ウィザードリィ #3(Wizardry #3)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #3(Wizardry #3)』とは、1983年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『リルガミンの遺産(Legacy of Llylgamyn)』。
「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第3作。世界的な天変地異の原因を探るべく、偉大なる龍ル・ケブレスの守る宝珠を持ち帰る事が、冒険者たちに与えられた使命である。

死亡したキャラクターに蘇生呪文をかけ、失敗した場合、キャラクターは灰になってしまう。
こうなるとカント寺院での蘇生費用は倍額になる上、キャラクターの呪文で蘇生させる場合には7レベル僧侶呪文「カドルト」が必要になる。
灰からの蘇生にも失敗した場合、キャラクターはロストしてしまい、二度とゲームに復帰する事はできない。
キャラクターのロストは他にも「エナジードレインを受けて0レベル以下になる」「全滅する」「石の中に飛び込む」「宿でレベルアップし生命力が3未満になる(老衰死)」といった状況で発生する事もある。

ヒーリング

「トロールの指輪」「聖なる鎧」等のアイテムに存在する、自動でHPを回復させてくれる能力。
ヒーリング+1なら、1歩歩く毎に、あるいは戦闘で1ターン経過する毎に1点のHPが回復する。
ヒーリングがプラスならステータス画面でHPの横に「+」が、毒や呪いのアイテム所持などでマイナスであれば「-」のマークがつく。
一部のモンスターの中にも、ヒーリング能力を持つ敵が存在する。

リドル(謎かけ)

#2より導入された迷宮内ギミックのひとつ。謎めいたメッセージが表示され、それをヒントに「答えよ!」とプレイヤーに文字入力による回答を求める。正解できなければ先に進めなかったり、アイテムを得る事ができない。
FC版IIでは実装されておらず、代わりに「聖水」等のキーアイテムを集めるシステムに変更されている。

『ウィザードリィ #3』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

死や全滅など、最悪の事態を回避する「リセット技」

『ウィザードリィ』シリーズはシビアなバランスのゲームであり、ちょっとした事故や不運でパーティがあっけなく全滅してしまう。
厳しい状況に陥る前にリセットボタンを押す事で、死や全滅といった最悪の事態を回避する裏技が「リセット技」である。
この技はゲームがセーブされるタイミングが「戦闘終了後」である点を利用したもので、全滅画面が出る前にリセットを押せばパーティを救う事ができる。
石の中に飛び込んだ場合にも有効だが、パーティの誰かがテレポート呪文を習得していなければ全滅する他ない点に注意。

エナジードレインを利用した能力値上昇・経験値調整

敵モンスターのエナジードレインを受けても、その時点で下がっているのはレベルだけで、戦闘終了後まで経験値は変化しない事を利用した裏技。
エナジードレインを受けたら戦闘中にテレポート呪文「マロール」を使用し、ランダムテレポートで戦闘から脱出する事で、経験値を減らす事なく再びレベルアップが可能となる(レベルは下がっても能力値は変化しない)。
これ以外にも「蝶のナイフ」で転職した忍者にわざとエナジードレインを受けさせ、戦闘終了させる方法もある。レベルは下がるものの経験値は忍者のものとして再計算されるため、結果として格段に早いレベルアップが可能となる。
なお魔術師呪文の「ハマン」「マハマン」(両方とも唱えたキャラクターは1レベル下がる)を習得しているキャラクターなら、エナジードレインに頼らずとも裏技を使える。

魔術師呪文「マハマン」で確実な死者蘇生

死亡したキャラクターの生命力が低い場合、蘇生呪文が失敗しやすく、常に灰化やロストの危険がつきまとう。
だが魔術師呪文「マハマン」には、選択できる効果の中に「死者を生き返らせる」があり、これを選べば100%の確率で復活させる事ができる。
マハマンを使用したキャラクターは1レベル下がってしまうが、前述の「エナジードレインを利用した能力値上昇・経験値調整」を併用すれば、そのリスクでさえ回避可能だ。

大地の杖、炎の杖を増殖させる方法

イベントアイテム「大地の杖」「炎の杖」は、貰えるマスで「冒険の中断」→「冒険の再開」をする事で何度でも拾う事ができる(但しパーティ全員が所持していたり、アイテム欄に空きが無い場合イベントが発生しない)。
「炎の杖」は入手前にアブドルに25,000GPを支払う必要があるが、この裏技を使えば余った杖を売却する事で、払った金額以上に稼げる。
対応している機種はオリジナル版、FC版II等だが、『リルガミンサーガ』でも「炎の杖」のみ、同じ手で増殖させる事が可能。

アークデーモン養殖による経験値稼ぎ

最上層のアークデーモンは強敵だが、仲間を呼ぶ上経験値も高い。呪文無効化率も60%なので僧侶呪文「モンティノ」を何回か唱えれば呪文を封じる事ができる。
呪文を封じられたモンスターが呼んだ仲間もどういう訳か呪文が使えないため、このバグを利用しアークデーモンを養殖しつつ、全滅させないように倒し続け、莫大な経験値を得られる。

魔術師呪文「ハマン」でゲーム中、敵の呪文封じ(FC版II)

絶対に逃走しない弱い敵(地上1階のモートモンスターなど)との戦闘中、魔術師呪文「ハマン」で「魔物を黙らせる」を選択し、テレポート呪文「マロール」で逃走する。
するとリセットするまでの間、全ての敵の呪文が封じられた状態になる。これを利用してプリーストオブファングの「バディ」(即死呪文)を防いだり、ポレの最強呪文「ティルトウェイト」を封じたり、アークデーモンの養殖を行うなど、用途は広い。

「ハマン」「マハマン」で莫大な経験値稼ぎ(FC版II)

出現モンスターを魔術師呪文「カティノ」や僧侶呪文「マニフォ」で全て行動不能にする。次のターン、動けるモンスターが「0」になっているのを確認してから魔術師呪文「ハマン」「マハマン」を唱え「魔物をテレポートする」を選択。
戦闘終了後モンスター1体につき、ハマンなら2136万2644ポイント、マハマンなら1億2409万4024ポイントの経験値が得られる。パーティ人数を絞れば凄まじいレベルアップができる。

日本語FC版#3は2作目

オリジナル版#2は、#1で鍛えた冒険者をそのまま転送して迷宮に挑むというコンセプトのため、迷宮の難易度が最初から13レベル相当の高レベル仕様であった。
この仕様をそのまま移植した場合、技術的にも商業的にもユーザーにとって敷居が高いと判断され、FC版の2作目は本作(#3)が先に移植されたのである。
移植にあたり、オリジナル版のデフレ傾向は若干改善され、村正などの「三種の神器」がレアアイテムとして採用されたり、一部のモンスターが名称を変更されたりしている。
(具体例:ジャイアントアント→ドゥームビートル、オーガキング→ジャイアントマンティス、フェイトスピナー→アークエンジェルなど)

9kwatarus
9kwatarus
@9kwatarus

Related Articles関連記事

ウィザードリィ #5(Wizardry #5)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ #5(Wizardry #5)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #5(Wizardry #5)』とは、1988年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『災禍の中心(Heart of the Maelstrom)』。「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第5作。 世界を滅ぼす力を持つという「災禍」。これを制御できる力を持つ魔法使いゲートキーパーは、悪しき魔女ソーンに捕らえられた。冒険者たちは世界を救うためソーンを倒し、ゲートキーパーを救わねばならない。

Read Article

ウィザードリィ #4(Wizardry #4)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ #4(Wizardry #4)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #4(Wizardry #4)』とは、1987年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『ワードナの逆襲(The Return of Werdna)』。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第4作。第1作で倒された魔術師ワードナが主役となり、魔物を召喚し、冒険者たちを殺戮しつつ地上を目指し、奪われたアミュレット(護符)を取り戻すというストーリーである。

Read Article

ウィザードリィ #1(Wizardry #1)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ #1(Wizardry #1)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #1』(Wizardry #1)とは、1981年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「狂王の試練場(Proving Grounds of the Mad Overlord)」。6人パーティを組み、地下迷宮を探索し、モンスターを倒して宝箱からアイテムを得て、キャラクターを強化・育成する、いわゆる「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第一作である。

Read Article

ウィザードリィ #2(Wizardry #2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ #2(Wizardry #2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #2』(Wizardry #2)とは、1982年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「ダイヤモンドの騎士」(Knight of Diamonds)。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第二作。「ダバルプスの呪いの穴」に消えた、リルガミンの街を守護する「ニルダの杖」を持ち帰る事が、冒険者たちに与えられた使命である。

Read Article

ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝IV』とは、1996年に発売されたスーパーファミコン専用ソフトで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『胎魔の鼓動(THROB OF THE DEMON'S HERAT)』。日本国産ウィザードリィの第四作である。本作はオーソドックスなハック&スラッシュでありながら、和風テイストな舞台やイベント、ホラー要素を盛り込み、数多くのNPCとの交流や勢力争いを楽しめる。緋蓮城の先代城主の死に端を発する地方の反乱を治めるため、冒険者に「三種の神器」を集めさせるというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)』とは、2006年にWindowsで発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。日本国産の『ウィザードリィ』シリーズの1つである。 正伝シリーズへの原点回帰をうたい、初期の5種族8職業というシンプルなゲームシステムと、前作の『戦闘の監獄』のUI(ユーザーインターフェース)を採用。ストーリーが独立した公式5本のシナリオに加え、ユーザーが作成したシナリオを遊ぶ事もできるエディタが組み込まれている事が特徴。

Read Article

ウィザードリィ外伝II(古代皇帝の呪い)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝II(古代皇帝の呪い)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝II』とは、1992年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『古代皇帝の呪い(CURSE OF THE ANCIENT EMPEROR)』。日本国産ウィザードリィの第二作である。 城塞都市アルマールで遺跡が発掘され、埋葬された古代皇帝の呪いが災厄となって街を襲う。その災いを取り除くべく、冒険者たちが遺跡に挑むというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝III』とは、1993年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『闇の聖典(SCRIPTURE OF THE DARK)』。日本国産ウィザードリィの第三作である。 城塞都市ダリアを治めるアガン王が、黄金の仮面の呪いを受け狂気に陥り引きこもった。呪いを解き、王を正気に戻すため冒険者たちが集められるというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ外伝I(女王の受難)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝I(女王の受難)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝I』とは、1991年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『女王の受難(SUFFERING OF THE QUEEN)』。日本国産ウィザードリィの記念すべき第一作である。 女王アイラスが即位してから災厄続きのリルガミンの街。宮廷魔術師タイロッサムまでもが裏切り「呪いの穴」に立て籠もった。彼を討伐すべく冒険者たちが召集される、というストーリー。

Read Article

目次 - Contents