マギ（MAGI）の名言・名セリフ／名シーン・名場面まとめ

30巻で紅玉が国民に対して言った演説の最後の言葉である。

紅玉は演説を通して、煌帝国軍をそのまま商会に置き換えて荒んだ煌帝国を復活させるという公約や、商売でも世界を制するという意気込みを伝えた。このセリフは、最後に煌帝国を預かる皇帝として自分がどんな状況でも決して諦めないことを宣言し、国民全員を奮い立たせた紅玉の名台詞である。

紅玉は威厳と気迫に満ちた演説を立派にこなすが、百万人もの人の前で演説するのは初めてだったため、手足が緊張で震えていた。皇帝としてプレッシャーや恐怖に打ち勝ちながらも毅然と話す姿を見届けた紅玉の従者で昔からのお世話係である夏黄文は、「陛下⋯」と感嘆する。

（煌帝国）練白瑛の名言・名セリフ

武力による一時の支配はいずれ大きな復讐を招く⋯。真に人の心をつかむもの⋯それは武力などではなく⋯崇高なる理想と志のはずよ！

3巻で練白瑛が呂斎に言ったセリフである。煌帝国から遊牧民族である黄牙一族の元へ、皇女であり将軍である練白瑛と、彼女が指揮する部隊が派遣された。煌帝国は他国に対して侵略を行い、国の領土や傘下を広げていると噂されている。

白瑛が黄牙一族と対面した際、「私は煌帝国初代皇帝が第三子⋯練白瑛。貴方たちと外交のお話をしに参りました。」「我が国でも語り継がれる、あなた方の伝説はこうです。『黄牙一族はかつて最も栄えた騎馬民族』！初代大王チャガン・ハーンは、『魔神のごとき力を手に入れて』歴史上最大の帝国を築いたと聞きます⋯。世界統一まであと一歩に迫った、あなた方の国の名は⋯⋯『大黄牙帝国』⋯。しかし、帝国は徐々に弱体化し⋯近年では『奴隷狩り』の⋯被害にまで遭っていると伺っております。しかし、その苦労も今日までです。黄牙の皆さん⋯我々煌帝国の⋯傘下にお入りなさい！我々煌帝国は先日、極東平原を統一致しました。今後は西のレーム、西南のパルテビアらの統一。つまりは、『世界統一』を志しています！黄牙のご先祖方と同じ『夢』を⋯⋯今は、私たちが追っているのです！どうか、お力添えを。」と、演説した。

白瑛の演説に倒して、黄牙一族の長老であるババ様と呼ばれる女性は「姫さまよ、時間を下され。そのお話、急には受け入れがたい。我々は、先祖代々独立を守り抜いてきたゆえに。」と、返す。白瑛は物分かりの良い女性のため、「そうですか⋯⋯。」と無理に黄牙一族を傘下に入れようとはしなかった。その後、黄牙一族の女性であるトーヤが白瑛に対して「あの、馬乳酒をお入れしましたので、中でゆっくりお話ししませんか？」と、にこやかに話しかける。
「まあ、ありがとう。」と嬉しそうに返した白瑛だが、直後に白瑛の部下の男性である呂斎がトーヤを倒してしまう。呂斎は「尊い姫様に、異民族の飲み物など飲ませられないンですよ。大体、馬の乳など我が国では⋯犬の飲み物。」と話すと、白瑛が「呂斎！」と怒った。そして、呂斎は「まどろっこしいですな⋯⋯。交渉など、こうすればいンですよ⋯。おい、貴様ら！！この村は、今から煌帝国の統制下に入る。速やかに服従せよ！！悪い話ではないだろう！？救い出してやるンだよ⋯。こんな泥まみれの、馬の糞まみれの⋯臭くて汚いみじめな生活から！！」と、叫ぶ。
このセリフを聞いたトーヤに想いを寄せている黄牙一族のドルジは、「よくも⋯家族を侮辱してくれたな⋯。俺たちの生き方を⋯見下してるようなお前らの⋯言いなりにになったら一族のみんなが！！どんなひどい目に遭うか知れてる！！侵略など絶対に許さん！！黄牙一族は、断固としてお前たちと戦うぞ！！！！」と、宣言した。その後、煌帝国は一旦、撤退する。

呂斎たちは、白瑛に内緒で黄牙一族の侵略を考えていた。最初に黄牙一族の女性だけを捕らえ、商売の道具にしようとする。黄牙一族は強靭な肉体が特徴の一族で、ナイフで刺されても死なない。その特徴が災いし、黄牙一族は近年奴隷狩りの被害にあっており、高値で売買されている。そこで、呂斎たちは黄牙一族の女性に延々と子どもを産ませ続け、その子どもを奴隷として他国に売りつけようとしたのだ。さらに、呂斎曰く子供は何人でも生まれるため、半永久的な金儲けを期待できると部下に宣言する。ところが、黄牙一族の男性が一丸となって女性を助けに来たことで、計画は失敗した。すると今度は、黄牙一族の長老であるババ様を弓矢を使って暗殺する作戦に出た。それにより、ババ様は致命傷を負ってしまう。騒ぎを聞きつけた白瑛は、呂斎を問い詰めると、呂祭の部下は「いきなり黄牙一族が襲ってきたため、煌帝国の我々が正当防衛で黄牙の戦士を倒した。」という趣旨の言葉を話す。

呂斎は「だから申し上げたでしょう！彼らは野蛮な異民族。話し合いなど無意味だと！もはや交渉など不要！一思いに殲滅すべきです！！」と、白瑛に嫌味を言った。それに対して、白瑛は「⋯いえ、私はあくまでも話し合うべきだと思います⋯。」と返した。白瑛の言葉を聞いた呂斎は、「勝手は許しませンぞ、白瑛将軍。なぜなら、貴方は姫君とはいえ前皇帝の娘。今のあなたの将軍の地位は現皇帝陛下のご慈悲で与えられたもの。そして、私は陛下より貴方の監視を任されている。これ以上勝手な行動は見逃せませンぞ⋯。」と、伝える。

白瑛は「わかりました⋯⋯ならば⋯貴方の監視すべき将軍としてではなく、私個人として交渉へ向かいます。⋯私の父は、侵略した国の敗残兵に暗殺された⋯いえ、復讐されたの。」と、告げる。このセリフは、武力で黄牙一族を制圧しようとする呂斎に言ったセリフで、白瑛の聡明さと真っ直ぐさ、真に平和を思う気持ちが込められた名台詞である。

逆賊呂斎よ。煌帝国第一皇女、練白瑛が⋯⋯刑に処す！！！覚悟せよ！！！

3巻で白瑛が呂斎に言ったセリフだ。呂斎は黄牙一族と白瑛を争わせ、白瑛の地位を乗っ取って将軍となるために戦争を引き起こそうとしていた。ところが、白瑛は話し合いによって黄牙一族と和解を果たし、黄牙一族の長老であるババ様言葉によって長年の奴隷狩りに苦しんだ黄牙一族は煌帝国の傘下に入ることとなった。黄牙一族は、煌帝国の皇女である白瑛の名の下に安全を保障される。

呂斎のたくらみは完全に露呈した。呂斎は、軍隊を引き連れて白瑛を殺害しようとするが、軍隊が放つ矢は白瑛に全く当たらなかった。実は、白瑛は「迷宮」の一つであるパイモンの攻略者で、ジンの金属器を手にしている。白瑛は、風を生み出す金属器の力を使って軍を蹴散らた。このセリフは煌帝国の皇女として、卑怯な方法で黄牙一族を陥れようとした呂斎を罰しようとする白瑛の責任感と正義感が現れた名台詞である。

（煌帝国）夏黄文の名言・名セリフ

この機を逃してはなりません！人の価値ほど不確定なものはない⋯。立場など、あっという間にひっくり返るご時世であります。あなたも努力次第で、きっとこの国の表舞台に立てるはずだ！

16巻の紅玉と夏黄文の過去を描いたおまけ漫画で、夏黄文が紅玉に言ったセリフだ。紅玉は父親は国を束ねる皇帝だが、母は遊女だった。夏黄文は皇族の一人である紅玉の従者として抜擢されるが、部屋の隅で固まっている紅玉の姿を見たときに「その幽鬼のような希薄で陰鬱な姫君と対峙した瞬間に、私は悟った。自分がはずれくじをひかされたことを⋯。」と、独白する。紅玉がこのような態度となっているのは、親も後ろ盾も無いために宮中では微妙な立場に追い込まれ、皆から忘れ去られてしまった結果だと言う。

常に縮こまった態度をとる紅玉に対して、夏黄文は「出てきてください、しっかりしてください！私どもの未来はあなたにかかっているのであります！この国もあなたも数年で状況が大きく変わったであります！煌は小国から、三国の主たる大帝国へ！そしてさらに白徳大帝らの死により紅玉姫の身分も一気に跳ね上がった！単なる皇帝の弟の末娘から、正当な皇帝陛下の第八皇女にあります！」と捲し立てる。

このセリフは自身の出世のために言っている言葉とはいえ、現在の状況に負けずにしぶとく生きようとする夏黄文の名台詞である。夏黄文の言葉をきっかけとして、紅玉は徐々に今の性格へと変わっていったようだ。

陛下⋯⋯⋯

30巻で夏黄文が紅玉のことを思って呟いたセリフである。夏黄文は少年の頃から紅玉の従者で、内気な性格だった紅玉の成長を目の当たりにしてきた。

煌帝国ではシンドバッドが作り上げた商売優先の世界に打撃を受け、寂れてしまった。そこで皇帝となった紅玉は、新しい世界の中でうまく生きていけずに下を向いている煌帝国民を奮い立たせるために演説を行う。

紅玉の演説は、皇帝としての威厳と迫力に満ちた立派なものだった。このセリフは紅玉の演説を聞いた夏黄文が言った言葉で、夏黄文と紅玉の絆が感じられる名台詞である。夏黄文は紅玉が皇帝となった後も、彼女のことを「姫君」と呼んでいた。これは、他に皇帝になるものがいなくて望まずに皇帝の地位に立ってしまった紅玉を守るためである。紅玉の演説を聞いた後、夏黄文は紅玉が誰かの庇護がいる存在ではない立派な皇帝であると感じ取り、このセリフを呟いた。

（バルバット）カシムの名言・名セリフ