絵、内容ともに素晴らしい作品。
まず、本作品の特徴として「バトル系、推理系どちでもあること」「主人公が少女であること」があげられる。
「バトル系、推理系のどちらでもあること」
少年誌の王道といえば、キャラクターの個性が光り内容としても迫力のあるバトル系、もしくは内容勝負でありバトル系とはまた違ったカッコよさのある推理系、と考えられるが、本作品はそのどちらも兼ね備えているといっても過言ではない。
作中の「鬼」と呼ばれるものと戦う場面においては、絵の作者である出水ぽすか先生の細やかかつ迫力もある、緊張感がこちらにも伝わってくるような描写がある。
そして、主人公たちが解き明かそうとしている謎については、序盤から伏線として描かれていたりする。この細やかな設定などを考えた白井カイウ先生の物語を作るセンスを出水先生に伝えて作品に反映したとなると、よほど作りこまれた作品なのだろうと感じられる。
「少女が主人公である」
週刊少年ジャンプで連載されており、その中では珍しく少女が主人公である。
しかし、この作品を読み進めていてわかるのが、この少女が主人公でなければ、この素晴らしい作品にはならなかっただろうということ。
その主人公の特徴として、天真爛漫で元気、そして誰よりも愛情深い。彼女の見ていて眩しくなるくらいの明るさ、そしてすべてを包み込むような深い深い愛は、彼女の周囲にいる登場人物だけでなく、読者である私たちもその世界にいる人間であるのかと錯覚してしまう程に引き込まれてしまう。
作品自体、かなり素晴らしい漫画であるが、この主人公なくしてこの素晴らしい作品はないだろうと感じられるほどである。
ぜひ、本作品を読んでいただき彼女の魅力に触れていただきたい。