ゼーリエ(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

ゼーリエとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。1000年以上前から生きているフリーレンをも子供扱いする、神話にも等しい時代に生まれたエルフの大魔法使い。
全知全能の女神にもっとも近いとされる力の持ち主で、大陸魔法協会の創始者。苛烈にして尊大な性格だが高慢ではなく、格下のものであっても聞くべきと判断した意見は素直に聞き入れる。フリーレンとは大師匠と孫弟子の関係にあるが、魔法使いとして目指す方向性が違うため仲はあまり良くない。

大陸魔法協会は、命の危険もあるいくつもの試験を突破した魔法使いに「一級魔法使い」の資格と、ゼーリエの持つ魔法をどれでも1つ譲渡するという特権を与えていた。ある時、3年に1度の一級魔法使い試験が行われ、フリーレンとその弟子で人間の魔法使いのフェルンがこれに参加。自身が試験会場に張った結界を破られたことでゼーリエは「フリーレンが参加している」ことに気付き、1000年振りの再会に感慨深いものを覚える。
人間の魔法使いと比べて技術も魔力量も桁外れに優れたフリーレンが参加したことで、今回の一級魔法使い試験が「正確に参加者の技量を測る場に成り得ない」と判断したゼーリエは、最後の試験を急遽自身との面接に変更。個々に呼び出される参加者たちの面構えを見て、魔力の量を見て取り、その資質を見極めて合否を出していった。

フリーレンに対しては、彼女がフランメの対魔族用戦法を受け継いでいることを理由に、実力を無視してあっさりと不合格を出す。フリーレンはこれをあっさりと受け入れるも、「フランメの教えてくれた魔法が自分をヒンメルたちと引き合わせ、ゼーリエにもできなかった“魔王討伐”のきっかけとなった」、「自分を不合格にするのは勝手だが、あなたはフェルンを不合格にすることはできない」との言葉を告げていく。
果たして次に面接したフェルンは、レルネンすら見破れなかった“ゼーリエの魔力制御”を一目で見破る。ゼーリエは「フランメもフリーレンも超える才能の持ち主が現れた」と狂喜し、自分の弟子になるようフェルンを勧誘。自分はすでにフリーレンの弟子であるとの理由から断られるが、彼女の優れた才覚を認めて試験は合格させる。

その後フェルンは一級魔法使い試験突破の特権として「服の汚れをきれいさっぱり落とす魔法」を要求。その才覚に見合わぬ“日常生活が少し便利になる”魔法を求められたことに愕然としながらも、特権は特権としてこれを与える。一方、フランメとの確執を引き継いだ形となるフリーレンに対しては「今後1000年大陸魔法協会の敷地に立ち入るな」とのメッセージを伝え、「子供みたいなことをする人だ」と彼女を呆れさせた。

ゼーリエ暗殺計画

大陸北部にある帝国で健国際が催され、大陸魔法協会の長であるゼーリエもここに招かれる。しかし帝国は大陸魔法協会の存在を疎んじており、この機会にゼーリエを暗殺してしまおうと画策していた。
スパイからの報告でそれを知った大陸魔法使い協会の魔法使いたちは、ゼーリエを守るために動き出す。これに合わせ、ゼーリエ自身も部下に指示を出しつつ、自身は泰然としながら帝都アイスブルクを来訪する。

ゼーリエ(葬送のフリーレン)の関連人物・キャラクター

フランメ

その優れた才覚に注目し、1000年以上前に育てた弟子。当時魔法はエルフと魔族の専売特許であり、フランメは一番最初に“正式な魔法使いから魔法を学んだ”人間となった。名言されてはいないが、ゼーリエの弟子となった時点で孤児だったようである。「きれいな花畑を出す魔法」のような、日常を少しだけ彩る魔法を誰もが使える世界を作りたいと常々語り、魔法使いを特別視するゼーリエを辟易とさせていた。
ゼーリエはフランメの資質に大きな期待を寄せていたが、彼女は魔族との戦いに特化した魔法使いになるべく、それが純粋な魔法使いとしての成長を阻害することを承知で師の教えた技術をアレンジしていく。さらに人間の国家に制度としての魔法使いを根付かせるために尽力し、人間たちの間に“一般的な文化もしくは戦闘技術としての魔法”を広めていく。このどちらもが「フランメは自分に並ぶ魔法使いになる」、「魔法は才能ある者だけが使える特別なものである」との想いを抱いていたゼーリエを激怒させ、同時に失望させることとなった。

上記の経緯からゼーリエはフランメに良い印象は持っていないが、一方で大切な弟子の1人として今でもしっかり覚えており、どのような心境の変化か最初はあっさりと却下した「人間たちに魔法の指導をしてほしい」という彼女の遺言を1000年後には叶えている。フランメはゼーリエの性格も、自身が師の期待を裏切ったこともよくよく理解した上でなお彼女を尊敬し、弟子としての最低限の礼節はきちんと尽くしている。
なお、フランメは「自分やゼーリエには魔王は倒せない」とも分析しているが、これは実力的な問題というより「自分たちには魔王を倒した後の“平和な時代”が想像できない」からだとしている。

renote.net

フリーレン

フランメの弟子。ゼーリエはフランメに引き合わされる形でフリーレンと出会い、彼女の実力を認める一方で「野心が無い、その才を活かし切るほどの魔法使いにはなれない」と断言している。
フランメの死後は長らく関係が断絶するが、彼女が大陸魔法協会の試験に参加したことで再会。フリーレンがフランメの編み出した対魔族特化の修行をずっと続けていることを知り、ゼーリエは自身とフランメの確執をそのまま当てはめて彼女を毛嫌いする。フリーレンは自分が嫌われていることもその理由も理解しているが、ゼーリエが内心ではフランメを含む今まで育てた全ての弟子を大切にしていることも承知しており、「子供みたいな人」、「困った人」だと語っている。

renote.net

レルネン

大陸魔法協会で初の一級魔法使いに認定された人間。非常に優れた魔法使いで、ゼーリエは「純粋な魔法戦であればフリーレンと互角以上に渡り合える逸材、戦乱の時代に生まれれば間違いなく歴史に名を残す英雄になった」とレルネンを高く評価している。
レルネンは不満や怒りを隠そうともせずに振る舞うゼーリエに振り回されてはいるが、彼女を師として誰よりも尊敬し、最大限の敬意をもって接している。

フェルン

フリーレンの弟子で、人間の魔法使い。レルネンですら見破れなかった“ゼーリエの魔力制御”を初見で見破った、作中で唯一の人物である。
そのかつてないほどの才能を知ったゼーリエは、「未だ魔法使いが辿り着いたことのない高みへと連れていく」と言ってフェルンに自分の弟子になるよう提案するが、「自分はもうフリーレンの弟子である」との理由から断られている。

renote.net

ゼーリエ(葬送のフリーレン)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「これだから魔法使いは止められん。魔法の世界では天地がひっくり返ることもある」

一級魔法使いの会場に張った自身の結界が破られたことを感知したゼーリエは、それがフリーレンによって成されたことを魔力の反応からあっさりと言い当て、「これだから魔法使いは止められん。魔法の世界では天地がひっくり返ることもある」とほくそ笑む。
このシーンはゼーリエの初登場の場面でもあり、自ら張った結界を破られてなお「おもしろい」とばかりに笑う彼女の底知れない実力が感じられる。

「何故か私は弟子を取って後悔したことは一度も無いんだ」

1000年振りにフリーレンと顔を合わせた際、彼女から「どうしてそんなにフランメのことを毛嫌いしているのに、彼女が大好きだった花畑を出す魔法で部屋を飾っているのか」と尋ねられたゼーリエは、言葉を選ぶように「フランメは失敗作だった、あれだけの才を無駄にした」と語り出す。しかし「たくさん弟子を育ててきた。誰もが私の足元にも及ばなかったが、1人1人の性格も好きな魔法も鮮明に思い出せる」と言葉を続け、「自分が期待したようには育たなかった者であっても、弟子との思い出は忘れられない」との本心を垣間見せる。
「何故か私は弟子を取って後悔したことは一度も無いんだ」とは、この際にゼーリエが口にした言葉である。突き放しているように見えて、彼女がどれだけ弟子を大切にしているかがよく分かる。

YAMAKUZIRA
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水鏡の悪魔/シュピーゲル(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

水鏡の悪魔/シュピーゲル(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

水鏡の悪魔(シュピーゲル)とは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場する魔物の一種。一級魔法使い試験の二次試験では、この魔物を攻略するために本来競争相手である参加者たちが手を組むこととなった。 自分に近づいた人間の複製体を作り出し、これを操る力を持つ。この複製体は元となった人物とまったく同じ力を持つ上に、水鏡の悪魔の魔力が続く限りいくらでも作ることが可能。作中では零落の王墓と呼ばれる迷宮の最深部に巣食い、魔王討伐の英雄フリーレンの複製体を作って猛威を振るった。

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血塗られし軍神リヴァーレ(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

血塗られし軍神リヴァーレ(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

血塗られし軍神リヴァーレ(ちぬられしぐんしんリヴァーレ)とは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。人類側にもその名を広く知られた大魔族で、「魔族最強の戦士」を自負する猛者。 数百年を生きる大物魔族たちを前に自身を「老いぼれ」と称するなど、魔族としても非常に長命の人物。戦闘狂的な気質を持ち、強い戦士との戦いには嬉々として臨む。主要人物の1人であるシュタルクの故郷の村を襲撃し、彼以外の一族を皆殺しにした。

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ヴィアベル(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

ヴィアベル(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

ヴィアベルとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。魔王軍残党と長年戦い続けてきた北部魔法隊の隊長であり、その経歴に見合う高い戦闘能力を持つ。 強面で言動も荒々しく、必要だと判断した殺しは躊躇なく実行する。しかし不要な戦いは避けるなど軍人としては良識的で、戦いを離れれば面倒見の良さや気配りの上手さを発揮する二面性のある人物。一級魔法使い試験に参加した中でも屈指の猛者として注目される一方、主人公フリーレン一行の戦士シュタルクを熱心に自軍にスカウトする。

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フェルン(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

フェルン(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ

フェルンとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。勇者と共に魔王討伐を果たした僧侶ハイターに引き取られた戦災孤児で、彼の死後は同じく勇者一行の一員であるエルフの魔法使いフリーレンの弟子となった。 フリーレンも認める素質の持ち主で、十代前半にして「1人前の魔法使い」へと成長。普段はだらしないフリーレンの私生活を支え、約束を破ると叱るなど一行の母親役を務める。旅仲間のシュタルクに対しては信頼と好意を寄せているが、後者については自覚していない。

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