まことちゃん(楳図かずお)のネタバレ解説・考察まとめ

『まことちゃん』とは、楳図かずおによる漫画。『週刊少年サンデー』にて1976年から1981年まで連載された。続編的な位置付けの『超!まことちゃん』も存在する。恐怖漫画家の楳図かずおが、ホラーの手法を用いつつもハイテンションのギャグを生み出したことで大ヒットを収め、『がきデカ』と共に1970年代を代表するギャグ漫画として認知されている作品である。幼稚園児の主人公沢田まことが、通っている聖秀幼稚園や沢田家などで大騒動を巻き起こす様子と、それに巻き込まれた人々が描かれている。

架空の菓子メーカー松長製菓のイメージキャラクター。ざんぎり頭と鼻水、そしてマッチョな肉体が特徴。「のほほマン」というライバルがいる。

作者(さくしゃ)

CV:楳図かずお

『まことちゃん』の原作者。手塚治虫や石ノ森章太郎など、自作品に自分を登場させる漫画家は多数いるが、楳図かずおの場合は本編の中で自分の出演番組やイベント情報を告知する役割をしており、自身のパブリックイメージの確立と人気拡大に繋がった。当初は普通の服装で登場しており、次第に派手なものへと変貌し、「KAZZ」と書かれた帽子をかぶるようになった。

『まことちゃん』の用語

沢田家(さわだけ)

年頭のあいさつをする沢田家

沢田家は高田馬場に庭付き一戸建てがあり、そこで家族6人と猫1匹が暮らしている。庭には桜の樹が植えてあり、かつてこの桜はまことの命を救ったことがあった。沢田家では定期的に家族会議が開かれるほか、相撲大会・ピクニックなど家族行事も盛んに行われており、実は一家の結束力が強いことが窺える。しかしながら、近所からは「アホの沢田屋敷」と呼ばれている。

聖秀幼稚園(せいしゅうようちえん)

まこと虫を連れた幼稚園服姿のまことちゃん

まことが通っている幼稚園。聖秀大学の系列で、教育実習生が送り込まれていることが判明した。建物の屋根に十字架があることで宗教系の幼稚園だと思われる。まことたち園児はもとより園長先生をはじめとする教師陣もぶっ飛んでいる。

ビチグソ

頭にビチグソを乗せたまことちゃん

『まことちゃん』には、頻繁にウンコが登場する。本編内では「ビチグソ」と呼ばれており、後にイメージソング「ビチグソロック」が発売されるほどファンの間で浸透した。また、まことはウンコのことを「とぐろ虫」とも呼んでいる。

『まことちゃん』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

グワシ

「グワシ」のポーズを取るまことちゃん

『まことちゃん』は、いくつかの流行語を生み出したギャグ漫画であるが、最も有名な流行語が「グワシ」である。「グワシ」は、手の中指と小指を内側に折り曲げた状態で手の平を見せて、ポーズを取りながら「グワシ」と言うのが一般的なスタイルとされている。本編内では、まことが他のキャラクターに向けて「グワシ」をしたシーンは存在せず、読者に向けて「グワシ」をすることが多かった。沢田家一同で読者に向かって「グワシ」をしたシーンもあり、多くの読者にインパクトを残した名場面だと評されている。

サバラ

「サバラ」のポーズを取るまことちゃん

手の中指と薬指を内側に折り曲げた状態で手の平を見せてポーズを取り、「サバラ」と言うのが様式とされた。語源は、「さらば」の言い間違いと言われている。まことちゃんの本編内では、別れのシーンなどで「サバラ」が用いられた。「グワシ」と同様に漫画内のキャラクターではなく読者に向けて「サバラ」をするシーンが多く、真剣な表情のまことと相まって『まことちゃん』の名場面の1つだと言われている。

まこと「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくちゃん…とぐろ虫!!」

とぐろ虫を出そうとふんばるまこと

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