オリエント(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『オリエント』とは、大高忍による戦国バトルファンタジー漫画。2018年5月より『週刊少年マガジン』にて連載開始、2021年からは『別冊少年マガジン』で連載されている。150年前に突如日ノ本に飛来した未確認生命体「鬼神」が神と崇められ、支配している世界を舞台に主人公・武蔵が幼馴染の鐘巻小次郎と自由を求めて、戦う武士団の中で「最強の武士団」を目指していく物語を描く。漫画を原作としたアニメ作品も放送された。

『オリエント』の概要

『オリエント』とは、大高忍による戦国バトルファンタジー漫画である。2018年5月より『週刊少年マガジン』にて連載を開始し、2021年からは『別冊少年マガジン』に連載されている。2022年7月時点で単行本16巻が発売。同年にテレビアニメ化もされた。

150年前、突如日ノ本に飛来した未確認生命体「鬼神」に支配されている世界を舞台に、主人公・武蔵(むさし)が幼馴染の鐘巻小次郎(かねまきこじろう)と共に、自由を求めて戦う「最強の武士団」を目指していく物語を描く。登場人物の多くは「武士団」という組織に所属しており、「鬼神」の支配からの解放・自由を求めて戦いを繰り広げる。武士は「刀の試し」という試練を受け、それぞれ特徴の違う色を持つ鬼神や鬼に唯一対抗することができる武器「鬼鉄刀」を手に入れる。「赤、青、緑、黄、白」の5色に分類され、それによって「鬼鉄刀」で発揮できる力が変わっており、鬼神や鬼との戦いにおいての役割分担が重要になる。

武蔵は最強の武士団を作るため、小次郎と旅を共にする。鬼鉄刀の力を使い、鬼神との戦いを通じて仲間との結束を強めると同時に自らの内に眠る「黒曜の女神」の謎に迫っていく。

『オリエント』のあらすじ・ストーリー

武蔵と小次郎の旅立ちとつぐみとの出会い

未確認生命体「鬼神」が突如飛来してから150年後の日ノ本。武蔵が生まれ育った竜山町では人間が鬼に支配され、「鬼神」が守り神として崇められていた。その神に抗って戦った「武士」は大悪党として扱われていた。武蔵は、鬼が食べる鉱石を掘るための鉱夫になるための学校に通っていた。武蔵は、周りの人の目を気にしてしまい、本当の夢である「武士」になりたいことを周りに言えずにいたのだ。そんな彼が唯一本音で話せる人物が、竜山町で唯一の「武士」の家系の幼馴染・鐘巻小次郎だった。武蔵は、学校を卒業して鉱山に入山する前に小次郎の家に行き、2人で街を出て「武士団」を作り鬼退治をしないかと誘う。しかし小次郎は武蔵が周りを気にして、本当の夢を言い出せていないことを知っており、信用できないと誘いを断った。

楽園だと教えられていた鉱山は鬼によって支配され、一生奴隷として働かないといけないこと知った武蔵は鬼に戦いを挑むものの、武器が無く一方的に攻撃されてしまう。そこに鬼鉄騎に乗った小次郎が現れて「鬼神」と戦うが、圧倒的戦闘力の前になす術がない。そこに大量の鬼鉄騎に乗った「武士団」が現れ、「鬼神」を討ち取ってしまった。この騎士団こそが武蔵たちが初めて出会う武士団「武田武士団」だった。団長の武田尚虎(たけだなおとら)に手柄を横取りされた武蔵は、最強の武士団を作り、すべての鬼を倒すと宣戦布告。こうして武蔵と小次郎の「最強の武士団」を作る旅が始まった。

旅の道中、2人は服部つぐみ(はっとりつぐみ)という女性に襲われ、鬼鉄騎と荷物を奪われてしまう。2人がつぐみを追いかけた先にあったのは、「小雨田武士団」の要塞だった。領主・小雨田英雄(こさだめひでお)に会った2人は、野良鬼と戦うために共闘を持ちかけられるものの、それを断ったことで投獄されてしまう。戦う力のない小雨田武士団は、領民総出で野良鬼と戦おうとする。それを知ったつぐみは、領民を守るために小雨田英雄に戦いを挑む。武蔵と小次郎の助けにより、つぐみは領民を助け出すことに成功。このまま英雄の近くにいるのはマズイと判断した領民はつぐみを旅に出すことに決め、武蔵たちの旅のお供にするよう頼む。こうして3武蔵・小次郎・つぐみの3人の旅が始まった。

刀の試し

鬼と唯一戦うことのできる武器「鬼鉄刀」を手に入れるために、「刀の試し」を受ける武蔵と小次郎。成功すると、それぞれ特徴のある色体が光り輝く。小次郎の体は青色に光り、武蔵の体は黒く光かった。言い伝えでは、黒く光る者は、「鬼鉄刀」から拒絶されると言われていたため、武蔵は諦めず挑戦を続ける。しかし何度やっても結果は変わらなかった。鬼の襲撃を受け、小次郎は手に入れた「鬼鉄刀」で応戦。その様子を見た武蔵も、同じように仲間と戦いたいという気持ちが溢れていく。そんな武蔵の前に、武蔵と同じ黒い光を放つ武士が現れた。その武士は、武蔵を「鬼鉄刀」にしようと襲いかかっり、彼を大きな穴に突き落とした。男の名は犬飼四郎(いぬかいしろう)。彼の目的は、武蔵の中にいる「黒曜の女神」だった。「黒曜の女神」の力を借り、黒い鉱石の姿で穴から出ることのできた武蔵は、小次郎を襲う四郎の元へ急ぐ。小次郎、つぐみと合流できた武蔵は、四郎とその部下・犬坂七緒(いぬさかななお)と戦うことに。しかし四郎の圧倒的な力の前に、武蔵たちは苦戦を強いられる。すると武蔵の中にいる「黒曜の女神」が現れて戦い方を教えてやると言うと、周りにいた全ての武士の「鬼鉄刀」から刀気を集め、そのエネルギーを放って敵を撃退した。その後、改めて「刀の試し」を受けた武蔵の体は、赤く光るようになる。鬼鉄刀を手に入れた武蔵は、小次郎、つぐみの3人で東にある播磨を目指して出発した。

淡路島奪還作戦

播磨を目指して進んでいた武蔵たちは山の中で遭難し、上杉連合傘下猿渡武士団の武士猿渡みちる(さるわたりみちる)と出会う。武蔵たちはみちるが「鬼神」討伐のため、淡路島に向かっていると聞きく。そこで武蔵たちは150年前に日ノ本に現れた鬼と言われる巨大な黒い壁を発見。その鬼は「黒鬼神」と呼ばれ、日ノ本の国土の半分を埋め尽くすほどの大きさになっていた。小次郎の父が持っていた絵巻物に上杉家の家紋が記されていることに気付いた武蔵と小次郎は、上杉武士団の団長・上杉竜臣(うえすぎたつおみ)の待つ播磨の港を目指すことに。播磨の港に着いた武蔵たちは、竜臣に呼ばれた武田尚虎(たけだなおとら)と再会する。竜臣と面会をしようとする過程で、武蔵は「鬼神」討伐の小隊に派遣されることとなり、「尼子武士団」の尼子勝巳(あまこかつみ)、「島津武士団」の島津秋弘(しまづあきひろ)らと顔を合わす。「上杉武士団」第一陣を乗せた船は、「鬼神」のいる淡路島向けて出航。しかし「鬼神八岐大蛇」が作り出した鬼と海上に行く手を阻まれてしまう。応戦するものの、武蔵は敵に攻撃を弾かれてしまう。どうすることもできないでいた武蔵の前に第一陣を率いる直江兼竜(なおえかねたつ)が現れて、一瞬で全ての鬼を討伐した。
鬼との戦い方、鬼鉄刀の使い方を知らなかった武蔵は仲間から軽蔑の目で見られてしまう。失意のあまり逃げ出そうとした武蔵は、勝巳の説得を受けて残ることを決意。敵のスパイであったみちると武蔵の刀気が繋がった瞬間、互いの黒い鉱石が反応し、犬田八咫郎(いぬだやたろう)に「黒曜の女神」の宿主が武蔵であることがバレてしまう。鬼神・八岐大蛇討伐を翌日に控えた決起集会の最中、八咫郎が作り出した鬼が、黒曜の女神回収のために討伐隊の陣を襲う。戦いは上杉軍の優勢に進んでいたが、四郎と犬川静六が参戦したことで一気に戦況が変わり、上杉軍は壊滅的な被害を受ける。武蔵の中に眠る黒曜の女神の力を使い、鬼神・八岐大蛇討伐を目論む討伐隊は、個々に打ち取るために強敵である四郎と静六を分断させると、四郎に尚虎を、静六に兼竜をぶつけ、撃退。武蔵たち別働隊は、鬼神・八岐大蛇のいる最深部に辿り着くが、そこにいた鬼神と同化した八咫郎との戦いに苦戦を強いられる。武蔵と島津武士団6人の連携でなんとか鬼神の角を折るが、討伐には至らなかった。尚虎や兼竜ら、戦闘力の高い武士は、鬼鉄刀を使えるほどの力が残っておらず、それに知った武蔵は自分達だけで鬼神・八岐大蛇を討伐することを決意する。

『オリエント』の登場人物・キャラクター

鐘巻武士団

武蔵(むさし)

CV:内田 雄馬、石上 静香(幼少期)

本作品の主人公で、鐘巻武士団の赤刀武士。鐘巻小次郎の幼馴染で、幼い頃に両親を亡くして親族を転々としていたが、小次郎の父・鐘巻自斎に引き取られ、養子として迎え入れられる。鬼が神格化された世界で、武士であった自斎に「鬼は化物でそれを退治するのが武士だ」という話を聞き、自分も武士になるという夢を持ち成長し、小次郎を誘って「最強の武士団」を作るために旅に出た。「刀の試し」で体から黒色の鉱石が現れたことで、武蔵の中に「黒曜の女神」が眠っていることを犬飼四郎に知られてしまい、「黒曜の8人」から命を狙われることになる。
鬼鉄刀:「焔魔大太刀」

鐘巻 小次郎(かねまき こじろう)

CV:斉藤 壮馬、山村 響(幼少期)
武蔵の幼馴染で、鐘巻武士団団長の青刀武士。幼い頃から武家出身ということで周りから差別を受けており、武士として生まれたことを恨んでいた。唯一、普通に接してくれた武蔵と共に父・自斎の元で暮らしていたが、父の死後、鬼が善い神であるという考え方に傾く。しかし、鬼と戦う武蔵の姿を見て、武士として生きることを決める。武蔵と共に、父・自斎の残した鬼鉄騎、絵巻物を持って「最強の武士団」を作るため旅に出る。
鬼鉄刀:「裂空八重桜」

服部 つぐみ(はっとり つぐみ)

CV:高橋 李依
武蔵達と共に行動している鐘巻武士団の緑刀武士。小雨田武士団に所属していた頃は、団長の小雨田英雄の命令に逆らうことができず、いつも言いなりになっていた。しかし武蔵たちと出会い、領民を救うために小雨田英雄と戦い、その呪縛から解き放たれる。
鬼鉄刀:「飛燕双流剣」

武田武士団

武田 尚虎(たけだ なおとら)

CV:日野 聡
武田武士団の団長。武蔵と小次郎の住んでいた竜山町に現れた鬼神を討伐した。日ノ本最強の武士「五傑将」の青刀武士。
鬼鉄刀:「青羽々斬」

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