福永招平（ハイキュー!!）の徹底解説・考察まとめ

福永招平のプロフィール・人物像

高校：音駒高校
所属：2年2組
身長：178.3cm
体重：68.3kg
誕生日：9月29日
好物：あたりめ
CV：長南翔太

福永招平はかなり短い前髪と、「まろ」のような眉毛が特徴的である。身長は178cmと高めであるにも関わらず、猫背のため実際よりも低く見られる。常に冷静で口数は少なく、あまり目立たない存在。しかし、お笑いが大好きで、心の中では面白いことを考え、福永自身が個人的に楽しんでいる。めったに話すことは無いが、かなり自信がある際にはぼそっとダジャレを言うなど、その存在は確かなものである。最近の悩みは、同じ音駒高校バレーボール部2年の山本 猛虎（やまもと たけとら）から、「もっとしゃべれ」と言われること。あまり表には出さないが、メンバーが大好きで仲間想いな一面を持つ。

福永招平のポジション・能力

ポジション：ウイングスパイカー
能力パラメータ（5段階）：パワー3・バネ3・スタミナ3・頭脳4・テクニック4・スピード3

福永招平は、2年生ながらも音駒高校バレーボール部でレギュラー入りを果たしている。そのため、普段はあまり目立たないが、彼の実力は確かなものであると言える。オールラウンダーな選手であり、安定したプレーでチームを支えている。レシーブ力を要としている音駒においても、その技術は他のメンバーに引けを取らない。また、ウイングスパイカーとして攻撃力も持ち合わせている。自身の存在感の薄さを利用して、神出鬼没なスパイクで相手の意表を突くこともある。常に冷静で、コート内をよく把握することが出来る。スパイクを打ち分け、相手が取りづらいところへ攻撃をするなど、器用さも持つ選手である。

福永招平の来歴・活躍

音駒高校バレーボール部入部

音駒高校に入学した福永は、男子バレーボール部に入部を決めた。同じく1年の孤爪 研磨（こづめ けんま）と山本 猛虎（やまもと たけとら）も共に入部する。辛い思いや苦しい思いをしてまで頑張ることが苦手な孤爪は、何事も努力や根性が必要だと考える山本に対して、苦手意識を持っていた。一方で福永は、先輩のプレーを見ている最中に、「…Aパス… 良（え）えパス…」とダジャレを言い、その面白さに自分で笑うという、少し変わった雰囲気を放っていた。
3人が入部してしばらくした後、孤爪はそれまで苦手意識を持っていた山本に対して、声をかけてみることに。小さい頃からの幼馴染であり、かつ音駒高校バレーボール部の先輩である黒尾 鉄朗（くろお てつろう）から、「少しは協調する努力をしなさいよ？」と言われていたからだ。練習試合デビュー戦で、気合を入れすぎて空回りしてしまった山本は、自らのプレーを振り返り、反省していた。そんな山本に対し、孤爪は「もっと肩の力を抜いたら良いんじゃない…？」とささやかなアドバイスをする。しかし、思うようにプレー出来なかった山本は「根性が足りなかったんだ」と、孤爪のアドバイスを聞き入れる様子は無い。実は、山本は自分のプレーのダメだった点をよく理解しているのだった。しかしながら、原因を全て根性で片付けようとする山本に納得がいかない孤爪は、「やり過ぎはただの自己満足だ」と厳しい一言を放つ。それを聞いた山本は、追えるボールを追わない孤爪のことを「根性無し」と言い返す。お互いの主張を理解することが出来ず、両者一歩も引かない状況で、言い争いはさらにエスカレートしてしまう。そんな2人を見ていた福永は、バケツの水を思い切りぶっかけ、「やり過ギ ドストエフスキー」というダジャレを一言。福永の謎過ぎる発言に、孤爪は思わず吹き出し、山本は発する言葉も無い様子。ともかく、福永のおかげで喧嘩は収まり、3人の仲が深まった出来事である。

烏野高校との練習試合

福永たちが2年になった頃、ついに烏野高校との練習試合が実現する。音駒高校と烏野高校は、昔から因縁の相手であり、かつてその対決は「ゴミ捨て場の決戦」として親しまれていた。練習試合ではあるものの、その2校が長年の時を経て対決することに。試合が始まると、烏野高校1年の、日向 翔陽（ひなた しょうよう）と影山 飛雄（かげやま とびお）のコンビが、「変人速攻」を繰り出し音駒高校を驚かせる。この「変人速攻」とは、スパイカーがスイングする時、既にそこにトスがあるという、一般的な速攻と比べてとても速い攻撃である。ブロッカーが追いつくことの出来ない、日向と影山にしか出せない超人技なのだ。さらに、エースである東峰 旭（あずまね あさひ）のスパイクや強烈なサーブで攻める烏野高校が、得点を重ねていく。一方の音駒高校は、「変人速攻」やあらゆる方向からの攻撃に惑わされ、中々得点することが出来ずにいた。そんな中、音駒高校のセッター孤爪 研磨（こづめ けんま）は、静かに相手のプレーを見続けていた。そして、烏野高校の攻撃を封じる“ある作戦”を提案する。それは、烏野高校の攻撃の軸である日向を止めることだ。同じミドルブロッカーで、優れた瞬発力を持つ1年の犬岡 走（いぬおか そう）を日向につかせることで、「変人速攻」の決定率を下げようという作戦である。

この作戦により、烏野の攻撃パターンを減らした音駒高校は、徐々に烏野高校に追いついていく。そして、日向の素早い動きに慣れてきた犬岡は、ついに「変人速攻」を封じることに成功。音駒高校が逆転し、1セット目を先取する。その後も、孤爪のフェイントを交えたセットアップや、安定した息の合った攻撃で点を重ねていく。烏野高校も果敢に攻めるが、レシーブ力を強みとする音駒高校相手には、中々スパイクを決めることが出来ない。それまでは決まっていた「変人速攻」が決まらない日向は、ここで大きな決断をする。それは、ボールを見て速攻を打つことである。それまではボールを見ずにスパイクを打っていた日向であったが、自分の意思でボールを打ち分けたいと思うように。すぐには上手くいかなかったが、攻撃の手を止めない烏野高校。しかし、粘りのプレーで繋ぎを見せた音駒高校が2セット目も取り、練習試合は終了。今回は、経験や技術力が上である音駒高校の勝利となった。烏野高校は負けてしまったが、この音駒高校との練習試合が新たな「変人速攻」の開発や個人のレベルアップにつながり、大きく成長していくことになる。

春の高校バレー東京都代表決定戦

準決勝 VS梟谷高校

東京都代表決定戦、準決勝が始まる。この試合に勝てば春の高校バレー全国大会行きが決まる、両校にとって大事な一戦。音駒高校と梟谷学園はこれまでも練習試合を重ねてきたため、相手の強みをよく理解している。そのことも踏まえ、どちらもこの試合にかける想いはいつもの倍以上だ。試合が始まると、梟谷学園のエース木兎 光太郎（ぼくと こうたろう）が強烈なスパイクで先制点を決める。その威力は段違いで、ブロックにはじかれたスパイクはギャラリーまで届く程である。実は、木兎は全国の5大エースに入るほどの実力の持ち主なのだ。
木兎の活躍もあり、得点を連続していく梟谷学園。しかし、音駒高校のセッター孤爪は、“あること”に気が付いていた。それは、木兎のストレートの調子が抜群に良いことである。普段はクロスが好きな木兎だが、ストレートを沢山決めていることに気が付いていた。そのため、ストレート側のブロックを閉めようと提案する孤爪。その作戦が上手くいき、木兎のキレキレストレートを止めた音駒高校は、ブレイクすることに成功。しかし、一筋縄ではいかないのが梟谷学園。レシーブ力が強みの音駒高校に引けを取らない繋ぎを見せ、粘りを見せる。音駒高校のミスが続いたこともあり、惜しくも1セット目は梟谷学園が先取した。

2セット目も、徹底的にストレート側を閉める音駒高校。調子が良いストレートが打てない木兎を始め、レシーブ力が強みの音駒高校に対し、中々スパイクが決まらない梟谷学園。そんな中、エースの木兎が「俺いつもクロスってどう打ってたっけ…？」と、衝撃の発言をする。片一方の調子が著しく良い場合にもう一方を忘れるという、木兎の弱点なのだ。
最大のピンチを迎えたように見えた梟谷学園だったが、こんなことでは動じなかった。木兎に振り回されることが日常茶飯事の梟谷メンバーは、崩れる様子を一切見せず、得点を重ねていく。粘りのレシーブで繋ぐ音駒高校だったが、梟谷学園のメンバーの技術力は一枚上手だ。そして最後は、調子を取り戻した木兎が超キレキレインナースパイクを決め、2セット目も梟谷学園が取り、試合は終了。梟谷学園は全国大会行きが決まった。

3位決定戦 VS戸美学園

準決勝で梟谷学園との試合に敗れ、もう後が無い音駒高校。3位決定戦では、同じく準決勝で敗れた戸美学園（のへびがくえん）と対決することに。試合が始まると、最初からフェイントを繰り出す戸美学園。そのままダイレクトでスパイクを決められ、先制点を奪われてしまう。
実は、戸美学園はプレーの仕方や態度に関して、あまり良いイメージを持たない人も少なくは無い。主審や観客に対しては礼儀正しく振舞っているが、対戦相手に対しては煽るような発言をしたり、ジャッジを紛らわすようなプレーをするのである。少しずるい手のように思われてしまいがちだが、試合を有利に進めるための作戦ともいえる。しかしながら、戸美学園の強みはそれだけでは無い。高い守備力を持ち、サーブやスパイクのコントロールも持ち合わせているのだ。

戸美学園の攻撃に苦戦する音駒高校。そんな中、音駒高校のリベロである夜久 衛助（やく もりすけ）が、ボールを追いかけた際に足を怪我してしまう。代わりに1年の芝山 優生（しばやま ゆうき）が入ることになった。自分に自信が無い芝山だったが、安定したレシーブでしっかりと夜久の代わりを努める。一方で、得点を重ねていく戸美学園。しかし、福永の奥を狙った巧みなスパイクや、安定したレシーブで守り抜いた音駒高校が1セット目を先取した。
続く2セット目も、両者一歩も譲らず粘りのプレーが続く。巧みなスパイクを決める戸美学園に対し、中々ブロックで相手を止めることが出来ない音駒高校。ミドルブロッカーである1年の灰羽 リエーフ（はいば りえーふ）は、「絶対に自分が止めてやる」という想いの強さから、空回りをしてしまっていた。しかし、芝山から「僕 後ろに居るから！」と声を掛けられたことをきっかけに、プレーは全て繋がっているということに気が付く。ブロックはレシーブと連携することで、初めて機能するのだ。そして、自分が相手のスパイクを止めに行くだけではなく、後ろに居る芝山がレシーブをしやすいようコースをつくることに。2人の息の合った連携プレーにより、試合の流れは音駒高校に傾いていく。そしてついに、2セット目も音駒高校が取り、試合は終了。音駒高校は、春の高校バレー全国大会行きが決まり、戸美学園は敗退となった。

春の高校バレー全国大会

1回戦 VS清川高校

ついに春の高校バレー全国大会が始まった。初戦、音駒高校は清川高校と対決する。安定したレシーブ力と、巧みな技で勝利した。ここでも福永は、コートの奥を狙った、得意の深いスパイクで得点し活躍している。

2回戦 VS早流川工業高校

続く2回戦、早流川工業高校と対戦することになった音駒高校。その相手は音駒高校にとって、手強いものだった。早流川工業高校の作戦は、セッターである孤爪を走らせ「音駒の脳」を潰すというもの。元々、レシーブが強みの音駒高校のAパスのおかげで、あまり動かずに済んでいた孤爪。加えて、他のメンバーよりも体力が少ないことで、フィジカル面において目を付けられてしまったようだ。1セット目から、普段の倍以上動かされていた孤爪は、2セット目には足を滑らせてしまう程、追いつめられていた。試合の流れは、一気に早流川工業高校に。しかし、ここでも福永は冷静な対応を見せる。低くなってしまった孤爪のトスに合わせたり、相手のフェイントを予測し、素早く前へ移動する。試合後半でも、コート内がよく見えている。

音駒高校がじわじわと点差を詰めていく中、早流川工業高校はある違和感に気が付く。実は、音駒高校のレシーブの乱れは、“わざと”だったのである。セッターである孤爪を動かそうとしていることに気が付いていた音駒高校は、相手の作戦を逆手に取り、あえてレシーブをライト側に集めていたのだ。そして、相手の意識を集中させ、反対側を使う。まさに見事な作戦返しだ。互いに粘りのプレーを見せるが、ついに音駒高校がマッチポイントに。孤爪が最後の力を振り絞り、レフトにいる福永へ最高のトスを持っていく。そのトスをきっちりと決め、音駒の得点で試合は終わった。孤爪が最後の力を振り絞って上げた、最高のトスを受けた福永は、「ナイストス サロンパス」と一言。それを聞いた孤爪は、思わず苦笑いしているが嬉しそうな様子だ。この“我慢比べ”を制した音駒高校が、全国制覇へ1歩近づくこととなった。

3回戦 VS烏野高校

春の高校バレーは3回戦に突入する。互いに勝ち進んできた音駒高校と烏野高校は、ついに公式戦で勝負することに。「ゴミ捨て場の決戦」が、東京体育館で実現する。これまで全国大会で対決することを約束していた両校にとって、この一戦は特に想いの強いものであり、どちらも気合は十分だ。試合は烏野高校のサーブから始まった。強烈なサーブを難なく上げ、安定の攻撃を見せる音駒に対して、果敢に攻める烏野。スタート直後から、実況も驚く程の怒涛のラリーを見せる。烏野高校の1年生コンビ、日向と影山が「変人速攻」を決め、先制点を奪う。一方の音駒高校も、負けじと果敢に攻めていく。
いつものように、試合の中で相手の攻撃パターンを分析し、勝利する方法を探っていく音駒高校。しかし、あらゆる方向から攻撃の手を辞めない烏野高校相手には、点差を付けられるわけにはいかなかった。「守りの音駒」と言われる音駒高校も、今回ばかりは攻撃の手を止める様子は無い。スパイカーがあらゆる方向から助走をして、どこから打たれるか分からない1stテンポの同時多発位置差（シンクロ）攻撃を仕掛け、攻めの姿勢を露わにする。

じわじわと点差を詰めていく音駒高校に対し、烏野高校はピンチサーバーの山口 忠（やまぐち ただし）を投入する。山口のフローターサーブで相手のレシーブを乱し、スパイクをドシャットするサーブ＆ブロック。これにより、烏野高校にブレイクを許してしまった音駒高校。スパイクを止められた福永は、ミドルブロッカーである月島 蛍（つきしま けい）の高さに、思わず「…想定以上の高さ…想定漢（ガイ）…！」とつぶやいている。このセリフを耳にした主審は、困惑している様子だった。