【厳選】長回し映像作品を作る神監督と映画を紹介!【トゥモロー・ワールド】

長回しとは、映像撮影の際、途中でカットせずに長い間カメラを回し続ける撮影技法。場面場面を撮影して編集で繋ぎ合わせてつくられる映像作品とは異なった趣があり、長回し映画を好む人々もたくさんいる。
この記事では、アルフォンソ・キュアロン監督の『トゥモロー・ワールド』やタル・ベーラ監督の『ニーチェの馬』など、厳選した長回しの映像作品をまとめた。

ツリー・オブ・ライフ【監督:テレンス・マリック】

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ツリー・オブ・ライフ

『テレンス・マリック監督が、50年代のアメリカのある家族の物語を壮大に描いたヒューマンドラマ。成功した実業家であるジャックは人生の岐路に立ち、遠い少年時代を回想する。家族の姿に過去から未来へと受け継がれていく生命の連鎖を見出していく。 』

映画『ツリー・オブ・ライフ』予告編

まるで夢を見ているような作品。 話が繋がってるようで、繋がってないようで、やっぱり繋がってる。

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人生の普遍が見事に映像化されている。

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ここに幸あり【監督:オタール・イオセリアーニ】

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ここに幸あり

『大臣のヴァンサンは、ある日突然辞任に追い込まれ、仕事も住む家も愛人も失ってしまう。別れた元妻にも相手にされず、行き場を無くした彼を迎え入れてくれたのは老いて尚頼れる母と昔の友人たちだった。
地位も財産も関係なく、仲間たちと飲んで食べて歌って過ごすうちに、今まで気づかなかった小さな喜びや、素敵な出会いが巡ってくる。色んなものを失ってはじめてヴァンサンは自由気ままに人生を謳歌し始めるのだった。 』

最近の、メリハリの効いた、テンポの速い映画に慣れている人は、ちょっと戸惑うかもしれませんが、一度見終わったら、「また繰り返してみてみたい」
そう思わせてくれる、素晴らしい作品です。

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ゆったりとしたリズムの中に、優しいまなざしで個性豊かな人々を描き、社会風刺のきいたユーモアをしのばせる。人生のほろ苦さと、自由を追求する人間の姿が本作でも詩情豊かに描かれている。

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サクリファイス【監督:アンドレイ・タルコフスキー】

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サクリファイス

『穏やかな誕生日を迎えるはずのその日、核戦争勃発を知ったアンドレイは愛する人々を救うため、神に自らを犠牲にすることを誓う―。現代の日常と化した核の不安を、魂の根源からせまって夢幻の美しさで描きだす。全篇にやさしさがあふれる未曾有の傑作! 』

Sacrificio Offret Andrei Tarkovsky

タルコフスキー監督の最後の作品のラストシーン。当時の35ミリカメラの中に入るフィルムの長さの限界は6分間で、映画史上もっとも美しい「ワンシーン・ワンカット」の一つと言われ続けています。このシーンの数ヶ月後にタルコフスキーは他界。

命を削って作った映画なのに、唯一明るい色調。青空が印象的な映画でした。

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細かな意味や筋よりも、ひたすら映像美に酔いしれるほうがいいのではないかと思うような作品。

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東京物語【監督:小津安二郎】

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東京物語

『巨匠・小津安二郎監督が、戦後変わりつつある家族の関係をテーマに人間の生と死までをも見つめた深淵なドラマ。故郷の尾道から20年ぶりに東京へ出てきた老夫婦。成人した子どもたちの家を訪ねるが、みなそれぞれの生活に精一杯だった。唯一、戦死した次男の未亡人だけが皮肉にも優しい心遣いを示すのだった…。』

小津安二郎 『東京物語』 予告編

生まれて初めて「日本の映画を観たなあ」って思った。

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今でも変わる事のない親子関係の多くのものを含んだ名作ですね。じわじわと色々な事を考えさせられます。

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補足

画像がなくて紹介できていませんが

ジャック・リヴェット『美しき諍い女』
蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)『Hole-洞』
カール・テオドア・ドライヤー『ゲアトルーズ』

も挙げておきます。

最後に

オズ・オズと神のように崇拝して言うのもなんですが、小津安二郎監督の撮影技法に影響を受けた世界の映画監督達が、小津への想いを語る映像を紹介します。興味がありましたらご覧下さい。

Aki Kaurismaki on Ozu

アキ・カウリスマキ監督

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@sasanqua_af5

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