超者ライディーン(アニメ・漫画・小説)のネタバレ解説・考察まとめ

『超者ライディーン』(ちょうじゃライディーン)とは、サンライズが製作し1996年10月から1997年6月にかけて放映されたヒーローアニメである。ごく普通の男子中学生だった鷲崎飛翔(わしざきひしょう)はライディーン戦士としての使命を託されたことから地球を狙う謎の存在「超魔(ちょうま)」との戦いに巻き込まれていく。1975年に放映されたロボットアニメ『勇者ライディーン』(ゆうしゃライディーン)の設定をベースに「5人の美少年キャラによるヒーローもの」の要素を取り入れているのが特徴である。

『超者ライディーン』の概要

『超者ライディーン』(ちょうじゃライディーン)とは、サンライズによる変身ヒーローアニメである。1996年10月2日から1997年6月25日にかけて全38話が放映された。コミカライズ版、ノベライズ版、ドラマCDやキャラクターソングなど幅広いメディアミックスが展開されている。当初の予定は2クールだったが、女性ファンも獲得した影響から3クールまで延長した。長年DVD化に恵まれなかったが、「想い出のアニメライブラリー」シリーズで全話ソフト化された。
飛び降り自殺を図り、昏睡状態に陥ってしまった幼なじみのことがトラウマになってしまった男子中学生鷲崎飛翔(わしざきひしょう)。後悔する日々を過ごす飛翔はある日白い羽根「ゴッドフェザー」を拾う。「ゴッドフェザー」を拾った飛翔はライディーン戦士達が魔物達と戦う空間に飛ばされ、「ライディーンイーグル」という戦士に助けられる。飛翔はライディーンイーグルから、ライディーン戦士として地球を狙う敵・超魔(ちょうま)と戦う使命を託される。飛翔は同じ宿命を持ったライディーン戦士達と共に「ANGEL」というアイドルチームを結成し、超魔との戦いに巻き込まれていく。
1975年に放映されたロボットアニメ『勇者ライディーン』(ゆうしゃライディーン)を基にしているが、巨大ロボット「ゴッドライディーン」が登場する以外ストーリーや基本設定は大きく異なっている。1995年に放映されたガンダムシリーズの1作『新機動戦記ガンダムW』(しんきどうせんきガンダムウィング)の影響を受けた「5人の美少年キャラを主役にしたヒーローもの」にアイドル要素を取り入れているのが本作の特徴である。

『超者ライディーン』のあらすじ・ストーリー

ANGEL結成

鷲崎飛翔(わしざきひしょう)は中学3年生。ある日幼馴染の宮坂瑠璃(みやさかるり)が目の前で飛び降りを図り、その結果意識不明の状態になってしまう。飛翔は眠り続ける瑠璃の見舞いに訪れていたが、瑠璃は一向に昏睡状態から回復する様子を見せなかった。
「もっと彼女の悩みを聞いてあげれば」と後悔する日々を過ごす飛翔は、瑠璃が入院する病院の屋上で白い羽根「ゴッドフェザー」を拾う。ゴッドフェザーに触れた途端、飛翔は別の空間にいた。そこで飛翔は鳥の姿をした謎の戦士「ライディーン戦士」達が魔物達と戦っているところに巻き込まれ、「ライディーンイーグル」という戦士に助けられる。飛翔はライディーンイーグルから「超魔族(ちょうまぞく)」という魔物達と戦う宿命にあることを告げられる。
その後飛翔は妹のつばさと共に最近話題のアイドル歌手・西条(さいじょう)きらりのライブコンサートに付き添いで行くがそこに超魔が現れ、ライブを混乱に陥れる。どことなく幼馴染の瑠璃を思わせるきらりを救うため、飛翔はゴッドフェザーでライディーンイーグルに変身すると超魔を倒すのだった。
ライディーン戦士として覚醒した飛翔だったが、戦うことに対し戸惑いを感じていた。そんな飛翔の元に、エース羽田(はねだ)という青年が訪れる。彼もまた「ライディーンコンドル」というライディーン戦士の1人として覚醒していた。戦士として戦うことに戸惑いと拒絶を感じていた飛翔はエースから逃げ出すが、エースは彼を追いかけ自身の過去を語る。エースは飛翔より先にライディーン戦士として覚醒したが、当初は飛翔同様戦うことに戸惑ってしまった。その隙をつかれ、友人達を全て超魔によって殺されるという苦い過去から「大切な人達を守る」ために戦士として戦う覚悟を固めたのだった。
飛翔はその後、エースから彼と共に行動する芸能事務所の社長・天賀井玲子(あまがいれいこ)を紹介される。玲子は人の目には見えないライディーン戦士や超魔族を認識することができる数少ない人間で、ライディーン戦士であるエースに協力していた。玲子はライディーン戦士を集めてアイドルグループを作ろうと計画しており、飛翔に「アイドルにならないか」とスカウトする。アイドル活動に全く興味のない飛翔は乗り気ではないものの、玲子に説得されて1日バイトとしてきらりのコンサート会場の手伝いをすることになる。そこへ再び超魔が襲撃し、会場は再び混乱に陥ってしまう。エースはライディーンコンドルに変身して立ち向かうも、飛翔はいまだに戦うことに躊躇ってしまう。しかし超魔の攻撃に巻き込まれたきらりとコンサートを見に来ていた妹のつばさが危険な目に晒されるのを見た飛翔は、瑠璃のことを思い出す。瑠璃を助けられなかった後悔を思い出した飛翔は、大切な人達を守る覚悟を固めライディーンイーグルに変身しライディーンコンドルと共に超魔を倒す。
戦う覚悟を固めた飛翔はその後、エースと共に玲子の芸能事務所に所属することになる。そして同じくライディーン戦士であるお笑い芸人志望の少年・鷹城電光(たかぎいかずち)、殺陣師の息子・烏飼銀牙(とりかいぎんが)、IQ250の天才少年・大鳥疾風(おおとりはやて)と出会い「ANGEL」というアイドルチームを結成する。こうして飛翔のアイドル活動と超魔との戦いをかけ持ちする日々が始まった。

もう1つのライディーンチーム

アイドルグループ「ANGEL」を結成したものの、まだ下積みが続く飛翔達。そんな中「The Hearts」(ザ・ハーツ)と言う新進気鋭のロックバンド集団が現れ、話題を集めていた。
ある日飛翔はきらりから彼女のディナーショーに招待される。きらりのディナーショーを訪れた飛翔だが、そこに超魔が現れる。超魔に立ち向かう飛翔だったが、超魔に操られた人々を前に多勢に無勢という危機に陥る。そこへ謎の戦士「ライディーンクロウ」が現れ、飛翔を助ける。飛翔はライディーンクロウと協力し、超魔を倒すことに成功する。しかしライディーンクロウは「同じライディーン戦士だが自分は仲間にならないし、飛翔達とは違う」と飛翔達の仲間になることを拒絶し、その場を去ってしまう。
ライディーンクロウが一体何者なのか戸惑う飛翔達のもとへ、ある仕事が入る。それは「The Hearts」の影武者を務めるというものだった。「The Hearts」がライブを行う会場に向かう飛翔達だったが、途中で渋滞に遭遇してしまう。何とか会場に到着し、玲子は遅れたことを詫びるもリーダーの南條一夜(なんじょうかずや)からキツい態度を取られる。彼の態度に飛翔達は反発する。
飛翔達は影武者としてステージに立つも、そこへ超魔が現れる。超魔はライブ会場を混乱に陥れ、さらにライブ会場と一体化して観客達を人質に取る。攻撃しようにも建物の中にいる観客達がいることから攻撃できず焦る飛翔達。そこに再びライディーンクロウが現れる。「超魔を倒すため、多少の犠牲は止むを得ない」と言い放つライディーンクロウは「ステージに立つ者は、それなりの覚悟が必要だと言ったはずだ」と飛翔の名前を呼ぶ。飛翔は、ライディーンクロウの正体が一夜だと気づく。ライディーンクロウは容赦無く超魔を攻撃するが、中にいる人への影響を心配した飛翔と揉める。ここで「聖創世大戦(せいそうせいたいせん)」という戦いを明かすライディーンクロウ。かつてライディーン戦士達と超魔との間で起こった戦いの中、ライディーンクロウとその仲間達は超魔に総攻撃をかけようとした。しかしイーグル、コンドル、ホーク、アウル、ファルコンは「地球に生きる者たち全てに影響を与えてしまう」と反対したと告げる。そのせいで超魔族の侵攻を許してしまい、甚大な被害を及ぼしてしまったと言う。
「もうかつてのような過ちは繰り返さない」と言い放つライディーンクロウ。そこへ助太刀に現れた新たなライディーン戦士「ライディーンアーザス」と共に、ライディーンクロウは超魔を倒す。戦いの後、ライディーンクロウは「これからは自分達が超魔と戦う」と飛翔達に宣言する。
「The Hearts」のメンバーもまた、飛翔達「ANGEL」と同じライディーン戦士達だった。全員「超魔との戦いに非情さと犠牲は必要」という考えを持っていたが、「同じライディーン戦士である飛翔達とも協力し合うことが大切ではないか」という意見も出ていた。一方、飛翔達は「ライディーンクロウの言うことも最もだが、だからといって安易に犠牲を強いるやり方は賛同できない」と自分達なりに超魔と立ち向かうことを決意する。

ゾディアックオーブとゴッドライディーンの謎

超魔族との戦いに同じライディーン戦士の集団「The Hearts」も参戦するが、考えの違いなどから飛翔達は彼らとしばしば衝突する。そんな中、疾風は「The Hearts」のメンバーの1人武者小路藤丸(むしゃのこうじふじまる)という少年と親しくなり、彼から「ゾディアックオーブ」というアイテムと「ゴッドライディーン」という存在を聞かされる。
ゴッドライディーンとは「聖創世大戦」の時ライディーン戦士達が作り出した巨大ロボットで、ゾディアックオーブはゴッドライディーンの封印を解くためのアイテムだという。さらに藤丸は、超魔の狙いは「ゾディアックオーブを集めて、ゴッドライディーンを自分達のものにしようとしている」と疾風に打ち明ける。ゴッドライディーンが超魔の手に渡らないように、「The Hearts」は超魔との戦いの中ゾディアックオーブを探していたのだった。疾風からゾディアックオーブとゴッドライディーンの話を聞かされた飛翔達は、ここで初めて超魔の目的を知りゾディアックオーブを探すことを決意する。だが飛翔達は知らなかったが、これまでの戦いで超魔側は既に10個のゾディアックオーブを集めていたのだった。
ある日、銀牙のもとに超魔の1人エキドナが接近してくる。エキドナも当初は手下の超魔を使って飛翔達と戦っていたが、その最中銀牙に一目惚れする。飛翔達がゾディアックオーブについて話し合っているのを物陰で聞いていたエキドナは、魚座のゾディアックオーブを所有していたこともあり銀牙に接触する。自身に好意を寄せるエキドナとデートすることになった銀牙は、超魔である彼女の見せる人間味ある一面を見て戸惑う。だがそこへエキドナが超魔と見破った「The Hearts」のメンバーが現れ、彼女を攻撃する。しかし、デートする中エキドナの人間味ある一面を見た銀牙は彼女を庇い、「The Hearts」と衝突する。そこへ超魔のボスであるルーシュ・ド・デーモンが現れ、目の前で魚座のゾディアックオーブを奪うのだった。
11個のゾディアックオーブを手に入れたルーシュは、最後の1つである「双子座のゾディアックオーブ」の行方を探す。一方、飛翔はテレビで活躍するきらりの姿を見た途端、瑠璃と謎の女性の姿がきらりと重なりライディーン戦士の記憶がフラッシュバックする。記憶の中で止めを刺そうとするライディーンクロウを止めるライディーンイーグルの姿を見た飛翔は、「なぜ自分達はライディーン戦士としての記憶が不完全なのか」と苦悩する。ある日公園で剣術の稽古をしていた銀牙は、エキドナと再会する。しかし彼女は記憶喪失となっており、「彼女ならゾディアックオーブのことを知っているかもしれない」と飛翔達は彼女の記憶が戻るのを待つことにする。そこへエキドナを始末しようとする超魔が現れ、戦う銀牙を見て記憶を取り戻した彼女は銀牙を庇い深傷を負ってしまう。エキドナは「ゴッドライディーンの封印を解くためには、12個のオーブと『女神セイラ』の力が必要だ」と銀牙に告げ、彼の目の前で消滅していった。

ゴッドライディーンの復活

アイドル歌手として活躍するきらりだったが、度重なる超魔の襲撃で徐々にストレスに蝕まれていた。「これ以上人々を危険な目に遭わせたくない」という思いから、歌うことを辞めようとするも飛翔から「歌を捨ててはいけない」と諭される。そこへ超魔バンパイアが現れ、人々を操って飛翔ときらりを襲う。追い詰められていく飛翔の姿を見たきらりが「やめて!」と叫んだ瞬間、彼女の身体が光り輝き胸元から「双子座のゾディアックオーブ」が姿を現す。そして自分を守るためにライディーン戦士に変身して怯むことなく立ち向かう飛翔達の姿を見たきらりは勇気を取り戻し、歌を辞めないことを決意する。
しかし、「双子座のゾディアックオーブ」が現れたことできらりは昔の記憶を思い出す。きらりは小さい頃、故郷の山奥にある洞窟で「女神(めがみ)セイラ」という謎の女性と出会い、彼女から「双子座のゾディアックオーブ」の託されたのだった。きらりは飛翔達の協力を受けて、故郷の洞窟へ向かう。きらりと共に洞窟を訪れた飛翔は、洞窟内に描かれている壁画を見た途端瑠璃の話を思い出す。瑠璃は小さい頃謎の女性の出てくる夢を見ており、夢の光景を絵で描いて飛翔に見せたがその絵が壁画に描かれているものと同じだったのだ。
きらりの前に女神セイラが姿を現す。きらりは「自分ではゾディアックオーブを守りきれない。力を貸してほしい」と訴えるが「それはできない」と女神セイラに告げられる。セイラは現在幽体の姿になっており、肉体はとうに失われていたからだった。女神セイラはゴッドライディーンについてきらりに話す。遥か昔、ライディーン戦士は超魔を倒すためにゴッドライディーンを作り出した。しかしゴッドライディーンは宇宙のエネルギーを無限に引き出す能力を持っていたため、ライディーン戦士達でも持て余すものだった。超魔を次元の彼方へ追放した後、ライディーン戦士達は強い力を持つゴッドライディーンを12個のゾディアックオーブで封印したのだった。特に「双子座のゾディアックオーブ」は封印の要的存在で、地球で一番清らかな心を持つ人間に託してきた。現在はきらりがその役目を継いでいたのだった。
きらりに「心を優しく保て」と女神セイラはアドバイスすると、姿を消す。そこへ過去の記憶を読む能力を持つ超魔バーゲストが現れ、きらりと飛翔を襲う。きらりを捉え、彼女の記憶を読み取るバーゲストだったが、そこになぜか飛翔の幼馴染である瑠璃の姿も現れて困惑する。きらりの記憶を見たバーゲストは「瑠璃もきらりと同じく女神セイラの力を受け継いでいるのではないか」と気づき、ルーシュにそのことを告げる。
瑠璃がきらりと同じ女神セイラの力を受け継ぐ存在と知ったルーシュは、昏睡状態の瑠璃の元に姿を現す。瑠璃の心の中に入り込んだルーシュは、瑠璃の抱える闇を暴き追い詰めていく。瑠璃は必死にルーシュの心理攻撃に抗い、飛翔の存在を思い出す。瑠璃は学校の屋上から飛び降りた時にいて、屋上から落ちてしまうも飛翔が彼女の腕を掴む。飛翔に気づく瑠璃だったが、飛翔は冷酷に瑠璃を突き落としてしまう。飛翔の裏切りにショックを受ける瑠璃。だがこれもルーシュの罠だった。一方、きらりが突然苦しみ出し同時に瑠璃の身体が光り出し、身体から「双子座のゾディアックオーブ」が現れる。
瑠璃の身に危機が迫っているのを知った飛翔は駆けつけるも時既に遅く、瑠璃はルーシュの罠に落ちていた後だった。飛翔はライディーンイーグルに変身してルーシュに立ち向かうも、ルーシュの圧倒的なパワーに大苦戦を強いられる。一方、気を失っていたきらりは意識を取り戻すと共に行動していた一夜に危険が迫っていることを訴える。12個のゾディアックオーブを集めたルーシュは、瑠璃を生贄にしてついにゴッドライディーンを召喚する。ゴッドライディーンに立ち向かう飛翔達だが、力を奪われてしまう。そこへ「The Hearts」のメンバーが駆けつける。ゴッドライディーンの中には瑠璃がいることを訴える飛翔だが、「今のゴッドライディーンは世界をただ破壊するだけの存在だ」と一夜に告げられる。一夜の言葉を受け破壊されていく東京を目の当たりにした飛翔は、覚悟を決める。ここで飛翔達と「The Hearts」は力を合わせてゴッドライディーンに立ち向かうが、ゴッドライディーンの放つ「ゴッドボイス」をはじめとした必殺技は圧倒的で、全員なすすべもなく倒される。
ゴッドライディーンの力を手に入れたルーシュは、全人類に対し宣戦布告を告げる。飛翔達は一旦撤退を余儀なくされ、玲子の事務所に避難する。ここで瑠璃がきらり同様「双子座のゾディアックオーブ」を持っていたことを知った飛翔だったが、一夜から「幼馴染の瑠璃がなぜ双子座のゾディアックオーブを持っていることに気づかなかった」と激しくなじられ両者ともに険悪の雰囲気に陥る。そこへ、きらりの身体を借りて女神セイラが飛翔達の前に現れる。女神セイラは「ルーシュに降伏していけない」と両者を諭し、「ゴッドライディーンが『ゴッドバード』形態になれば地球も宇宙も滅びる」とゴッドライディーンを破壊するよう告げる。それを聞いた「The Hearts」はゴッドライディーンを破壊することを決心する。だが瑠璃を気にかける飛翔は躊躇ってしまうも、「全員の力を合わせれば瑠璃を助けることだってできる」と仲間達の励ましを受けて覚悟を決める。10人のライディーン戦士達は再びゴッドライディーンに立ち向かう。ルーシュはゴッドライディーンの力を駆使してライディーン戦士達を苦しめる。ルーシュやゴッドライディーンの圧倒的な戦力に次々とライディーン戦士は倒されていき、残りは飛翔1人となる。飛翔とルーシュの戦いが幕を開けるが、突然ゴッドライディーンに異変が起こる。ルーシュは驚いて自分に従うよう命令するが、ゴッドライディーンはルーシュの命令に背き彼を滅ぼしてしまう。遂にゴッドライディーンはゴッドバード形態に変形し、何処かへと姿を消すのだった。

翼の勇者達

ゴッドライディーンが姿を消して3日が過ぎていた。病院に運ばれて治療を受けた飛翔は仲間達と再会し、瑠璃とゴッドライディーン、そして「The Hearts」のメンバーが行方不明になっていることを聞かされる。自分の不甲斐なさを責める飛翔は、1人どこかへ姿を消してしまう。飛翔がいなくなったことにより、玲子は苦渋の判断でANGELの活動停止宣言をする。飛翔を心配するエースは世界中を巡って彼を探すが、1年経っても行方を掴めずにいた。飛翔を探す中故郷のニューヨークを訪れたエースは、「The Hearts」の1人でかつてのギャング仲間だった椿聖人(つばきまさと)と再会する。「一体どこにいたのか」と驚くエースに、聖人は自身の記憶を見せる。東京での戦いの後、「The Hearts」はゴッドライディーンと共に超魔の世界「魔界」に飛ばされていた。ゴッドライディーンは圧倒的な力を発揮して、魔界を滅ぼしていく。その圧倒的な力を見た「The Hearts」は、ゴッドライディーンの能力に戦慄するのだった。その事を告げた聖人は、エースを攻撃してくる。戦いの中聖人は自分を殺すようエースに告げるが、エースは彼を殺すことができない。それを見た聖人は攻撃を止め「魔は滅ぼさねばならない」と意味深な表情で告げると姿を消す。その頃それぞれ違う場所で活動していた銀牙、疾風もまた「The Hearts」のメンバーと再会するが2人もそれぞれ攻撃を受けていた。「The Hearts」が自分達の命を狙っていることにエース達は困惑する。
一方、飛翔がネパールの山奥にいるらしいと情報を聞いたきらりは彼を探しに向かう。そしてネパールの山奥できらりは飛翔と再会する。ゴッドライディーンを止められず世界中に被害が出てしまったことに飛翔は強い自責の念に駆られており、戦う意思を見失っていた。そこへ一夜が現れる。一夜はライディーンクロウに変身すると、飛翔に戦いを挑んでくる。だが戦う意思を失った飛翔はライディーンクロウから背を向ける。痺れを切らしたライディーンクロウはきらりを人質に取る。人質になったきらりを見た飛翔は、彼女に助けを求める瑠璃の姿を重ねたことからライディーンイーグルに変身して立ち向かう。戦いの中、ライディーンクロウを通じて飛翔に彼の記憶が流れ込んでくる。あの後魔界でゴッドライディーンは超魔族を滅ぼすと、「魔は滅ぼさねばならない」と告げるとその次に向かったのはなんと地球だった。地球に向かう「ゴッドライディーン」の姿に「魔とはライディーン戦士そのもの」だと気づく「The Hearts」。それがゴッドライディーンの意思だと気づいた「The Hearts」は、真っ先に同じライディーン戦士である飛翔達を殺そうとしたのだった。そのことを知った飛翔は残酷な運命にショックを受け、「自分が死ねば地球は救われる」とむしろ犠牲になろうとする。だが、きらりや仲間達の叱咤を受けた飛翔は大切な存在を守るために戦う仲間達の姿を見て「たとえライディーンでも自分は1人の人間だ」ということに気づき、「愛する存在を守るために戦う」と遂にライディーンイーグルとして戦う勇気を取り戻す。だが、ゴッドライディーンが地球へ戻ってくる。10人のライディーン戦士は力を合わせ、一斉攻撃をかけるもゴッドライディーンには全く通じず満身創痍に陥る。そこへ女神セイラが現れ、10人のライディーン戦士に力を授ける。10人のライディーン戦士の心が一つになったことで、遂に巨大なライディーン戦士「ライディーンスペリオール」が誕生する。
ライディーンスペリオールとゴッドライディーンの戦いが幕を開ける。戦いを見守るきらりは瑠璃の存在を感じる中、自分の本当の正体を思い出す。「魔は滅ぼさねばならない」とゴッドライディーンは咆哮と共にその姿が漆黒になる。戦いは大気圏にまで突入し、ブラックゴッドライディーンの放つ攻撃をライディーンスペリオールは必死に防ぐ。瑠璃の名を叫ぶ飛翔。その声は遂にブラックゴッドライディーンの中にいる瑠璃に届く。その時戦いを見守っていたきらりに異変が起こる。きらりは共に戦いを見守っていた玲子に別れを告げると、瑠璃の元へ向かう。きらりは瑠璃の意識内に入る。実はきらりの正体は、幼少期に瑠璃が作り出したイマジナリーフレンドが実体化した存在だったのだ。きらりは瑠璃に優しく「もう戦いは終わった」と告げ、彼女の心の中に戻る。ゴッドライディーンの動きが止まり、その中から瑠璃が現れる。同時にゴッドライディーンも元の姿に戻ると、「自分の役目は終わった」と飛翔達に別れをつげ、姿を消す。地球は遂に救われたのだった。そして数年後、成長した飛翔達は遂にアイドルチーム「ANGEL」としてメジャーデビューを果たすのだった。

『超者ライディーン』の登場人物・キャラクター

主要人物

鷲崎 飛翔(わしざき ひしょう)/ライディーンイーグル

CV:伊藤健太郎
中学3年生。年齢は15歳。家族構成は母親と妹のつばさの3人家族。ライディーンイーグルに変身する。
幼馴染の瑠璃が目の前で飛び降り自殺を図り、結果意識不明の重態になってしまったことがトラウマになっている。瑠璃の入院する病院の屋上でゴッドフェザーを拾い、ライディーンイーグルと出会う。ライディーンイーグルから超魔族と戦う使命を託され、ライディーン戦士として覚醒する。他人の抱える悩み事によく気づく性格。また正義感も強く、その影響から感情的になりやすい一面も持つ。後半ゴッドライディーンによって地球上の都市という都市を破壊されていくのを目の当たりにしたことで、戦う意志を見失い心を閉ざしてしまう。心を閉ざして世界中を彷徨うが、きらりや仲間達の叱咤を受けてもう一度ライディーン戦士として戦うことを決意して立ち直った。
当初は戦うことを拒絶したが、エースに諭されたことから大切な人達を守るために戦うことを決意する。疾風からは「飛翔さん」と呼ばれ、慕われている。
初めはアイドル活動にも全く興味が無く、また人気アイドル歌手である西条きらりについても妹に教えてもらうまで存在を知らなかったほど。「The Hearts」のメンバーの聖人とは実は幼馴染の友人。
コミカライズ版ではサッカー部に所属しており、掛け持ちでアルバイトもしている。

エース 羽田(エース はねだ)/ライディーンコンドル

CV:渋谷茂
日本人とアメリカ人のハーフの青年。年齢は飛翔より1つ上の16歳。ライディーンコンドルに変身する。
アメリカのニューヨーク出身で、ストリートギャングのボスだった。一番初めにライディーン戦士として覚醒したが、戦士として戦うことに躊躇した隙を突かれて友人達を超魔に殺された過去をもつ。戦うことを拒絶する飛翔に自身の過去を語り、彼に戦士としての使命を自覚するよう促す。
玲子とはニューヨークで知り合ったことをきっかけに、彼女の芸能事務所に所属する。恩人的存在である玲子に内心好意を持っているが、最後まで告白することは無かった。「The Hearts」のメンバーの聖人とはストリートギャング時代の友人。
第1話から既に登場しており、ゴッドフェザーの気配を感じて飛翔の様子を伺っていた。
メンバーの中で最も体格が良く背も高いことから、飛翔の元を訪れた際彼のクラスメート達からやや怖がられていた。実はお化けが苦手という一面がある。

鷹城 電光(たかぎ いかずち)/ライディーンホーク

CV:陶山章央/渡辺久美子(幼少期)
逆立った栗色の髪が特徴で、関西弁を話す少年。年齢は飛翔と同い年の15歳。ライディーンホークに変身する。
お笑い芸人になりたいという夢を持っている。実家は大企業でその御曹司だが、「自分の将来は自分で決めたい」と反発して家出してきた。普段関西弁で話すが、お笑い芸人に憧れてこの喋り方にしているとのこと。感情が爆発などすると標準語になる。
基本明るい性格だが、実は水泳が苦手という一面を持っている。小さい頃に友人と川で遊んでいた時、2人揃って溺れてしまいその際友人の腕を離してしまったのがトラウマとなっている。
飛翔を気に入っており、彼と共に「いかちゃんひいちゃん」というお笑いコンビを結成する。飛翔とは仲が良く、何かと彼を気にかけている。西条きらりの大ファンで密かに彼女の写真を持ち歩いている。

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