
『レッドタートル ある島の物語』(レッドタートル あるしまのものがたり)は、2016年のアニメーション映画。日本、フランス、ベルギーの3か国による合作で制作された。全編にセリフは一切存在しないが、生と死、自然との共存、そして人間が辿る人生のサイクルを美しく描く。言葉を用いずに文学的表現を成し遂げた手腕が高く評価され、第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門特別賞など、多くの映画賞にノミネートされている。

男の前に現れたウミガメ
赤く大きな体をしたカメで、物語の軸となる生き物。当初は脱出を阻み「自然の脅威」や「運命の壁」のような形で男の前に立ちはだかるが、後に女へと姿を変えることで、「愛」「命」「自然との調和」といったポジティブな象徴へと変わっていく。
また、男が怒りに任せてウミガメを棒で殴り、傷つける行為は、人間が自然を破壊する姿を表しているとされる。そしてウミガメが女に姿を変えた後の献身的な看病と彼女への愛情は、自然を慈しみ、共存していくことの意義を示唆している。
イカダ

男が流れ着いた無人島から脱出するために何度も作っていた、竹や朽木を集めて作った簡易的な船。孤独で絶望的な状況からの脱出、そして自然に抗おうとする人間の姿を表している、作中でも屈指の象徴的な意味を持つアイテム。
壊される度に男は絶望するが、それは彼が抗うことをやめ、「孤独や絶望を受け入れて強くなる」ことや「自然との共存」という、新たな人生を受け入れるための通過儀礼でもあったと考えられる。
カニ

作中に何度も登場する、小さくかわいらしいカニの群れ。自然界の「生命」や「日常」を象徴している存在で、主人公たちの近くで自由に動き回る姿は、人間も自然の一部であるということを表している。
『レッドタートル ある島の物語』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
男を看取ってウミガメとして海へ帰っていく女

ウミガメに戻り、一人海へ帰っていく女
息子も一人立ちして女と2人の穏やかな日々を過ごし、やがて年老いた男は、夜空の中の美しい月を見上げながら、その人生の幕を下ろした。女は悲しみつつも愛おしげにもう動かない彼の手に触れ、そしてウミガメの姿に戻って、夜明けを迎えた海へと帰っていく。
当初、自然に抗って島からの脱出を試みていた男は、女と出会って家族となり、自然と共存する道を選び取った。男の死は決して悲劇として描かれていないことから、満たされたままその一生を終えた、と解釈できる。
ひとり生きている女がウミガメの姿に戻って海へ帰っていく姿も、男の魂も自然の一部として女と共に海に還ったと考えることもできる、美しいラストシーンである。
『レッドタートル ある島の物語』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
本作に明確なセリフがない理由は「世界中のあらゆる文化圏の人々に、物語の本質をダイレクトに伝えるため」
この映画に明確な言語でのセリフがないのは、言葉の壁をなくし、世界中のあらゆる文化圏の人々に、物語の本質をダイレクトに伝えるという意思の元で制作されたからだという。本作でメガホンを取ったマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットは、言葉に頼らない「映像の力」だけで、感情や哲学、文学的な情景を表現することにこだわり抜いた。こうしたヴィットの手法は好評を博し、カンヌ国際映画祭、アニー賞などで数々の受賞歴を残し、言語を超えた感動を多くの観客に届けることになった。
錚々たる顔ぶれで制作された本作『レッドタートル ある島の物語』
本作『レッドタートル ある島の物語』は、フランスのプリマ・リネア・プロダクションズがアニメーションの制作を、日本のスタジオジブリ、ベルギーのベルビジョンが製作を担当している。ジブリ作品という括りではあるが、本作の監督を務めたのはオランダ出身のアニメーション作家、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。このほか、フランスの映画監督で脚本家のパスカル・フェランが脚本を担当し、スタジオジブリの高畑勲がアーティスティックプロデューサーとして製作に参加した。それぞれの分野において高い評価を得ている錚々たる顔ぶれが、この度スタジオジブリ映画の元へと集結して出来上がった作品となっている。
監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット

画像右が監督を務めたマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
本作で監督を務めたマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットは、2000年に発表した『岸辺のふたり』で第73回アカデミー賞の短編アニメ賞を受賞している、超実力派のオランダ人アニメーター。今回の『レッドタートル ある島の物語』が初の長編アニメーション監督作品となり、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの強い推薦によって今回の監督就任が決まったといわれている。
アニメーションのほかには絵本なども手掛けており、日本でも多くのマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の作品に触れることができる。

マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが絵本作家のテオと手掛けた絵本『オスカーとフー』表紙
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが絵本作家のテオと手掛けた絵本『オスカーとフー』。夢見がちなオスカーがある日砂場で迷子になってしまう物語で、作品が持つ優しい物語のリズムは、監督の持つ作品の雰囲気に共通しているのかもしれない。
脚本:パスカル・フェラン

脚本を担当したフランスの映画監督パスカル・フェラン。
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目次 - Contents
- 『レッドタートル ある島の物語』の概要
- 『レッドタートル ある島の物語』のあらすじ・ストーリー
- 無人島にたどり着いた男
- ウミガメから生まれた女
- 息子の誕生と男の人生の終わり
- 『レッドタートル ある島の物語』の登場人物・キャラクター
- 男(おとこ)
- 女(おんな)
- 息子(むすこ)
- 『レッドタートル ある島の物語』の用語
- ウミガメ
- イカダ
- カニ
- 『レッドタートル ある島の物語』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 男を看取ってウミガメとして海へ帰っていく女
- 『レッドタートル ある島の物語』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 本作に明確なセリフがない理由は「世界中のあらゆる文化圏の人々に、物語の本質をダイレクトに伝えるため」
- 錚々たる顔ぶれで制作された本作『レッドタートル ある島の物語』
- 監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
- 脚本:パスカル・フェラン
- アーティスティックディレクター:高畑勲