「進撃の巨人」を通して学べること
「正義と悪魔」と聞いて一体どんなイメージを思い浮かべるだろうか。
悪魔は誰かを傷つけ、大事なものを奪う「悪者」で、正義は悪い者と闘い、常に正しいことを唱え続ける「善人」といったイメージだろうか。
では人間は善悪を判断できる裁量を持ち合わせているのだろうか。
私達は何気ない日常の中で「あの人はおかしい」「あの人は間違っている」という判断を下すことがある。
それは自分のもつ常識や習慣と異なっているからこそ抱く気持ちなのかもしれない。
しかし、相手にも相手の常識や習慣がある。それらがぶつかった時、どちらが正しいという結果は果たして存在するのだろうか。
人には得体のしれないものを排除しようとする習性があるらしい。
自分自身には理解できない考えをもつ人に対してその習性が発揮された時、争いが生まれるのだろう。
この作品では主人公目線の話と、敵国目線の話の両方が存在する。
それを見るとお互いに守るべきものや信念があることが分かる。
そして、この作品では人どうしで理解し合うには限界があるということがはっきりと描かれている。
お互い話し合って完全に理解し合うことができればそれが最善の策なのだろうが、恐らくそれは実現不可能なのだということがこの作品を通じて理解することができる。
綺麗事だけでは終わらないのがこの作品の大きな特徴だ。
「正義とは一体何なのか」「理解し合えないことがある中で人とどう付き合っていくか」ということをこの作品を通して深く考えることができると私は感じている。