ファンタジー感のある世界観の中で、サスペンドやホラーの要素が盛り込まれたスリルがたまらない
独特な世界観の中で繰り広げられる心理戦が非常に面白い。
大人や鬼など明らかに格上の相手とのやりとり、先の読めない展開、銃やナイフといった武器を使用したバトルの臨場感など楽しめる要素がつまっている。相手をいかに少ない戦力で騙し、打ち倒すのか。度々の「絶望」に立ち向かい打ち勝っていくその頭脳戦がたまらなく面白い。
心理戦にありがちである、文字数の多さがまったく感じられず、要点を絞って簡潔に記載されており非常に読みやすく、ストーリーの進行が比較的スムーズで、数巻読んだだけ非常に充実感がある。
とある孤児院で育てられた主人公の女の子エマと、その友人ノーマンとレイが中心となって話が進んでいくのだが、それぞれ愛嬌があり、個性的である。主人公たちはみんな仲間想いで、信頼と愛情がヒシヒシと伝わってくる。全体的に暗いストーリーだが、主人公たちの純粋さと清々しさが暗い雰囲気をいい具合に中和してくれる。『約束のネバーランド』の心理戦は、仲間と力を合わせて、考え抜き、準備して、勝利する。ジャンプの漫画では、主人公が強敵を打ち倒すケースが散見されるが、約束のネバーランドでは、敵の強さが圧倒的であることから主人公ではなく、仲間で力を合わせて状況を打破していくため、ヒヤヒヤ感が他の漫画と比較して強く感じられる。