三千円の使いかた（小説・ドラマ）のネタバレ解説・考察まとめ

御厨家の人々

御厨美帆（みくりやみほ／演：葵わかな）

本作の主人公、御厨家の次女。東京の下町エリアで生まれ育つも、就職を機に独立し、都内のおしゃれエリアで一人暮らしを始める。勤務先はIT関連企業で、手取りは25万円。同年代と比べて収入は高いほうだと自負しており、自慢の恋人・大樹との素敵な生活のためには支出を惜しまない。マンションの家賃は8万円、デートの際はデパ地下でおしゃれなお惣菜を購入、仕事の際は毎日カフェのコーヒーをテイクアウトなど、贅沢な生活を満喫しており、貯金額は30万円ほどだった。幼少期には祖母・琴子からもらった三千円のお小遣いをすぐにパンケーキと漫画に使ってしまったというエピソードが紹介されており、もともとは「今が楽しければそれでいい」という価値観の持ち主だったようである。そんな彼女だが、慕っていた先輩社員の思いがけないリストラと、保護犬を引き取りたいという夢を見つけたことから、自身のお金の使い方を考え直すことになる。
美帆は、過去に自分が面倒を見なかったことで飼い犬が失踪し、保健所で殺処分されてしまったことに罪悪感を抱き続けていたのだ。
一軒家を購入しないと保護犬と暮らせないことに気がついてからは、姉・真帆や祖母・琴子を頼り、節約生活を開始する。理想としていたおしゃれな生活を手放して実家に戻ることにするなど、夢のために努力する素直で一生懸命な性格である。
「女性はどうせいつか仕事を辞める」という大樹の発言に違和感を持ち、自分自身で一軒家を建てることを目標とするなど、「女性でも男性に頼らず働いて夢を叶えるべき」という価値観の持ち主である。

御厨琴子（みくりやことこ／演：中尾ミエ）

美帆と真帆の祖母で和彦の母。夫が残した1000万円の遺産をコツコツ増やし、念願だったマッサージチェアを購入するも、その後は生きがいを無くしてしまう。結婚当初より家計簿をつけるまめな性格で、孫娘たちに「三千円の使い方で人生が決まるよ」とアドバイスするなど、貯蓄や節約の意識はかねてより高いことが伺える。家族の心配を振り切ってシニア向けのバイトに応募したり、惣菜デリバリーのサービスを開始したりと、77歳という年齢の割にかなり行動的な性格。孫娘である真帆と美帆の良き相談相手というだけでなく、園芸友達である安生や美帆の恋人の翔平など、多くの若者のアドバイザー的な存在である。

御厨智子（みくりやともこ／演：森尾由美）

真帆と美帆の母。バブル期をOLとして過ごし、専業主婦として二人の娘を育て上げた。習い事を楽しむアクティブな性格で、習い事仲間からはおせち教室をお願いされたりと、交友関係は広い。家では家事全般を担当しているが、口数が少なく一切家事をしない夫・和彦に不満を募らせている。初期のガンとなり療養が必要な自分を和彦が一切気遣わなかったこと、学生時代からの親友・千さとが熟年離婚に踏み切ったことをきっかけに、自身の離婚についても具体的に考え始める。我が子に借金を押し付けても悪びれない翔平の両親に対しては怒りを爆発させるなど、言いたいことははっきり言う性格である。

御厨和彦（みくりやかずひこ／演：利重剛）

御厨家の父。定年退職を間近に控えた会社員である。「男は黙って外でお金を稼いでくるべき」という価値観の持ち主であったため、家での口数は少なく、家事も一切してこなかった。しかし、実はうまく態度に表せていないだけで、妻・智子との旅行のために何十年も毎月3000円を積み立てているなど、感謝も愛情も人一倍感じている。智子との離婚騒動を乗り越えてからは徐々に口数が増え、美帆が破局状態だった恋人・翔平のポスターを見に行きたいと言った際にはついて行くことを申し出た。息子に黙って教育ローンを借り、その返済を押し付ける翔平の両親には厳しい態度で接するなど、父親らしい頼りになる一面も持ち合わせている。

井戸家の人々

井戸真帆（いどまほ／演：山崎紘菜）

御厨家の長女で美帆の姉。消防士の太陽と結婚し、3歳になる一人娘・佐帆を育てている。夫の収入は手取り25万と決して高くはないものの、結婚後は勤めていた証券会社を退職して現在は専業主婦である。1000万円を貯金することを目標に掲げ、ポイ活と日々の節約で600万円の貯金に成功した。
幼少期、琴子から三千円のお小遣いをもらった際には、すぐには使わず貯金して欲しかった財布を購入したというエピソードから分かる通り、しっかりもので計画的な性格である。
一方で、証券会社のきついノルマに耐えられず、逃げるように結婚して仕事を辞めたことに引け目を感じ、夫は仕事で参っている自分を見かねて同情心からプロポーズしてくれたのだと思い込んでいる。
琴子がバイトをすることになった際や妹の美帆の婚約話がこじれた時には、心の底から心配したり怒ったりしており、非常に家族思いである。

井戸太陽（いどたいよう／演：堀井新太）

真帆の夫で佐帆の父。高校卒業以来、消防士として働いている。消防署のポスターのモデルに選ばれるほどの爽やかな外見で、その名の通り太陽のように明るい性格でみんなから愛されている。結婚前は真帆にプロポーズする機会をずっと伺っており、真帆が仕事で弱っているところを見計らって結婚の話を切り出した。収入は決して高くないが、家事や育児をよく手伝う良い父親である。

井戸佐帆（いどさほ／演：泉谷星奈）

太陽と真帆の3歳になる一人娘。真帆の節約の方針により、欲しいおもちゃがかってもらえず我慢を強いられる場面も。人懐っこい性格でみんなから可愛がられている。

その他の登場人物