バイオレンスジャック(永井豪)のネタバレ解説・考察まとめ

『バイオレンスジャック』とは、永井豪とダイナミックプロによるポスト・アポカリプス漫画。『週刊少年マガジン』にて1973年から1974年まで、『月刊少年マガジン』にて1977年から1978年まで、『週刊漫画ゴラク』にて1983年から1990年まで連載された。約17年間に渡る連載期間は永井豪作品最長であり、多くの永井キャラクターが共演したことでも知られる。巨大地震で分断された無法地帯関東で逞しく生きる少年たちと、彼らを見守る謎の存在バイオレンスジャックとその敵スラムキングとの戦いを描いた作品である。

カッパのような男(カッパのようなおとこ)

炎魔の仲間で、アクアラングを背負っていることから海中戦を得意にしている。炎魔とともにバイオレンスジャックに倒された。元ネタは、『ドロロンえん魔くん』に登場したカパエル。

サタン

スラムキングの真の正体で、もう1つの顔は飛鳥了。かつて地球で「最終戦争」を起こしてデビルマン軍団と激闘を繰り広げた堕天使であり、デビルマン不動明(ふどうあきら)を殺害して地球を滅亡させたことを激しく悔いて、自らは人犬の姿になっていた。7人のハニーが了救出作戦に失敗し、さらにスラムキングがバイオレンスジャックに倒された後正体を現し、大魔王ゼノンを呼び寄せ再び世界を滅ぼそうとする。

デビルマン/不動明(ふどうあきら)

かつてデビルマン軍団を率いてサタンとの「最終戦争」を戦ったキャラクターで、バイオレンスジャックの正体。サタンに殺害されたデビルマンだったが、その行為を後悔したサタンがバイオレンスジャックとして再生させた。3人のジャックが合体することでデビルマンとしての姿を現すことができ、再び地球を無に帰そうとするサタンを食い止めた。平和が訪れた関東に再びバイオレンスジャック、デビルマンが姿を現すことはなかった。

『バイオレンスジャック』の用語

関東地獄地震(かんとうじごくじしん)

「関東地獄地震」で湧き上がった黒煙

『バイオレンスジャック』の物語の根幹となった天変地異。19××年(連載開始当時は197×年)9月10日13時30分に発生しており、地震の規模を表すマグニチュードは8.9だった。この地震の影響で関東地方に巨大な地割れが生じて、他の地域と分断された。東京都と埼玉県が春日部市から相模原市にかけて生じた地割れの影響で南北に分断されたほか、茨城県南部と千葉県北部が海が迫ったことで沈没し、その結果房総半島が孤島となった。また、火山の活動も活発化し、丹沢山・天城山・箱根山が噴火した。自然災害はもとより、火災や交通事故などの都市災害も多く把握しきれないほどの日本国民が死亡した。その後も断続的に余震が起きており、日本政府は関東復興を諦めて遷都を実行する。国に見捨てられた土地となった関東は無法地帯と化し、ならず者たちが暴力で幅を利かせつ危険な場所へと変貌してしまった。なお、関東から脱出するには最低でも1人100万円必要だと言われており、無法地帯関東でその費用を捻出するのは至難の業だった。また、他の地方の者たちが関東へ進入するのも命懸けの行動である。

ドラゴン

ドラゴン重騎馬軍団

スラムキングの配下である騎馬軍団の総称。スラムキング自身も「関東の魔王」と呼ばれる強者だが、ドラゴンには名うての兵士たちが揃っていることで、スラムキングが関東を牛耳るほどの権力を持つ要員の1つである。ドラゴンが前線で戦闘することでバイオレンスジャックや逞馬軍を大いに苦しめた。物語内で確認されている主なドラゴン部隊は次の通り。「ドラゴン重機馬軍団」、「ドラゴン二天疾風隊」、「ドラゴン黒雲隊」、「ドラゴン紅竜隊」、「ドラゴン鬼面隊」、「ドラゴン魔獣隊」、「マッドドラゴン」、「ドラゴン黒風隊」、「ドラゴンテール」、「ドラゴン黄竜隊」、「ドラゴン百鬼隊」、「ドラゴン九龍隊」

外道会(げどうかい)

無関係な子供たちを人質にして逞馬竜を降伏させようとする外道会の構成員

「関東地獄地震」を生き残ったヤクザたちで構成された組織。しかしながら、義理を重んじる任侠の精神を持った者は皆無で、弱者を食い物にすることで任侠の世界から見捨てられた外道たちが組織を運営している。極悪非道な振る舞いを躊躇なく行え、それでいて上位の暴力者には歯向かわないため、スラムキングには服従している。スラムキングからは、彼が直接手出しできないような案件を任されていた。地震前のヤクザ組織と同様に、傘下組織を抱えている。

『バイオレンスジャック』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

バイオレンスジャック「ここのめし代は暴力ではらおうぜ」

無銭飲食に逞馬竜を巻き込んだバイオレンスジャック

バイオレンスジャックは、大人から魚を奪われそうになった逞馬竜を助けた。その後ジャックは逞馬をスラムキングの店へ連れて行き、豪華な食事を堪能させた。ところが彼は食事代を持っておらず、逞馬を驚愕させた。そして「ここのめし代は暴力ではらおうぜ」と宣言する。ジャックはキングの店で大立ち回りを演じ、スラムキングから目を付けられることになった。隣にいた逞馬も同様にスラムキングの敵に認定された。一見無謀に見えるジャックの行動と言動だったが、この後逞馬は知恵を振り絞って追手ドラゴンを退け、一気に他のグループも含めた孤児たちのリーダーへと成長していく。後の逞馬軍へと続く流れを作ることがジャックの意図だと考察されていて、ジャックが逞馬の潜在能力と勇気を引き出した名言と評されている。

バイオレンスジャックと早乙女門土の激闘

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