年のカリスマを発揮してこれをサポートした。
ゲッターザウルスパイロット達
ゲッターザウルスのパイロットを務める三人組。
一人は「ゾル」という名前が明らかになっているが、他の二人は不明である。
ゲッターザウルス自体があまり活躍しておらず、それ自体もパイロット共々最終的には行方不明(物語からフェードアウト)になってしまうので、早乙女研究所のゲッターパイロット達よりは目立つが、脇役の域を出ない。
バイス
CV:高橋良輔
ゲッターザウルスのパイロット。原作ではセリフのあるモブに等しいが、アニメ化した際に改めて名前と新規ビジュアルが設定された。
カムイの幼馴染で、ハチュウ人類の中でも下層階級である地リュウ族の青年。武功を上げて一族の地位を向上させるため、ゲッターザウルスのパイロットに志願した。ゲッターザウルスはゲッター線で稼働しているため、これに乗り込むことはハチュウ人類にとって毒を浴び続けるに等しく、文字通り決死の覚悟を固めている。
ゲッターザウルスパイロットの中でも特に血気盛んで、連戦の消耗で苦戦していた拓馬たちを「不甲斐ない」と罵り、彼と一触即発になっていた。
カムイの反乱に加担し、彼と共に恐竜帝国を制圧する。早乙女研究所の制圧作戦にも参加するが、隼人によって耳を撃ち抜かれ、トドメを刺された。
ガンリュー
CV:坂田明寛
ゲッターザウルスのパイロット。原作ではセリフのあるモブに等しいが、アニメ化した際に改めて名前と新規ビジュアルが設定された。
キャラクター性の強化のため、アニメでは「カムイの幼馴染」という設定が追加。その分登場も少し前倒しになっている。ハチュウ人類の中でも特に階級の低い地リュウ族の青年で、ゲッターザウルスのパイロットに志願したのも一族の地位向上のため。ゲッターザウルスはゲッター線で稼働しているため、これに乗り込むことはハチュウ人類にとって毒を浴び続けるに等しく、自分たちの命が消耗品扱いされていることを承知で戦いに臨んでいる。
幼馴染のカムイが母親を人質にされて戦わされていることには思うところがあるらしく、拓馬が式典を利用して二人を合わせた際にはバイスやゴズロともども「よくやった」と言わんばかりの言葉を漏らしている。
カムイの反乱に加担し、彼と共に恐竜帝国を制圧する。早乙女研究所の制圧作戦にも参加するが、隼人によって目を裂かれ、ゴズロと同士討ちのような形で倒された。
ゴズロ
Related Articles関連記事
プロレスの星 アステカイザー(円谷プロ)のネタバレ解説・考察まとめ
『プロレスの星 アステカイザー』とは、1976年(昭和51年)10月から1977年(昭和52年)3月まで全26話が放送されていた永井豪・石川賢原作、円谷プロダクション制作による特撮ドラマである。プロレスを含む全格闘技界を征服しようとする格闘軍団ブラック・ミストと戦うアステカイザーの活躍を描いている。戦闘シーンでは、実写からからセル画のアニメーションに代わる通称「ドラマメーション」が用いられていた。実写では表現が難しい戦闘シーンが表現可能となり、特撮番組の新たな世界が展開されていた。
Read Article
キューティーハニー(CUTIE HONEY)のネタバレ解説・考察まとめ
『キューティーハニー』は、漫画、テレビアニメ、オリジナルビデオアニメ、数回にわたる実写映画など、様々な媒体で製作されている、永井豪の代表作の一つである。セクシーシーンと臨場感あふれるアクションシーンが満載の、キューティーハニーと悪の組織・パンサークローとの戦いは、少年少女のみならず、幅広いファンを獲得した。
Read Article
デビルマン(漫画版DEVILMAN)のネタバレ解説・考察まとめ
『デビルマン』(漫画版DEVILMAN)とは、永井豪が『週刊少年マガジン』に連載した漫画である。デーモンとの戦いを通して人間の弱さや邪悪さが露呈し、その過程で本当に守るべきものは何か、本物の悪魔とは何かを問う作品となっている。おとなしい高校生の不動明は友人飛鳥了の提案により、200万年の眠りから目覚めたデーモン軍団から人間を守るためにデビルマンとなり戦うことを決断する。デビルマンとなった明はデーモンから人間を守りたいと戦うが、追い詰められた人間が見せる剥き出しの残虐さに絶望していく。
Read Article
ハレンチ学園(永井豪)のネタバレ解説・考察まとめ
『ハレンチ学園』とは、永井豪によるギャグ・学園漫画。『週刊少年ジャンプ』誌上にて1968年から1972年まで連載された。漫画を基にした実写テレビドラマ版・実写映画版・OVA版などがある。連載当時としては過激な性描写と破天荒なストーリーで人気と話題を博し、永井豪の初期の代表作品であるとともに草創期の『週刊少年ジャンプ』を支えた作品として知られた。日本一ハレンチな学校「聖ハレンチ学園」を舞台に、そこに集った常識外れの生徒たちと教師たちが巻き起こす騒動を描いたギャグ・学園・セクシー漫画である。
Read Article
バイオレンスジャック(永井豪)のネタバレ解説・考察まとめ
『バイオレンスジャック』とは、永井豪とダイナミックプロによるポスト・アポカリプス漫画。『週刊少年マガジン』にて1973年から1974年まで、『月刊少年マガジン』にて1977年から1978年まで、『週刊漫画ゴラク』にて1983年から1990年まで連載された。約17年間に渡る連載期間は永井豪作品最長であり、多くの永井キャラクターが共演したことでも知られる。巨大地震で分断された無法地帯関東で逞しく生きる少年たちと、彼らを見守る謎の存在バイオレンスジャックとその敵スラムキングとの戦いを描いた作品である。
Read Article
鋼鉄神ジーグ(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『鋼鉄神ジーグ』(こうてつしんジーグ)とは、2007年に放送されたロボットアニメ。1975年に放送された『鋼鉄ジーグ』の続編ではあるが、設定や世界観は手を加えられている。前作の原作を担当した永井豪らしいお色気シーン、往年のロボットアニメに見られた熱血的な演出や特訓シーンなど、古き良き作品の魅力をブラッシュアップした演出が好評を博した。 初代鋼鉄ジーグと邪魔大王国の決戦から50年。結界に覆われたままの九州から出現した新たな敵を倒すため、高校生の草薙剣児は鋼鉄神ジーグの操縦者となって戦い始める。
Read Article
マジンガーZ(永井豪)のネタバレ解説・考察まとめ
『マジンガーZ』とは、永井豪とダイナミックプロ原作の漫画やテレビアニメなどのメディアミックス作品。漫画版は1972年から1974年まで『週刊少年ジャンプ』及び『テレビマガジン』にて連載され、アニメ版は1972年から1974年まで放映された。続編に『グレートマジンガー』と『UFOロボ グレンダイザー』がある。主人公が人型巨大ロボットを操縦して敵と戦うスーパーロボットものの代表的作品であり、多くのフォロワーを生み出した。主人公が、スーパーロボットに乗り込み悪の科学者と戦う様を描く。
Read Article
グレンダイザーU(Grendizer U)のネタバレ解説・考察まとめ
『グレンダイザーU』とは、世界的に高い人気を誇るロボットアニメ『UFOロボ グレンダイザー』のリブート作品。総監督に福田己津央、キャラクターデザインに貞本義行、脚本に大河内一楼、音楽に田中公平と豪華絢爛なスタッフで話題となった。キャッチコピーは「宙と大地よ、思い出せというのか?」。2024年放送予定。 故郷フリード星を滅ぼされ、地球へと逃げ延びたデューク・フリード。その地球に仇敵たるベガ星連合軍が迫っていることを知ったデュークは、フリード星の守護神グレンダイザーに乗ってこれを迎え撃つ。
Read Article
2024年7月夏アニメ(前期アニメ)まとめ
2024年7月期に放送される夏アニメを50音順に紹介する。2024年7月夏アニメは、人気シリーズの続編が多数ラインナップされている。アニメの放送情報や配信情報、声優・スタッフ、あらすじなどの情報をわかりやすくまとめた。
Read Article
2024年4月春アニメ(前々期アニメ)まとめ
2024年4月から放送を開始する春アニメを50音順に紹介する。2024年4月春アニメは、注目の新作アニメや人気シリーズの続編などが多数ラインナップされている。アニメのタイトルや放送情報、キャスト声優やスタッフなどの情報をわかりやすくまとめた。
Read Article
マガジンの歴代ヒロインまとめ
『少年マガジン』は、日本でもっとも長く続いている週刊の少年漫画誌の1つである。その長い歴史の中で幾多の傑作を生み出し、日本の漫画文化を支えていった。「少年漫画」という縛りがあるため主人公の多くは少年だが、その活躍を支えるヒロインたちもまた物語に欠かせない存在として魅力たっぷりに描かれている。 幼馴染に学生、人外や異世界人と設定も様々なら、その関係性も恋人から友人、ライバルまで多種使用である。ここでは、マガジン作品を彩ったヒロインたちを紹介する。
Read Article
デビルマン(DEVILMAN)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『デビルマン』とは、70年代にアニメの企画と並行して誕生した漫画作品で、原作者である永井豪の会心作の一つである。 悪魔を主人公にした斬新な設定と、ハードなアクション、そして後半のヨハネ黙示録を元にした終末観溢れるストーリーが話題を呼び、いくつもの派生作品が生まれた。 人、悪魔、そして神とは一体何か、本作の登場人物の言葉にその秘密が隠されている。
Read Article
精鋭な作家陣が描くデビルマン『ネオデビルマン㊤』まとめ
先日新アニメーションの制作、公開が発表されて話題を呼んでいるデビルマンシリーズ。この作品のファンである才能あふれる漫画家たちが、こぞって独自の世界観を本に展開したアンソロジー『ネオデビルマン』の上巻について紹介します。
Read Article
精鋭な作家陣が描くデビルマン『ネオデビルマン㊦』まとめ
先日新たなアニメーションの制作、公開が発表されて話題を呼んでいるデビルマンシリーズ。この作品のファンである個性あふれる漫画家たちが、こぞって独自の世界観を本に展開したアンソロジー『ネオデビルマン』の下巻についてまとめました。
Read Article
漫画版「デビルマン」のトラウマシーン集!
アニメではヒーロー物として人気のあった「デビルマン」ですが、漫画版はアニメとは別物でストーリーもだいぶ違います。一言でいうと子供向けではありません。 かなりの鬱展開やグロ描写がありますので注意してください。
Read Article
1980年代、少年誌はチョーッチHな描写が花ざかりだったんだぞ!!怒涛の10作品
少年誌のチョーっちHな描写、日本中の少年を『熱く』したマンガをまとめてます。
Read Article
魔法少女?いいえ「東映魔女っ子アニメ」まとめ【1970年代~1980年代】
現在多くの「魔法少女アニメ」や「変身少女アニメ」が放映されていますが、その礎となったのは1970年代から登場した『魔女っ子アニメ』ではないでしょうか? そこでこちらでは、1970年代~1980年代にかけて登場した『東映魔女っ子シリーズ』を集めまとめてみました。
Read Article
【ガラダK7】徹底解説!マジンガーZに登場する機械獣一覧!【ダブラスM2】
スーパーロボットアニメの元祖として語り継がれる伝説的名作『マジンガーZ』。作中で主役ロボットマジンガーZが戦うのが、世界征服を目指すDr.ヘルに率いられた“機械獣”である。そのデザインは千差万別にして自由奔放、狙撃兵を模したようなものから機械に人体風のパーツがついたようなものまで様々である。 ここでは、『マジンガーZ』に登場した機械獣たちを紹介する。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ゲッターロボ アーク』の概要
- 『ゲッターロボ アーク』のあらすじ・ストーリー
- 新たなるゲッターチーム
- 恐竜帝国との同盟
- ゲッター艦隊との邂逅
- カムイの反乱
- 『ゲッターロボ アーク』の登場人物・キャラクター
- パイロット
- 流拓馬(ながれ たくま)
- カムイ・ショウ
- 山岸獏(やまぎし ばく)
- 旧ゲッターチーム
- 流竜馬(ながれ りょうま)
- 神隼人(じん はやと)
- 車弁慶(くるま べんけい)
- ネイサー
- 一文字號(いちもんじ ごう)
- 橘 翔(たちばな しょう)
- 早乙女研究所
- 早乙女(さおとめ)
- 敷島(しきしま)
- 伊賀利(いがり)
- 星(ほし)
- 所員達
- ゲッターパイロット達
- アンドロメダ流国(りゅうこく)
- 大女王メルドウサ
- 諸葛孔明(しょかつこうめい)
- カーター・マクドナル
- 兎猿猴(うえんこう)
- マザー(女王蟲)
- 恐竜帝国
- ゴール3世
- ハン
- バット
- ゲッターザウルスパイロット達
- バイス
- ガンリュー
- ゴズロ
- カンパニア
- ゲッター艦隊
- 巴武蔵(ともえ むさし)
- 地球人兵士
- その他
- 拓馬の母
- カムイの母
- メシア・タイール
- シュワルツコフ
- ロン・シュヴァイツァ
- 『ゲッターロボ アーク』の登場兵器
- ゲッターロボアーク
- ゲッターアーク
- ゲッターキリク
- ゲッターカーン
- 真ゲッタータラク
- ゲッターD2
- ゲッター軍団
- UAVステルバー
- ゲッターザウルス
- ゲッタードラゴン
- ゲッター艦
- ゲッターエンペラー
- ウザーラ
- バグ
- ゲッター天(げったーわん)
- 『ゲッターロボ アーク』の用語
- 不可触領域ゾーン/不可触領域ストーカ01
- ハジ
- 地獄のカマ
- エントル波
- 亜空間固定装置ゾルド
- 時空間超越機スターボーダ
- ゲッター戦記
- ダーク・デス砲
- 『ゲッターロボ アーク』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 擬音「ドワオ」
- 敷島「きやがれ! 早乙女研究所のおそろしさ思い知るがいぃ!!」
- 拓馬「親父?」
- 『ゲッターロボ アーク』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 未完が予想された創作スタイル
- 「竜馬 対 拓馬」という構想
- 通常の3倍の原稿重量
- 『ゲッターロボアーク』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):JAM Project『Bloodlines〜運命の血統〜』
- ED(エンディング):JAM Project『DRAGON 2021』