美女と野獣（ディズニー映画）のネタバレ解説・考察まとめ

野獣に囚われたベルが与えられた部屋からこっそり抜け出すと、ルミエールが晩餐会を率先して行い、歌って踊るシーン。
楽曲『ひとりぼっちの晩餐会 （Be Our Guest） 』が流れるこのシーンは、召使いたちと食器や料理が、ベルのおもてなしをする本作中で最も楽しいミュージカルシーンである。

誰もがウットリするベルと野獣のダンスシーン

野獣はベルの優しさに触れ、日々過ごしていく中で徐々に人間らしい心を取り戻し、ベルもそんな野獣の心に惹かれていく。
そして二人だけの晩餐会を開き、ベルが野獣の手を取りダンスに誘うと、最初は躊躇していた野獣もベルの好リードで見事な踊りを披露する。
メインテーマ曲『美女と野獣（Beauty and the Beast）』に乗せて、シャンデリアの横をカメラがスーッと回り込みながら降りてゆくこのシーンは、この映画で最も代表的なシーンであり、表現手段としてもCGを本格的に導入して話題になった。

『美女と野獣』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

最初の公開でカットされた『人間に戻りたい』

最初の公開時にはまるまるカットされているシーンがある。それは、召使いたちが「人間に戻りたい」と歌うミュージカルシーン『人間に戻りたい（Human Again）』で、その曲の長さがが11分もあり、上映時間が11分も伸びることに難色を示した制作側が決断したそうである。（ちなみにサウンドトラックには楽曲が収録されている）
ストーリー上では、野獣とベルが城で過ごす日々を綴った「愛の芽生え(something there)」と、二人だけの晩餐会で踊る「美女と野獣（Beauty and the Beast）」の間に入るシーンとなり、ワードローブのソロパートがあったり、化粧道具や庭バサミなどここだけでしか見られない家具も登場、さらにベルが字の読み方を野獣に教える場面もある。
2002年のIMAXシアター上映からは追加されている。DVDでもこのシーンが収録されているのは「スペシャル・リミテッド・エディション版」のみである。

ガストン最期のシーンに秘密があった

物語のラストで、ガストンが野獣に探検を突き刺した後、バランスを崩して塔から落下するシーン。
落ちていくガストンの顔が大写しになったほんの一瞬、彼の瞳にご注目。その目にはなんとドクロが映し出されていた。
ちなみにこのシーン、ガストンは塔から落ちてもまだ生きており、その後オオカミに噛まれて死亡するという予定だったのだそう。

野獣は色々な動物がモデルとなっていた

野獣のデザインは色々な動物の部分を組み合わせて考えられたようだ。
顔はバッファロー、眉毛はゴリラ、たてがみはライオン、牙はイノシシ、体はクマ、足と尻尾はオオカミ。
ただし目だけは人間がモデルになっているのだそう。

ベルが他の映画に出演

ディズニー作品には、他の作品のキャラクターが「隠れキャラクター」としてたまに登場することがある。
1996年公開の映画「ノートルダムの鐘」の中で、カジモドの歌う『Out There（僕の願い）』の1シーンになんと「美女と野獣」のベルが登場！
他にも『アラジン』のマジックカーペットと『ライオンキング』のプンパも出ているようなので探してみるとよいかも。

原作小説に関して

原作は二つある

『美女と野獣』は元々フランスの小説で、二人の人物によって書かれている。ディズニーアニメはボーモン夫人によるリメイク版をベースにしているが、元々の原作者はヴィルヌーヴ夫人という人物である。

「ベル」はあだ名

ベルというのはフランス語で「美しい」という意味。ボーモン夫人による原作小説では少女時代は「ベランファン（美しい娘）」というあだ名で呼ばれており、大人になってからベルと呼ばれるようになった。ヴィルヌーヴ版でも「ラ・ベル」の名で語られる。

グリム兄弟もリメイク

『夏の庭と冬の庭』というタイトルで、グリム兄弟もリメイクした。このタイトルは、野獣の城の庭半分に夏の植物、もう半分に冬の植物が生えていたことに由来する。ベルの父がバラを手折ったのは、夏の庭の方だった（劇中は冬で、季節柄バラが手に入らなかった為）。
野獣は妻とする為に娘を要求し、父も「どうせ迎えに来るようなことはない」とたかをくくって口約束をするなど、少々アレンジが加えられている。ボーモン版ではベル自ら父の身代わりとして（恐ろしく思いながらも）城に向かうが、グリム版では野獣の迎えで泣く泣く同行。それでも危害を加えて来ず、むしろ優しい野獣との間に愛情が芽生えるという筋書きになっている。