マギ(MAGI)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『マギ』とは週刊少年サンデーで連載されていた、大高忍によるファンタジー漫画である。古代の架空の世界をモチーフとした冒険譚で、主人公のアラジンがアラビア風の都市や中華風の国、魔法に満ち溢れた国や自然豊かでとても栄えた国など、各国を冒険する中で様々な価値観や人の思いに触れていく。
マギの世界では、現実の世界と同じように貧困や差別、戦争や国や価値観の違いなどで溢れている。苦しい現実の中で前向きに頑張って生きようとするキャラクターの数々のセリフは、多くの読者を感動させた。

でもよ、今更何言ってんだ?ここは「迷宮」だぜ?地位も、血筋も、名誉も、関係ねぇ。誰もが人生かけて命張る場所!!怖けりゃ家で震えてな。お坊ちゃんよォ!

王宮剣術でジャミルを圧倒するアリババ

2巻でアリババがオアシス都市・チーシャンの領主であるジャミルに言ったセリフである。アラジンとアリババは、アリババの家から徒歩10分圏内にあるアモンという名前の「迷宮」の攻略を目指す。アラジンたち一行のほかに、もう一組迷宮を攻略しようとしている者たちがいた。それがジャミルと、その奴隷であるゴルタスという大男とモルジアナという名前の少女だ。

迷宮内は人間を襲う不思議な迷宮動物や、罠が数多く待ち受けていた。当初は二人で行動していたアラジンとアリババだが、アラジンが魔力の激しい消耗によって倒れてしまう。そこにジャミルたちが現れ、ジャミルがアリババたちを脅しをかけたことで図らずも一緒に行動することになってしまう。ジャミルは、強靭な肉体を持つゴルタスに何度も刃物を突きつける危険な性格の男だ。

迷宮内を探索中、アリババたちは迷宮のヒントを示すトラン語で書かれた石碑を発見する。トラン語は少数の部族の間でしか使われておらず、読解は高度な教育を受けたものにしか出来ない。ジャミルはトラン語を翻訳しようと考えるが、間違えた訳しか出来ずに読解に苦戦する。それを見たアリババは、わざと間違った訳をジャミルに伝えた。その後、ジャミルはアリババたちと別れ、アリババが伝えた道に行った。

一方、アリババは石碑に書かれていた本来の道を通り、復活したアラジンと共に金銀や財宝が眠る宝物庫のあたりへとたどり着く。しばらくするとそこに、ジャミルたちがやってきた。ジャミルはアリババを利用しようと考えるが、アリババに利用し返されてしまった。ジャミルはこの場所に辿り着くまで、たくさんの迷宮動物や罠に襲われており、震えながら「そうだ!!なんなんだあの化け物は?なんなんだ、一体ここは⋯なぜこの僕があんな目に⋯!!お前のせいだーっ!!」と叫ぶ。

このセリフは、そんなジャミルに対してアリババが言った言葉で、生まれや血筋に関係なくチャンスを掴み取る権利を叫んだ名台詞である。

その後、ジャミルとアリババは剣術で勝負するが、王宮剣術を使ってアリババが圧倒する。実は、アリババの母親はバルバットの貧民街で生まれた娼婦だが、父親はバルバットの国王だった。つまり、アリババは生まれこそ貧民街だが、高度な教育を受けた王族だったのである。

黙れ!!!!知った風な口きくんじゃねぇ!!!俺とこいつらに何一つ違いなんてねぇ!!!!こいつらみんな、俺の大切な故郷の兄弟たちだよ!それを⋯それを⋯その絆を、バカにすんじゃねぇー!!!

出典: www.amazon.co.jp

ドレッドヘアの少年がカシムで、金髪の少年の方がアリババだ。二人はスラム街で育った幼馴染みだが、考え方の違いで徐々に対立していく。

5巻でアリババがシンドリア王国の王であるシンドバッドに言ったセリフである。アリババはアラジンと共にアモンの迷宮を攻略した後、故郷であるバルバットに旅立つ。

バルバットでは現在、未曾有の貧困が国民を襲っていた。原因は、バルバットの王であるアブマド・サールジャをはじめとした貴族たちが、国民のことを考えずに贅沢や無駄使いの日々に明け暮れたからである。さらに、スラム街では病が流行するが、アブマドはなんと自分たちに危害が及ばないように、スラム街の周りに壁を作って市民を隔離した。その結果、医者や薬などを手に入れることの出来ない市民たちは次々と病死し、生きている人は大切な人たちが死にゆくのを見ていることしか出来なかった。

アブマドや王政に対して怒りを爆発させたアリババの幼馴染であるカシムは、「霧の団」という義賊を結成する。「霧の団」は国軍と戦って軍人を倒し、王族や貴族から金品や財宝を盗み出して市民に分け与えていたため、市民からの支持率も高かった。しかし、所詮は盗賊という立場でしか無く、国軍を相手するにも限界があった。そこで、カシムは王族の血を引くアリババに「霧の団」の頭領になることを頼み込む。

カシムの妹のマリアムも、スラム街で蔓延していた病気でなす術も無く亡くなった。アリババは、友達であるカシムを助けるための「霧の団」の頭領となり、アブマドが支配する国を変える決意をした。

アラジンとモルジアナは、バルバットで「霧の団」の頭領となったアリババと再開し、アリババの事情やバルバットが抱え込む闇を知る。三人でバルバットについて話した後、カシムたち「霧の団」がやってくる。カシムはアラジンたちを襲い、アリババを連れて行こうとした。そこに、シンドリア王国のシンドバッドと、その部下であるジャーファルとマスルールが仲裁に入る。シンドバッドたちは、アラジンとモルジアナがバルバットに向けて旅をしていた時に出会った人間だ。現在は、バルバットで起きている混乱を止めるために動いている。

「霧の団」はシンドバッドによって全員捕らえられてしまい、アリババはシンドバッドと決闘をすることになってしまった。カシムは「アリババ逃げろ!!逃げてくれ!!おい、野郎ども!俺たちの頭領を逃がすんだ!!」と叫ぶが、シンドバッドは「ほお、大将を逃がすか。それも一つの判断だ。どうする?アリババ君、一旦逃げるか。だがどうせ『霧の団』は終りだ。実権はそこの男が握っていたんだろう?まあいい、アリババ君。逃げたければ逃げればいいさ。考えてみれば、君はこいつらとは『違う人間』だものな。彼らは、『スラム街の人間』。君は、表面上は仲間のふりをしていても、実はそうじゃないだろう?君と彼らは違う⋯。だって君は、王子様だ⋯。」と、言う。

このセリフは、アリババがスラム街の人たちとは違うと言い切るシンドバッドに対して言い返した言葉で、カシムやスラム街の人たちに対するアリババの友情が現れた名台詞である。ちなみに、シンドバッドは『霧の団』を助けてアリババも奮い立たせるためにわざとこの言葉を言った。

答えを出すのが難しい時にでも、自分が家族と幸せに暮らす方法を、考えて選び取る。勇気を持って!全員で足を踏みしめて、この地で生きていこう!それが新しい、バルバットの姿だ!

7巻でアリババがバルバットの国民に言ったセリフである。

バルバットでは現国王のアブマドや貴族によるお金の無駄遣いによって財政がぐらつき、国民たちは飢えと貧困で苦しんでいた。さらに、アブマドは煌帝国から派遣されてきた「銀行屋」の口車に乗って、バルバットのお金を煌帝国の紙幣である「煌(ファン)」にした。

通過を煌にした当初は、煌がたちまち豪勢な金品や工芸品に変わり、アブマドや貴族たちは舞い上がる。ところが煌帝国が定める煌の価値はその都度変動し、さらに「煌(ファン)」を煌帝国から借金をしている状態なので、煌帝国からの借金はかなりの額に膨れ上がり、商売の面においても大打撃を受けるようになった。バルバットの財政が底を尽きかけた頃、アブマドは煌を借りる担保として、海洋権や通商権、国土の利権を煌帝国に譲ってしまう。それでも、煌が底を尽きかけた頃、アブマドは国民を担保にしてお金を借りようとしていた。つまり、アブマドはバルバットを奴隷産出国にするつもりだったのだ。

アリババは今の国民の様子や財政を見て、王政にはもはや限界があると感じていた。そこで、アリババはアブマドの蛮行を止めようとしている次男のサブマドや重臣のバルカークの力を借りてアブマドの城に潜入し、王政に終止符を打つ。煌帝国の件についてはアブマドの婚約者であった紅玉に「権利の譲渡をなかったことにして頂きたい。」と話し、紅玉が煌帝国の皇帝にバルバットの話を持ち帰るということで場を収めた。

バルバットを共和制にしたアリババは、国民に「突然のことで戸惑うかもしれない。共和制とは、自分たちで自分を治めるということ⋯⋯。しかし、そんなことはもう⋯ここにいるみんながやっていることだと俺は思う。この傾いた国の中で、重税、貧困、圧力、様々なものと戦いながら、自分と家族という小さな領地を今日まで守り抜き、治めてきた人たち。それが、ここにいるあなたたちではないのか。そして、その苦渋を強いてきた王族・貴族はもういないんだ⋯⋯。この世界の中にあって⋯戦乱、混乱、異変、様々なものが、これからもふりかかるだろうけど⋯⋯⋯その度どうすればいいか、考えよう。」と、演説する。

このセリフは国民を奮い立たせるために言った演説の一節で、苦しくても前を向いて手を取り合って生きていこうと皆に告げるアリババの名台詞である。

バカヤロー!!!なんでまたそんなこと聞くんだよ!!?あたりまえだろうが!!!俺たちは⋯⋯友だちだろ!!

出典: pics.prcm.jp

8巻でアリババがカシムに言ったセリフである。アリババはバルバットを共和制へと変えたが、王政に大きな恨みを持つカシムは、国民たちを扇動して貴族や国王に対する反逆を企てる。さらに、カシムは闇の力を持った『闇の金属器』という剣状の武器を自分に突き刺すことで、闇のジンと呼ばれる巨大な黒い怪物へと変身する。アリババは闇のジンとなったカシムを止めるため、アラジンの協力の元でカシムの精神の世界に入っていった。

カシムは同じスラムに生まれたのにも関わらず、真っ当に生きようとするアリババと、曲がった生き方しか出来ない自分との違いに思い悩み、コンプレックスを抱いていた。カシムはアリババに対して、「あの時お前は『違いはない』と言ってくれた。あれはうれしかった⋯。でもそのきれい事じゃ足りなかったんだ⋯。人間に違いはあるだろ?みんな別々に生まれるんだから。能力、容姿、人格。人種、血統、そして何より『階級の差』⋯。何も持ってねぇ最底辺の俺たちは、上の奴らが眩しくて仕方ねぇ⋯。そして眩しいそれを、スラムの片隅で、見上げて見上げて、見上げることしかできないまま⋯俺たちは死んでいくんだ。何も持たねぇ自分の運命を呪いながら。それが当たり前だった。お前もガキの頃、ずっと見てただろ?そんな運命を変えられると⋯証明したかった。みんな同じ人間だ。誰でも⋯俺みてえなクズでもなれるはずだ⋯自分とはまったく違う崇高な何かに⋯なれるはずだ!!そうだろ!?」と、自分の本心を告げる。

カシムの思いを聞いたアリババは、「悔しい、情けねー。カシムがそんなこと思ってたことに⋯⋯気づかずに⋯⋯いや、俺は気づいてたかも知れねー。”違う”ってことをこいつに指摘されるのが怖くて逃げ回っていたのかも⋯。人の数だけ”違い”はあるのかもしれない⋯でも俺はそれが⋯悲しい。でも⋯それでも、みんな幸せに生きるにはどうすれば⋯」と。涙を流しながら自分とカシムの間や世間一般にある生まれながらの違いを悲しみ、どうすればみんなが幸せになれるのかを考えた。生まれや育ちからくる”違い”を悲しいと受け入れつつも、どうにかして幸せになる方法を考えようとしていたアリババの思いを知ったカシムは、アリババと自分は元々他人で、同じになることなんて出来ないという考えに思い至る。そして、アリババと自分の間にある違いを受け入れて改心した。

闇のジンとなった者を待ち受けているのは死のみだった。カシムは消える前、「巻き添えにした奴らに何一つ償いもできねぇのは⋯⋯申し訳もないが⋯⋯とにかく、ま、お前とも、これまでだ⋯⋯⋯。⋯いざとなると何も出てこねーな⋯⋯。もっとお前と、ちゃんと話をしておけばよかったな⋯⋯。⋯⋯なぁ⋯アリババよ⋯⋯。俺らさぁ⋯。」と、伝える。泣きながらアリババは「!?なんだよカシム!?」と叫ぶが、カシムは「悪い!もう言葉で伝える⋯⋯時間がねぇ!!」と言ってルフの姿となってアリババの中に入っていく。ルフとはこの世界にある魂のようなもので、全ての魂を結ぶ血潮のような存在と言われている。白い鳥のような形をしているのが特徴だ。

カシムのルフを通して、アリババはカシムの記憶を追体験する。スラム街でのカシムの生活は非常に辛いものだった。その中には、カシムが実の父親を刺し殺してしまった時のものもあった。カシムの父親は、実の子供であるカシムや妹のマリアムに暴力を振るう人間だった。しばらくは子供達の前から姿を消していたが、ある日スラム街に舞い戻ってくる。そして、紆余曲折あってカシムは父親を殺してしまった。その後、唯一の家族であったマリアムも貧困と病が原因で死んでしまう。

カシムは同じく大切な家族を亡くした「霧の団」のメンバーと共に妹の死に嘆いていると、謎の武器商人が「この国だけでなく世界中が⋯⋯上が下から略奪することで成り立っているのです⋯。それが憎むべき『運命』!どうです?あなた方に革命の意思がおありなら、私たちから武器を借りてごらんなさい⋯。」と、話しかけてきた。カシムはその武器商人の手をとって、復讐を果たそうとしたのだ。

アリババはカシムの辛い記憶に涙を流すが、一方でカシムを支えている暖かい光のような存在を見つける。それは、アリババ自身の存在だった。カシムは子どもの頃、アリババに「⋯⋯なぁ⋯アリババよ⋯⋯。俺らさぁ⋯。」と今回と同じ質問を聞きかけたことがあった。カシムは、自分とアリババが本当に友達であるかどうかを聞こうとしたのだ。

このセリフは、消えていくカシムのルフに対していった言葉で、アリババのカシムに対する友情が現れた名台詞である。

紅玉、俺と友達になろうぜ!!!

「友達」に対して他人行儀な態度を取るアリババを突っぱねる、煌帝国の第八皇女の練紅玉。

アリババは、自分と友達になりたいと言う紅玉に対して「友達になろうぜ」と手を差し伸べた。

アリババと友達になれたことを喜ぶ紅玉

13巻でアリババが煌帝国の第八皇女である練紅玉に言ったセリフである。アリババたちはバルバットを共和制に改革させた後、シンドリア王国に滞在していた。シンドリアには、バルバット国王であるアブマドの婚約者であった紅玉もいた。紅玉は自分がアブマドと結婚しなくても良くなったことにホッとするが、政略結婚という役目を果たせなかったために煌帝国に帰るのをためらっていた。

アリババと紅玉は、シンドリアの花畑で花の冠を作ったのをキッカケとして談笑するようになる。ある夜、紅玉はアリババに自分の出自について話した。実は、紅玉の父親は煌帝国の皇帝だが、母親はただの遊女だった。紅玉の出自は、バルバット王の父と娼婦の母を持つアリババの出自と全く同じだった。さらに、宮中でも遠巻きにされるという微妙な立場という点でもアリババと一緒だ。アリババは紅玉の話を言葉を聞いて、紅玉に親近感を持つ。

紅玉はアリババに対して、「⋯⋯それじゃあ⋯あなた。私のお友達になりなさい。私、今までお友達がいなかったの。でもあなたとならなれるはずよ。だって『おんなじ』なんだから⋯⋯。違くって⋯?」と、語りかけた。その言葉に対してアリババは、「じゃあ、よ⋯よろしくお願いします?」と頭を下げるが、紅玉は「ちょっと!?『ともだち』に対して他人行儀なのではなくって!?」と、突っぱねた。

このセリフは、そんな紅玉の思いを受け取ったアリババが言った言葉で、互いの身分に関係なく対等な関係性を築き上げたアリババの名台詞である。紅玉も笑顔で「うんっ!!」と言って、アリババの手を取った。

おれたちが力を合わせれば、むてきだな!カシム!

出典: prcm.jp

15巻の回想シーンでアリババがカシムに言ったセリフである。アリババがスラム街で暮らしていた時代、カシムと協力することでゴロツキたちを倒していた。このセリフはゴロツキを倒した後にアリババが言っていた。

実はバルバットでの一件以来、アリババの体内には自分とカシムの二種類のルフが入っていた。アリババは、アラジンやモルジアナと別れてレーム帝国のコロッセオでガルダという名前の巨大な猿のような生物と戦った際、スラムでの戦い方を思い出し、カシムのルフの存在に気がついた。カシムとのスラム街での思い出が蘇った後、アリババの二種類のルフは融合し、さらなる大きな力となる。カシムとの友情が現れた名台詞だ。

関係ねーよ、バカヤロー!!!どんなわかんねーことだろーが、やばいことだろーが、おまえだけの事情だろーが関係ねー!おまえがそんなに悩んでることならな!!俺も一緒に悩むし考えるぜ!!おまえが何度も俺にしてくれたように⋯そうだろ!!?アラジン!!!

nagashi_mayutakaq0
nagashi_mayutakaq0
@nagashi_mayutakaq0

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